No.191852

恋姫†転生~太史慈伝~ 其の四

パンドラさん

旅の始まり

2010-12-26 03:08:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2709   閲覧ユーザー数:2549

「じゃあ、親父、母さん。いってきます」

 

「応っ!道中気をつけろよ!」

 

「頑張ってね。体には気をつけるのよ」

 

「あいよ~!」

 

手を振りながら、村を出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-父母視点-

 

 

 

 

 

「行っちゃったわねー」

 

「そうだな・・・」

 

「寂しくなるわねー」

 

「そうだな・・・」

 

「アナタは今、どんな気持ち?」

 

「嬉しいような悲しいような気持ちだな」

 

「私もよ・・・」

 

「もうすぐ時代は、群雄割拠の時代になるだろう。あいつはこんな所でおさまりきらん程の実力と器がある」

 

「ええ・・・」

 

「あいつは将来、一国一城の主になってるかもなー」

 

「ふふ・・・そうかもしれないはね。・・・ところでアナタ?」

 

「ん?なんだ?」

 

「アナタが言っていた"知り合い"って"あの方"?」

 

「ああ。"あの方"ならば猛を大きく育ててくれるさ」

 

「・・・元気にしてるかしらね?」

 

「あの人はアレで元気が取り柄みたいなものだからなー」

 

「そうねー・・・昔を思い出すわ」

 

「昔は大変だったなー」

 

「ええ。でもそのおかげでアナタとあの子に出会えた」

 

「そうだな・・・」

 

「ねぇ・・・アナタ」

 

「んー・・・?」

 

「あの子が立派になるまで長生きしましょうね」

 

「もちろんだ」

 

「ふふふ・・・」

 

「・・・さあぁ!帰ろう!」

 

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-猛視点-

 

 

 

 

 

「~♪早く着かないかな~」

 

地図を広げながら道を歩く

 

「えーっと?地図の通りだと・・・」

 

どうやらしばらく海沿いに西南に向かって歩くようだ

 

「にしても、めっちゃ遠いよなー・・・」

 

目的地までの道のりをみて嘆く

 

「食糧とか途中で確保しないと」

 

ガサゴソと荷物の再確認をする

 

「んー・・・」

 

三日分の食料、地図、紹介状、お金が入ってることを確認する

 

「うし、完璧」

 

地図をしまい、ポーチのボタンを閉める

 

ちなみに荷物はベルトに小さなカバンが4個(左右に1個、後ろに2個)付いている御手製のベルトポーチに入れている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数刻後~

 

 

 

 

 

 

 

数刻歩いていると森があったので休憩を兼ねて入ってみることにした

 

そして川が流れていたのでそこで休憩することにした

 

「ぷっは!・・・うまっ」

 

やはり現代の川とこっちの川では味が違う

 

なんか、こう透き通ってる?って言うのかな

 

とにかくうまいんだよ、うん

 

「にしてもこのコート、綺麗だよなー」

 

この時代の材料ってなんだろ?

 

蚕(かいこ)とかかな?

 

「へー、刺繍まで・・・」

 

背中には赤い糸で縫られた、龍の刺繍があった

 

それはまるで、天に昇るような形で縫われている

 

てか、母さん。なんでもできますね・・・

 

 

母さんは基本なんでもできる

 

俺のこの鉄甲手・脚も前に作ってくれた

 

逆に親父は基本なにもできな・・・ゲフンゲフン

 

親父は基本何もしない

 

あれ?結局だめじゃね?俺の親父(笑)

 

 

 

 

「にしても・・・静かでいい所だなー、ここは」

 

周りは森に囲まれ、近くの川が流れる音、鳥の鳴き声などがとても風流だ

 

そして金属がぶつかり合う音・・・

 

アルェー?

 

 

 

「誰か居るのか・・・?」

 

音がする方に踏み入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-?視点-

 

 

 

   

迂闊だった

 

まさかここまで人数がいるとは・・・

 

「へっへぇ!お嬢ちゃん。いい加減観念したらどうだぁ?」

 

醜い男が私に降参を促す

 

「だまれ下郎!貴様ら賊風情がこの"趙子龍"を打ち取れると思うな!!」

 

「おいおい、お嬢ちゃん。俺は親切で言ってるんだぜ―?見ろよこの人数。絶望的じゃないかぁ?」

 

確かにそうだ。私1人に対して相手は30人は居るだろうか

 

しかもこちらは手負い・・・

 

「もらったぁ!!」

 

「くっ!」

 

後ろから剣が振り下ろされ、私は咄嗟にかわす

 

「はぁあ!」

 

ブシュ!

 

「ぐぇ・・・!」

 

かわした擦れ違い様に賊の喉に槍を突く

 

嫌な感触が腕に纏わりつく

 

殺生は馴れない

 

いや、馴れてはいけない

 

馴れればそれは賊と変わりないからだ

 

 

「テメェ・・・こっちが下手にでていればいい気になりやがって・・・」

 

仲間が殺されて怒りが沸騰したようだ

 

 

これはマズイ・・・

 

 

そう思った矢先

 

 

 

 

「おいおい、おっさん。女の子相手に何群がってんだよ・・・」

 

 

白銀に輝く外套を纏う少年の声が喧騒とした場に響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-猛視点-

 

 

 

「(おいおい・・・これはいったいなんですか?)」

 

木の陰から頭だけだし状況をうかがう

 

「(これは・・・映画の撮影?)」

 

俺と同い年くらいの娘が、男たちに囲まれていた

 

・・・なわきゃあるかい!

 

ビシッ!と自分にツッコミを入れる

 

ここからは聞こえないが男の一人が女の子に何かを言ってるようだ

 

 

 

「だまれ下郎!貴様ら賊風情がこの趙子龍を打ち取れると思うな!!」

 

 

少女の声が数メートル離れたここまで響く

 

 

カッケエエ!!

 

マジかっけぇ!

 

いやぁ、人生で一回は言いたいよねぇ

 

「(ちょっとまてい。趙子龍?)」

 

頭の中をフル回転させる

 

「(・・・ああ、趙雲か)」

 

もう偉人とエンカウントですか

 

「(怪我してるみたいだし助けよう)」

 

あ、怪我してなくてももちろん助けるよ?

 

俺は颯爽と木の陰から飛び出していった

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、おっさん。女の子相手に何群がってんだよ・・・」

 

 

辺りが静まりかう

 

「(・・・あれれ!?気取りすぎちゃいました!?)」

 

「なんだぁ?ガキ?」

 

「な、ガキだと?!」

 

失礼な!こっちはもう精神的には三十路なんだぞぉ!

 

「まぁ、とありあえず・・・」

 

一拍置いて

 

賊たちが俺を凝視する

 

 

 

「一遍死ねやああああ!!!!」

 

 

「ぐっはああ!!」

 

「ぐおお!??」

 

 

とにかく近くにいる賊を叩きつぶす

 

「オラオラオラオラオラオラ!!!!!」

 

「ギャアアア!!」

 

「ば、ばけも・・・ぐあああ!!!」

 

殴る、蹴る、踏みつぶす

 

 

 

「半径85センチはこの手の届く距離いいい!!!!」

 

 

 

 

「「「「無茶苦茶だああああ!!!!」」」」

 

 

 

 

賊たちの叫びが森全体に木霊した

 

 

 


 
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