No.192044

恋姫†転生~太史慈伝~ 其の六

パンドラさん

負戦での勝機

2010-12-27 01:19:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2623   閲覧ユーザー数:2396

「遅いっ!!!」

 

太刀が振るわれた

 

 

やられる・・・!

 

 

俺はそう思った

 

「うわ!?」

 

何かに(多分石)足が引っ掛かり、受身も取れずに後ろから倒れた

 

 

 

ブォン!!!

 

 

鼻先1ミリもない所に太刀が横切った

 

「あぶ・・・」

 

「避けたか」

 

奴は次の動作に移っていた

 

「死ね」

 

倒れている俺に刀を振り下ろした

 

「死なねえ!!」

 

手、足の裏を使って真剣白刃取りをした

 

「な・・・!?」

 

これは予想外だったのか思いのほか動揺してるようだ

 

「自己流刃崩し!」

 

テコの原理を用いて手、足を使って刀をへし折ろうとする

 

「ふん!!!・・・・・・ぐぬぬぬぬっ!!壊れねぇ・・・!」

 

その辺のなまくらなら簡単に折る自信がある

 

しかも日本刀だ

 

脆さならこの時代で普及している剣より脆いはずだ

 

だが、折れない

 

「無駄だ。これを折りたいなら龍にでも頼むんだな」

 

それを言い終わると同時に開いてる手で、俺の顔面めがけて殴った

 

「ぐあ!?」

 

防御する腕は今にも俺を真っ二つにしようとしてる刀を抑えているため防御できずもろにくらう

 

「・・・離さない、か」

 

「離すかよ、ボケ!カーッぺっ!」

 

奴の顔に唾を吐く

 

「む・・・」

 

唾を避ける為、顔を横に傾ける

 

「隙ありいいいいい!!!」

 

乾坤一擲の蹴りを奴に放つ

 

 

 

 

奴とはまだ戦ってまもない

 

"出会い"ですら10分も経ってないだろう

 

だから奴の事は何もしらない

 

 

だが、弱点ならわかる

 

 

それは・・・

 

 

「ぐぅ・・・!!?」

 

奴は股間を抑えて倒れ伏せた

 

「ハッハッハ!隙を見せたなおバカさんめ!」

 

倒れている奴に指をビシ!っと指す

 

「そこは男の共通の弱点!さすがのお前もそこは鍛えられまい!」

 

ハッハッハ!と高笑いをしまくる

 

 

え?卑怯?知らんよ

 

 

「ハッハッハ・・・ってあれ?」

 

笑っていて気付かなかったが、賊たちが皆、倒れていた

 

「なんで・・・?」

 

首をかしげる

 

「・・・・・・!!!」

 

異変に気付いた

 

 

 

 

なぜ気付かない!?

 

いつ動いた!?

 

いつ見逃した!?

 

やばいやばいやばい・・・!!!

 

 

そんな単語が脳裏に駆け巡る

 

 

 

 

 

 

奴はどこだ・・・!?

 

 

さっきまで倒れてやがった、奴はどこだ!?

 

 

 

「確かに俺も鍛えられなかったよ、そこは」

 

後ろから声が聞こえた

 

「え・・・?」

 

それに気付き後ろを振り向く

 

「だが」

 

まるで、

 

「痛みなど」

 

ビデオやテレビみたいに

 

「我慢すれば」

 

スロー再生で

 

「どうてことはない」

 

視界が変わっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死亡フラグうううぅ!!!?」

 

咄嗟に前に転がる

 

ドガァアアアン!!!

 

地面が陥没する音が後ろから聞こえた

 

「なぜ、避けれる・・・」

 

呆れ半分、疑問半分な言葉が発せられた

 

「やっべぇ、やっべぇ・・・今のはかなり危なかった」

 

すぐに立ち上がり距離をとる

 

「お前は不思議な奴だな」

 

奴はクスリと笑った

 

 

・・・スマン、笑ってんのかわかんねーや

 

だって無表情なんだもん

 

 

「よし、今日から俺はフラグブレイカーな男になろう」

 

なんか遠くない未来で死亡フラグ満点な展開に踏み入れそうな予感がする

 

「おしゃべりはここまでだ・・・!」

 

「・・・く!」

 

かなり距離をとっていたはずなのに奴は一瞬で奴の間合いまで詰めた

 

「ならこっちは本気だあああ!!!」

 

軽いパンチを数回打ち、次いで流れるように蹴りを入れる

 

「これが本気か?」

 

当然避けられる

 

「ならこれはどうだぁ!?」

 

下から斜めに蹴りあげ、蹴りあげた足を地面に落とし、最後に回し蹴りを放つ

 

「む・・・」

 

これは避けれないと判断したのか、手を使い軽く流す

 

「(まだ余裕、ってな感じか)」

 

俺は結構本気なスピードで打ってんだが・・・

 

「はああああああ!!!」

 

刺すような蹴りを連発する

 

「ッチ・・・」

 

奴は軽く舌打ちをし、やはり手を使いながら流す

 

だがさっきとはちょっと違う

 

「(後ろに下がり始めてる!?)」

 

少しだが後ろに下がりながら防いでいた

 

「(ピカーン!)」

 

ここで俺の頭の中に1つ名案が浮かんだ

 

「うらあぁ!!」

 

奴のすぐ前の地面にかかと落としをする

 

ボガァアン!!

 

地面が割れ、大小様々石が混ざった土と小さい石が現れた

 

「はあぁ!」

 

悟らせないため奴の顔めがけて拳を連発する

 

こうすることによって意識を俺の攻撃へと集中させる

 

「ッチ・・・」

 

奴はまた舌打ちをして、後ろに一歩下がった

 

「どらああぁ!!!」

 

さっき作った土や石を奴めがけて蹴り飛ばす

 

「これが狙いか・・・!」

 

「気付いたみたいだなああ!!!」

 

さらに飛ばす

 

「他愛もない」

 

奴は刀で打ち払い、払えないのは身を反らすだげでやり過ごした

 

「まだまだぁ!!!」

 

さっき壊した地面から偶然小石の山が出たのを蹴り飛ばす

 

まさに天然の散弾銃だぜ!

 

「考えは良い、だがまだまだ」

 

これも刀で打ち払い、避ける

 

ドガ!

 

「な!!?」

 

奴は背後にある木に背をぶつける

 

「いつの間に、ってかぁ!?」

 

動揺してる今がチャンス!

 

再び刺すような蹴りを奴の胴体めがけて放つ

 

ベキベキィ!

 

足に貫通する衝撃と共に、粉砕するような音が鳴り響く

 

が、

 

「だが、これもあたらん」

 

貫通したのは胴体ではなく背後にあった木だった

 

 

「ざぁねんでしたっと!」

 

刺した足に力を入れ、足だけで体を持ち上げる

 

「はっはぁ!これが本命だよ!」

 

余った足を奴の胴体めがけて振るう

 

 

 

「臓物ぶちまけろおおおお!!!!」

 

 

 

足という名のギロチンが、今、閉ざされた

 

 

 

 

 

バキバキ・・・!!!

 

 


 
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