No.179487

異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 A'S 20話中

RYOさん

交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

そして物語はA`Sへ・・・

2010-10-21 07:28:52 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3285   閲覧ユーザー数:3085

そこに居たのは

 

「プレシア!?」

 

そう。フェイトの母。第一期のボス。プレシア・テスタロッサ本人がそこに居た。

 

「そんなに驚くことないでしょう? 久しぶりに会ったんだからお茶でも飲まない? 私の家に来てくれたら御馳走するわよ?」

 

「はっ! その家というのは管理局員が大勢、もしくはハラオウン一家が一緒に居る家か?」

 

「よく分かったわね?」

 

「それで? ここに来たという事は私を捕まえに来たという事か?」

 

「そうよ? あなたを逮捕すれば恩赦が貰えるの。ああ、恩赦っていうのは……」

 

「いや、いい。知っている。」

 

「あら、そうなの。じゃあ理由も分かったところで……始めましょうか!」

 

そう言ってプレシアは電撃を放ってくる。

 

「っ! ATフィールド全開!」

 

俺はそれをATフィールドで防ぐ。

 

「いきなりか!」

 

「ええ、そうよ? だってあなたは強いんだもの。」

 

「あまり嬉しくない評価だな!」

 

マズイ。早くシグナムの所に行きたいのに!

 

そんな事を考えている間にもプレシアの攻撃は続く。

 

しょうがない。一瞬で倒す!

 

「トレースオン。是、ソードサムライX。」

 

投影するのは武装錬金のソードサムライX。この刀はエネルギーを吸収する能力がある。それは魔力でも関係ない。

 

これで雷を吸収。驚いているプレシアに飛天の技を叩き込む! それで勝てるはずだ。

 

俺はプレシアに向かって跳ぶ。

 

「! はあっ!」

 

プレシアが電撃を放ってきた。今だ!

 

「せぇい!」

 

降ってきた電撃をソードサムライXで切り払う。

 

電撃は吸収され、霧散した。

 

「終わりだ! プレシア!」

 

俺はプレシアに向かって瞬動を使って跳び、ソードサムライXを振りかぶる……

 

 

 

その瞬間。プレシアの姿が掻き消えた。

 

同時にまたも腹に衝撃が走る。

 

「があぁあああああ!?」

 

俺は吹き飛ばされ、空を見上げることとなった。

 

「う……うぷっ!」

 

胃の内容物がぶちまけそうになるが何とか押しとどめ、前を見る。

 

「ふふふ。驚いたかしら?」

 

プレシアが笑っていた。

 

「くぅ! ……ああ。まさか近接戦闘も出来るとは驚かされた。」

 

それも高速戦闘か。まさに親子だった訳だ。

 

しかも魔力が少ないとはいえ、少しでも強化している俺の視界から消えるなんてな。どんだけ速いんだ。

 

「あなたはもう魔力が少ない。でも私はまだ余裕。もう投降したらどうかしら?」

 

「ふっ。冗談じゃない。私はまだ戦える!」

 

俺はプレシアに向かって駆け出す。

 

するとプレシアは後ろに飛びはじめた。

 

「なっ!?」

 

「ふふふっ。」

 

プレシアは悪戯が成功した子供の様に笑い。魔力弾を放ってきた。

 

「ちぃっ!」

 

俺はそれを叩き落としプレシアに近付こうとするが、魔力弾に邪魔されて近付けない。

 

やっぱり魔力が多いやつと少ないやつだと多いやつの方が移動も速いし防御も固い。不利すぎだろこの状況!

 

それに早くしないとシグナムがフェイトを倒しちまう。急がないと……

 

「瞬動。」

 

俺はプレシアに追い付くために瞬動を使った。

 

(なっ!? ……また消えた!?)

 

瞬間、プレシアの姿が再び掻き消え腹に衝撃が。

 

「かはっ!?」

 

またしても吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる俺。

 

「う……うぉえ! グ……ググ……」

 

嘔吐はしなかったものの少し吐いてしまい、口の中に酸の味がする。

 

 

「もう諦めなさい。……あなたは良くやったわ。」

 

「まだ……まだだ!」

 

俺は負けられない。シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、そして何よりもはやてのために……

 

「私は……俺は負けねえ……絶対に負けられねえ!」

 

あの喧嘩屋のセリフを言い、諦めないように、決して引かないようにする。

 

「そう。」

 

プレシアはそう言うと電撃を放ってくる。

 

俺はそれをなんとか避ける。早く反撃しなければ。

 

でも実際俺は満身創痍だ。あと一発アレを食らったら、耐えられるかどうか。もう素直に投降……いや、駄目だ! しっかりしろ!

 

落ち着いて考えるんだ。何かおかしい。プレシアはなぜ魔力弾を放ってきたんだ? 余裕のつもり? いや。プレシアがさっき俺の事を強いと言ってきた。つまりは今はどうか知らないけど、最初は油断してなかったはず。それなのに電撃で攻撃してきた。何故?

 

それにおかしな所はまだある。なんでプレシアは攻撃してこない? 俺の視界から消えるくらいの速度なら、今仕掛けてくれば確実に俺は倒せる。何故?

 

いや待てよ? プレシアが高速戦闘をしてきたのって何時だ? 最初と……俺が瞬動で高速移動したとき?

 

じゃあプレシアの技の正体って……

 

「はっ…ははははっ!」

 

「っ!?」

 

突然俺が笑い出したことにプレシアは驚く。

 

「くくくっ……いや失敬。やっとあなたの技の正体に気が付けて嬉しくてね。」

 

「!?」

 

「危なかったよ。私がただの魔力だけが大きいオリ主なら負けていたな。」

 

「? 何を言っているの?」

 

「気にしないでくれ。さて、今から君の技を破る。悪いがこれで終わらせてもらおう!」

 

そう言って俺はプレシアに向かって走り出す。

 

プレシアはやはり後ろに飛んで魔力を放ってくる。

 

俺はまずソードサムライXに合う鞘を投影する。

 

行くぜ。俺はまた瞬動を使う。

 

プレシアの姿がまた掻き消える。

 

そして、俺はスキルを発動した。

 

瞬間。世界がモノクロになる!

 

side out

 

 

Plecia side

 

「はぁ……はぁ……」

 

私は逃げていた。

 

さっきユエが私の技を見切ったと言った後、今度は私が追いつめられていた。

 

周りを見てユエの姿を探す。居ない。

 

そう判断した瞬間。

 

「どうした? 私はここだ。」

 

後ろから声が聞こえた。

 

「っ!?」

 

私は背中にプロテクションを張り、全力でその場を離れる。

 

――ガリガリガリ!!

 

何かを斬り損ねた様な音がして私のプロテクションが削り取られる。

 

ユエから離れた私は次の攻撃に備えて振り返ってユエを見る。

 

そこにはユエが居た。が、一瞬で姿が掻き消える。

 

そして、私が一瞬でも警戒を怠った方向から声をかけてきて攻撃をしてくる。

 

まるで私に戦い方でも教えるように……

 

「はあっ……はあっ!」

 

息が上がってきた。

 

「終わりだ。」

 

一瞬でも全ての方向へ注意を怠ったせいかユエが正面から攻撃を仕掛けてきた。

 

ユエの手には刀が……

 

殺される!

 

ユエの武器が人を殺傷しないのは聞いているけど生物的な本能で私はそう思った。

 

その時、世界がモノクロになった。

 

side out

 

 

yukito side

 

さっき俺がスキルを発動した時から、プレシアは俺に攻撃できていない。当然だ。

 

プレシアの技の正体。それは相対速度だ。

 

相対速度とはある物体を別の観測者から観測したときの速度である。(Wikipedia参照)

 

つまり、俺から見た場合のプレシアの速度である。

 

例えば、プレシアの速度が300kmだったとしよう。

 

そのプレシアがこちらに向かってくる時、俺がその場に止まっていればプレシアは300kmの速さでこっちに向かってきているように見える。

 

その程度なら魔力で強化した俺なら余裕で見える。

 

しかし、俺も300kmでプレシアに向かって行くと相対速度の関係で俺にはプレシアが600kmの速さでこちらに向かって来ているように見えるわけだ。

 

しかも、ここはリリカルなのはの世界。ソニックムーブやらフラッシュムーブで敵の視界から消えるような速度が出せる世界……見えねえよ。

 

さあ、どうしようか。俺は考えた。魔力が無い状態。でも殺すのはダメだろJK。なら魔力での身体強化はやめといたほうが良い。

 

その上魔力がないからでかい威力の魔法は撃てない。さらに考えた。そして思いついたのだ。「相手の方が速いなら、こっちがそれより速くなればいいじゃない。」byマリー・アントワ(プライバシーの保護のためこれ以上の名前を出すのは控えさせてry)

 

……うん。言いたいことは解る。でもしょうがないじゃん! こんな力技しか思いつかなかったんだもん! そこ! 「結局スペック勝負か。」とか言わない!

 

俺はその言葉に従って神速を発動した。

 

リリカルなのはの原作、とらいあんぐるハートの技。

 

集中力を高めて体感時間を引き延ばす技。

 

スキルを使うとプレシアさんがこっちに向かって高速で移動していることが分かった。

 

これで俺の勝ちは決まった。

 

でも、プレシアさんのこの技術をもっと高めてフェイトに教えてほしいな。フェイトは管理局に残らなきゃだし。そう思った俺はプレシアさんを追いつめはじめる。……修行だよ? 決して、絶対に、さっきの仕返しとかじゃないよ?

 

修行をしているとさすがに疲れたのかプレシアさんが全ての警戒をしなくなってしまった。

 

仕方ない。そろそろ終わりにしよう。

 

そう思い。俺はプレシアさんに止めを刺そうとした。

 

その瞬間、プレシアさんのスピードが速くなり俺の後ろに移動し始めた。

 

side out

 

 

Plecia side

 

世界がモノクロになった瞬間、私の体は動いていた。

 

ユエの後ろに回り込む高速戦闘魔導師としての基本的な動き。

 

世界がモノクロになったせいか今は見えなかったユエの動きが見える。

 

ユエは後ろに回り込んだ私のさらに後ろに回り込んで、そこから私の前方5mほどの場所に移動した。…………徒歩で。

 

(ええ!? 歩いてる!? 私、人生で一番速い速度で動いてるんですけど!? とと兎に角、なんとかしないと!)

 

とりあえず私はユエに向かって魔力弾を放った。

 

(……え? 何これ。カメさん魔力弾? すごく遅いんですけど!?)

 

苦し紛れで放った魔力弾は私より遅かったのだ!

 

(お…落ち着くのよプレシア・テスタロッサ。落ち着いて素数を数えるのよ。素数は1と自分でしか割れない孤独な数字。私に勇気を……って! 何訳わかんない事考えてるの私!?)

 

私の混乱が最高潮になっている時にユエは刀を鞘にしまって前屈姿勢になっている。

 

そして……

 

(消え……!?)

 

side out

 

 

 

yukito side

 

やっぱりプレシアさんはすごい。少しだけだけど神速の領域になってる。……走馬灯見てるのかもしれないけど。

 

俺もそれに応えて奥義で倒すか。

 

プレシアさんに向かって走り出す。

 

本来なら縮地の速度で放つ”瞬天殺”。

 

それを神速の速度で放つ。この技は……

 

 

 

神天殺!

 

 

 

 

「……強かった。」

 

なのはちゃんとプレシアさんの二連戦ってなんだよ。

 

マジで倒されるかと思った。

 

俺は神速を解除する。すると

 

「ぐぅ!? ぜぇ……ぜぇ……」

 

いきなり疲労が襲ってきた。

 

どうやら神速を使った後はかなり疲労するらしいな。

 

「じゃ…あ、シグ……ナムの所……に」

 

「いや、そんな必要はない。君はここで逮捕されるからだ。」

 

「!?」

 

背中に冷たく硬い感触がして、後ろから声が聞こえてきた。

 

 

あとがき

 

こんにちは。作者です。

 

地元でもう1週間くらい曇天が続いていてちょっとテンション下がり気味な作者です。

 

ですが頑張ってあとがき書きます。

 

それでは今回の異世界冒険譚は!

 

なんとプレシアは近接戦闘ができる事が発覚!

 

しかも速さがユエの目に写らないくらい!?

 

しかし、ユエが技の正体に気が付いた!

 

それにしても技の破り方が力任せというかなんと言うか。

 

ユエが神速を発動! さらにプレシアさんも神速の領域に!

 

テンパってるプレシアさんかあいいよぉ~おもちかえり~!

 

なんとかプレシアさんを倒したユエ!

 

しかし後ろから人が話しかけてきた!

 

そいつの正体は!? 敵か味方か!?

 

それでは次回も異世界冒険譚にスロットイン!

 


 
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