No.184211

真・恋姫無双 恋姫恋慕~あの日の君に~ No. 4

OTIKAさん

どうも
この頃、格闘ゲームに(メルブラ・BB・GG・北斗)はまりだしたOTIKAです。
メルブラはキシマックス・アルワルクコンビ。
BBはテイガー・ハクメンのココノエコンビ。
GGはポチョムキン・ソルの・・・まあいいや。

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2010-11-13 02:58:34 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:4839   閲覧ユーザー数:3856

 

俺がこの世界に再び舞い降りてから早11日目。

 

雪連たちと約束していた10日間が過ぎようとし、明日からは仕事が与えられるんだなぁ、考えて

いた俺だった

 

・・のだが、初めて与えられた仕事は政についてではなかったのだった・・・・・・

 

 

「北郷様。起きていらっしゃいますでしょうか?」

 

「・・・ふぁ~~い」

 

「失礼いたします」

 

朝、寝起きの頭に入ってきたのは、今俺に付いてくれている侍女さんの、まるでガラスを弾いた時

のような澄んだ声だった。

 

この侍女さんも相も変わらず前の世界からの顔なじみで、様々なお香を好んでいる、

 

ということを覚えていたので、街を探索した時にいい店を見つけたんだが、

 

という話題から話をしていた内に仲良くなったのだった。

 

・・・いや、別に口説いてた訳じゃないんだよ?ホントウダヨ?

 

「ふふふっ。早くお目をお覚ましになって下さいね?公謹様が中庭でお待ちになっておりますの

で」

 

「・・・えっ!もうそんな時間!?」

 

「いいえ、いつもとお変りありませんよ。ですが、「会議」ではなく「軍議」である、と伝えるよ

うにとおっしゃっておりました」

 

「・・・あー、そっか。「軍議」か・・・そっかそっか」

 

「軍議」と聞いたとたん、頭が冴え渡るようだった。

 

この時期で「軍議」と言えば一つしかない。

 

そう、「黄巾の乱」だ。

 

特にこれについての説明は不要であろうから、説明は無しにしておくが・・・

 

「うん解った。ありがとう、起こしてくれて」

 

「いえ。これが私の仕事ですから」

 

ニコッ、と営業スマイルなどとは一線を画している、暖かい笑みを浮かべてくれる侍女さん。

 

そんな裏表のない、女性の良い所を感じられるその笑みが眩しくて・・・

 

「綺麗だ・・・」

 

自然とこんな言葉が出てしまったのだった。

 

「!!・・・な、何をおっしゃるのですか北郷さま!!こんな端女にそんな言葉は勿体なすぎでご

ざいます///」

 

「えっ!いや、本当のことを言っただけで・・・その・・・」

 

「///お戯れを・・・。そ、それでは公謹様がお待ちですのでお早めに行かれますよう・・・失礼

いたしました!」

 

ピューッ!という効果音が似合う程、早く走り去って行ってしまった侍女さん。

 

またやっちまったなぁ・・・と頭を抱えて自己嫌悪に入ってしまいそうになるが・・・

 

(冥琳が中庭で待ってるんだっけな)

 

と、気持ちを切り替えて、もそもそとフランチェスカの制服を着込む。

 

時間も無いことだし朝食は諦めよう、と考えながら部屋に置いている瓶から水を一杯口に含み部屋

を出た。

 

 

小走りでみんなが集まっている所まで急ぐ。

 

廊下をひた走り、中庭からちょうど丸見えな部分にさしかかった時。

 

(うわ、みんなもう待ってるじゃないか!)

 

中庭の中でも最も高い位置に作られた野外用の机を取り囲んで座るみんなの姿が見えた。

 

周りに遮蔽物が無いので密偵などの心配をしなくてもよい、というのは穏の言葉だったっけかな?

 

とか考えていたその時、こちらに気づいたのだろう、雪連が立ち上がって手を振って、

 

そして口元でその振っていた手をラッパ状にしてこちらに向かって叫ぶ。

 

「遅いわよー、一刀!みんなを待たせちゃって。これは何か罰を与えなきゃダメかなー?」

 

ちょっ、何言ってるんすか雪連さん!!

 

「そうだな。客の身分で私たちを待たせるとは・・・重い罰を与えなくてはな」

 

冥琳まで!!

 

「まぁまぁ、それじゃあ一刀さんがかわいそうですよー」

 

おぉ・・・穏、愛してるよ!

 

「あと十数えるまでに来れたら許してあげましょう♪」

 

ちょっ、おまっ・・・!

 

「じゅ~~う!きゅ~~う!は~~ち!な~~な!」

 

「ちょっと待って待って~~~!!」

 

朝っぱらから全速力!!そしてその結果は・・・!

 

 

「結局27秒もかかっちゃったわね、一刀♪」

 

結局間に合わなかったZE☆

 

「ゼェ・・・ハァ・・・そう・・・だね・・・うえぇう」

 

「まあこれでも飲め」

 

と、今日会議で使う予定だったのだろう、脇に有った水瓶から一杯水を汲んで渡してくれる冥琳。

 

「あい・・・がとう・・・めいゴファ!」

 

「あららー、やっぱり無理でしたか、一刀さん♪」

 

無理でしたね♪って・・・。いてこましたろかゴラァ!とは決して口にできない一刀君であった。

 

「もう大丈夫か?」

 

「大丈夫・・・ありがとう冥琳。心配してくれてるのは冥琳だけだよ」

 

と、感謝の言葉を言うと、

 

冥琳も罰を!と言っていたはずなのに、水を渡したぐらいでコロッっといい人扱いされて嬉しくな

いのが・・・

 

「えー、なによ一刀。一番遅かったのは事実じゃない」

 

孫呉の王、雪連だ。あ、でも今はまだ袁術の「客将」なんだけどね。

 

「そりゃあ、そうなんだけどさ・・・って、今気付いたんだけど祭さんがいないじゃん。それじゃ

あ――――」

 

「あ、祭は一刀が来るのが遅いからお酒取りに行っちゃったわよ?」

 

「・・・・・・一体いつから待ってたんだよ」

 

と、みんなと喋っているうちに酒と肴を人数分持ってきた祭さんが帰ってきて、そして軍議が始ま

った。

 

「呼ばれたのはいいんだけどさ、冥琳。俺なんかに軍の話をして役にたつのか?前にも言った通り

普通の学生だったんだぞ」

 

「お前と我々の考え方の差、知識の差は大きく異なっているのだ。

 

まあ、簡単に言うと我々とは違った発想に行き着いてくれるのを期待しているのだ」

 

ふっ、と微笑みながら軽く言ってくれる冥琳。まあ、前回の知識を持っているんだが・・・

 

「・・・まあ、邪魔しないように頑張るよ」

 

あまり急激に変えすぎて、またこの外史をおかしくしてはいけないからな。

 

「あまり期待はしとらんがのぉ。だがここでビシッ!と天の御遣いとして頼もしい所を見せれば女

も惚れるってもんじゃ。そうじゃろう?」

 

「そうかもしれないけどさ・・・。それより、急に軍議だなんてどうしたの?」

 

まあ、黄巾党についてだろうけどね、と心の中で呟きながら話を変える。

 

「おや?今の状況でそんなことを言うとは・・・。もしや我々を試されているのかな、御遣い

殿?」

 

あっ・・・。そうとられちゃったか・・・、失敗失敗。

 

「そうですよー、一刀さん。この時期で軍議なら「黄巾党」以外にないじゃないですかー、プンプ

ン!」

 

「ごめんごめん、ちょっとまだ寝ぼけてるみたいだ」

 

と、頭を掻きながら謝る。

 

「まったく・・・もっとシャキっとせんかい!」

 

祭さんにも怒られちゃった・・・。

 

「さて・・・。今、黄巾党討伐に向けて準備を進めているところだが、いくつか問題が発生してい

る。それについて皆の意見が聞きたい」

 

冥琳の言葉にコクッ、とうなずく一同。それを見て冥琳が進める。

 

「問題は三点。兵糧の問題と軍資金の問題。そして最後に兵数の問題」

 

再び皆がコクッ、とうなずく。

 

「まずは兵数の問題だが・・・・・・」

 

「敵の数は?」

 

「北と南に分かれているニ部隊構成。北が本隊で南が分隊。・・・袁術のことだから私たちに北の

本隊を当てるでしょうね」

 

 

ままならんな・・・と呟いて話を続ける祭さん。

 

「とするならば、兵数は多いに越したことはないの。集められそうな人数は?」

 

「多くて5000・・・程ですかね。無理をすれば10000程いきそうですが・・・」

 

「それじゃあ少なすぎるわよねぇ」

 

はぁー、とため息を吐きながら机に体を押し付ける雪連。

 

「兵数差は策で何とかするしかないな。兵法としては邪道だが・・・そんなことは言ってられま

い」

 

「では必要最低限の数・・・ということで仮決定しましょう~。次は軍資金の問題についてです

が・・・」

 

「ちょっといいかな?」

 

と、このタイミングで話に割って入る俺。

 

そんな俺を見ておっ、っという顔をするのは少なくとも雪蓮だけではなかった。

 

「うふー。待ってました。御遣い様~~!で?どんなことを思いついたの?」

 

ぱちぱち、と手を叩きながら体を起こして、にぱーと笑う雪蓮。

 

「そういった兵だとかお金とかは、袁術に出させたらいいんじゃない?」

 

「ふむ?どういうことだ?」

 

と疑問を持つのは冥琳。

 

「雪蓮が言ってたのを聞く限りでは、袁術は俺達を本隊に宛がいたいんだろ?逆に言うと自分達は

本隊とは戦うことは避けたいんだ。

 

なら、本隊の相手をしてやるから兵士、資金、食料の供給を袁術に依頼するんだ」

 

「拒否されたら?」

 

「お馬鹿な袁術のことだから雪蓮が頭をさg「嫌よ」・・・たら貸してくれると思ったんだけど。

それがダメだったら,とりあえず雪蓮は一回袁術の所に行ってこのことを提案をするだろ?

 

その帰りにわざと南の分隊にぶつかるんだ。まあ、もちろんそこには全員で当たるんだけど・・・。

 

そしてその勝利をあちこちで流布するんだ。そうすれば太守である袁術はその面子を守るために、北の本隊と当たらざるを得ない・・・ってところかな」

 

おお~、と声を上げて拍手してくれる冥琳以外の三人。

 

冥琳はというと、目を閉じて、頭の中でシュミレーションをしているようだ。

 

「・・・・・・我らの現状ではそれが精一杯だな。よし、北郷の案を採用しましょう」

 

「「「了解した(ました~)(わ)」」」

 

またあのちんちくりんの所に行かなきゃねー、あーダルー、と愚痴をこぼす雪蓮を励ましている祭

さんと穏。

 

そんな三人の横で冥琳がジッと俺を見つめているのに気づく。

 

「?どうしたの冥琳。ジッと俺なんかを見て」

 

ふっ、と頭を振って、いやなに、と口角をわずかに上げる冥琳。

 

「やはりお前は案外な拾い物だったな、と思ってな」

 

「そうかな?」

 

「ああ。なかなか良い洞察眼をもっている」

 

「はは、そんな風に褒められたこと、一度もなかったんだけどなぁ」

 

とここで、ふむ・・・、険しい顔に戻って考えていた告げる冥琳。

 

「どうしようかと悩んだが・・・・・・北郷。やはりお前も出陣しろ」

 

・・・正直言われると思ってました。

 

直ぐに、はいっ!解りました!というのもおかしいだろうか?そんなことはないだろうな、と考え

た所で。

 

「・・・・・・・・・わかった、俺も出陣する。」

 

「よく言ってくれた」

 

と、俺は了承してしまったのだった。

 

「でも、前にも言った通り、剣を取って戦うことはできないよ?」

 

「そんなことは解っている。お前に期待しているのはその智謀だ。それに――――」

 

「自分で言ったことに責任を取れ、ってことだろう?」

 

また虚をつかれ一瞬固まってしまった冥琳。ふん、と鼻で一笑いし、それでいい、とぽつりともら

した。

 

「よし!後一刻もしたら雪蓮は出発。その後一刻したら私たちも出発だ。穏は輜重隊の準備をして

おけ。黄蓋殿と私で各部隊の確認だ。

 

北郷も私たちとだ。仕込まなければならないことは沢山あるからな。覚悟しておけよ?」

 

「「「「解ったわ(はぁ~い♪)(了解じゃ)(お手柔らかにね)」」」」

 

「よし・・・それでは皆、準備を頼む」

 

冥琳の言葉と共に軍議が終了し、皆が皆、それぞれの役割を果たすため、あちこちに散っていった

のだった・・・・・・。

 

 

さて。袁術のところに様々な物資と兵の供給を進言しに行った雪蓮。

 

まあ、その結果は言わずもがな、ということで・・・

 

「やっぱりだめだったわ・・・」

 

「そうだろうな・・・」

 

解りきっていたこととはいえ、この苦しい状況を打破するための1手だったのだ、残念なことこの

上ない。

 

結局集まった兵は約7000強。物資は5日分。

 

対する黄巾党分隊の数も7000強。

 

まあ、今回は孫呉の明るい未来への布石として、圧倒的な勝利で終わらなければならないのだが、

いかんせん、兵数は互角。

 

今は向こうも普通に戦おうとしているが、仲間の死を見て、死に物狂いで来られてはかなわない。

 

やるならば一気にやってしまおう。

 

そう結論を出した軍師二人は、黄巾党に対して火計を使うことを進言したのだった。

 

 

「・・・良いわね、それ。真っ赤な炎って好きよ」

 

ニタァ、と口角を上げ、まるで肉食獣のように微笑む雪蓮。

 

「ならば決定じゃな。策殿とワシで黄巾党を押し返し、その後陣地に戻ったのを確認して火矢を打

ち込む。これでよいな?」

 

「はい、言ってしまえばその通りです。頃合は私と穏で見計らいます」

 

「うむ、任せたぞ」

 

「はい~、お任せください」

 

と今回使う策も決まり気合を入れ直す四人を尻目に、俺は黙り込んでいた。

 

それを見かねたのか、活を入れるつもりだったのか、祭さんが近づいてきて、声を掛けながらバン

バン!と背中を叩いてくれた。・・・馬から落ちそうになったのはご愛嬌だ。

 

「なにを辛気臭い顔をしているのじゃ、北郷。・・・まさか戦場に立つのが怖くなったわけではあ

るまい?」

 

「いや・・・そうじゃないんだけどさ。俺が居た天の国では争いなんてなかったからさ、こういう

空気に慣れてないって言うかなんというか・・・」

 

ふむ?と首を傾げて不思議がる祭さん。

 

「そうじゃったのか・・・。いやなに、お前のいつもはひょろっこい背中が馬に乗った途端にの、

何故か歴戦の勇士の背中に見えたんでの。いくらかの修羅場を潜り抜けてきたのかと思ったんじゃ

がなぁ」

 

「あははは・・・そんなことは無いよ。俺は普通の学生だったんだから」

 

そう、普通の学生「だった」のだ。

 

だが俺は経験したのだ。いや、「してしまった」のだ。そして知った。この国の行く末を。

 

これから俺が介入することで死んでしまった人は死ななくなるだろう。

 

だが、物事は因果律によって決まっている。それも「外史」というこの場所ではもっと強まってい

ることだろう。

 

それはつまり、死ななかった人が違う所で死んでしまうということを表している。

 

そのことを考えている内に俺は思考のループに嵌まってしまったのだ。

 

雪蓮を助けたい。冥琳を助けたい。

 

そう考えて戻ってきたこの「外史」で、彼女達の代わりに生け贄となってしまう人がいるのではな

いか、と・・・・・・。

 

彼女達を助けることが本当に正しいことなのか。そんなことさえも感じ始めていた。

 

だが、この戦場に出てきて一つ確信した。それは―――――

 

「孫策様!前方一里の所に黄巾党分隊とおぼしき部隊の陣地を発見いたしました!」

 

「解ったわ。・・・さってと。久々の実践ね。派手に決めるわよ!!」

 

「「「「ああ(はい!)(おう!)」」」」

 

腰に提げていた孫呉に伝わる宝剣「南海覇王」を引き抜き告げる。

 

「勇敢なる孫呉の兵達よ!いよいよ我らの戦いを始めるときが来た!新しい語のためにっ!!

 

先王、孫文台の悲願を叶えるためにっ!天に向かって高らかに歌い上げようではないか!

 

誇り高き我らの勇と武を!

 

敵は無法無体に暴れる黄巾党!獣じみた賊共に、孫呉の力を見せつけよ!剣を振るえっ!

 

矢を放てっ!正義はわれら孫呉にあり!!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ~~~~~っ!」」」」」」」」」」

 

雪蓮の口上に意気が高まる孫呉の兵達。

 

「全軍抜刀!!」

 

シャリーン!と天高くまで響き渡る抜刀音。そして己の足に力を込めて待つ。そして・・・

 

「全軍、突撃せよ!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ~~~~~っ!」」」」」」」」」」

 

黄巾党との戦いの火蓋が、今、落とされた・・・。

 

 

「我らの勝利だ!勝ち鬨を挙げよ!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ~~~~~っ!」」」」」」」」」」

 

倒れた黄巾党の上に立ち、「南海覇王」を掲げる雪蓮と、それに追随する兵達。

 

今回望んだ通りの、圧倒的な勝利で終幕を迎えた。

 

目の前に広がるのは、火によって燃やされている黄巾党の陣地。

 

その火はまるで蒼天に吸い込まれていくように、高く、高く燃え上がっている。

 

だがその炎は、黄巾党の獣達の命でもあるのだ。

 

俺はその陣地をぼうっ、と見つめていた。唇を噛み締めながら。

 

(俺の・・・俺の作戦だったんだ・・・)

 

一刀が乗っている馬がぶるるぅ、といななき、その前足を高く上げる。

 

(俺の目の前で・・・またたくさんの人が死んだ・・・)

 

胸が痛い。心臓が張り裂けてしまいそうだ。自分の胸に手を持っていって、服の上からぎゅっと掴

む。

 

(どうして・・・どうして・・・!)

 

以前の、前回の俺ならば、この濃密な死の匂いにやられ、胃の中のものをすべて吐き出し、疲労困

憊で躰で戻ったことだろう。だが今の俺は・・・

 

(何故こんなに、この体が内から焼けてしまいそうに、熱いのだろうか・・・)

 

まるでこの炎に燃やされているように、一刀は、なんともいえない不思議な熱さに襲われているの

だった。

 

喉を掻き毟りたい!目をくりぬこう!髪を引きちぎろう!

 

だが、そうすれば、本当にこの熱さから開放されるのだろうか。

 

(だめだ、だめだだめだだめだ!)

 

ぐっと手綱を引き、馬を左手に見える森へと走らせる。

 

後ろから冥琳か誰かの制止の声が聞こえるが、構いやしない。

 

今は、この炎に抗うので精一杯なのだから・・・。

 

 

「あああああぁぁぁぁぁぁ!がああぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

大地を掻き毟り、拳をぶつける。

 

また頭を擦り付け、何度もぶつける。

 

傍目から見ると、なんと狂ったことだろうか。

 

それは神への懺悔のように。また、悪魔がこの上ない喜びを、体で表すかのように・・・

 

(熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!)

 

燃え盛る炎に焼かれる。そんな苦痛を感じるほどに、体の内側で何かが吼え、駆け回り、そして喰

らう。

 

このまま燃え尽きてしまう。そう思ってしまうほどの熱さ、そして苦しみ。

 

「うぉぉぉぉぉぉああぁぁぉ、かはぁぁぁぁぁぁぁ・・・」

 

永遠に続くのでは、と思われていた苦しみだったが、その勢いも穏やかになり、最後には消えてし

まった。

 

はぁはぁ、と荒い息を整わせながら、一刀は側にある大きな木へと近づき、もたれかかった。

 

(どうしたんだ・・・俺の体は・・・!)

 

まだ熱さが残っているのか、胸をさすりながら考える。

 

(これじゃまるで、雪蓮の―――!!)

と、その時!

 

ひゅっ!       バシュン!!

 

(なっ!!)

 

一刀めがけて矢が飛んできたのだ。

 

がさがさっと前の茂みが揺れたかと思うと、そこから黄色を基調とした鎧を着け、右腕に黄色の布

を巻きつけた三人の男達。

 

そう、黄巾党だ。

 

「ばかやろう!外すんじゃねえよ!」

 

「すいやせん、兄貴・・・。」

 

「まあいいじゃねえかよ。それよりコイツを見てみろよ。腑抜けみたいな顔してやがらあ・・・。

こんな奴に大事な仲間が殺されちまうとわなあ!!」

 

「クッ!」

 

バッ!と立ち上がり距離を取ろうとする・・・が。

 

がくん!

 

「なっ!」

 

「おいおい、腰でも抜けちまったのか?ああぁん!?」

 

へへへへ、と獲物を見つけたハイエナのようないやらしい、それでいて、狂気に駆られ、その中に

純粋な怒りの塊を込めた目をした三人が迫ってくる。

 

「楽には死なせねーよ・・・。まずはその腕だ。その次は足、最後は首だ!!」

 

「あー・・・それ無理だわ。今やっちまおうぜ?我慢できねぇや」

 

「うへへへぇ・・・あー、もうやっちまうぜ?」

 

ちょっとは我慢しろよな・・・、と呟いて、一番えらいであろう「兄貴」と呼ばれた男が前に出

る。

 

「おい・・・お前。そうだお前、あの孫策つったっけかな?あのクソ野郎の横に居た奴居た奴じゃ

ねえか!!こいつはついてるじゃねえか!」

 

「よく見てみたらあの白く光ってた服の奴か!泥だらけで解らなかったが・・・いいのを見つけた

ぜ」

 

「こいつの頭をあいつ等におくりゃあ、どんな顔になるか・・・ケヒヒ!」

 

「くそっ!」

 

ずる、ずる、と両腕を使って後ろに逃げる。

 

だが・・・

 

「おいおい。どこに行こうって言うんだ・・・よ!」

 

「うがぁ!」

 

一気に近づいてきた「兄貴」が一刀の左手を足で払う。

 

そのまま一刀の腹の上に足を乗せ押し込み、逃げれないようにする。

 

そして・・・

 

「さて・・・まずは腕からだ」

 

「ッ―――!」

 

その言葉を聞いて右手をポケットに入れる一刀。

 

「往生せいやーーッ!」

 

こんな所で死んでたまるか!

 

俺は雪蓮を、みんなを助けるために帰ってきたんだ!

 

力がなくて死んでしまうというのなら!

 

俺に力を貸せ!「――――――」!!

 

 

バァァン!  バァァンバァンバァン!!

 

 

「――――――あ?なん・・・じゃ・・・こりゃ?」

 

「―――――――」

 

手が光り、大きな音がした。

 

そう認識することしかできなかっただろう。

 

だが、現代知識を持っているのだったら解っただろう。

 

そう                                 銃だ。

 

「うげぇ・・・」

 

どさ、と崩れ落ちる「兄貴」

 

「えっ・・・?あ、兄貴!?お前ェ!なにをし―――」

 

「―――――――」

 

バァンバァンバァン!

 

爆発音。そして死の閃光。

 

その先に立っている対象物を射抜く。

 

「おばぁ!」

 

「ぐあぁ!」

 

「―――――――」

 

無言で立ち上がる一刀。シリンダーを排出し、右ポケットの中から新しいシリンダーと入れ替え

る。

 

「あああぁぁ・・・あぁぁぁ!」

 

「いてえ・・・いてえよぉ!」

 

「―――――――」

 

バァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァン!!!

 

「「ぐあああああああぁぁぁぁぁ!――――――あ」」

 

「―――――――」

 

無表情。何も感じていないのか、一刀を知る人では考えられないような無表情。

 

弾を撃ちつくし、用を終えた銃を右ポケットに入れ死体に近づく。

 

そのまま死体を見下ろし、無表情で何を考えているのだろうか。

 

 

がさがさ、と後ろの茂みで音がした。後ろを振り向く一刀。

 

そこには―――

 

「か・・・ずと?」

 

雪蓮が立っていたのだった。

 

 

・・・・・・はい、ちょっとした伏線です、ね?

 

急に銃なんか持たせちゃって

 

べ、別にシオンとかヴェノムとかノエルとかジャギ様とかに感化されたわけじゃないんだからね///!!!

 

・・・・・・はい、気持ち悪いですね

 

ところで!本当に急になんですが!!

 

アンケートをとってみたいと思いまーす!!(パチパチパチ・・・!

 

私、OTIKAの頭の中にはですね~4つのストーリーが出来上がっているのです・・・が

 

いかんせん、私にすべてを書ききるパワーがあるかというとそうではないのが現状ですorz

 

ですので!先に皆さんが!

 

「こんな話だったら読んでやるよ!」

 

というストーリーで書いていき、そして、他のストーリーはIFとして書いていきたいと思います!!

 

それでは早速、アンケートに移りたいと思います!!

 

 

 

 

① このまま順調に行き、全員生存√(ハズレ無しのガラガラ抽選の気分でどうぞ)

 

② やっぱり今回もだめだったよ√(銃の伏線回収はこれでします)

 

③ みんな大好きご都合主義√(次元の枠を超えます)

 

④ 思春さん、ラブラブだっていいじゃない√(作者に書ききれるか・・・一番の大穴DEATH)

 

 

それでは、コメントでもメールでもいいんでアンケートに答えていただけたら幸いです!!

 

せめて十票はほしいなぁー。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早く思春出したいなぁ・・・


 
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