No.190189

二人だけのクリスマス

Ikuさん

美琴&当麻のお話で、クリスマスに掛けたストーリーにしてみました。
以前載せた「レベル5+・・・・」とは接点はありませんので。

2010-12-17 22:17:22 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1488   閲覧ユーザー数:1301

                 「二人だけのクリスマス」

 

 

最近、やたらと絡んでくる奴が居る。

顔を合わせると挑むように睨みつけ俺のことを追いかけまわす。

上条さんは疲れてるんだ!

いい加減にしろよ、マジで。

今日も奴の気配を感じつつ日常がスタートした。

 

朝、周りの気配を気にしつつ登校。

まさか朝から絡んでくることはないと思うが、一応念のため。

実際は朝よりも放課後のほうが危険度が高い。

何しろ俺の通学路ともろに奴の行動範囲が被る。

何でもない日なら多少のことは目をつむって付き合ってもいい。

しかし、今日だけは絶対に譲れない。

俺には指名があるのだから……。

 

スーパーの特売日。

この日を逃すわけにはいかない。

俺の生活のため、お得な食料をゲットしなければならない。

ケータイで特売情報をDLして、さらにクーポン券も。

財布をポケットにねじ込んでタイムセールに合わせて寮を出た。

「卵とパンと牛乳と……」

指折り買うもののリストを確認。

「カップめんはまだ在庫はあったな」

スーパーに向かって一歩踏み出したとき、そいつは現れた。

「ちょっと、アンタ」

「ゲッ! 御坂……」

反射的に逃げの構え。

ここで捕まると厄介なことこの上ない。おまけに今日の特売日を逃がすわけにいかない。

「待ちなさいよ!」

「今は暇がない」

「な、何よいきなり」

「上条さんはどうしてもクリアーしないければならないミッションがあるんです」

「はぁ?」

腰に手を当てて、あきれ顔の御坂美琴。

こいつが懸念の原因。

こいつのお蔭で俺の生活は……。

「何があるっていうのよ?」

「俺の死活問題なのっ!」

「はい?」

「お嬢様にはご縁のないことですから」

「アンタ……私を馬鹿にしてるわけ?」

「滅相もない。私はただ、目的遂行のためにですね……」

「これでしょう?」

御坂が何かの袋を俺に差し出す。

スーパーのビニール袋。それも中身の詰まった袋だ。

「それは?」

「だから、これが必要なんでしょうが」

差し出された袋を受け取って中身をみると……。

10個パックの卵、食パン、牛乳etc……。

「御坂、これ、どうしたんだ?」

「買ったのよ。必要なんでしょう」

「でも……」

「それがあれば問題ないでしょう」

「しかし……これ、俺が買うのと内容が格段に違う……」

「何よ? 不満なのかしら」

美琴の差し出したのは一般的には高級品の部類に入る庶民には簡単に手を出せない代物。

「不満じゃないが……こんな金無いぞ?」

「いいわよ。あげるわ」

「貰う理由がない」

「うっさわね! 素直に受け取ればいいのよ」

確かに食料には変わりはない。ただし出所が俺が買うような店ではなく、セレブな奥様が

買ってくるような店だ。

折角だし、食料には罪はない。

どんな高級品だろうが食料は食糧だ。

「それじゃ遠慮なく……」

袋を抱えて寮に戻ろうとする。

「まさか逃げないでしょうね?」

「このブツを冷蔵庫にしまわないと、卵と牛乳は痛むぞ」

「そ、そうね。でも、逃走しないとも言えないから私も一緒に行く」

「へ? 来てもしょうがないだろうに……」

「うるさい! 文句ばっか言ってるんじゃないわよ! バチッ!」

罵声とともに電撃も飛ぶ。

俺はあわてて右手でブツを守る。

「御坂! 勝手に電撃を飛ばすなよ」

「どうせ当たらないんだから問題ないでしょう」

「美琴さん?」

「な、何よ……」

名前で呼ぶと頬を赤くして照れた様子で俺をにらむ。

それがなければ……いやいや、俺は何を考えているんだ?

「それが当たるとシャレにならないので、出来れば抑えていただけると……」

「ああ~! 分かったわよ! さっさと部屋へ行きなさいよ」

俺は回れ右をして寮に戻った。

美琴は黙ったまま俺についてくる。

廊下を歩いていても一緒に乗ったエレベーター中でも無言、かえって不気味?

しかし、何を考えているんだ美琴の奴……。

でも、簡単に貰ってしまっていいのか? タダより高いものはないって言うしな。

まさか交換条件が、いや、ここは素直に美琴の好意に……え? 好意? 美琴が俺に? まさかな。

「何ぶつぶつ言ってるのよ、危ない奴にしか見えないんだけど」

考え事が口に出ていたらしい。

「ああ、何でもないから気にしないでくださいね、はい」

「さっさと……」

「あ、でも、部屋まで付いてこなくたって下で待ってれば?」

「いいじゃない、か、監視よ」

う~ん、どこか言い訳じみているというか。

いったい何をしたいんだ美琴の奴。

などと考えているうちに部屋に到着。

ドアのカギを開ける。

「それじゃ、ちょっと待っててくれ」

「こ、ここで待たせる気? ほかの寮生も居、居るんでしょ? 私がここに居ると、色々と……」

顔を赤くして落ち着きがない様子。

こうしてると普通の女の子に見えるんだけどな~黙っていればそれなりに可愛いと想うけどなって、俺何を考えてる?

頭を振っていらぬ考えを追い出す。

「勝手に付いてきた割には人眼は気なるわけだ、御坂様は?」

「う、うるさいわね! 早く部屋にはいりなさいよ」

「ヘイヘイ……」

ドアを開けると美琴も続いて入ってきた。

自分の部屋に女の子が来るとは……。

しかし、美琴はなにも気にしていないのか無防備に上がり込む。

普通は多少の警戒するもんだと思うが男の部屋に来たわけなんだから……。

「へぇ~片付いているじゃない? もっとカオス的なものかと想ったけど」

「あのな、俺をいったいどんな目で見てるんだ?」

「え? そ、それは、あ、あの、だから……」

ワタワタとあわてる美琴。

こいつ意外と面白い奴かも?

「何笑ってるのよ?」

「いや別に何でも」

「な、なによ?」

「だから何でもないって」

「ふん……」

「クックククッ……」

「ちょっとアンタっ!」

「男の部屋って初めてか?」

「!」

図星! 気にしてないつもりだろうけど、バレバレ。

ますます顔を赤くして……。

ダンっ! と床を強めに脚で踏みつけると、ビクっと美琴の肩が動く。

こ、これは見物? やべぇ~無茶苦茶愉しい?

「何笑ってるのよっ! 人の気も知らないで!」

電撃が飛び出した。

俺はあわてて右手をかざして防ぐ。部屋の中じゃマジシャレにならん。

美琴の頭の周辺にはいまだスパーク状態で火花が散る。

からかいすぎたかな? ちょっと反省して、そのままの勢いで美琴の頭に右手で触れる。

「なっ!」

「少し落ち着けって」

美琴の顔は真っ赤。それでも暴れずにおとなしくしている。

頭に触れた瞬間、スパークはなりを潜めて電撃も消えた。

「どうだ、落ち着いたか?」

「う、うん……」

なんか素直? こうしていれば可愛いと想うんだけどな~あ? 俺何でこんなこと考えてるんだ?

今、目の前に女の子が居て、俺の手が頭に触れていて、もっと近づけば簡単に抱きしめられる位置だ。

顔を合わすたびに勝負を挑まれていたのにな、ついこないだまでは。

まさか俺の部屋に一緒に居るようなことになるなんてな……想像なんて絶対しないシチュエーションだよな。

「美琴?」

名前で呼んでみる。

美琴は俺の声にびくっとしながらも顔をあげて、俺と視線が合うと更に真赤になった。

また暴走しかねないぞ、これは。

パニクると自分で能力の制御が出来ないみたいだからな。

「あっ……」

「あわてるなよ? ゆっくりと深呼吸な」

一瞬眉間にしわを寄せながらも俺の言うことに従う。

大きくゆっくりと深呼吸を繰り返す美琴。

「もう大丈夫だろ?」

「うん……落ち着いてる」

俺はホッとして手を頭から離した。

「! ぁ……」

美琴が俺の右手を掴む。

「どうした?」

「…………」

俺の手を掴んだまま、俯く。

「まだ……触れていて。もう少し……」

ふぅ~と、一つ息を吐いて美琴の頭を右腕に抱え込む。

「あっ」

「こっちのほうがいいかな~なんて、嫌か?」

黙って首を振る。

嫌がられてはいない様子。もし嫌なら問答無用で電撃が今頃は飛び交っていて、俺の部屋は部屋の様相を

残していなかったんじゃないかと思う。

腕の中の美琴は今までのイメージとは全然違って、素直ですごく可愛い女の子になっていた。

俺、まずいかも? このままだとマジで抱きしめてしまうかも。

女の子って柔らかくて、いい匂いがして……。

「ねぇ?」

「あん?」

「アンタのこと……名前で呼んでもいい?」

「別にかまわんけど」

「それじゃ……と、当麻……」

「うん」

「私のことも呼んで」

「美琴……」

「当麻」

ギュッと美琴が俺に抱きついてきた。

「わっ!」

「美琴?」

「は、恥ずかしい! 私……」

本人は照れ隠しと言うか照れた顔を見られたくなくて、俺に抱きついたわけなんだが……普通はしないよな、これ。

もっと恥ずかしいことになっているとは自覚していない、美琴。

男としてはこのシチュエーションは嬉しいわけなんだが。

でも、美琴は本当は何を考えているのかな?

ちょっと疑問に想ってしまう俺。

何しろ今までの行動を見る限り、俺は美琴にとっての敵みたいなもの。

顔を合わせば電撃が飛び、たまにシャレにならんが音速のコインが飛んでくることもあった。

それをことごとく俺の右手が打ち消してしまったわけなんだが……。

いい加減に適当に負けていれば……美琴の性格からしてそんなことがバレればもっと怒り狂うだろうな。

なら、これはこれで良かったのかもしれないな。今がこの状態なんだから……。

「美琴、そろそろ……」

「え? あ、ごめん……」

俺の体からゆっくりと離れる。

「謝ることはないさ。俺的には萌えたけど?」

「は? バ、バカ言ってんじゃないわよ!」

さっきの状況を思い出したのかワタワタとしながら再び真っ赤になる美琴。

「わ、私、帰るっ!」

そういうと慌てて部屋を出ていく。

「美琴っ!」

「あ、バイバイ! またね」

顔を真っ赤にしてそこそこに玄関を飛び出して行った……。

何か俺に用事があったんじゃないのか?

部屋まで付いてきて、さっさと帰ってしまうとは……意味がわからん。

「ま、いいかぁ~」

頭をかきながらキッチンへ。

俺は美琴が買ってくれた食材でオムレツなるものを作って食べた。

さすがは高級品の卵だ。コクが違う!

お嬢様は違うな~と感心したのであった。

時間は流れて今は12月、今日はクリスマスイヴ。

俺にはあまり関係のないことだけどな。

あれから美琴とは何度か顔を合わせたが相変わらずの態度。

それでも寮の一件以来態度の軟化が見られて、いきなり電撃やコインが飛んでくることは無い。

相変わらず何がしたいのかよくわから無い奴ではあるのだが……。

 

「うぅ~寒い」

今日はかなり冷え込んでいるらしい、さっき天気予報でそんなことを言っていた。

ポケットから手を出すのが面倒。

出した瞬間に手が冷えて、その冷たさが体中に伝わる。

「ああ~考えただけで寒い」

背中を丸めて縮こまって歩く。

「何よその格好?」

「ああ?」

声に振り向くと。

「美琴……」

「露骨に嫌そうな顔をしないでよね」

「それ無理。今までのことを考えれば絶対無理」

こいつは……何しに来た? お前のせいで俺はどれだけ不幸な目にあっているか。

「それにしても、美琴その格好で寒くないのか?」

「え、私? ああ、これは能力のお陰よ。プラズマを起こして身体の表面の空気に反応させて温めてるから」

「詐欺だぁ~」

「何を言ってるのよ? これは十分に能力を利用しているんじゃないの」

「自慢ですか? 自慢なんですね? この美琴さんは俺を馬鹿にしに来たんですか?」

「そ、そんなこと無いわよっ! ほ、ほら、こうすれば……」

顔を真っ赤にしながら、美琴が俺の左腕に……え?

「何よ、文句ある? こうしていれば当麻も暖かいでしょうが」

「あ、本当だ。これはすごいな」

「こんなの簡単なことなんだから……」

顔を反対に向けながらしゃべる美琴は首や耳までも真っ赤だ。

「美琴、暑いんじゃないか? 真赤だぞ顔とか耳とか」

「!」

ビクッとして俺をにらむ。

「はい?」

なんでにらむ? 俺は別に頼んでなんかないぞ? そりゃ~暖かいに越したことはないけど

それにさっきから感じる感触、これってやっぱりアレだよな?

美琴、気付いてないのかそれとも……。

「あ、あの、美琴さん? 少し暑くなってきたような気がするんですが」

「!」

またにらまれた。

「いえいえ、感謝してますよ? 暖かくていいな~って、本当ですよ、あ、でもですねこれはちょっと……」

「何よ、文句あるの?」

「ないです」

無理に突くと藪蛇になりかねないかな~。

美琴の好きに任せるか?

この状況は別に嫌な感じじゃないし……。

「で? 美琴さんは何をしにいらしたんでしょうか」

「へ?」

などと変な声を出して「?」な顔をしている。

おい、お前は一体何がしたいんだ?

「私は立ち読みの帰り。と、当麻こそ一人で何をしているのよ?」

「俺? ただぶらぶらと」

「クリスマスイヴに一人で?」

「クリスマス? ああ、そうか今日は24日か」

「呆れた、そんなことも忘れていたの」

「まあ、俺にはあまり関係のないことだしな」

通りでいつもより人が多いと思った。そうか今日はイヴか。

「うん? ということは美琴も予定なしか」

「何よ『も』って、失礼しちゃうわね」

「だって事実だろうが。イヴに女の子一人で居れば。友達と騒がないのか」

「寮ではクリスマスパーティをやるみたいだけど、私は別に……」

「一緒にやらないのか?」

顔をそむけたまま一人ぶつぶつと呟く。耳を傾けると……。

「わ、私は……と、当麻と、い、一緒がいいと……思って……」

美琴が? まさか。

声が小さくなって聞き取りずらいけど確かに俺と一緒がいいと聞こえた。

それなら付き合いますか? 特に予定もないし1人よりはマシだし、さっきの真相もわかるだろう。

「とりあえず喉も渇いたし、お茶でもするか?」

「え? あ、うん」

何しろ美琴の能力のお蔭で寒さを感じないから、歩いていても寒くはない。

しかし、歩き通しも疲れるし変な緊張感もあって喉を潤したいところだ。

近くのファーストフード店に入ってテラスの席へ。

普通じゃ今日みたいに寒ければ外になんて出ない。

寒いお蔭で店内の席は満杯。

こっちは寒さは関係ないので外で問題なし。

「美琴は何にする?」

「あ、それじゃ、ヤシの実ソーダを」

「ヤシの実ソーダのMサイズとアイスコーヒーのMサイズをください」

店員が不思議そうな顔をしていたが、まあ普通な反応だな。

この寒い日に冷たいものをオーダーする奴なんているわけがない。

おまけにこっちは外で飲むんだからな。

テラスの席へ並んで座る。いわゆる恋人座り。

こうしないと俺は美琴の恩恵を受けられないからだ。

「ふ~ぅ、寒くないというのもありがたいが、やっぱり詐欺っぽいな」

「それじゃ、寒さを感じてみる?」

「え?」

美琴が俺から離れると同時に今日の寒さが体中に伝わってくる。

「グッ! こ、これはかなりだな?」

「どうする? 我慢するの」

「もう十分です。お願いします」

「無理しちゃって」

美琴が微笑む。うっ、こいつ可愛いじゃねえか。

俺の腕に美琴が腕を回す。

急に寒さが無くなり、体温で暖かくなる。

「ふぃ~こっちの方が良いな」

「と、当然よ」

身体が温まっているから冬に外で飲むアイスコーヒーも旨い。

でも、本当に暖かいだけか? 美琴が居るからじゃ……ないのか。

「と、当麻」

「あん?」

「これからどうするの?」

「別に予定はない」

「私が居るのに?」

「う~ん、美琴に会ったのは偶然だしな」

「そそ、そうよね、偶然だものね」

「うん? なにキョどってる」

「わわわ、私はべ、別にと、当麻に逢いに来たんじゃ……たまたまコンビに寄っただけよ」

「う~む、わかりやすい挙動不審?」

「な、なによ!」

「美琴、俺に会いに来たんだろう?」

「なっ! そそそ、そんなこと」

「何だ違うのか?」

「ち、違わない……けど、え、いや、違うかも? だから」

「素直じゃないね」

「うぅ~~~当麻ぁ~」

美琴の頭のまわりにスパークが飛び始める。

これはヤバイかも? 店先で暴れたら大変なことになる。

「落ち着けって!」

右手を美琴の頭に乗せる。

嘘のようにスパークが消える。

「ふぅ~」

「美琴、このくらいで暴走していたら大変だぞ」

「誰のせいよ!」

「え~と、俺」

「……」

「せっかく当麻とイヴを過ごそうと想っていたのに、どうして私、こうなっちゃうんだろう」

また小声でつぶやく美琴。しかし今回は全部聞こえてる。

「美琴? 心の声が全部漏れてるぞ」

「え?」

あわてて口を押さえるがもう遅い。

顔を真っ赤にして俺を見つめる。

「美琴、悪いけど俺に付き合ってくれるか」

「え?」

「イヴだしさ。時間は大丈夫だろう?」

「う、うん。当麻が良いなら」

「もちろん!」

素直じゃない美琴はこっちが折れてやらないとな。

それに美琴が相手なら楽しいしな。

「何、笑ってるのよ」

「別に」

「これからどうするの?」

「そうだな……二人だけでクリスマスパーティでもするか」

「ええ! 本当に?」

「ああ、ダメか?」

「ううん、そんなこと無い」

さて、方向も決まったしこれからだな。

場所をどうするか? 俺の部屋と言うのもな。かといって外は今日はどこも一杯だろうし

それに金もない。

「当麻。場所は私が決めてもいい?」

「いいけど?」

「当麻の部屋が良い♪」

「はい?」

「当麻の部屋でやろうよ。これから買い物してね♪」

美琴がすごくうれしそうな顔をしている。

そんな顔を見たら否定もできるはずもなくて……。

「でも、料理なんかできないぞ」

「私も自慢じゃないけど……ちょっと無理っぽいし。出来ているのを買って帰ろう」

「そうだな、面倒もないしな」

「うん♪」

俺たちは店を出て、俺の行きつけのスーパーと美琴が行くセレブな店とを回って買い物をした。

二人分にしちゃ多すぎると想いながらも楽しかったから全部許す。

俺が頑張って食べればいいだけだし。

美琴が笑顔ならそれもまたよし。

 

「メリークリスマス!」

「メリークリスマス!」

 

俺の部屋で、女の子と二人。

聖夜に何が起こるのか?

 

美琴の気持ちはほぼわかっているつもり。

呟きを聞いてしまっているから。

俺は美琴をどう思っているのか? こっちもほぼ答えは出ている。

唯、うまく美琴に伝えられるかが問題だな。

素直じゃないからな~間違っても美琴からは言わないだろうな~。

それにこうい言うことはやはり男から言わないとな。

 

「美琴、好きだよ」

美琴の耳元でつぶやくと、美琴の顔はボッと音がすように真っ赤になった。

そのまま耳や首も赤くなって頭から湯気が? 湯気!?

「おいっ! 美琴!」

恥ずかしさと嬉しさとが頂点になって、思考が飛んだらしい。

その様は大変なことだったけど、それもまた聖夜の出来事と言うことに……。

 

 

おしまい

 

 

あとがき

 

ども~Ikuです。

またまた、美琴と当麻のお話を書いてみました。

前回作品とのつながりはありませんので。それと当麻は一人暮らしです。

衣装の派手な噛み付きシスターはいません。

 

別な話で書き始めていたんですが、12月になってしまったし来週はクリスマスですからね。

ならばと言うことでクリスマスに掛けてお話を創ってみました。

 

ではでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

メリークリスマス♪

 

 


 
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