No.189313

もしもけいおん!のメンバーに兄や姉がいたら第二話「姉と私」

シロさん

予定より早い投稿です。
後、注意書きはいつも通り原作厨や批判坊は見ないでください。
深夜に出来上がって読み直すと何じゃこりゃー!(ジーパンデカ風)でした。
深夜こえー!と思いました。
新キャラも登場しての作品です。

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2010-12-12 18:03:06 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1537   閲覧ユーザー数:1347

それはいつも通りの静かな土曜日の朝だった。

高校生になっても変わらない月曜日の朝、田井中律は唖然とした。

それは、大量の缶ビールの空で埋め尽くされたリビングと机だった。

犯人は今もソファーで枕に顔をうずくまっている。

「姉ちゃん。いつも異常に荒れた飲みっぷりだね」

犯人は実の姉の田井中蜜である。

外での姿はバリバリの営業マンで大手大企業の若干19歳か二十歳でその名を轟かす人である。

「あら?律もう朝なの?」

「仕事疲れで倒れるのは判るけどこれはないって」

しかしそれはあくまでも外での姿である。

自宅内では正しく女暴君として君臨しており、その生活態度はかなりズボラでこの通り汚く、帰ってきたら缶ビールを大量に飲み干してしまうほどのまさしく天上天下唯我独尊の如くである。

「う~~。頭痛い。」

「これだけ飲めば二日酔いになるのは当たり前だっつの」

そんな人故に律は姉の事を良く思ってはおらず、姉との関係もいまいちである。

『どうして。姉ちゃんはこんな人なんだ』

律はそう心の中で呟き学校へ向かった。

律サイド

「相変わらず蜜さんに困ってるな律」

私の幼馴染みで一番の親友の澪がワタシのいつも通りの愚痴を聞いてくれた。

「ありゃしないよ。あの人のズボラな性格はいつも朝の缶の分別は私がやってんだよ。自分で出したんだから自分で分別しろって!!」

私はその場にいない姉ちゃんをものすごい勢いで陰口を叩いた。

普段は本人の前では決して言わないが学校なら姉ちゃんの居ないから言いたい放題の愚痴をこぼした。

「でもりっちゃんのお姉さんってそれでりっちゃんの事尊敬してやってるんじゃないかな?内のお兄ちゃんもそうだし」

「そうかもしれないわね。酷い兄弟なら喧嘩が殴り合いの所もいるけどりっちゃんの所はまともな方ね」

友人で同じ軽音部のメンバーの平沢唯と琴吹紬が私の愚痴を聞いてそう答えた。

「って言うか唯お前はどちらかと言うと内の姉ちゃんと同じポジションじゃねえかよ!!」

「ええええええ!!そんなことないよ!!」

「どうかな?内の姉ちゃんはビールを私に取りに行かせるし。お摘みも私に取らせるし。」

その他諸々の家の家庭事情を話したら全く唯が憂ちゃんにやってる事と同じなので唯が机に顔を疼くませながら唸っていた。

まるで自分は違うみたいに何度も同じ事をつぶや言っていた。

「でも律先輩って、そんなにお姉さんが嫌いなら何でそんなに言うことを聞くんですか?」

軽音部の後輩中野梓が私に素朴な疑問を言った。

だけど私は答えなかった。

蜜サイド

あたしはいつも会社に出勤して仕事中に良くあることを考える癖が出来てしまっていた。

それは紛れもなく律の事だ。

あたしは性格がズボラでガサツでやりたい放題やって来た。

幼馴染みの涼太もその無理難題に付き合ってくれた数少ない友人だ。だけど律はどうだろうか。

自分自身で判っていたけどつい怠けてしまう。そんな姉を見て律があたしの事を良く思ってはいないはずだ。

「どうしたのみっちゃん?考え事?」

「ああ、部長」

「もう、空で良いって言ってるでしょ」

会社の上司で高校時代の友人の一人の琴吹空である。

さらに言うとこの会社は空のお父さんが経営している会社の一つである。

「また妹さんの事で悩んでるの?」

相変わらずの鋭い洞察力だ。高校時代からここだけは変わらないな。

「正解。律があたしの事良く思ってないいだよね。」

そう言うと空はこういった。

「そんな事は無いよみっちゃん。だってわたくしの妹が学校から帰ってくると友達の話であなたの事も結構話してるそうよ。」

あたしは自分に決心をした。

「空。あたし律に自分の答えを出す!!」

「じゃあ。今日は早引きだね」

そう言って友人はあたしを笑顔で見送った。そしてあたしは携帯を片手にある特定の人物を強制的に呼び出した。

「っと言う訳で協力しなさい」

「君は何で僕を呼び出したんだ」

幼馴染みの涼太と高校時代の後輩の軽音寺歌を呼び出した。

「先輩、私も忙しいんですけど」

後輩と幼馴染みはもの凄い不満顔でこちらをにらみつけた

「何で僕と歌だけなんだい。拓也と桃香も呼べばいいじゃないか!!」

「いや~~~。流石のあたしもあの鴛鴦夫婦の中に割って入るのは無理だ」

歌も納得したのかうんうんと首を縦に振って頷いていた。涼太も認めざるおえないのか手の平で顔を伏せながら仕方なく協力をした。

なお、拓也と桃香には一様連絡したが二人はデートの最中だったのでやめた。

そして、あたしは喫茶店で作戦会議を始めた。

次の日の朝

姉ちゃんは早い出勤だったのか私が起きたときには既に会社に行っており私は聡を起こして朝食を食べようと思ったら机に弁当箱と置き手紙があった。

その手紙を書いた本人は社会人でありながら字が少し汚い姉ちゃん本人だった。

手紙の内容はただ一言『いつもごめん』と書いてあるだけだった。

不器用な姉ちゃんだけど私はこの姉ちゃんの事が嫌いにはなれない。

「やっぱり、姉ちゃんはこうでなくちゃな」

そう言って律は学校に向かって出て行った。

 


 
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