No.180170

恋姫†無双 『蒼天已死 黄天當立』 九

休日なので1日使って考えました。

黄巾の乱が終わる気配がないですw

では、どぞ↓

2010-10-24 20:08:50 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2539   閲覧ユーザー数:2203

 

一刀はすることも無くボンヤリと今後の行動について思考していた。

 

「恋は何処へ」

 

呟くが返答はない。

 

そこで一刀はふぅと息を吐く。

 

「俺は放置されて悦ぶような変態じゃないんだがな」

 

一刀が待っている時間は実際のところそこまで長くはない。

 

しかし、見知らぬ場所にいることとこれから会う人物のことを考えると冷静ではいられなかった。

 

どこか落ち着きのない様子でそこに立っている。

 

すると、一刀は扉の方から近づいてくる足音に気がついた。

 

足音は二人分。

 

一刀は董卓と恋だろうと予想した。

 

扉が開く。

 

一刀は出来る限り礼儀を以て接そうと思っていたがその光景を見て思考が停止した。

 

なぜなら、扉の向こうでは恋が女の子をお姫様抱っこをしていた。

 

一刀はあまりに予想外れな状況にどう対応すればいいのか固まる。

 

その状況で動いたのは恋の後ろにいた眼鏡の少女。

 

「こいつは誰?」

 

玉座の間にいる一刀の姿を確認すると恋に問いかける。

 

「・・・・・・一刀」

 

「そう言うのを聞いてるんじゃなくて」

 

少女は恋の回答にこめかみを押える。

 

「何者かってことを聞いてるのよ」

 

「・・・・・・黄巾党」

 

その言葉を聞いた途端に少女は驚愕する。

 

「なにやってるのよっ!?あんたはそれを討ちに行ったんでしょ!?」

 

「・・・・・・一刀、いい人」

 

その一言で少女は黙った。

 

 

 

 

 

    賈駆`s 視点

 

 

 

 

恋が信頼するってことはそれなりの人物なんでしょうね。

 

恋は少し・・・かなり無茶なところはあるけど人を見る眼は確かだから。

 

というか、野生の勘に近いわね。

 

本能で良い奴かそうでないかを見分けてる。

 

なら、少なくとも月が狙われることはない。

 

だとしたら、男の目的は何か。

 

「恋がそう言うならいいわ。それであんたの目的は何なの?」

 

「俺は見極めに来たんだよ」

 

その言葉でボクは自分の表情が引き締まるのが分かる。

 

「黄巾党が?そんな奴に見極められる筋合いはないわ」

 

「あなたの名は?」

 

男はこちらに鋭い視線を向ける。

 

「賈駆よ。ここの軍師をやってるわ」

 

「そうか。賈駆殿、一言だけ言わせてもらう。あなたには人を統べる資格はない」

 

「なっ!?どういう意味よっ!」

 

さすがに頭にきた。

 

こんな男に自分が評価され、しかも、人を統べる資格はないと言う。

 

怒らない方が無理だろう。

 

「人を統べる資格は器の大きさだ。あらゆる人が入れるだけの器。あなたは今、黄巾党だからと言って俺の意見を聞こうとしなかった。それはあなたに黄巾党を入れるだけの器がないからだ。あなたには大陸の一握りでしかない黄巾党すら入れる大きさがない器。だから、あなたに人を統べる資格はない」

 

「っ・・・」

 

ボクは黙る。

 

別にこの男の言葉が正しいと思ったわけではない。

 

男の覇気に呑まれたのだ。

 

これが王なのか、と納得しそうになるほどの覇気。

 

この男が賊なのが信じられないわ。

 

「詠ちゃん」

 

 

恋にお姫様抱っこをされていた少女が声を発する。

 

恋はその声を聞くと少女を降ろした。

 

「初めまして、私が董卓です」

 

董卓は一刀を見つめる。

 

「俺は絽望と申します。この度はあなたを見極めたくやって参りました」

 

丁寧な言葉だが内容はかなり失礼だった。

 

一介の賊が刺史を見極めると言っているのだから。

 

「分かりました」

 

董卓は真剣な表情で頷いた。

 

「あなたは俺達――黄巾党をどう思いますか?」

 

「あなた方も被害者なのだと思います。そして、出来れば救いたいと思います」

 

「どうやって?」

 

「私たちの軍に入ってもらいます。安定した収入があれば黄巾党のみなさんも村を襲ったりしないはずですから」

 

「その方法だと全ての黄巾党を救うことは出来ませんよ?」

 

「そうですね。ですが、私は目の届く範囲にいる人たちだけでも救いたい」

 

「他の者が犠牲になったとしても?」

 

「犠牲は出来れば出て欲しくはないです。だからと言って他の人たちを、私を慕ってくれているみんなを犠牲にすることは出来ません。救える人だけを救います」

 

「あなたにその犠牲を背負っていく覚悟は?」

 

「あります」

 

董卓が一刀の目を見て宣言した瞬間。

 

その容姿からは想像できない覇気が溢れていた。

 

賈駆と扉のところにいた兵はその覇気に膝をついて家臣の礼を取っていた。

 

「ここまでとは正直に驚いた」

 

一刀は董卓の覇気に嬉しそうな表情をする。

 

「それでは董卓殿にお願いがある。ある人に会ってもらいたい」

 

「ある人?」

 

そこで賈駆が訝しげに一刀を見る。

 

「黄巾党の指導者でもある張梁にね」

 

 

一刀が人和を呼びに行っている間に董卓軍の主要メンバーが玉座に集まっていた。

 

「それで何の用なん?緊急事態でもないようやし」

 

賈駆を見ながら女性は質問する。

 

女性はサラシを巻いて独特の格好をし関西弁で話していた。

 

「これから黄巾党の指導者に会うことになってるわ。名は張梁」

 

「はぁ!?何言っとんねん!?」

 

「驚くのも無理はないと思う。ボクもまだ、整理出来てないから・・・」

 

賈駆はため息を吐いた。

 

「へぅ、ごめんなさい」

 

賈駆のため息に董卓は涙目に成りながら反応する。

 

謁見を許可したのは董卓だった。

 

「ち、違うのよ?別に月を責めてる訳じゃなくてね」

 

賈駆は董卓に弁解を始める。

 

それでも董卓は涙目のままなので賈駆は弁解を続ける。

 

玉座の間は混沌としていた。

 

「なんやこれ?」

 

女性が前を見るとそこには涙目の主君と必死に弁解している軍師。

 

右を見ると眠たいのかフラフラと体が揺れている飛将軍。

 

そして、体が揺れる度に倒れないように前や後ろに忙しい軍師。

 

今度は女性がため息を吐いた。

 

「詠、ちゃんと説明してもらってもええか?」

 

「だからね――え?わ、分かったわ」

 

董卓の方をチラチラと見ながらも賈駆は女性の方に向き直る。

 

「説明するわよ」

 

賈駆は先ほど玉座であったことを説明した。

 

 

「ほぉ~、そないなおもろいことがあったんか」

 

「おもしろくないわよ。いきなり、黄巾党のやつが玉座に居るのよ?」

 

賈駆は一刀と会ったときのことを思い出し頭が痛むとばかりにこめかみを押える。

 

「でもまぁ、恋が認めたんなら大丈夫やろ」

 

「そうね」

 

二人は眠りそうな恋に目をやった。

 

しばらくして、玉座の扉が開いた。

 

「報告します。門の所に董卓様に会わせて欲しいという男女2人組が来ていますが如何致しますか?」

 

「構わないわ。玉座に通して」

 

「はっ」

 

兵は出て行った。

 

「恋が信頼しているから大丈夫だとは思うけど万が一が無いとは言えないわ。霞、しっかり警戒しておいて」

 

「わかっとる。月には指一本も触れさせんわ」

 

女性は武器を構える。

 

その時、恋が今まで眠そうだったのに急に目を開いた。

 

「・・・・・・一刀、来る」

 

恋は扉に目をやる。

 

すると、扉が開かれて兵が現れる。

 

「失礼します。お連れしました」

 

「ご苦労。下がって良いわ」

 

賈駆が言うと兵は礼をして玉座を後にした。

 

一刀と人和が玉座に入る。

 

空気が張り詰めた。

 

 

『懺悔室』

 

これからどう展開していくのか…

 

自分でも謎です。

 

計画性の無さに自分であきれてます…

 

ですが、それでも書き上げてみせますとも!!

 

さて、今回は一刀が董卓の見極めを行いました。

 

見極めた上で人和と会わせるためですね。

 

それが取るに足る人物なのか。

 

董卓は一刀に気に入られたようです。

 

次回は董卓と人和(黄巾党)の話し合いですかね。

 

 

それではここまで見て下さった皆様に多大なる感謝を!!

 


 
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