No.195579

猛り狂う者、刹那潰える灯火 1・旅立ち part1

FALANDIAさん

覚悟は決まったという事ですか。
それでは、悲劇へと向かう外史へ、案内人が誘います。
後悔なきよう...。

2011-01-12 15:05:07 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:1775   閲覧ユーザー数:1629

ようこそ皆々様

 

当外史の管理者より水先案内人を任されている者にございます

 

この外史を辿るにあたり注意をさせていただきます

 

 

一、外史『猛り狂う者』は、黄巾党√です

 

一、キャラクターや物語の進行など、原作とは異なります

 

一、場面によっては、暴力的であったり、グロテスクな表現が入ります

 

一、悲劇を辿る物語ですので、ハッピーエンドはしません バッドエンドです

 

 

今のところはこの程度でございます

 

貴方に『希望』を捨てる覚悟があるのならば

 

どうぞお進みください…

 

 

 

 

 

悲劇を辿る外史 1

 

 

猛り狂う者、刹那潰える灯火

 

          1・旅立ち part.1

 

 

 

 

 

「れんほーちゃーん…。お姉ちゃん、お腹すいたよー…」

 

「わ、私も…。もう倒れる…。」

 

「言わないで姉さん達。私ももう大分限界なんだから…」

 

 

雑木林の広がる獣道のような場所を、三人の少女が歩いている。

 

その足取りは安定せず、あっちにいったりこっちにいったり。

 

ほどなくへたり込んでしまうだろう。

 

 

「あぅ…」

 

「も、無理ぃ…」

 

 

ついに、とりわけ胸の豊かな長髪の少女が力なくくず折れた。

 

それに並ぶように、胸の薄いサイドテールの少女も倒れ伏す。

 

 

「ちょっと…姉さん…う」

 

 

残る眼鏡の少女もゆっくりと膝をつく。

 

ぼやける視界に手を伸ばし、呟く。

 

 

「誰か…」

 

「…何かな」

 

 

少女が伸ばした手を、しっかり握りしめる大きな手。

 

無条件に安心してしまうような、穏やかな男性の声。

 

少女は一言呟き、気を失った。

 

 

 

「姉さんたちを…。私達を…。助けて…」

 

「ああ、わかった。任せろ」

 

 

 

View:眼鏡の少女

 

 

目を覚ますと、思わず胃が反応してしまうような、

 

とてもおいしそうな匂いが鼻をくすぐる。

 

お腹が鳴らないよう無理矢理精神力で抑えつつ、眼鏡の在処を探る。

 

幸い、自分が寝ていた布団の枕元に置かれていたため、すぐに見つかった。

 

眼鏡をかけて、改めて意識を匂いの方向へ向けると、姉達の騒々しい声が聞こえてくる。

 

 

「ちょっと、おかわりまだ~?ちぃ、まだまだ食べ足りないんだけど!」

 

「待て待て、まだ炊けていない」

 

「お姉ちゃんもご飯おかわり~!ん~、このお鍋おいしい!お料理上手だね~!」

 

「ああ、ありがとう。もうすぐ炊きあがるからもうちょっと待

 

「ちょっと!おかわりって言ってるでしょ!」

 

 だから待てと言ってるだろう!何度も言わせるなまな板!!」

 

「あ!今ちぃの胸を馬鹿にしたわね!よろしい、ならば戦争だ!!」

 

「いいだろう、まずは兵糧攻めといこうか」

 

「ちょ、なんて真似を…卑怯者!」

 

「なんとでも言うがいい。あとうるさい。声を落とせ」

 

「ご飯炊けたみたいだよ~」

 

 

騒々しい。

 

外は夜中だというのに、はしゃぎすぎだ。

 

しかし、いままでやってきた生業ゆえ外交的ではあるものの、

 

姉達は見ず知らずの人間にあそこまで心を許すほど、迂闊な性格はしていない。

 

だというのに、まるでずっと昔から付き合いがあるかのような振る舞いをしている。

 

この男性は、いったい何者だろう?

 

ボサボサの伸ばしっぱなしの髪の毛に髭。

 

髪の間から覗く目は深い黒。

 

座っているから分かりづらいが、結構背は高めのようだ。

 

 

「どうした。腹がへっているんだろう?早く来い」

 

 

私が目を醒ましたのに気づいたようだ。

 

火にかけてある鍋の横に置いてあった具材をサクサクと手早く切り、鍋に放り込む。

 

幾つかの調味料らしきものも鍋に入れてかき回し、ふたをする。

 

同じく火にかけてあった不思議な形の鍋を開いて、炊きあがった米を器によそい、

 

お箸と一緒に私に手渡してくれた。

 

 

「餓えは良くない。しっかり食え」

 

「…ありがとうございます」

 

 

警戒を緩める気はないけれど、空腹で倒れた身としては正直本当に助かる。

 

素直に礼を言い、お椀を受け取った。

 

 

「お姉ちゃんの分は~?」

 

「ん。しっかり食え」

 

「わ~い☆」

 

「ちょっと、ちぃのは?」

 

「兵糧攻め」

 

「ぐっ…」

 

「食いたければごめんなさいと謝れ」

 

「ごめんなさいでした!」

 

「…(゜д ゜;) ほら、しっかり食え」

 

「うまーっ☆」

 

 

姉さん達はしゃぎすぎ。

 

 

View End

 

 

 

昨夜は食事を終えて空腹も落ち着き、そのまま就寝となった。

 

年頃の娘が男と同じ部屋で寝るのは良くないだろう、と出て行こうとする男を、

 

申し訳ないからと眼鏡の少女が引き留めた。

 

勝気な少女がぶつくさと不平を述べたが、自分はあくまで助けられた側。

 

反論できるものでもなかったため、それ以上特に何か言う事はなく、

 

さっさと布団にもぐりこんで、あっという間に寝息を立て始めた。

 

一方、最年長らしき少女は、

 

わざわざ離れたところに布団を敷いたというのに男の隣まで布団を引きずって行き、

 

男の腕にしがみついたままニコニコして眠りに就いた。

 

男は目を白黒させつつも、苦笑いのような含み笑いをあげ、

 

特に引きはがそうとせず、それでいて触るでもなく、大人しく寝入った。

 

眼鏡の少女は姉達の様子をひとしきり眺めていた後、溜息をひとつ。

 

もともと自分が寝かされていた布団に戻り、眼鏡を枕元にそっと置いて眠った。

 

(警戒しないわけではないけれど、信用は…できるかな。)

 

 

 

「……」

 

 

翌朝、男が寝苦しさに目を醒ますと、事態は妙な事になっていた。

 

右腕にしがみつく巨乳の少女。これは昨日寝たときからだ。

 

が、左腕にはいつの間にか眼鏡の少女がくっついていた。

 

ご丁寧に男の枕元あたりに眼鏡が置いてある。

 

極めつけは、男の腹の上、胸にしがみつくように、勝気な少女が寝ている。

 

降って湧いたハーレムに、男は戸惑った。

 

抜けだそうとしたが、三人のホールドは思いのほかしっかりしていた。

 

安心しきった少女達の寝顔を見た男は鼻息ひとつ、

 

抵抗をやめて少女達が目を醒ますのを待つのだった。

 

 

 

起きた時の反応はバラバラだった。

 

少し頬を染め、ふにゃっとした幸せそうな笑みを浮かべる、最年長の少女。

 

顔を赤く染め、キーキー言いながら男の胸に駄々っ子パンチを連打する勝気な少女。

 

無表情を装いつつも、耳まで真っ赤になっている眼鏡の少女。

 

男は胸に叩きこまれる拳に軽くむせ込みながら、溜息をついた。

 

 

 

「助けてくださって、ありがとうございました」

 

「ありがと~」

 

「…アリガト」

 

 

ようやく(主に下二人の少女が)落ち着いたころに、少女達は礼を述べた。

 

男は「気にするな」とでも言わんばかりに、肩をすくめて見せる。

 

 

「私の名は張梁といいます。お名前を伺ってもよろしいですか?」

 

 

そう聞いた張梁に、申し訳なさげに俯いて見せる男。

 

怪訝そうな表情の張梁に、男は目を優しげに細めて語る。

 

 

「元の名を知らん。記憶を失ってしまったものでな。」

 

 

まずい事を聞いた。張梁の表情には、そう書かれてあった。

 

残る二人も、すこし複雑そうな表情を浮かべている。

 

それを読み取ったのか、男は気にしていないという風に語りだす。

 

 

「自分も貴女らと同じような境遇でな。この村の長に助けられた。

 

 以来、長の孫ということになって、この村に置いてもらっている次第。

 

 改めて、村長・程覧が孫、程信。以後よしなに。」

 

 

「お姉ちゃんは~、張角だよ!よろしく~☆」

 

「ちぃは張宝。よろしくしてあげる」

 

 

気持ちを切り替えた様に元気になる二人。

 

張梁も表情を切り替え、程信に相談を持ちかけた。

 

 

「私達姉妹は、歌芸人として旅をしていましたが、

 

 先だっての通り、路銀も食糧も尽きてしまいました。

 

 助けられただけでなく一宿一飯の恩もありながら不躾ではありますが、

 

 しばらくの間、私達が出来るような仕事などを紹介してはもらえませんでしょうか」

 

 

すらすらと、凛とした表情で述べる張梁。

 

三姉妹の御者、頭脳役としての顔だった。

 

対し、程信もよどみなく答えてみせた。

 

 

「承知している。先だって、村長には話をつけてある。

 

 貴女らには自分と供に村全体の仕事の補佐にまわってもらう。

 

 賃金などは出ないが、仕事に見合った分の食糧を分けてもえるので、

 

 これをもって生計とする。心して仕事にかかってほしい。」

 

「「は~い」」

 

「わかりました。隅々までのお心遣い、感謝します。」

 

 

相変わらず程信は、「気にするな」とばかりに肩をすくめるのだった。

 

 

 

 

~拠点アンケート~

 

当外史管理者初の拠点を試みます

 

うまくいくとは到底思えませんが(ぇ

 

ご協力お願いいたします

 

 

天和・地和・人和

 

 

彼女達からお一人様につき一人

 

拠点を見たい娘を選んでください

 

 

 


 
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