No.180031

新・外史伝『希望』編 第八話 『乙女戦士華蝶仮面(復活編)』

皆さまこんばんは!
久しぶりの投稿です。
今回の主役は前回仲間に加わった星です。

皆様に少しでも楽しんでいただけたら幸いです

2010-10-24 00:35:03 投稿 / 全18ページ    総閲覧数:2967   閲覧ユーザー数:2487

新・外史伝『希望』編 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第八話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『乙女戦士華蝶仮面(復活編)』

 

 

 

 

外史の狭間

 

貂蝉はまだ、外史の様子を見つめ続けていた

 

「あらぁ~ん!

 

この外史のご主人さまってばなかなかの良いおとこっぷりねぇ~。

 

うふぅ~ん!」

 

体をくねくねさせながら一刀を熱烈な目で見つめ続ける

 

すると

 

「やれやれ。

 

お主だけは、昔と変わらぬなぁ…貂蝉」

 

急に声をかけられた

 

後ろを振り返ってみると、そこには白い髪の白装束を纏った少女がいた

 

「あらぁ~ん!!

 

まさか、まぁ~さか!貴女はぁ~」

 

「うむ!

 

久しぶりだな貂蝉…。

 

いや、華蝶仮面二号!」

 

 

時は、乱世!

 

そこには私利私欲のために人を殺めるもの達がいた!!

 

 

悪事を働き、自身のためだけに武を振るう悪漢ども!

 

 

人々の笑顔を守るため…美々しき蝶が今、舞い降りる

 

 

これは、巨大な(?)悪から民たちを守るために戦う正義(!?)の仮面のお話である!!

 

 

御使いと白竜の出会いから一ヶ月が過ぎた

 

 

ここは、公孫賛(真名を白蓮)が太守を務める国

 

その城下町に一組の男女がいた

 

「なるほど、中々ににぎわっておりますなぁ…

 

この一月の間で、」

 

「だねぇ…。」

 

趙雲子龍星と北郷一刀であった

 

星は一刀の腕に自らの腕を絡ませた

 

「ちょ…趙雲////!?」

 

「ふふふ…。良いではありませぬか。

 

それに…すでに貴方には真名を許したはずですが?」

 

胸を張ってそういう星に顔を赤らめる一刀

 

 

しばらく歩くと食料品の専門店が立ち並ぶ一角にやってきた

 

「ここが…町の台所と呼べる市場か」

 

「おぉ~!!主、主。

 

メンマ専門店はありませんか?」

 

「えぇ~」

 

「えぇ~、じゃないですよ。」

 

「そんなマニアックな店、誰が行くんだよ?」

 

「まにあく?っとはなんです?」

 

「あ~…まぁ、簡単にいえば、もの好きというかなんというか…」

 

「失敬な。

 

メンマこそ史上最高の食材ですぞ!」

 

二人は談笑しながら町を行く

 

ほほえましい光景だった

 

しかし…

 

「きゃぁああああ!!!」

 

平和な町に突如か弱い少女の悲鳴が鳴り響いた

 

「何事だ!?」

 

星は顔をしかめる

 

「行ってみよう。星」

 

「御意!」

 

二人は腕を離すと声のする方へ走って行った

 

周囲には人の輪ができていた

 

とりあえず人ごみの中に入って行った

 

 

そこにいたのは町娘と…

「おらぁ!!ぶつかっといて、きゃあ!はねぇだろう!!」

「おらおら!!兄貴が怒らねえうちに黙って付いてこいや!」

「や・優しくしてやるんだなぁ…ひひ・ひひひ!!!!」

 

またいつぞやの三人組だった…

 

そう…

チビ・デク・アニキのやられ役三人組だ

 

「また、お前らか…」

 

一刀は三人にあきれながら話しかけた

 

 

アニキがこちらに気がついて

 

「テ…テメェは…!?

 

あの時のガキ!!?」

 

「ほ・・本当なんだなぁ!」

 

 

「よう…。お久。

 

ってか、まだ捕まってなかったんだな…お前ら」

 

右手を少し上げ軽い挨拶

 

「ちょうどいいぜ!テメェ!

 

この餓鬼どもの命が欲しかったら金目の物をよこしやがれ!!」

 

「なんだか、前と同じことの繰り返しのような…

 

作者の手抜きなのか?」

 

 

「な、何訳の分からないこと、い、言ってるんだな?」

 

「あっ…。気にするな。

 

ひとりごとだ。

 

それより、他人の街で騒ぎを起こすのはどうかと思うぞ。

 

っていうか、騒ぎを起こさせないでください!

 

俺はまだ目立つわけにはいかないんだよ。」

 

一刀は腕を組み呆れたように言う

 

「んだと!

 

てめぇの所為で俺らがどんな目に会ったか!

 

ってか!テメェの都合なんぞ知るか!ボケぇ」

 

「それは…まぁ、確かにそうだが。

 

前半部分は自分のせいだろうが?」

 

「うるせぇ!!

 

チビ!デク!やっちまえ!!」

 

「「へい!」なんだなぁ!」

 

チビとデクは蛮刀をぬくと、一刀めがけて切りかかってきた

 

星「主!お下がりください!」

 

星は一刀を庇うように一刀の前に立ちふさがる

 

二人に迫る凶刃

 

「やれやれ…。また、痛い目に会わなきゃ気が済まないのか?」

 

一刀は腰の刀に手を手をかけた

 

 

その瞬間

 

 

「いやいや…、ここは私に任せよ。」

 

誰かが一刀の耳元で囁いた

 

 

「え!?」

 

一刀は驚く

 

今まで人の気配がしなかったはずなのに…

 

 

その人は、いや、その少女は身の丈の二倍以上大きな槍を持った白い髪の少女だった

 

その顔にはチョウチョを模した仮面が付けられていた

 

 

ただ、一刀には少し違和感があった…

 

「アレって…、いやでも、あの子はここに…」

 

謎の少女と星を見比べる一刀

 

 

「「「誰だ!!テメェ!」」」

 

三バカたちは、一刀への攻撃を中止し、突如現れた少女を見つめた

 

「何者か…だと?」

 

少女は槍を振り回すと、三人組に刃先を向けた

 

「可憐な花に誘われて、美々しき蝶が今、舞い降りる。

 

正義の華を咲かすため、我は許せね悪を討つ!

 

世界の平和を守りし、愛の戦士…

 

華蝶仮面零(ゼロ)号!!!

 

外史を超えて只今参上!!」

 

ビッしっと決めポーズを取る

 

 

ドッカン!!

 

お約束道理、後方からは爆発が起こった

 

一刀(「爆発だぁ?どうやってんだ!?」)

 

 

「ふざけやがって!!

 

テメェら!!やっちまえ!!」

 

「「おう!!」」

 

再び剣を構え、華蝶仮面零号に迫る二人

 

「あ…あぶなぁ~い!!」

 

野次馬たちが叫ぶ

 

しかし、

 

一刀と星だけは分かっていた

 

その少女の纏う気迫が只者ではないっと言うことを…

 

「ふん…。それで攻撃しているつもりか?」

 

少女は鼻で笑うと槍を少しだけ横に振った

 

すると

 

ビュウウウン!!!

 

突風が吹き荒れ、チビとデクは吹き飛ばされてしまった

 

星「なんと!?」

 

 

「次はお主の番だ。

 

っと、言いたいところだが…その少女を離せ。

 

そうすれば、 『私は』 お主らを見逃そう」

 

「ほ…本当か!?」

 

「うむ」

 

「よ、ようし!

 

ホレ!さっさと行きやがれ!」

 

アニキは町娘を解放し、二人を起こすと逃げていく

 

しかし、

 

「逃げられる思うな!!」

 

そこには、軍隊を率いた少女が立っていた

 

彼女の名前は公孫賛。真名を白蓮といい、桃香の友人であり、ここの太守である

 

「お前達!私の町でよくも好き勝手してくれたな!

 

全員ひっとらえろ!!」

 

「「「「ハッ!!!」」」」

 

三バカ「ひぃ~!!!!!」

 

 

連行されていく三人組は華蝶仮面零号に吐き捨てる

 

「テメェ!騙しやがったな!!!」

 

「だますとは人聞きの悪い…

 

『私は』確かにお主らを見逃したぞ

 

まぁ、その後は知ったことではないっと言うことだ」

 

「覚えてやがれぇ~!!」

 

「あ~はぁはははっははは!!!!!

 

やだ」

 

 

「あ…あの」

 

「む?」

 

みると、町娘が華蝶仮面零号に近寄ってきた

 

「無事か?少女よ」

 

「は…はい!

 

ありがとうございました!!」

 

公孫賛も部下と共に近づいてきた

 

「そこの三人。

 

犯人逮捕の協力感謝するぞ。

 

私は、この国の太守、公孫賛だ。

 

この娘は私達がしっかりと届けておくよ」

 

「いや…俺達はなにも…」

 

「すべて、こちらのご令嬢が…。」

 

星と一刀は華蝶仮面の方を向く。

 

「なに…、私が出なくとも同じ結果でありましたでしょう。

 

公孫賛殿…礼は不要ですぞ。

 

では、さらばです!!」

 

そう言うと、華蝶仮面は光の中に消えて行った

 

誰もが驚きの声を上げるのだった。

 

公孫賛「き…消えた!?」

 

星「なんと!」

 

公孫賛は一刀たちに聞いた

 

公孫賛「あいつはいったい何者だ?」

 

一刀「申し訳ありませんが、分かりません。(xx;)」

 

公孫賛「そうか…まぁ、そこの二人も大した度胸だったよ。

 

暇ができたら城に来るといい。お前達なら無試験で採用するよ!」

 

 

町はずれにある川辺

 

「ふむ…。

 

やはり、小さな悪はどこにでもいるものだな」

 

先ほどの華蝶仮面がいた

 

「やはり、か弱い民を守る正義の味方が必要だ

 

そうとは、思わぬか?

 

趙雲?」

 

茂みの中に声をかける

 

ガサガサ

 

すると、中から星が姿を現した

 

「気配を殺していたつもりなのだが…?」

 

「ふふふ…。その程度では、まだまだ。」

 

「お主はいったい何者だ?」

 

「ふふふ…私か、良かろう…だが、その前に北郷殿も出てきてはいかがか?」

 

星は驚き辺りを見回す、しかし、誰もいない

 

「やれやれ、流石は八仙…っと言ったとこかな」

 

空間が捻じれたかと思うと、その中から一刀が現れた

 

 

華蝶仮面は静かに話し始めた

 

「我が名は、藍采和(らんさいわ)。

 

呂厳洞賓様にお仕えする、八仙一人にして…愛人の1人!

 

しかして、その実態は…正義の華蝶の伝道者、華蝶仮面零号なり!」

 

「そうか…呂厳の愛人ねぇ…。

 

…それで、その華頂仮面がいったいこの外史に何の御用で?」

 

一刀は聞いてみた

 

「(うむ!

 

実は、外史ごとに新しき華蝶仮面を配置し、多くの外史を守らんとしているのですよ。)

 

弱きものを護る仲間が必要だ。そこで、趙雲、貴殿には華蝶仮面となり、平和を守ってもらいたい!」

 

一刀は、その仮面を見つめながら

 

「(オイオイ…星にその仮面をかぶれってか?

 

そんなの、いくら星でもいきなりそんなこと言わ…)」

 

無いだろうと…そう思っていた

 

だが…

 

星「引き受けた!!」

 

「(ほら…断られ……

 

 

 

へ!!?!?)

 

 

 

せ…星!!?」

 

 

星を見やる一刀

 

そこには満面の笑みでキラキラと輝く目をした星がいた

 

「この趙雲!

 

必ずや華蝶仮面の大役を果たしてしんぜようぞ!!」

 

「おぉ!!やってくださるか!

 

同志よ!!!」

 

「おぅ!!」

 

ガシィ!っと固い握手を結ぶ二人

 

「(おいおいおいおい!!

 

それでいいのか、趙雲子龍!)」

 

 

 

 

こうして、この外史にも華蝶仮面が誕生した

 

 

 

 

その夜、二人は先ほどの小川に来ていた

 

二人並んで座り酒を酌み交わす

 

「そういえば…星。

 

本当に引く受けてよかったのか?華蝶仮面。」

 

「もちろんです。

 

この星めがこの世界の平和を守ってみせましょうぞ!」

 

右手を握りしめ力強く言う

 

「ねぇ、主。」

 

「ん?」

 

「主は、何故劉備殿を眼にかけておられるのです?

 

主ほどの力があれば…」

 

「星。それ以上は言わないでくれ。

 

そうだな。一つだけ理由を挙げるなら…それは、理想かな?」

 

「理想…ですか?」

 

一刀は手酌をしてやりながら続けた

 

「そうだ。理想だ。

 

俺は、全ての人を救うことなんてできやしない。

 

でも、その理想自体は間違えていないんだ。

 

理想と現実の狭間で彼女がどのようにして己の答えを見つけてくれるのかを…俺は見てみたいんだ。

 

俺の知っている劉備玄徳の悲劇を繰り返させないためにも…」

 

「知っている悲劇?」

 

一刀はしまったっという顔をするが、時は既に遅し

 

もはや、ごまかしようの無い…

 

「占いだよ。」

 

星はふぅ~っと息をつくと、かずとの型に頭を乗せた

 

「全く…あったことも無いですが、大いに妬けますな。

 

劉備玄徳…主をして、ここまでい至らしめるその器

 

興味がわいてきましたよ。」

 

 

星は一刀の右手を自らの手で包み込んだ

 

「せ…星////!?」

 

「ですが、主の一番は私です!

 

我が全てかけて、恩身…一生お守りいたします。

 

私が仮面を継ぐ気になったのも…主のお役に立ちたいがため…」

 

「せ…星さん。それはすご~く嬉しんだが…

 

そ…そのぉ…あ、当たってるんすけど~……」

 

星の膨らみに一刀の手が押し付けられていた

 

星は気にも留めず、普段見せないような少女の顔でこう続けた

 

「主…私は…初めてお会いしたあの日から…恐らく…ずっと主のことを……////」

 

いや、正確には聞こえないのだろう

 

「お慕い申し上げておりました////」

 

彼女の顔は真っ赤に染まっていた

 

一刀は面食らったような表情のまま固まってしまう

 

星は意を決し、さらに接近

 

一刀の右半身にもたれかかる形となった

 

「私とて女。

 

好いた男と仲良くしたいと思うのは当然です

 

それに…」

 

「それに?」

 

「ずっと……こうして…欲しかったのです///」

 

顔を俯かせたまま消え入るような声で言う星に、一刀は魅了されてしまった

 

「星……(やっべ~!!可愛い///)」

 

「それとも、主は私がお嫌いか?」

 

「そ…そんなわけないだろ!」

 

「だったら……私を好いて下さっているのなら…こうさせてくだされ」

 

「あぁ…。」

 

夜空に一番星が輝いた時、二人の唇は一つに重なった

 

つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
28
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択