No.191850

恋姫†転生~太史慈伝~ 其の二

パンドラさん

転生と恋姫と、時々親父

2010-12-26 03:05:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4524   閲覧ユーザー数:4215

皆さんこんにちわ

 

猛です

 

どうやら無事、転生に成功したようです

 

でも少々・・・いや、かなり大きな問題が急浮上してまいりました

 

 

 

 

「ほ〜ら、猛〜。父でちゅよ〜」

 

「母もいまちゅよ〜」

 

 

 

 

・・・まぁ、転生って言うくらいだから予想はしてたよ

 

でもさ、前もって言ってくれてもいいじゃん(言いました)

 

 

 

暇だしこれからの人生をどうするか考えてみようかね・・・

 

 

 

 

(猛さん、猛さん)

 

「(…ん?誰か呼んだー?)」

 

「アー?」

 

「おい!まだ生まれて数日しか経っていないのにこの子、喋ったぞ!」

 

「えぇ!きっとこの子は神童と呼ばれるような子になるに決まってるわ!」

 

 

 

おい、親バカ。あんたらにいったわけじゃないから

 

まぁ確かに、産まれて一週間もたってないのに喋ったら勘違いするわな

 

 

 

(猛さーん)

 

「(何だようるさいなー。俺は今赤子ライフを満喫中なんだよコノヤロー(自棄))」

 

(コノヤローって…まぁいいです)

 

「(いいんだ・・・)」

 

(ごほんっ!えーっと私は貴方をこの世界に送った方の使いです)

 

「(あー、あの子の使いか。・・・んで、なんのよう?)」

 

(案外素っ気ないですねー…)

 

「(はいはい、悪かったよ。で?どうしたの?)」

 

(まず貴方のことについて軽く情報を与えにきました)

 

「(あ、助かります)」

 

(まずは一つ目。貴方は太史家の子として転生されました)

 

「(タイケ?なんぞそれ?)」

 

(太い歴史の史と書いて太史家です)

 

「(太史家?…あ、太史慈の家系か?)」

 

(そうです。貴方は太史慈として転生されました)

 

「(結構レアな器に転生したな俺(笑))」

 

(そして二つ目。もうお気づきしたと思いますが、この世界には真なる名とかいて真名(まな)が存在します)

 

「(なんか父親が言ってたね、それ)」

 

(これは本当に認めた人にしか明かさない、聖なる名なので相手の真名を知っていても勝手に呼ばないようにしてください)

 

「(オッケー。・・・あ、じゃあ勝手に呼んだらどうなんの?)」

 

(首をはねられても文句は言えません)

 

「(怖っ!先に言ってもらえて助かったよ、マジで)」

 

(そして三つ目。これは貴方自身についてです)

 

「(ふむふむ)」

 

(まず貴方の身体能力の底上げをさせていただきました)

 

「(へー。具体的に言うと?)」

 

(そうですね・・・。正史でも演義でもいいですが、呂布以上の身体能力があります)

 

「(ほぉー・・・。ならこの世界で俺が一番強いの?)」

 

(いえ。一概には言えませんが、この世界の武将達は貴方と同等の力があります)

 

「(マジッすか・・・)」

 

(能力もらった意味がない、と御思いですね?)

 

「(う、うん、まぁ)」

 

(大丈夫です。武将達は"貴方みたい"に最初から強いわけではありません)

 

「("貴方みたい"?)」

 

(武将達は皆、年相応の身体能力しかありません。技術面は別ですが)

 

「(ってことは?)」

 

(ある程度身体が成長すれば、何もしなくても呂布ぐらいの力があります)

 

「(・・・・・・パネェ)」

 

(あ、ちなみに父親は蹴り主体の格闘戦術のようですよ)

 

「(呂布級の身体能力+格闘術・・・。最強ジャナイ?)」

 

(・・・呂布に対して誤解があるようですね・・・)

 

「(誤解?)」

 

(確かに呂布は強いお方です。ですがそれは、技術や経験があり、かつ身体に恵まれていたからです)

 

「(う、うん)」

 

(それに呂布はあの"方天画戟"を使ってこそ真の最強と言われたのです)

 

「(つまり技術やら経験、身体、そして武器があったからこそ最強、ってこと?)」

 

(その通りです)

 

「(あー、つまり"努力"すれば最強になることも可能、と?)」

 

(勿論です。そこで二つ目。"努力"を上げさせていただきました)

 

「(努力を上げる?)」

 

(簡単に言えば、人一倍努力家で、努力を惜しまない、ということです)

 

「(なるほど)」

 

(では説明は以上になります。質問はありますか?)

 

「(あ、じゃあさ)」

 

(はい?)

 

「(色々してもらったのになんだけどさ。なんで全部"武"に関係してんの?)」

 

(・・・なぜだと思います?)

 

「(え、・・・んーなんでだろう?)」

 

(では宿題です。貴方の記憶が無いことに関係します)

 

「(記憶、か)」

 

(では頑張ってください)

 

「(うん。色々してくれてありがとな)」

 

(・・・私なんか)

 

「(・・・?)」

 

(いえ。なんでもありません)

 

「(あ、そ、そう?)」

 

(ええ。・・・では"さようなら")

 

「(・・・ああ)」

 

 

この時、"さようなら"になにかが引っ掛かるような思いをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~14年後~

 

 

 

 

 

 

「親父ーさっさと立てよー」

 

「ぜぇ…ぜぇ…うるせー…」

 

 

 

あれから14年経ち、身体もそれなりに成長し、今では親父より逞しくなった

 

身長も多分165㎝位あるんじゃないかな?

 

 

 

「お前ぇ・・・ぜぇ・・・ちったぁ年上を敬えよなぁ・・・」

 

「敬うって・・・」

 

俺は今親父に体術の稽古をしている……いや稽古を受けている

 

「敬うって、かなり前に大人げないことばっかやってたじゃん!」

 

「うるさい!俺の心はいつでも青春なんだよ!やりすぎは青春時代の過ちなんだよ!」

 

「どの口が言ってやがるぅー!」

 

「ぶべら!」

 

親父の腹にバッタ仮面お得意のジャンピングキックをぶちかます

 

 

 

前に何があったって?なら教えよう!

 

 

 

 

 

 

~数年前~

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「どうしたぁ!猛!そんなんではこの世界を生き残られんぞー!」

 

「あんたねぇ・・・こんな6歳児の子供にこんな過酷な鍛錬あるかよ!?」

 

「屁理屈言う力があるなら立てぇ!」

 

「ぐはっ!」

 

腹に蹴りをもらう

 

「実の子に蹴り・・・かよ・・・!」

 

腹を押さえつつも何とか立ち上がる

 

「早く立たんかぁ!」

 

「絶対見てろよぉ。将来同じことしてやっからな・・・」

 

「何をぶつぶつ言っておる!」

 

「ぐえっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「中々やるようになってきたじゃないかぁ!」

 

「ふっ!はぁ!いやぁ!」

 

「だがまだまだぁ!」

 

「がはっ!・・・このヤロー!!」

 

「おっと!だが当たらんよぉ!」

 

 

 

 

 

 

 

「く!ちょ!た、猛!待ってくれ!」

 

「ハーハッハッハ!!避けろ避けろぉ!!!」

 

「ぐお!?・・・っく!」

 

「積年の恨みだ!!死ねえぇ!!」

 

「隙ありぃ!!」

 

「ぐあああ!!」

 

 

 

 

 

 

「く!ちょ!た、猛!待ってくれ!」

 

「ハーハッハッハ!!避けろ避けろぉ!!!」

 

「ぐお!?・・・っく!」

 

「これで!沈めええ!!」

 

「隙ありいいいい!!」

 

「当たらんよぉ!!!」

 

「何ぃ!?」

 

「はあああ!!」

 

「ぐああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

と、まぁこんな感じね

 

ね、わかるでしょ?俺の苦労と悲しみ(?)が

 

 

 

 

 

「もう無理…」

 

バタン、と倒れる俺の親父(笑)

 

「もう歳だ…引退しろ、親父」

 

哀れむ目で親父(笑)を見下ろす

 

 

「んだとぉ!?」

 

 

俺の冗談まじりの挑発に親父(笑)がブチ切れる

 

 

「死ねええぇ!!!」

 

 

親父が素早く立ち上がりかなり本気の右ハイキックを放つ

 

 

おいおい…実の息子にハイキックって…

 

「っよ…」

 

頭だけ反らし避ける

 

 

「これならどうだああ!!」

 

 

右足の勢いをそのままに左回し蹴りを放つ

 

 

さっきも言ったが実の息子に対して回し蹴りって・・・

 

 

「だが…」

 

回し蹴りをしゃがんで避ける

 

 

「速さが足りないっ!!!」

 

 

 

親父の体に自称"百烈拳"を放つ(実際は20~30発程度)

 

 

「ぐふっ…!」

 

 

カエルがひっくりかえったような体制で倒れる

 

 

あら?手加減したよな?

 

 

「おーい…?」

 

 

返事がない。ただの屍のようだ

 

 

「親父…!俺は忘れないよ…!」

 

 

「いや殺すなよ…」

 

「冗談だよ、冗談」

 

割と焦ったがな

 

「いやぁ、にしてもお前も強くなったなー」

 

「親父が弱いだけじゃね」

 

グサっ!

 

なにかが刺さった音がした

 

「……そうですね。どうせ俺なんか…俺なんか…」

 

体育座りで落ち込む親父

 

一応これでも結構有名な武官だったらしい

 

「…!よっしゃあ!」

 

落ち込んでいた親父が元気よく立ち上がった

 

忙しい人だなー

 

「猛!お前明日から俺の知り合いの元で修業をつんでこい!」

 

「うん、わかった」

 

「うむ!………ってえぇ!?」

 

 

修行かー。前々から本格的に鍛えたかったんだよなー

 

 

「明日かー。結構急だな…んじゃ親父ぃ、荷造りしてくるわ」

 

 

颯爽と駆ける俺

 

「………」

 

呆然と立ち尽くす親父

 

「…冗談のつもりが………俺の馬鹿ぁ…」

 

引くに引けない俺の親父(笑)であった

 

 


 
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