No.173725

幻想✝無双 第10章 決着(最終決戦)

第9章です

赤壁が舞台です。
エピローグ書くか否かそれが問題だ…

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2010-09-20 19:06:32 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2078   閲覧ユーザー数:1883

あの戦いが終わり呉,蜀に帰った3人。

蜀では南蛮遠征から帰ってきた将は驚いた。

 

遠征前は目が死んでおりこの世を怨んでいる感じしかなかったカスミが帰ってきたらその感じがまったくなかったのだ。

しかしそれを喜んでばかりはいられない状況が起こった。

魏軍が本腰を入れて呉,蜀に攻める為準備をしているという伝令が入ったのだ。

 

「魏がとうとう動きだしたわね」

「そうね…さて…どうしようかしらね…」

「少なくとも総数で魏にはかなわないわよ…」

「そうですよね~」

 

呉にも魏が攻めてくるという情報が入ってきてどうするか軍師と王が集まり考えていた。

南制については成功しており今、蓮華たちが内政を取りまとめていた。

 

「戦うとしたらこれが最後でしょうね…」

「そうだな蜀については桃香たちが上手くやってくれているし呉に攻めようとも考えていない」

「そうですね~でも戦うにしても~」

「きついわよね…陸でわ…」

「となると…河か…ならば」

「赤壁ですね~」

「そうね…じゃあその方向で準備よろしく」

「わかった…ならば蜀には」

「はいは~い!私がいってきま~す」

「わかった、穏…よろしく頼む。じゃあ私はレイたちに戦の準備を言ってくる」

「じゃあ二人ともよろしく頼むね」

「「御意」」

 

「主よどうしたんだ」

「ちょっとね…」

「もしかしてカスミに手紙を書いてたのか」

「そんなところかな…」

「はぁ~…カスミはいいがたまには私も相手してくれ…主」

 

軍師たちが会議をしていた頃レイたちは自分たちの部屋にいた。

戦いが終わって思春はレイから主と呼び方を変えた。

しかしみんなの前では恥ずかしいので二人っきりの時だけなのだが…。

 

その時不意に扉が開いた。

 

「思春よ…主って誰の事だ?」

「冥琳殿!」「冥琳さん!」

「…まあその事は後々聞くとして…今から戦の準備をしてくれ」

「「はい?」」

「魏がじきに侵攻してくる…その為にな」

「「御意」」

「そうそう…忘れんうちに言っておく今回は蜀と一緒に戦うからな…それじゃあよろしく頼む」

 

そう言うと冥琳は部屋を出て行った。

 

「…魏が動くか…これが最後だろうな」

「そうだね…」

「ところで主よ…蜀と一緒と聞いた時嬉しそうだったな…」

「…さてと、準備しにいこっか思春」

 

レイはそそくさと出て行った。

 

「まったく………待てレイ」

(合流するまでの夜はうんと甘えてやる!!)

 

そんな事を思いながらレイの後を追う思春だった。

 

それから半月後魏がとうとう動き始めた。

呉,蜀もそれに勘付いて赤壁周辺に向かった。

 

「さてと…どうしよっか…」

「そうですね~私たちの軍を合わしてもむこうに負けてますからね~」

 

赤壁に集結した呉,蜀は軍議を行っていた。

 

「そうですね…曹操さん相手ですし」

「生半可な策だと見破られるでしょうし」

「どうしたものか…」

 

伏龍,鳳雛,美周郎と蜀呉の軍師を悩ませるほど曹操は難敵だった。

曹操陣営には勇将,知将がそろっておりそれを自在に扱い、曹操自身もなんでも屋といえるくらいに全てに精通していたのだ。

その為策がなかなか決まらず軍議が膠着していた。

それを見ていた祭が苛立ち、とうとう声をあげてしまった。

 

「お主ら…戦を盤上の遊びかなんかと思っておらんか」

「なに…」

「戦とわな!武官同士の力と力で優劣を決める物だ!文官ごときがピーチクパーチク言ってやるものではない!」

「ひかえろ黄蓋!呉の大都督を愚弄するつもりか!」

 

祭の言葉に冥琳は頭に来た。

しかし意外な方向から祭に賛同する声が上がった

 

「たしかに…戦は武官の仕事、文官に指図される筋合いはない」

「甘寧!きさまもか!」

「お二人の言う事は極論ですがこれ以上軍議が進まない以上一度手合わせしてみるしかないかと…」

「あわわ…ご主人様まで」

 

思春とカスミの発言にレイは二人を見た。

 

(なるほど…)

 

レイは二人の考えを理解しこの会話に乗る事にした。

 

「二人とも…祭さんに賛成なんですね」

「ああ…」「ええ…」

「何も策を講じず戦うのはいたずらに死人を増やすだけだぞ!」

「それがどうしました…」「武官たるもの命を懸けて戦うのだ。死ぬのは本望だ…」

「二人ともよく言った!!文官どもにこの気持ちわかるはずもない!!」

「冥琳さん…どう思います?」

「少なくとも黄蓋,甘寧については現時点を持って将軍から一兵卒にするのが妥当だな」

「なんじゃと!」「ほほ~」

「あとカスミ殿は蜀なので何とも言えないが少なくとも今回は外していただきたい…レイはどう思う」

「同感です」

「冥琳さんと同意見なんですね……浮気者」

「ほ~…雪蓮さんはどう思います」

「冥琳たちに任せるわ」

「…という事だ。黄蓋,甘寧は出て行ってもらおう」

「カスミもですね」

「くっ…わかった」「御意」「はい」

 

祭たちが出て行った後愛紗たちから非難を浴びた

 

「戦前に宿将と都督が口論とは…」

「こんなのいけないのだ!!」

「たしかに…それに我が主まで戦から外すとは…」

「仲間はこう言っているが貴様もそう思うか…孔明」

「言葉を返さなくてもわかっていただけると思いますが…」

「だそうだ…少なくとも呉内部の事については口を出さないで頂きたい」

「くっ…」

「まだ少し時間がありますね…雪蓮さん軍議を進めましょう」

「りょ~かい」

 

軍議を進めたがやはり何も決まらずその日は解散した。

そしてその夜、祭,思春,カスミは脱走した。

 

レイside

俺は軍議が終わった後冥琳に呼ばれた

 

「なんですか?」

「レイ…さっきのはどういう事だ」

 

どうやらさっきの軍議での口論を怒っているようだ

仕方がない…

俺は周りに間者の気配がないのを確認して口を開いた

 

「冥琳さんと同じ考えって言ったらどうします?」

「ほ~それはどういう事だ」

「冥琳さんと祭さんの口論…あれは狂言でしょ」

「!!どうして分かった」

「呉に不利益な事をすると思えなかったのですよ」

「さすがは天の御遣いってとこか…しかしなぜカスミ殿も巻き込んだのだ」

「それは…これを使う為です。冥琳さんも同じ考えだと思いますけど…」

 

俺は手のひらに文字を書いた。

文字を見た冥琳は納得しなかった

 

「…確かにそれを使うつもりだが…だからなぜカスミ殿が必要なのだ…」

「この前点心を食べに行ったこと覚えてますか?」

「ああ…なんだか知らんが傷が癒えた事だな」

「ええ…それと似たような事がカスミも使えるのです」

 

それを聞いた冥琳は納得した。

 

「…わかった。……それはいいとしてこの前、思春がレイの事を主と言っていたなどういう事だ」

 

俺は恥ずかしかったがいつか言う事になると思っていたので言った。

 

「…実は…その…」

「ハッキリ言わんか」

「その…結婚…しようと……」

「え~~~~…じゃあカスミ殿と別れたと」

「いえ…二人と結婚しようと…」

「…なるほど……とりあえず…おめでとう」

 

俺は顔を真っ赤にしていた。

その時、伝令から待ちに待った報告が来た。

 

「申し上げます!!こ…黄蓋殿と甘寧殿が脱走しました!そして蜀の御遣い殿も共に行動しているとのことです」

「わかった!すぐ周家の者を集め三名を追うぞ」

「は…」

「さてと…他の者に先を越される前に動かなくてわな…レイ行くぞ…祭殿とレイの御嫁さんたちを無事魏に送る為にな」

「……はい…」

 

俺は冥琳の発言を聞いてさらに顔を赤くしたがすぐに三人を追った。

(この作戦絶対に成功させる為に…)

 

嫁side

私たちは軍議から祭さんに今後どうするか聞いた

 

「黄蓋さん…これからどうしますか?」

「そんなの決まっとる!お主らもそうじゃろ」

「ああ…レイも賛成してくれたしな」

「そうですね…ちょっと心配でしたけど……」

「なんだ…」

「夫の事です」

「ああ…主は心配性だからな…」

「の~お主ら…さっきから夫とか主とか誰の事を言っておるのだ?」

「「!!…その~」」

 

祭さんの質問に私たちは顔を赤らめてしまった…

 

「もしかしてレイの事か」

「「…………………………はい」」

「ほっほ~良かったのう思春」

「………」

「それにしてもレイも凄いのう…二人を嫁にするなどの~」

「わ…私たちの事より…動くとしたらやはり…」

 

私は恥ずかしかったので強引に話題を変えた…

思春さんも顔を赤らめていました

 

「…夜じゃ………それまでは待機じゃの」

「御意」「わかりました」

 

その後夜になるまで思春は祭の部屋で、カスミは自室で待機した

そして夜になり三人は兵を数名引き連れて船に乗り込んだ

 

「ここからじゃの…二人ともいいか」

「は!」「ええ」

「我らはこれより魏に下る」

「「我らの旗を立てろ!」」

 

そう言うと黄,甘,霞の旗が立ち船を出した

少し進めた時後ろから追手がきているという報告を受けた

 

「先頭の旗はなんだ!」

「周,陸,零,諸葛の旗です!」

「わかった…主」

「こら思春!レイの事を思っている場合ではないぞ!」

「…すまん」

 

追手の船はつかず離れずの距離を維持しながら弓で攻撃してきた

それを避けながら進んでいった

 

「黄蓋さん!」

「どうしたカスミ!」

「前方より魏軍の船を発見しました」

「よし!旗を振って投降の合図をしろ!」

「わかりました!」

 

私は祭さんの指示通り旗を振りました

すると魏軍の船も旗を振り返してくれました

 

「旗を振りってくれました」

「よし!釣れたか…そのまま全速力で行くぞ!思春!」

「御意!!」

 

私たちはどうにか魏軍の船と合流する事が出来た

追手の船も合流を確認したのちすぐ自軍の陣地にもどっていきました

その後曹操と面会し私たちは先鋒に配置させられました

 

「黄蓋さん…」

「もう少し暗くなったら行くぞ」

「はい」「御意」

 

レイside

「ふ~とりあえず計画通りだね…」

 

魏軍の船と合流したのを確認し俺は胸を撫で下ろした

 

「ああ…でもこのままでは危ないからな……全軍全速力で退避!」

「それにしても…説得は骨が折れそうですね…」

「それならお任せ下さい!蜀には私が言っておきますから」

「御願いします朱里さん」

 

そう言って俺たちは朱里と別れた

呉軍は今、一つの船の上にいた

 

「冥琳,レイ何考えてるの~」

「そうですね~冥琳様の考えは何となくわかりますが…レイさんの事は気になりますね~」

「冥琳さん」

 

俺は答えるか否か悩んで冥琳を見た

冥琳は口を開いた

 

「…いい頃あいか……すまんが明命人払いを頼む」

「あうわ~…御意です!」

 

人払いをし、船の上には主要メンバーのみが残った

 

「さて…軍議からの今回の一件……これは策の一つです」

「「「「!!」」」」

「やっぱりね~。でもカスミまで巻き込む必要あったの~」

「それは偶然レイたちも同じことを考えて実践しただけだ」

「そんな打合せする時間なかったでしょ」

「ハイ…でも二人の目を見て瞬時に何をやるつもりかわかったんですよ」

「私と祭殿も同じ感じだ」

「さっすが~大都督と宿将ってところね…」

「まあ…レイの所は夫婦の絆が強いのだろう」

「「「「!!」」」」

「レイ…」

「とりあえず…そう言う訳なので…」

「祭殿たちが騒動を起こした後奇襲をかけますなのでそれまで待機で御願い…」

「「「「御意」」」」

「りょ~かい。でも蜀は知らないでしょ」

「大丈夫です…朱里さんが気付いてました」

「なるほど…」

 

俺たちは船の上で待機していた

すると対岸より煙が上がった

 

「冥琳さん」

「ああ…全軍突撃!!雪蓮」

「ええ…蜀に作戦の概要を伝えるよう使者を出して!祭たちを助け出すわよ!!」

 

嫁side

夜もだいぶ更けていった

 

「そろそろじゃの…」

「両側の船に火をつけてください」

「は!」

 

兵はカスミの号令で船に火を放った

 

「思春さん」

「おう!全速前進!」

「しかし、両側の船だけで良かったのかのう?」

「ええ…今からその火を拡大させます」

 

私は船を飛ばしながら納得した

きっとレイと同じで何か紋章を持っているのだろう

だから兵数も小数しか連れてこなかったのかと

そしてカスミは左手を掲げた

 

「烈火の紋章『最後の炎』発動」

 

唱え終わると両側の船の火が大きくなり次々と船に炎上していった

 

「まだ弱いですね…烈火の紋章『大爆発』発動…これくらいでいいですね」

「ほ~そんな奥の手があったとはのう…」

「これで何とかなりますね」

「ああ…」

 

さすがの魏もあれじゃあ追手も出せないな…

そう思いながら船を走らせた

前方に旗が見えた…零の字だ……

(待っていろ…すぐ行くからな)

 

奇襲をかける為に呉軍は煙が上がったのと同時に船を出していた。

先鋒はレイ,右翼に穏,左翼に亞莎,中軍に冥琳,後曲に孫三姉妹と布陣していた。

また蜀も呉に合わせて動いてくれていた。

船を出して少しした所で一隻の船が見えた。

旗には黄,甘,霞と書いてあった。

レイはすぐにその船に接近した。

 

「思春!カスミ!」

「主!」「あなた!」

「祭さんお疲れ様です!」

「おう!いちゃつくのは後にしとけよ」

「「「…」」」

「ははは」

 

祭にからかわれた所でレイは冥琳のいる中軍に行って欲しいといった。

祭もそれを承諾し中軍に後退した。

 

「さてと…今から魏を叩きますか…」

「はい」「ああ」

「「「全軍突撃!」」」

 

魏軍は先程の火計による混乱が続いていたので奇襲は成功した。

 

「天は分ける事を選んだのか…」

 

炎に囲まれていた曹操は空を眺めながらそう呟いた。

 

「そんな天は興味ないわ…」

 

そう言うと曹操は部下を引き連れどこかに消えた。

指揮者のいない軍隊はすぐに投降し赤壁の戦いは呉蜀連合の勝利に終わった。

そして天下二分の計は成功した…。

 

つづく?


 
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