No.178200

真・恋姫†無双~江東の白虎~ 第弐章 7節~一刀の湯煙珍道中~

タンデムさん

ちわっす。
タンデムです!
今回は、四人が旅の途中にアクシデントに遭うお話です。

では、本編どうぞ!

2010-10-14 19:03:52 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:12600   閲覧ユーザー数:9016

この小説は、北郷一刀、呉の主要キャラほぼ全てと華陀に

 

いろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

その点を踏まえて、お読みください。

一刀が、呉の皆の前から姿を消して半年。

 

一刀からの手紙を読んだ後、紗那は一刀の部屋から出てきた紗那宛の巻物と密書を手に、

 

建安よりもさらに南下していた。

 

巻物の内容は、紗那への密命だった。

 

当時の紗那は一刀の部下で、紗那は最後の一刀からの命を成功させるため、一人呉を離れていた。

 

~side紗那~

 

 

「はぁ……はぁっ!」

 

私は磊山崩を構え、呼吸を整え薙ぎ、振り下ろす。

 

一刀様から教わった"剛"と"柔"を意識しながら。

 

眼の前にいる仮想の相手に磊山崩を叩き付ける事を想像する。

 

一刀様の柔でありながら剛、剛でありがら柔という姿を意識しながら、振るう。

 

「おや、子義殿。 朝からせいが出ますのう」

 

「……潘臨(はんりん)殿、おはようございます」

 

朝の鍛錬をしていると、一人の老人が私に話しかけてきた。

 

この老人は、この地の長だった。

 

「水を差すようで悪いんじゃが子義殿、朗報ですぞ。 民達の半数の意見がそろそろ合いそうですじゃ」

 

「! 本当ですか!?」

 

潘臨殿の言葉を聞いて、私は飛び上がらんばかりに嬉しくなる。

 

「うむ。 儂等とて、無駄な血等流したくは無い。

 

まぁ、中には血気盛んな阿呆もおるが……。 殆どの者は孫江殿の文に心打たれたものが多いようじゃ

 

まぁ、儂は血気盛んな部類じゃったがな」

 

そう言って潘臨殿はからからと笑った。

 

「では、鍛錬の邪魔にならんよう儂は退散するとするよ」

 

一頻り笑った後、潘臨殿は村の方に戻って行った。

 

長が村の方に戻って行くのを見ると私は、空を見上げた。

 

「(一刀様、私に与えられた命を完遂して、お会いできる日をお待ちしております)」

 

私はいつか来る再開の時を夢見て、自分に与えられた任務を一日でも早く完遂するため、村に向かった。

一刀が稟、風、星の三人と旅をして来て丁度半年、

 

『グルルルル……』

 

「……おい、安全な道じゃなかったのか、星?」

 

「……う、うむ、これはちと厄介ですな」

 

「ぐぅ……」

 

「ふ、風! こんな時ぐらい、起きてなさいよっ!!」

 

何故か深い森の中で、多数の狼に囲まれていた。

 

野宿をしてかれこれ三日、次の街まで近道をする為に、森の中を突っ切ろうと星が言い出し、

 

始めは、同意していなかった一刀だったが、女性陣は早く体をまともに拭きたいらしく、

 

仕方無しに道を変更し、森の中を突っ切ることにした。

 

だが、その結果がこれである。

 

5~6匹ぐらいなら、なんら訳は無いのだが、20を超える数の狼の大群に囲まれている。

 

とてもではないが、稟と風を護りながらかつ、

 

自分の正体を隠せたままで、狼達を追い払うのは難しいと感じた。

 

「星、木に飛び上れるか?」

 

「正直難しいです。 助走をつければ、話は変わりますが……」

 

星の返事を聞くと、一刀は後ろに匿っている稟と風の方を向いた。

 

「少しの間、我慢してくれよ」

 

「おおぅ?」

 

「な、何をするのですか!?」

 

そして、行き成り二人を脇に抱えた。

 

「星、俺に負ぶされ!」

 

「む、悩んでる暇無しか、では失礼いたしまする!」

 

背中に柔らかい感触が押し付けられるのを確認すると、一刀は1本の木に向かって一気に飛び上がった。

 

『がうがうっ!!』

 

その直後、狼の群れが自分達の先ほど居た場所に群がっていた。

 

「ふう、間一髪」

 

「上ったは良いのですが、どうやって移動するつもりですか?」

 

一息つく一刀に、抱えられた状態の稟がそう指摘する。

 

『ぐるるる……』

 

事実、まだ狼達は木下に陣取っているのだ。

 

狼達が去るのを待っていては、結局今日も野宿が確定してしまい、体を拭く事が出来ない。

 

「降りたししたら、また大変な目に遭いますよ?」

 

「なに、だったら上を移動すればいいんだよ、こういう風にね!」

 

そういうと、一刀は行く道の方向に生えている木に飛び移る。

 

突然の行動に、3人――特に稟と風は、かなり慌てた。

 

一刀を信用してないわけではないが、捕まっているだけの自分達は、

 

一刀が手を滑らせて自分達が落下してしまえば、

 

武の無い彼女達は、狼たちの腹の中に納まるしかないのだから。

 

一刻ほど木の上を進んでいくと、急に開けた場所に――崖に出てしまった。

 

「あ?」

 

「は?」

 

「へ?」

 

「おおぅ?」

 

一瞬の浮遊感の後――――。

 

「わあぁぁぁぁぁぁ……」

 

『きゃあぁぁぁぁぁ……』

 

四人は仲良く崖の下に落ちていった。

『……ぁぁぁぁあああっ!?』

 

四人が崖を落ちていくと、下の方に湯気の上がっている小さな池があるのが見えた。

 

「星! 風を掴めっ!!」

 

「承知っ!!」

 

「おおぅ!?」

 

一刀がそう言うと、星は一刀の右側に抱えられている風を片手で掴む。

 

一刀、右腕が開くと風に持って貰っていた、着替えの入っている袋を、

 

地面の方に投げてはばれ様がどうなろうが構わず直ぐに氣弾を作って、

 

思いっきり池に向かった投げ込んだ。

 

ドンッ!!

 

其れにより、とんでもない水柱と共に、水飛沫が跳ねた後――。

 

ドボンッ!

 

泡立って、柔らかくなった水面に落ちた。

 

『ぷはぁっ!!』

 

四人は深く沈んだ後、精一杯水面に向かった泳ぎ、顔を出し新鮮な空気を杯に取り込み、池から這い出る。

 

「はぁはぁ……皆、大丈夫か?」

 

「はぁはぁ……う、うむ」

 

「はぁはぁ……な、何とか」

 

「はぁはぁ……ふ、風は初めて、死ぬかもしれないと思いました……」

 

一応四人とも平気な様だが、岸に上がって大の字になり、息も絶え絶えと言った様子だった。

 

暫くして、息を整えた一刀が、四人に話しかけた。

 

「にしても、良かったな。 此処に天然の温泉が池波の深さで在って、もし無かったら死んでたぜ」

 

「確かに、それと川があってよかったですな。 川の無い源泉に落ちていたら、我々は煮物になっていた所だ」

 

一刀の言葉に対して、星は横に流れている川を見ながらそう答える。

 

そちらを見ると、温泉の方に川の水が流れ込んでいて、源泉の温度を下げていた。

 

事実、下の方はかなりの温度になっていたのを、落ちて沈んだ時に身をもって知った。

 

温泉の周りは、深い森に囲まれており、秘境という感じだ。

 

そんな事を話していると、一刀は徐に立ち上がって服を脱ぎ出した。

 

「一刀殿、何を為さっているんですか!?」

 

「服が濡れてたら、風邪ひくだろ? だから、乾くまで脱いでようと思っただけだ」

 

そう言っている間に、あれよあれよと言う間にパンツ一丁になっていた。

 

「一刀の美しい肢体が私達に……ぶーーっ!!」

 

「はぁ……下見えてねえんだから大丈夫だろうに……。 風トントンしてやっててくれ」

 

「はーい。 では、稟ちゃんトントンしましょうね」

 

その姿を見て、稟はお約束どおり鼻血を噴出し、その姿を見て慣れたのか半分呆れ、

 

風に教えていた鼻血のツボを押させる。

 

その姿を見ながら、一刀は服をかけた後、森の方に足を向ける。

 

「一刀殿、どちらに行かれる?」

 

「飯を取ってくる。 一刻ぐらいで戻るから、さっさと着替えてろよ」

 

そう言って、近くに落ちていた袋を指して、森の中に入っていった。

~一刻後~

 

「……おい、何で手前らは風呂に入ってるんだ?」

 

一刻後、月も天に輝く時に、一刀が捌いた動物の肉や魚や木の実やらを持って戻ってくると、

 

何故か三人とも温泉に入っていた。

 

「おお、一刀殿。 いや街まで待たず、ここで入ってしまえば良いのでは、と思ってな」

 

星は淵に肘をかけて、手ぬぐいで顔を拭いながら一刀にそう答える。

 

「お兄さんも、一緒にどうですか? 下着一丁では寒いでしょう?」

 

「いや、そうしたいのは山々なんだが……稟が平気じゃねえだろ?」

 

手ぬぐいで、髪を纏めた風が淵に捕まりながら、一刀にそう言う。

 

確かに夜となって温度が下がり、ほぼ全裸の体には答えるので入りたいのだが、

 

最大の被害がでる稟に視線を送る。

 

「いえ、大丈夫です。 今日の分は、さっき出し切りましたから」

 

そう言って、稟は一刀に視線を向ける。

 

顔が赤くはなったが、鼻血は出なかったが、よく見ると首の後ろに手が回されていて、

 

鼻血のツボを刺激しているようだ。

 

其処までしてもらっていては、流石に入らないわけには行かない。

 

「はぁ……なら、御相伴に預かろう、少し待て」

 

そう言って、夕食と共に拾って来た薪に火をつけ、

 

上流で取って来た魚を火に掛けて、パンツ一丁のまま風呂に入る。

 

「おや、脱がないので?」

 

「俺は、巻けるほど手ぬぐいがねえんだよ」

 

そう言って、星に返す。

 

そして、徐に空を見上げると星の群れが激流の様に流れ、美しい輝きを放っていた。

 

俗に言う、流星群である。

 

「おい、上を見てみろ……すげえな」

 

「ほう……是は……」

 

「なんと……」

 

「綺麗ですねぇ……」

 

その一瞬の内に消える儚い星の輝きに、四人は見惚れ口をつぐんだ。

 

少しして、一刀が口を開く。

 

「そう言えば、俺がお前らと旅をして、丁度半年だな」

 

ポツリと呟いたその一言は、静かな森の中に良く響いた。

 

誰も返事は返さなかったが、一刀は構わず言葉を紡ぐ。

 

「この景色は……もしかしたら、天が祝いの為に見せてくれているのかもな」

 

「……一刀殿」

 

「一刀殿」

 

「お兄さん」

 

一刀のその呟きには、先程まで口をつぐんでいた3人ともが、彼を見て一刀の名を呟く。

 

と、其処に芳ばしい香りが漂って来た。

 

「おっと、そろそろ魚がいい感じだな。 さっさと上がって来いよ」

 

火の方を見て、一刀はそう言うと風呂から上がり、火の方に向かった。

 

その後姿を見ながら、語る。

 

「我々は、良い旅の友を得たな」

 

「ええ」

 

「本当ですね」

 

彼女等に背を向け、夕餉の用意をしている一刀を見て、彼女等はそう呟くのだった。

 


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