No.176368

真・恋姫†無双 頑張れ一刀くん改 その15

荊州を追われ呉へと敗走する『庶王』
嫌な予感がしてたまらない『呉王』
領土が減っていることに気付かない『魏王』
そして徐々に侵攻を始める『普王』

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2010-10-04 14:13:16 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:9791   閲覧ユーザー数:7547

 

「孫策様、庶より使者がやって来ました!」

 

 

建業で珍しく仕事をしていた雪蓮に兵士から報告が来る。

 

 

「庶と言えば一刀! 使者はなんて言っているのかしら?」

 

 

一刀を思い出し、表情を輝かせる雪蓮。

 

 

「はっ。それが何やら重要な話なのでここでは話せないとのことです」

 

 

それに答えたのは冥琳。

 

 

「やはり先日の敗走と関係があるのだろう。雪蓮、どうする?」

 

 

呉にも庶軍の敗北の報は伝わっていた。

 

 

「もちろん会うに決まっているわ。一刀の頼みを断れるわけがないじゃない♪」

「ふっ。それもそうだな。では、使者たちを丁重に通せ。くれぐれも粗相のないようにな」

「御意!」

 

 

敗走と聞いてから一刀の安否が気になっていた雪蓮たちはようやく安堵することができた。

 

 

 

「でもどうしてかしら?」

「なにがだ?」

「嫌な予感がするのよ」

「我々のような凡人にはそのような感覚は分からん」

 

 

雪蓮はぶるっと身体を震わせた。

 

 

 

 

 

雪蓮、冥琳が会談の席に着くと、朱里と星は頭を下げる。

 

 

「今回はこのような席を設けていただきまことにありがとうございましゅ。諸葛孔明と申しましゅ」

「趙子龍と申します」

 

 

雪蓮はボソッと冥琳に耳打ちをする。

 

 

「一刀の一番最初の家臣の趙雲にはわわ軍師とは、これは本気のようね」

「ああ。少なくとも世間話をしに来たわけではなさそうだ」

 

 

庶軍の本気具合が窺えた。

 

 

そして話に入ろうと雪蓮が口を開こうとするとお茶が差し出された。

 

 

「ありがとぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 

お茶を出した侍女にお礼を言いながら。ちらりと顔を見ると、そこに見知った顔がいて、雪蓮はひっくり返った。

 

 

「へぅ!? だ、大丈夫ですか?」

「え、ええ。だいじょーーーーーーーー!」

 

 

差し出された手を取ろうとした雪蓮はその手の主に気付いて慌てて一人で立ち上がる。

 

 

「と、とととと董卓……さん?」

「はい♪ お久しぶりです孫策様。あの時はお世話になりました」

 

 

思わずさん付けしてしまうのは仕方の無い事。

 

 

――――まさか、あの時のお礼参りに!?

 

 

反董卓連合の時に月の本気の殺気を浴びせられた雪蓮は命の危険を感じると共に、数日間の嫌な予感はこれだったのかと理解した。

 

 

 

 

「な、なんで董卓さんが侍女のような事をしているのかしら?」

「へぅ? だって今は一刀くん専属のメイドですから」

 

 

メイドというのがどんなものかは分からない。

しかし、あれこれ言って怒らせてしまえばジ・エンドになりかねないので好きにさせることにした。

 

 

後に冥琳は語る。

 

「あの時の雪蓮は怒った時の文台様を前にしているようだった」

 

と。

 

 

 

「ま、まあいいわ。それで、あなたたちの要件はなに?」

 

 

 

気を取り直して目の前の二人に話しかける雪蓮。

 

 

「はわわ、庶と同盟を組んで一緒に魏を倒しましょう!」

「はわわ! 星さん真似しないでくださいよ~」

 

 

星が朱里の声を真似しながら単刀直入で切り出す。

あまり似ていない。

 

 

 

「いきなりだな。そのようなことを我々が呑むとでも?」

「いいわ! すぐ同盟しましょう! 冥琳早く準備しちゃって!」

「雪蓮!?」

 

 

何かに脅迫されているかのように雪蓮は同盟を決めてしまう。

星と朱里の後ろに立つメイドはただ柔らかく微笑んでいた。

 

 

 

 

星は先程の雪蓮の様子からすぐに同盟が組まれると思っていた。

だから回りくどい事などせず単刀直入に切り出したのだ。

 

 

「はあ。いずれにせよわが国だけでは魏を倒すことは難しいと考えていたのだがこのような形で同盟が組まれるとは軍師の見せ場がないわ」

 

 

冥琳は外交も軍師の腕の見せ所だと考えているのでため息を吐くのだった。

 

 

 

「はわわ。本当ですよぅ~」

 

 

朱里も同じような事を考えていた。

 

 

しかし雪蓮は違った。

 

 

「断ったら殺される断ったら殺される断ったら殺される断ったら殺される断ったら殺される断ったら殺される断ったら殺される断ったら殺される」

 

 

ぶつぶつと呟いていたという。

 

 

「へぅ?」

 

 

どうして雪蓮がこのような状況になっているのか分からない月だった。

 

 

そしてここからは冥琳と朱里、そしてたまに星が口を挟むといった感じで軍議が繰り広げられた。

 

 

 

 

 

<おまけ>

 

 

「公孫賛様!」

「どうしたんだ?」

「青州からお招きしたいという書が届きました」

「なぜ青州から?」

「おそらく公孫賛様の治安の良さの秘訣がしりたいのでしょう」

「そ、そうか。それじゃあ行こうかな?」

「分かりました。そのように手配しておきます」

 

 

 

青州に着いた白蓮。

 

 

「おお、こちらが新しい太守の方ですな」

「ん? なんのこと――――」

「そうです。こちらが新しく派遣された公孫賛様です!」

「やはりそうでしたか! 前の太守が急逝されたので助かります」

「お、おい――――」

「それはもう大船に乗った気でいてくだされ」

「はっはっは。期待しておりますぞ? では城へどうぞ」

「な、なあ。どういうことなんだ?」

「はい。実は青州の太守も兼任してほしいそうなのです」

「そうなのか!?」

「ええ。これも公孫賛様の徳の賜ですぞ」

「なんだかこっ恥ずかしいな」

「はっはっは。それでは行きましょう」

「よし、頑張るぞー!」

 

 

こうして新たに領土手に入れた白蓮だった。

 

 

完。

 

 

 

 

<治療の神 ディアン・ケト>

 

 

ちょっぴりアンケートです。

 

 

この結果は結末が変わる程度なので軽い感じでやっちゃってください。

 

 

 

 

 

「この作品のメインヒロインは誰?」

 

 

 

 

 

 

適当に名前書いちゃってください( ゚∀゚)o彡°

なかなか混戦が予想されます。

それではよろしくお願い!

 

 

 


 
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