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真・恋姫†無双~二人の王佐~一章第四話「桂花VS華琳パート1そして母達の心配事」

syoukiさん

二発目です!今回は桂花と華琳の初めての戦い、そして子供達の将来のことで悩む母親達の話の二本立てです。

2011-01-14 16:31:56 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:13020   閲覧ユーザー数:10034

注意!作者は三国志に詳しくありません。主な知識は恋姫からです。

 

 

ちなみにこの作品にはオリキャラを何人か出そうと思っています。

 

 

そしてキャラの仕官時期が違ったり所属が違ったりするかもしれません。(そのあたりはまだ未定です。)

 

 

あと一刀にオリジナル設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

 

それと一刀には前世の記憶がありません。

 

 

ですが一度読んでみてください!それで「おもしろい」と思ってさらに読み続けていただけたらうれしいです。

王佐の才>

 

『帝王を補佐するにふさわしい才能、又はそれを持つ者のこと言う。(辞書引用)』

 

 

 

 

 

これは、平和な世を作ろうと乱世を駆け抜けた双子の男女の物語りである。

庭に着くとそこには既にお茶と点心が用意されていた。それに町に行っていた琴と蘭花が戻っていたので自己紹介をした。その時に、琴が空夜に武を教えてもらっているといったので琳奈が、

 

「へ~あなた空也君に教えてもらってるんだ!なら手あ「させないわよ」もう、なんでよ!!どれ位出来るのかお姉さんが見てあげよと思ったのに」

 

そう不機嫌そうに言う琳奈に凛花は怒りながら、

 

「駄目よ、貴女はあまり手加減とか出来ないんだから。忘れたの?昔手合わせした部下を半殺しにして問題になったの」

 

「あの~」

 

「大丈夫よ、あの時は全盛期だったからだけど今は退いて偶に賊討伐で出るくらいだから。それに私だって手加減ぐらいできるようになったわよ!」

 

「駄目ったら絶対駄目よ!この子はうちの大事な戦力なんだから戦でもないのに怪我をさせられないわ!」

 

「わかったわよ。もう、しょうがないわねじゃあ貴女がもう少し強くなったら手合わせしましょうね♪」

 

「あ、はい。その時はよろしくお願いします!」

 

琴は何かを言おうとしていたが凛花と琳奈の言い合いについていけずそう答えただけだった。

 

 

そうしてひと悶着あった後、春蘭が点心を食べたいと言ってきたので軽く食事をし、当初の予定通り大人と子供に分かれての交流会を始めた。

~子供達~

 

「よ~し、それじゃあ何して遊ぼうか?」

 

琴が言うと春蘭が元気よく

 

「鬼ごっこがいいぞ!」

 

と元気に答えた。

 

「皆もそれでいいかな?」

 

「「「「「は~い」」」」」

 

ということでまずは鬼ごっこで遊ぶことに決まった。鬼は最初は琴がやり、そのあとは最初に捕まった子が鬼になり楽しく遊んでいった。みんな初めは遠慮気味だったが遊んでいくうちにほぼみんな打ち解けていったようだった(約一名ほどある人物に対し敵意を密かに向けてはいたが・・・)

その後にかくれんぼ、球当てと楽しく遊んでいたが城の外に行く事になったので次の遊びで最後になったが、次に何で遊ぶかで問題が発生した。

 

「最後はおままごとをするのよ!」

 

「いいえ、次にやるのは項羽と劉邦ごっこよ」

 

揉めていたのは桂花と華琳だった。桂花はおままごとがしたいと主張し、華琳は項羽と劉邦ごっこ(ヒーローごっこのようなもの)をやりたいと主張しているので何で遊ぶか決まらないでいた。

 

「項羽と劉邦ごっこなんてただ木の棒で打ち合うだけの野蛮な遊びじゃない!そんな遊びを選ぶなんてあなた馬鹿じゃないの?」

 

「馬鹿って、あなたのほうこそ擬似家族を演じるだけの遊びをよく選んだものね。私にはあんな遊びのどこが面白いのか全く理解できないわ!」

 

「なんですって!」

 

「それに仮におままごとに決まったとして父親役と母親役は一体誰がやるのかしら。父親役は一刀がやるとして母親役は誰がやるのかしら?まさかあなたがやるとは言わないわよね?」

 

「それは・・・(あの子なかなかするどいわね。私が母親役で一刀お兄さまが父親になるよう仕組もうと思ったのにこれじゃあおままごとに決まっても私の思い通りにならないじゃない!)そ、そっちこそ主役の二人は誰がやるのよ!項羽と劉邦は天下を分けて戦った好敵手。そんな二人はある意味特別な存在なのよ。お兄さまが劉邦としてその好敵手で特別な存在の項羽は誰がやるのかしら?教えて欲しいわね」

 

「(くっ、確かに一刀のことは少し気になるし、一緒にできたらいいなとは思うけど・・そういえばさっきからずっと睨んでいるのよねあの子、何か感づいているのかしら。)ふ、ふん!そんなの後で決めればいいのよ。だから項羽と劉邦ごっこをやるのよ!」

 

「いやよ、絶対におままごとをするんだから!!」

 

それを近くで見ていた他の子達は、

 

「まったく、華琳も桂花も何をやっているんだまったく!」

 

「それはしかたがないぞ姉者。時間がなくて両方遊ぶことができないんだ必死にもなるさ」

 

「しかしだな!」

 

「では姉者、もし姉者の遊びたいものか他人の遊びたいものかどちらかしか無理と言われたらどうする?」

 

「なに?そんなの決まっているだろう!私の遊びたいものをさせるさ!!あれ?」

 

「つまり今の二人は今言った姉者と同じなのだ」

 

「むぅ、それならばしかたがないな、うん」

 

秋蘭に言われて納得がいったのか大人しくなった。その隣では一刀と琴がどうしようか悩んでいた。

 

「どうするの一刀様?」

 

「そんな事言ったって僕にはどうしようもできないよ」

 

「でも私の勘だと一刀様に原因があると思うんですけどね?」

 

「そうなの?僕には全然わからないよ。でも何とかしないともうすぐ時間だよなぁ。どうしよう?」

 

こんな調子でなかなか決まらないでいるので一刀達がどうしたもんだと思っていると、

 

「あらあら、もう喧嘩するほど仲良くなったのね。ここに連れてきてよかったわ♪」

 

「それは違うと思うわよ琳奈。あれは本当に喧嘩しているのよ」

 

「えっ!?そうなの?」

 

凛花に違うと返され本気で驚いた琳奈がやってきた。

 

「えっ!?もしかしてもう時間?」

 

一刀が驚いて尋ねると、

 

「ええ、もう昼餉の時間ね。あれからずっとやっていたのあの子たち?」

 

「そうなの~桂花おねえちゃまと華琳おねえちゃんずっとああなの~」

 

「はい、華琳さんと桂花さんが項羽と劉邦ごっことおままごとのどちらをやるかで揉めてしまって。」

 

暇そうに地面に座っている蘭花と困った顔で見ていた秋蘭が答えた。すると何かに気づいた琳奈が、

 

「ふ~ん。桂花ちゃんがおままごとで華琳ちゃんが項羽と劉邦ごっこねぇ、やっぱり原因は一刀くんかしら」

 

「なんで一刀が原因なのよ?」

 

「だって二人ともあんなに頑ななのよ、たかが遊び程度で。そんなのほかに理由がなければすぐに引くわよ。あの子たちはそこら辺にいる子とは頭の出来が違うんだから。自分達が無駄なことをしているのをわかっているけど引けないのよ自分の目的の為に。そんなの何歳でも同じなのよ昔の私達だって似たようなことあったじゃない♪」

 

とウインクして凛花に言った。

 

「全然似てないわよ!!もしかしたら華琳ちゃんはそうかもしれないけど桂花は違うわよ、あの子達は兄妹なのよ!」

 

凛花は琳奈が言おうとしたことが理解できたのか少し興奮したように返した。

 

「大丈夫よ桂花ちゃんの好きは兄としての好きよ。その大好きなお兄ちゃんが誰かに取られるのが嫌だから華琳ちゃんの邪魔をしたいのよ」

 

「本当に?」

 

「ええ、多分ね」

 

「まぁ、あと何年か経てば違うでしょうけどね」

 

と最後に小さくつぶやいたのは凛花には聞こえなかった。

昼餉の時間になってしまったので二人の言い合いは母親達に止められてしまった。昼餉は城の外でするので移動があるからだ。移動中始めは遊べなくて不機嫌そうな顔をしていた桂花と華琳だったが一刀が話しかけ、慰めたらすぐに二人共笑顔になった。今は一刀の両側を元気に歩いている。

 

「それにしても本当に城で用意しなくてもいいの琳奈?」

 

「別にいいのよ。そこまで気にしなくても。それに城で食べるよりお店でみんなでにぎやかに食べたいのよ。昔みたいにさ♪」

 

「琳奈。そうね、それじゃあ私の一番のお勧めの店に連れて行ってあげるわね」

 

「美食家の貴女のお勧めなら期待できるわね。楽しみにしているわ!」

 

「もちろん!絶対に損はさせないわよ♪」

 

と言って先頭を進んでいった。凛花は実はかなりの美食家で食にはうるさいのだ。もちろん調理もできるのでよく店に行って指導なんかもしているほどだ。その凛花のお勧めなので凛奈も期待しているのだ。

 

そうして凛花のお勧めの店に入って食事をしている時、急に凛花が、

 

「ねぇ、琳奈。あなた将来華琳ちゃんに跡を継がせるつもりなの?」

 

「どうしたのよいきなりそんなこと言って。もちろんそのつもりよ!あの子に私の跡を継いでもらって陳留を治めていってほしいと思っているわ。もちろん貴女もそうでしょう?」

 

「一応そのつもりなのだけど最近不安になってくるのよ」

 

「不安ってなにが?」

 

言っていることが良くわからないといった顔で凛奈は返した。

 

「将来のことよ」

 

「将来のこと?」

 

「ええ、ここ最近少しづつだけど賊が増えつつあるの貴女も知っているでしょう?」

 

「確かにね。叩いても叩いてもどんどん出てくるわね。それが何か?」

 

「貴女だって気づいているのでしょう?近い将来大きな戦乱の時代が来るのを」

 

「・・・・」

 

「帝の影響力も薄れ始め、ただの飾りに過ぎなくなっている。そして実際に政をしているのは下の者達。その者達でさえ私腹を肥やすことばかり考えている屑ばかり。それが他の州にまで広がっている始末。結局苦労をしているのは民達だけで貴族達は贅沢三昧の毎日なのよ。それに嫌気がさし賊に成り下がるものたちが後を絶たないわ。そしてこれから先どんどん酷くなっていくでしょうね。そしていずれ民達の不満が爆発する時が来るわ。そうなれば権力を握ろうとする者達が戦を起こし私達の時以上の酷い時代になるわ。貴女はその戦乱の中に自分の娘を送り出すつもり?」

 

「それは元私の軍師としての言葉?それとも無二の友として、そして同じ母親としての言葉のどっち?」

 

「もちろん両方よ!!」

 

凛花がすぐに答え、それを聞いた琳奈は、少し考える素振りをしてから静かに口を開いた。

 

「確かに私もそれについては感じていたわ。将来私達の時とは比べられないほどの大きな戦が起きるであろう事も全部ね。正直そんな中に華琳を行かせたくはないわ。でも多分あの子は自ら進んでその戦火の中に飛び込んでいくと思うのよ。」

 

「どうしてそう思うのよ?」

 

「だって私の子よ?」

 

「そうね、昔の貴女も戦火の中に自ら飛び込んでいったものね。」

 

「ええ、だからもしそうなった時のためにあの子には・・・華琳には私の知識のすべてを教え、華琳を誰も傷つけられないよう武も教えていくつもりよ。貴女もそのつもりで知識を教えているのでしょう?」

 

「そうね、確かに桂花と蘭花にはそのつもりでいるけど一刀に関しては私だけじゃ駄目なのよ」

 

「どういうことよ?」

 

「一刀は男の子なのよ。いずれ戦う時が来る。そうなった時に知識だけじゃあ生き残れないと思うのよ」

 

「でも軍師なら戦うことはないから問題ないんじゃない?」

 

「確かに今のままの一刀ならそうでしょうけど予感がするのよ」

 

「予感?」

 

「ええ、将来一刀は前線に出る気がするのよ。あの子は軍師として策を考えて兵士たちだけ死地に送り出すことなんかできないわ。それはあの子が優しいから。だから兵達のために自分も前に出て戦おうとするはずよ。そうなったら今の一刀なら殺されてしまう。それが怖いのよ」

 

「それなら、あの子に武術を教えればいいじゃない。丁度いい先生がすぐ近くにいるんだから、今はもう戦場に立てないけど昔は凄かったんでしょう?貴女の旦那」

 

「確かとても速い剣戟で戦場を駆け抜けていたそうよ」

 

「ならこれほど適した人はいないんじゃないの?」

 

「そうなんだけど一刀はあまり武術には興味がないのよ」

 

「(確かにあの体つきを見れば武術をしている子には見えないわね)」

 

そう思いちらりと隣の机で食べている一刀を見た。隣の卓で食べている一刀にはいつも本ばかり読んでいる為筋肉がついているようには見えなかった。

 

「確かにそれは困ったわね。武術は嫌々やっても身に着かないのよね~」

 

「ええ、そうなのよ。だから空夜も色々な手を使ってるみたいだけどあまり進展していないみたいなのよ」

 

「そう、ならもうあとは待つだけなんじゃない?あの子が自分で習いたいって言うまで」

 

「でも、「それに、凛花。あなたそうは言うけど一度でも賊討伐とか荒れた大地と子供達に見せたことある?」・・それは」

 

「無いでしょう?」

 

「だってあの子達はまだ幼いのよ!そんな子達にあんな酷い光景見せられるはず無いじゃない」

 

凛花と琳奈は知っている、大地は荒れ人の死骸に鳥や獣が群がっているのを。凛花と琳奈は知っている、賊討伐に駆けつけたが間に合わず既に滅ぼされ誰もいなくなってしまった村があることを。凛花と琳奈は知っている、他の州では重い税をかけられ毎日生きるか死ぬかの生活を送っている人がいることを。それらはすべて今まで凛花と琳奈が見てきた一刀達の知らない城の外の出来事である。

 

「確かにね。でも他の子はいいとして一刀には今のうちに一度は見せるべきだと思うわよ。」

 

「どうしてよ?」

 

「死地に立ったとき頼れるのは生き残ろうとする気持ちよ。生き残って何かをしたい、生き残らなければ悲しむ人がいる、生き残ってこんな世界を変えてやる!、そんな強い気持ちが無ければ戦乱の世を生き残るなんて不可能に近いわ!だから一度でいいからこの国の真実を見せる必要があるわ」

 

「そうよね、私だって一刀には私が死ぬまで、いいえ最後まで生きていて欲しいわ。」

 

「辛いでしょけどこれもあの子達の為よ。」

 

「もしかしてもう既に?」

 

「ええ、華琳には一ヶ月前に見せたわ。ちょうどその時賊が発生したから」

 

「どうだったの?」

 

結果を知りたくて凛花は前に乗り出した。

 

「驚いたわよ。あの子始めは気を失って倒れたけど次に目が覚めたら堂々と前を見据えてるんですもの。その時私思ったのよ華琳は将来私以上の王になるって」

 

「そう、あの華琳ちゃんが」

 

「だから一刀君も乗り越えられるわよ!」

 

「そうね、今度連れてってみるわ。それにしてもごめんなさいね。始めはこっちが聞いたのに最後は私が相談していたわね」

 

「そんなの気にしてないわ!私達は親友でもあるし子を持つ親同士、いつでも相談に乗るわよ!もちろん私の相談も聞いてよね♪」

 

軽くウインクをして琳奈は答えた。そんな琳奈に凛花は感謝の気持ちでいっぱいだった。そして琳花と琳奈は子供達がみんなで楽しく食事をしている風景を見た。

 

「守らないとね。あの子達が一人で道を決められる位大きくなるまで」

 

凛花の言葉に琳奈も、

 

「ええ、この命を懸けて」

 

「だめよ戦なんかで命を落としちゃ。あの子達の子供を見るまで私達は死ねないわ」

 

「そうだったわね。孫の姿を見るまで死ねないわね」

 

そう言い二人共優しい笑みで愛する我が子達を見続けていた。

 

 


 
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