No.175532

真・恋姫†無双~江東の白虎~第壱章 第1節~一刀君は孫家の長男坊~

タンデムさん

ちわっす。
今回、どこに拾われたのかわかります。

ではどうぞ!

2010-09-30 13:21:02 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:20411   閲覧ユーザー数:14818

この小説は、北郷一刀にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

その点を踏まえて、お読みください。

一刀を拾った男性は、一刀を抱えてでっかい屋敷に入っていった。

 

「(え? めっちゃ金持ち……。 拾われた身としては嬉しいけど、正直どうなんだろ……。)」

 

もし由緒正しい家系とかだったら、『拾い子だから、また捨てる』なんて事にならないか、一刀は心配だった。

 

「ただいま。」

 

男性は、一刀の心配なぞよそに、堂々と家の中に入っていった。

 

「お帰りなさいませ、旦那様! 先ほど、奥方が……美蓮殿が、産気付いて――」

 

と、男性を年のころ15~6の銀髪の少女が、大きな果実を揺らしながら慌ててやってきた。

よほど急いでいたのか、一刀に全く気付いてない。

 

「何と!?」

 

「(え? 若しかして、美蓮とか言う人はこの人の奥さん? マジで? じゃあ俺ピンチじゃん!!)」

 

何時もの一刀なら、その揺れている果実に目を奪われて居る所だが、命の危機に直面しているため、それど頃ではなかった。

心の中で、色々と心配している一刀をよそに、男性は一刀を抱いたまま、産気付いた人物が居る部屋へ入っていった。

 

「おぎゃぁぁぁ~!! おぎゃぁぁぁ~!!」

 

扉を開けたとたん、元気の良い赤ちゃんの泣き声が耳に届いた。

 

「おお! 産まれたか」

 

「あなた……。 ええ、見て。ほら、元気な女の子よ」

 

寝台に寝ている女性が、抱いている女の子を男性に見せる。

一刀も、自分の心配などよそに、その子を見る。

 

「(うんうん。 かわいい女の子だなぁ。 はぁ、俺はまた路頭行きか……。)」

 

と諦めかけた一刀の頭の上から、声が降ってきた。

 

「おお! それと美蓮。 喜べ! さっきこの子を拾ってきた」

 

そう言って男性は、美蓮―寝台に伏せている女性―に一刀を見せた。

 

「(若しかしてチャンス到来!? アピールしまくってやらぁぁぁぁぁ!!)」

 

もう生きるために必死で、キャラが壊れかかっているが、気にしてはいけない。

 

「あっ! あっ!」

 

一刀は必死に女性の顔に、手を伸ばして擦ったり、笑顔を浮かべたりしまくった。

 

「うふふ。 かわいい男の子じゃない……。 でも、この子、私みたいに目が蒼いのね」

 

そう言って、美蓮は一刀を抱き、顔を覗き込む。

 

「うん、気に入ったわ。 今日から、この子も私の息子よ。 良いわよね? あなた」

 

「ああ、勿論だよ。 そういうと思ってたから拾ってきたのさ。 お前も、うちに来て早速、もうお兄さんだ」

 

「(いぃぃぃやっったぁぁぁぁぁぁ! ありがとう!! (今日から) 御父さん! 御母さん! 初めまして! 我が妹よぉっ!)」

 

飛び跳ねんばかりに、内心喜んでいる一刀をよそに、二人は話を進めて行く。

 

「そういえば、この子の名前は如何しよう? 女の子の方はもう考えてあるんだけど……」

 

そう言って、男性は寝台に腰掛ける。

ふふと笑い、美蓮が言う。

 

「私の、異名『江東の虎』から文字って、名は江、字は王虎(ワンフー)、真名は……一刀なんてどうかしら」

 

「(へ? 江東の虎? それって、孫堅の二つ名だよな? ……そういえば周りからして、時代かかっ感じの建物ばっかりだし……まさか、(年齢も一緒に)タイムスリップ&パラレルワールドIN俺? HAHAHAHA……笑えねえよっ!)」

一刀が状況に、混乱しまくっている事など露程も知らず、二人は会話を進めて行く。

 

「名と、字はわかるが。 真名は如何いう意味が込められているんだい?」

 

「一番大切なものを護る、刀(つるぎ)のような子になって欲しい。 と言う意味を籠めたわ。 男の子ならこう言う名前にしようと前から決めていたものよ。 ダメかしら?」

 

と、美蓮は夫に聞く。

 

「……お前は幸せ者だな。 素敵な名前も真名も、母親から貰うなど」

 

そう言って一刀の頬を、人差し指で軽くつつく。

 

「(確かに。 知らねぇ内に、また一刀って名前付けられたけど。 でも、この人たちのとこで、この暖かいトコで暮らす……のも……良いかも……ね……。)」

 

美蓮「あらら、寝ちゃったわ」

 

「ホントに。 二人とも、可愛い寝顔を浮かべている」

 

女のこの隣に寝かすと、女の子の手が一刀の手に当たり、きゅっと掴む。

 

一刀も、眠ったまま、きゅっと握り返す。

 

その様子を二人は、幸せそうに、微笑ましく見ていた。

一頻り寝た後、一刀は目を覚ました。

 

空腹のために

 

「(やべ、腹減ってきた……。 多分、もう直ぐ泣き出すな……。)」

 

赤ん坊と言うのは、どうしてこんなに泣きやすいのだろうか? と思うが、背に腹は帰られない。

 

さて泣くかと思った瞬間―――。

 

「おぎゃぁぁぁぁ!! おぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

隣で女の子が泣き出した。

 

「(……そういやぁ、隣で寝てたんだったな……。 じゃ、便乗して泣きますか。)おぎゃぁぁぁ!!おぎゃぁぁぁぁぁ!!」

 

と、一刀もその子に合わせて泣き出す。

と、扉から先ほどの少女が入ってきた。

 

「おやおや。 孫策さまも、孫江様も腹をすかせておいでか。 美蓮殿の所へ連れて行くとしよう」

 

と入ってきた少女の言葉に、一刀は内心信じられないといった感じだった。

 

「(何ですって? 今、孫策って行った? マジ? 孫小香の方かと持ってた! ってぇことは、俺って長男なの!? 三男坊かと思ったのに……。)」

 

とまぁ、三国志の知識で色々と問題なことを考えながら一刀は女性に連れられ、母の元でお乳をいっぱい飲みました。

時たま、美蓮が時々艶っぽい声を出していたが、本能が頭の中いっぱいに占めていたのか邪な思いを抱くことはなかった。

無事腹いっぱいになった一刀と雪蓮――孫策の真名――と一緒に寝かされていた。

 

「(ふぅ……腹いっぱいになった。 さて―――。)」

 

徐に、隣に寝ている雪蓮をみた。

 

「(若しかして、これから産まれる孫権、孫尚香も性転換して生まれてくるんだろうか……。)」

 

自分の世界の古の英雄の名をもつ自分の妹。

 

と言う事は、この子も何れは戦場に出るのだろうか?

 

「(はぁ……お兄ちゃんになると、護らにゃならんもんが増えるねぇ。)」

 

と内心溜息をつきながら、何となくだが確りとお兄ちゃんとして確立しつつある一刀であった。


 
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