No.179084

美波、瑞希と秀吉と恐怖体験

tanakaさん

秀吉を書いてみたかった。それだけなんです。
可愛いから仕方ないよね?

2010-10-19 00:18:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3189   閲覧ユーザー数:2933

「島田に姫路……お主らは何故、そんな形相でワシを睨んでいるのじゃ?」

「木下が悪いのよ」

「そうです。全部、木下君が悪いんですっ」

「わ、ワシが何をしたというんじゃ?」

 二人の逆鱗に触れるような事をした覚えはないんじゃがな。

 むしろ普通に明久達と話をしておっただけなのに。

「そ、それは……アキに……」

 明久がどうしたというんじゃ?

「木下君が明久君に色目を使うから……」

「なっ!?」

 い、何時、ワシが明久に色目を使ったというんじゃ!?

 いや、そもそもワシは色目なんぞ使っておらぬわ!

「じゃあ、何でアキは木下を女の子として扱ってるのよ!?」

「そんなのワシが聞きたいくらいじゃ」

 ワシは男だと常々言っておるのに、それなのに――

 

『秀吉は何を言ってるの? 秀吉は男じゃなくて、秀吉っていう性別なんだよ』

 などと言いおってからに。

「アキは大バカだから仕方ないけど、そのバカさを逆手に取ってアキを誘惑するのはズルイわよ」

「そ、そうですよ。木下君はその容姿を武器として使い過ぎなんですっ!」

「…………」

 この二人は何を言っておるのじゃ?

 ワシは明久を誘惑した覚えはないし、何より自分の容姿を武器として使ってもおらぬわ。

「とにかく一つハッキリとさせないといけない事があるわ」

「そうです」

「な、なんじゃ……?」

「木下はアキのこと好きなの?」

「木下君は明久君を愛しているんですか?」

 本当にこの二人は何を言っておるのだろうか?

 ワシと明久はただの友達だというのに。

「もし好きなら少し考えないといけないわ……」

 島田……どうしてお主は指の骨を鳴らしておるのじゃ?

「そうですね。もし木下君が明久君を愛しているのなら、対策を考えないといけませんね……」

 姫路……お主の笑ってない笑顔は怖すぎるのじゃが。

「どうなの木下!」

「どうなんですか木下君!」

「わ、ワシは――」

 

 

「あれ? 秀吉どうしたの? 随分疲れ切った顔をしてるけど」

「いや、少しだけ命の危険に晒されておっただけじゃ」

「そ、そうなんだ……」

「ああ……」

 まったく、島田も姫路も素直に自分の気持ちを明久に伝えればよいのに。

 ワシに八つ当たりをするのはどうかと思うぞ。

 それにしても、明久も罪づくりな男じゃな。

 


 
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