No.179357

真・恋姫†無双~江東の白虎~第弐章 12節~黄天崩壊、覇者と白虎~ 前編

タンデムさん

ちわっす!
タンデムです!
是を書いている途中で、纏めきれない事が発覚してしまい、
渋々前中後編に分ける事と成りました。
今回は黄巾党壊滅までを書いてあります。

続きを表示

2010-10-20 12:17:59 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:14897   閲覧ユーザー数:10677

この小説は、北郷一刀、呉の主要キャラほぼ全てと華陀に

 

いろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

その点を踏まえて、お読みください。

穏に襲われた後日、一刀は外回りの警備に行っていた。

 

黄巾党の部隊も復活した江東の白虎のせいで、殆ど此方に寄り付かないのだが、

 

身の程知らずのバカたれもいるので、出ないといけない。

 

決して、決・し・て! (大事な事なので、二度言いました)

 

館に居ると襲われるからとかでは断じて、断・じ・て! (大事なのでry)無い。

 

「ん?」

 

そして、何故か国境を越えて此方に進軍している軍が見えた。

 

それに追いかけられている黄巾党と思われる軍団があった。

 

「へぇ~なるへそ。 結構、頭使ってんじゃん」

 

「どうしやすか、旦那?」

 

一刀の呟きに、兵が指示を求めてきた。

 

「ふっ……決まってる、悪い子にはお仕置きをしないとな。 ちょっと脅かしてやる」

 

「うわぁ……旦那大人げねぇ」

 

一刀の答えに、兵は心底哀れみをこめた視線を国境を越えてきた部隊に向けながらそう呟いた。

 

「るっせ。 おら行くぞ!」

 

「うっす!」

 

そして、国境を過ぎた事に気付き転進しようとしている軍に声をかけた。

 

少数だからと、舐められないように一刀は覇気を出しながら、声を張り上げた。

 

「其処の部隊っ!! 所属と名を名乗れっ!!!」

 

「っ!?」

 

一刀の発した言葉と覇気に、その部隊に緊張が走るのが分かった。

 

黙っているわけにも行かず、二人の女性と少女が声を出した。

 

「私達は、曹操軍所属の部隊、私は将の夏侯惇と言う」

 

「ふ、副将の許緒です」

 

女性の方はそうでもないが、少女の方はビクビクと震えている。

 

「で? その部隊が此処に何しに来たんだ?」

 

「っ!」

 

「ひぅっ!」

 

厳しい表情で一刀は、二人を見た。

~美羽の本城~

 

 

「ってな事が三日前にあってな、いっや~楽しかったよぉ♪

 

偶には、外回り行ってみるもんだねぇ♪」

 

現在、一刀、美蓮、雪蓮、冥琳と一緒に美羽の城に来ている。

 

冥琳は美羽達の真実の姿を知り、美羽達の謝罪の後、彼女達と直ぐに打ち解けた。

 

元々頭の固い方ではなかった冥琳は、美羽達の事もすぐに受け入れた様だ。

 

その後、一刀が三日前にあった出来事を四人に話している。

 

簡単に言うと、黄巾党を追って知らぬうちに、国境を超えて来た事を分かっていたくせに、

 

自分の覇気にビクビクしている夏侯惇と許緒が可愛くて、つい意地悪をしてしまったと言う話だ。

 

そのあと、夏侯惇と許緒の二人に、フォローを忘れないのが一刀(たらし)クォリティ。

 

「……のう雪蓮姉、冥琳姉。 一刀兄様、って結構イヂワルなのか?」

 

「其処の所どうなんですか? 雪蓮さん」

 

「う~ん。 ちょっと……いや結構、意地悪ね」

 

「うむ。 私達も、美羽位の時には色々イヂワルされていたな」

 

と、若者四人が一刀の話を聞いた感想である。

 

是が一般論である。

 

一般論であるが、母は違った。

 

「優しいわね~。 私なら、絶対襲ってるわよ」

 

『……』

 

と、余りにも過激すぎる発言に、一刀もそれは無いと言う表情をして、黙り込んでしまった。

 

「ん? 皆、如何したの?」

 

キョトンとしている美蓮を見て、ああ本音なんだと思ってしまった一刀達は、

 

「…………って、事があってだな、その後、俺宛の文が来たんだよ」

 

「ふむ。 なんて書いてあったのじゃ?」

 

「興味ありますぅ」

 

完全にスルーしました♪

 

「ちょ、無視しなくてもごもご!!」

 

「はいはい、静かにしましょうね。」

 

無視した事に、文句を言おうとした美蓮は雪蓮に問答無用で黙らされた。

 

「簡単に言うとな、『黄巾党本隊見つけたから、一緒にぶっ潰しましょう』ってさ。

 

しかもこれ、曹操直筆だそうだぜ。 領地に踏み込んだ事に、目を瞑っていてくれたからだとさ」

 

「っ!? 其れは本当か?」

 

一刀の手から、手紙を半ば引っ手繰り、読み進めて驚いたような表情を見せる。

 

「本当らしいな。 だが、今の我々では是には参加は出来んぞ?」

 

「だからこそ、美羽の所に持ってきたんじゃないか」

 

そう言って、一刀は美羽の方を向いて、こう言った。

 

「妾は、何をすれば良いのじゃ?」

 

「簡単だ。 美羽に、呉の旧臣達を呼んで貰えば良いのさ。」

 

『はぁっ!?』

 

余りにも大胆すぎる一刀の案に、美蓮ですら驚いてしまった。

 

「た、確かにそうすれば余裕で出陣できるだろうが、反美羽派に反感を買わないか?」

 

「忘れちゃならねえが、反美羽派は、美羽の事を御馬鹿だと思っているんだぜ?

 

それに金にばっかり目が行って、こっちには全く目が行ってない。

 

まぁ、万が一ばれても、美羽と七乃の演技に騙されてる奴等だし、ボケ通しちまえば良いんだよ」

 

と、かなりエグイ事を言っている一刀。

 

「美羽も何時もあいつ等に操られてばかりじゃなくて、今度は美羽がだまくらかすんだよ」

 

そして、若干乗り気でなさそうな美羽に対して、一番効果的な一言を言う。

 

「おお! それは面白いのじゃ! 一刀兄様も悪よのぉ♪」

 

「いやいや、美羽程じゃねえぜ♪」

 

それに楽しそうに、美羽は同調する。

 

それを見て、七乃が少し溜息をつき呟く。

 

「お嬢様を、ちゃんとした道に戻さないと」

 

「その時は、私も手伝おう。 (一刀の悪戯を受け継ぐのは、防がなければならない。)」

 

「冥琳さん、ありがとうございます」

 

七乃の心からの呟きに、昔の悲劇(一刀的に喜劇)を思い出しながら、冥琳はそう言った。

美羽が呉の旧臣を集める事を許可し、一刀が蓮華達に文を出した。

 

その際、一刀は真面目すぎる蓮華と思春を危惧して、美羽に対するフォローも書いておいた。

 

だが、一刀が出したのは蓮華達だけではなかった。

 

 

~許昌~

 

「凪、ちょっと良いか?」

 

「? 如何したんですか?」

 

私は、今日の報告を終えて部屋を出る際、秋蘭様に呼び止められた。

 

「おまえ達に、手紙が来ているぞ。」

 

「そうなんですか?」

 

村の人からなら、私達に直接届けられるのだが、他の知り合いなんて私達には居ない。

 

「ああ。 差出人はあの『江東の白虎』――」

 

「本当ですかっ!!?」

 

私は差出人の名前を聞かされて、思わず秋蘭様に掴みかかってしまった。

 

「ほ、本当だ、な、凪、離してくれ。」

 

「あっ……。 も、申し訳ありません!!」

 

我を忘れて秋蘭様に掴みかかってしまった事に謝罪し、それを見て秋蘭様は良い物が見れたと笑った。

 

どうやら、取り乱した私が珍しかったらしい。

 

私自身も、そんな姿を見られて少し恥ずかしかった。

 

「フフ……。 ほら、三人で読むといい。」

 

「え、あ、ありがとうございます!!」

 

その手紙を受け取った後、私は真桜と沙和の元に走った。

 

「ふふ、あんなに喜ぶとはな」

 

先ほど、手紙を渡した時の凪の表情を思い出し、秋蘭は思わず笑みが零れた。

 

「あの凪が我を忘れるなんて、本当に嬉しかったのでしょうね」

 

「! 華琳様、いらしたのですか?」

 

華琳こと、曹操が物陰からゆっくりと出てきた。

 

「ええ。 貴女が、凪に掴みかかられている頃から居たわ。

 

でも、本当に凪たちが、江東の白虎の直弟子だったのね」

 

ここで、凪達三人が仕官するさい、夏侯惇が手合わせをしたのだ。

 

そこで、誰もが予期しない出来事が起こった。

 

何と、凪が夏侯惇に相打ちギリギリで勝利したのだ。

 

真桜、沙和の二人は夏侯惇に負けはしたが、手こずらせたのは確実で、

 

少しでも気を抜けば、夏侯惇が負けていたかもしれなかった。

 

これほどの武を何処で得たのか、問いただすと彼女達は江東の白虎の弟子だと言ったのだ。

 

普通は全く信じないのだが、それ程の強さを見せられ、正直な所それが真実なのか分からなかった。

 

そして、最近賊討伐に赴いた夏侯惇が、孫呉の死んだはずの江東の白虎に借りを作ってしまったと言ったのだ。

 

だから、借りを返上する為に、文の中に黄巾党の本拠地を一緒に叩きましょうと、文を送っておいたのだ。

 

そして、その返事は速やかに届き、同時に凪、真桜、沙和宛ての手紙も一緒にあった。

 

是で、疑いようも無かった。

 

凪たちは江東の白虎の弟子である事そして、江東の白虎が復活したという噂は真実と言う事だ。

 

「江東の白虎復活か……ふふっ、どんな男になったか楽しみね」

 

天下への最大の巨壁が現れた事に、華琳はワクワクした表情で微笑らった。

 

「? 華琳様は孫江にあった事があるのですか?」

 

「あら? 私が彼と会った時の話を話した事無かったかしら?

 

いいわ、なら今宵私の閨に来なさい。 可愛がってあげる序でに話してあげるから」

 

「……御意」

 

と、華琳が妖艶に微笑みながら言った事に秋蘭は、頬をほんのり赤く染めて嬉しそうな表情を見せた。

凪は、昼休みの時間に真桜と沙和を呼び寄せた。

 

あの時とは違い、見覚えのある一刀の直筆の手紙だ。

 

三人は、凪の部屋に集まって手紙を開いた。

 

「えと……」

 

 

『我が愛する凪、真桜、沙和へ

 

文面だが久しぶりだな、三人とも。

 

今まで手紙を出せなくてすまない。

 

おまえらの村が、曹操殿の勢力下に入ったと聞いたから、文を書かせてもらった。

 

俺は、戦で死に掛けていたが、やっと復活できた。

 

俺が死んだと聞かされたときに、少しでも悲しんでくれたのなら、俺としてはすまなくも思うが同時に嬉しい。

 

そんな事よりも、俺が生きているからと無理して此方に来なくても良い。

 

俺は、俺の道を行く。

 

だから、おまえ等は、おまえ等の道を行け。

 

だが、選んだからには絶対に道からそれるな。

 

たとえ、選んだ道が道無き道だとしても、自分で、自分達で道を作る位の気概でその道を進め。

 

これが、師匠としての俺の、最後の教えだ。

 

孫江 王虎 一刀』

 

 

「し、しょう……うぅ」

 

「あかん、センセェ……グズッ。」

 

「ヒクッ……せんせぇ……。」

 

一刀の手紙を読み終わると、またもや三人に雨が降った。

 

だが、この雨は直ぐに止み、三人に虹を作る雨だった。


 
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