No.170478

真・恋姫†無双―秘密を秘めし御遣い―第一話

bsrsさん

今回の作品の絵はいつもと違う絵になってしまいましたが、あまり上手く書けませんでした。小説の内容も面白く伝わればいいなと思っています。コメントお待ちしていますのでどんどん書いてください

2010-09-05 00:30:01 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:6879   閲覧ユーザー数:5620

 

 

カキン!!カキン!!カキン!!

 

 

 

月光が闇夜を照らす朝には生徒が登校する時に使用する通学路で激しい衝撃音が鳴り響いていた。衝撃音を出していたのは二人の少年、どちらも此処聖フランチェスカ学園の制服を纏っていた。

 

一刀「いいかげん大人しくそれを返せ!このコソ泥!」

 

そう言って持っていた木刀を振り上げるのはこの学園の剣道部に所属している生徒北郷一刀、彼は昼に友人と歴史資料館を見学している時に見掛けた怪しい男子生徒が気になり放課後もう一度歴史資料館に足を運ぶ、すると館の中から銅鏡を抱えた男子生徒を発見し銅鏡を取り戻そうとし戦闘、そして今に至るのである。

 

少年「そう言って返すと思うか?馬鹿め」

 

カキン!!

 

振り下ろした木刀を片足で受け止めはじき返す少年はすかさず一刀に蹴りをたたみ掛ける。

 

少年「どうした?先ほどまでの威勢がどこにいった!!」

 

一刀「くっ・・・」

 

少年の猛攻にギリギリ捌くしか手がない一刀。しかし、それも長くは続かなく遂に猛攻に耐えきれなくなりバランスを崩し地面に腰を落としてしまった。

 

一刀「し、しまった!?」

 

少年「フっ、これで終わりだな!!」

 

少年はニヤリと笑みを浮かべ一刀にトドメを刺そうと腕を振り上げ一刀の心臓目掛け振り下ろす!・・・・・しかし、

 

むにゅ!?

 

少年「むにゅ?」

 

少年は一刀の心臓を掴んだ筈の手に感じる得体のしれない感触に疑問を感じもう1・2度揉んでみた。

 

むにゅ、むにゅ

 

一刀「うっ・・・うっ・・・」

 

少年「なんだこれは?お前胸になにをしこんで・い・る?」

 

少年は掴んでいたものが何なのか一刀に聞こうとするが、なぜか一刀は顔を赤く染め涙目になっていた。それに少年は動揺してしまい隙を作ってしまう。

 

少年「お!?お前どうし」

 

一刀「うっ・・う~・・・うわぁぁぁぁぁぁ」

 

バゴォォォォ!!

 

少年「ゴホォベラ!!」

 

パリン!!

 

少年は一刀の見事なストレートを顔面に受け吹き飛んでしまう。その時、少年が持っていた銅鏡も落ち割れてしまう。すると、割れた銅鏡の破片から夥しい光が漏れだし辺りを包みこんでしまう。

 

一刀「な!?なんだこれ!?」

 

少年「ぐっ・・・ほっ・・」

 

光が辺りを包みこんだ瞬間、瞬時に光は中心へと集束するが光が包んだ一刀と少年の姿はどこにもなかったのである。

 

 

 

 

 

華琳「・・・流れ星?不吉ね・・・」

 

空を見上げるのは金髪をクルクルに巻いた美少女。見上げた先には空を裂くように流れていた流星が地平線へと落ちて行った。

 

春蘭「華琳様!出立の準備が整いました!」

 

秋蘭「華琳様?どうかなさいましたか?」

 

金髪少女の後ろから黒髪をオールバックに纏めた少女と似たような髪型に水色の髪を片方の目を覆うように垂れ流した少女達が地面に膝を付き臣下の礼を執る。

 

華琳「今、流れ星が見えたのよ」

 

春蘭「流れ星、ですか?こんな昼間に」

 

秋蘭「あまり吉兆とは呼べませんね。出立を伸ばした方が?」

 

華琳「いいえ、伸ばせばそれだけ苦しみを味わうかもしれない民の数が増えてしまうわ。予定通りに出立するわ。」

 

秋蘭「承知しました」

 

春蘭「総員、騎乗!騎乗!」

 

黒髪の少女の号令に従い少女達の後ろで隊列を組んでいた兵士達が次々と馬に跨っていく。それを見た三人も自分達の愛馬に騎乗する。

 

華琳「世を乱す黄巾共から民を守るため相手に情けはいらないわ!徹底的に叩きのめすわよ!・・・・・出撃!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォ

 

金髪少女の号令に兵士たちは前進を開始する。その先に彼女達の世界の流れを乱す要因となる者と出会うとも知らずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・いたたた、一体どうしたんだ俺?」

 

一刀は全身を包みこむ痛みを耐えながら、これまでの出来事を整理する。そして結論からして頭は正常であると判断した。

 

一刀「うん、大丈夫みたいだな。それじゃ、そろそろ目を開けてみようか」

 

一刀は先ほどから閉じていた瞼をゆっくりと開く、初めは暗闇に慣れていたのでいつもよりも眩しい太陽で周りが見えなかったが、だんだん視界がはっきりとしてくる。しかし、一刀の目に映ったのは見たことも無い荒野だった。

 

一刀「な、なんだんだよ此処はーーーーー!!!」

 

一刀はあまりの出来事に叫んでしまう。その叫びは山でもないのに広い荒野に木霊した。

 

一刀「もしかしてさっきの光の所為か?それで気絶した俺をあの、あの、あの、」

 

一刀は先ほどまで戦っていた少年を思い出す。すると、顔はみるみるうちに赤くなり頭から湯気が出始めた。

 

一刀「あのセクハラ野郎!今度会ったらぶっ殺してやる!!」

 

一刀はウガーと両手を上げ怒りをあらわにしていた。

 

???「おい、兄ちゃん。珍しいもんもっているなぁ」

 

一刀「・・・・・ん?」

 

独り言を言っていると後ろから声が聞こえだした。一刀は後ろを振り返るとそこには黄色い布を頭に巻いた三人組がいた。

 

一刀「・・・・なにアンタ等?」

 

一刀は男達の言葉と恰好を見て日本のコスプレイヤーと思い此処が何処なのかの不安は無くなったが、少年の事を思い出していたので聊か機嫌が悪いようだ。

 

アニキ「おいおいこの黄色い布が目に入らないのか?」

 

チビ「俺たちは黄巾党だ!ヒヒヒ」

 

デブ「お、大人しくみ、身ぐるみ置いて行くんだな」

 

男たちは腰に下げていた曲刀を抜き一刀の頬にピタピタと刃を突き付ける

 

一刀「悪いけどそんなイベントに関わってるほど俺は暇じゃないんだ。後にしてくれないか?」

 

チビ「なに訳の分からねぇことを言ってんだぁ?殺すぞ!」

 

アニキ「おいおい殺すなら先に服を引っぺがしてからにしな。その服は高く売れるはずだからな。おいデブ!」

 

デブ「わ、わかったんだな」

 

リーダー格と思われる髭の中年に言われデブが一刀の来ていた制服を脱がそうと手を伸ばす。

 

一刀「だから・・・イベントに関わってる暇は無いって言ってんだろうがぁ!!」

 

ドゴオォォ!!

 

デブ「ハブォ!!」

 

デブは掴もうとしていた腕を一刀に掴まれそのまま前に倒れ込むように引かれ一刀に背負い投げをされ頭から地面に落ちる。

 

アニキ・チビ「・・・・・・へ?」

 

一刀「今の俺は機嫌が悪いんだ。これ以上関わるってんなら・・・」

 

アニキ・チビ「ひっ!!」

 

一刀は二人に対して戦闘態勢に入り威圧する。二人は一刀の気迫に押されビビり上がってしまう。二人はこれ以上関わっていられないと悟り倒れていたデブを連れて逃げ去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

一刀「ふぅ、何だったんだ今のは・・・・」

 

???「いやいや、先ほどの投げ技見事でしたな」

 

一刀「!?」

 

またしても後ろから声が聞こえた。しかし、今回の声の主は気配がまったく感じられなかった。一刀は振り向くと同時に構えるが、彼の目に入ったの露出の激しい白い服を着て手に槍を携えた美少女が妖美な笑みを浮かべこちらに歩んで来たのである。

 

???「大丈夫ですか~どこも怪我してませんか~」

 

???「傷は?・・・どこにもないみたいですね」

 

少女の後ろから間延びしたしゃべり方をする頭に奇妙な人形を乗せた少女と眼鏡を掛けたしっかりしてそうな少女が出て来た。

 

一刀「え、えっと・・・・大丈夫・・・です」

 

???「そうですか。おや?肘のところから血が出てますよ。風、薬と包帯を・・・」

 

風「もう稟ちゃんが全部使っちゃってありませんよ~」

 

稟「・・・そうでしたっけ?」

 

稟と呼ばれた少女は自分の失態に顔を赤く染める。しかし、彼女達の服装を見るととても今の日本で普段着として着られているとは思えなかった一刀はこの人達もレイヤーなのかと思い、とりあえずさっきの奴らよりも話せると思った。

 

一刀「あの~風さん?でいいんだっけ?ここがどこだか~」

 

 

風「・・・・ひへ!?」

 

少女「貴様っ!!」

 

ジャキンッ!!

 

一刀「ま、またか!!」

 

一刀が風と呼ばれた少女に話しかけた瞬間、槍を持った少女がその槍を一刀に突き付けた。

 

少女「貴様!!訂正しろ、今言った真名を今すぐに訂正しろ!!」

 

一刀「ま、まなってなんだよ!?」

 

風「て・・・訂正してください!」

 

一刀「いや・・・だから・・・・」

 

稟「訂正なさい!!」

 

一向に話を聞かない三人に心の中で落胆するが、このままでは悪いと思いとりあえず彼女達の言うとおりにする事にした。

 

一刀「わ、わかった。訂正する!訂正するから、これを退けてくれないか?」

 

少女「・・・・・結構」

 

風「・・・・ふぅ、いきなり真名で呼ぶなんて何を考えているんですか~?」

 

一刀「いや・・・その・・・まなってなに?それと先の名前が駄目ならなんて読んだらいいんだ?」

 

風「はい、程立と読んでください」

 

稟「今は戯志才と名乗っています」

一刀「・・・・・・」

 

(程立に戯志才・・・・たしか昔、読んだ三国志に出てくる人物に似たような名前があったな。この子たちはそれのコスプレか?でも、その二人って男だったはずじゃ・・・)

 

 

一刀「まぁ、名前に関してはいいや。次の質問なんだけど此処ってどこ?」

 

風「此処ですか~此処は陳留ですよ~」

 

一刀「ちん・・・りゅう?」

 

一刀は聞いたことも無い地名に頭を悩ませる。もしかして日本では無いのか?少女達の恰好からここは中国なのか?と頭の中で考えている一刀。そんな彼を下からジーと見つめる風・・・

 

風「ジーーー・・・・」

 

一刀「う~~~・・・ん?どうした?俺の顔に何か付いてるのか?」

 

風「・・・・お兄さんは本当にお兄さんですか~?」

 

一刀「な!?」

 

突然の質問に酷く慌てる一刀。しかし、彼女達はそんな一刀に気付かず地平線の先を見つめていた。視線の先からは土煙が起こりそれがこちらに向かっているのがわかる。

 

少女「あとの事は陳留の刺士殿に任せる事にしよう」

 

稟「それもそうですね」

 

一刀「えっ?三人とも行っちゃうのか?」

 

少女「我々は流れの者ゆえ厄介事には首を突っ込みたいのだが、官が関わると面白みがないのでな」

 

一刀「ちょ!おい!・・・」

 

少女「それでは、ごめん!」

 

風「ではでは~」

 

三人はあっという間に姿を消してしまった。そして三人が去った方を向いていた俺は地平線からやってきた黒い鎧の集団に取り囲まれてしまった。

 

 

 

春蘭「華琳様!なにやら怪しい奴が・・・」

 

華琳「・・・・違うようね。彼には黄色い布が何処にも見当たらないわ」

 

秋蘭「しかし、怪しいのは変わりません。引っ立てますか?」

 

華琳「そうね・・・調べてみる価値はありそうね」

 

集団の中から出て来た三人の少女たちは、ジロジロと一刀を見定めていく。あまり気分がようない一刀の顔はムッとなる。

 

一刀「なぁ?・・・・」

 

華琳「・・・何?」

 

一刀「あんた・・・・誰?」

 

華琳「人の名を知りたくば、自分から名乗るのが礼儀ではないかしら?」

 

一刀「うっ・・・それもそうだな。俺は北郷一刀。生まれは日本の浅草で学生をしている」

 

三人「・・・・・・はぁ?」

 

一刀「いや、だから・・・・」

 

一刀はもう一度自分の事は話した。しかし、東京の事はおろか日本の事も知らないらしい彼女達は一刀の言葉が理解できないらしい。そして、痺れをきらした春蘭が一刀に斬りかかろうとするが、華琳に止められる。このままでは埒が明かないので、とりあえず一刀を町まで連行することにした。一刀は連行途中でこの金髪少女が陳留の刺士で刺士がどういったものか知り厄介な奴に捕まったと落胆する羽目になった。

 

秋蘭「なら、もう一度聞く。名前は?」

 

一刀「北郷一刀」

 

陳留の町に連れてこられた一刀がまず向かった先は町の定食屋だった。そこで、一刀は華琳・春蘭・秋蘭の三人から取り調べを受けていた。しかし、答えるのは先ほどと同じ答え何度聞かれてもそれしか答えられないのだから仕方がないのである。

 

華琳「埒が明かないわね・・・」

 

春蘭「やはり拷問に掛けた方がいいのでは?」

 

一刀「だから、拷問されようが出る答えはこれしかないんだって!」

 

華琳「まぁ、貴方が別の国から来たってことは本当なのでしょうね」

 

春蘭「華琳様?」

 

華琳はテーブルの上に置かれた此処に来る前に没収された。一刀の手荷物から小銭を手に取る。

 

華琳「こんな見事な彫刻、今のこの国には無い技術で作られているわ」

 

一刀「まぁ確かにこの国には無いと思う。それとこちらからも一つ質問いいかな?その答えによっては今の問題が解けるかもしれないかし」

 

華琳「ええいいわよ」

 

一刀「名前教えてくれない?今、呼び合ってるの真名っていう名前だろ?」

 

華琳「あら、真名の事はしっているのね」

 

一刀「まぁ、それに関しては先に酷い目にあったからな」

 

一刀は風たちの一件を思い出す。真名と呼ばれる名はあまり読んではいけないと認識していたので、予め確認を取ろうと考えていた。そうしなければ今度こそ命が無いかも知れないと思ったからである。

 

一刀「っで?あんたの名前は?俺の方はもう名乗ってるんだから答えてくれてもいいだろ?」

 

華琳「それもそうね。私の名前は曹孟徳。それから彼女達は夏侯惇に夏侯淵よ」

 

春蘭「ふん」

 

秋蘭「・・・・・」

 

華琳に紹介された春蘭はムスッと一刀を睨みつけ秋蘭はそんな彼女を見て微笑ましくもため息を吐く。しかし、一刀は彼女達の態度に気にしている様子はなく。彼は頭の中に浮かんでいたある仮定が確信に変わり動揺を抑えきれなかった。

 

一刀「はは、まさか・・・・そんなことが起こるなんてな・・・はは」

 

華琳「ちゃっと貴方話聞いてた?」

 

一刀「・・・・え?あぁ聞いてたよ。だけど・・・・信じられなくて」

 

華琳「ん?それで今の問題が解決できたのかしら?」

 

一刀「・・・・あぁ、これはあくまで仮定の話なんだが」

 

華琳「構わないわ。聞かせなさい」

 

一刀「・・・・・わかった」

 

一刀は自分が考えた仮定を話した。自分がタイムスイップし三国志の世界に来た事、しかもその三国志は自分が知っている人間と逆の生別だと言う事を話した。華琳と秋蘭は信じられないと驚き、春蘭に関しては話の十文字で理解する事を放棄した。

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・というのが俺が導き出した答えだ」

 

華琳「・・・・どう思う秋蘭?」

 

秋蘭「にわかに信じがたい話です。それに話しに出て来た魏という国は・・・」

 

華琳「それに関しては本当よ。今私が考えている国の名前に魏と言う名はあるもの」

 

秋蘭「ではこの者の話しは・・・」

 

華琳「真実でしょうね」

 

秋蘭「・・・・やはり」

 

春蘭「・・・・・ふむ」

 

一刀「分かってないみたいだな、夏侯惇」

 

春蘭「うっ、悪いか!理解してなくて悪いか!」

 

一刀の冷やかしにキレる春蘭。それを宥め後でわかりやすく説明するという事で落ち着かせる秋蘭。しかし、余程理解できないのが悔しいのか春蘭は無理に考えようと頭をはたらかせるが頭からは湯気が吹きあがりこのままではショートしてしまうと思った華琳は一刀の事を簡単に・・・・

 

華琳「春蘭、一刀は天の国からきた御遣いなのよ」

 

(・・・・・・・・はぁ)

 

春蘭「なんと!?こやつが天の御遣いなのですか?」

 

一刀「おい!いきなり何を」

 

華琳「妖術や未来の話しをするよりもこの方が手っ取り早いでしょ」

 

一刀「いや確かにそうだけど・・・・・はぁ、もうめんどくさいや。勝手にしてくれ」

 

一刀は降参とばかりに手を挙げ深く椅子に座りだらける。

 

秋蘭「では、大きな問題が解決したところでお主の処遇についてだが・・・」

 

一刀「もうどうにでもしてくれ~」

 

華琳「そう・・・だったら貴方私に仕えなさい」

 

一刀「・・・・・はい?」

 

春蘭「華琳様!?なぜこのような者を」

 

華琳「彼の知識はこれからの戦乱に大いに役立つはそれに武の方も話しに聞く限り黄巾党を追い払えるぐらいのモノは持っているだろうし。十分私に仕える素質はあると思うわ」

 

春蘭「しかし、華琳様~」

 

華琳「あら?春蘭。私の決定に不満があるの?」

 

春蘭「いえ!決してそのようなことは」

 

華琳「ふふ、慌てちゃって。今夜は私の床に来なさい可愛がって上げるわ」

 

春蘭「は、はい♪華琳様♡」

 

一刀は目の前で繰り広げられるユリユリにげんなりとなっていた。

 

華琳「で、どうかしら?」

 

一刀「あぁ、構わないよ」

 

華琳「あら?以外にあっさりしているわね」

 

一刀「どうせ行くアテもないし衣食住を保障してくれるのなら仕えてもいいかなって」

 

華琳「それなら安心なさい。私に尽くしてくれるのならそれなりの物を用意させるは」

 

一刀「あと、これから共に生活するのなら幾つか守ってほしい約束がある」

 

華琳「約束?なにかしら?」

 

一刀「それはまた後で話す。それでもいいのなら俺はあんたに尽くす」

 

華琳「えぇ、構わないわ。それじゃ、これからよろしくね一刀」

 

一刀「あぁ、世話になる」

 

二人は拍手を交わし契りを交わす。その後、自分に真名が無く一刀と言うのが真名だと教えると三人とも驚き初対面の相手に真名を許していた事になり、それでは礼儀に反すると言う事で三人から真名を預かる事になった一刀。

 

 

 

取り調べも終り一刀は華琳達が住んでいる城まで案内された。侍女に部屋の用意をさせるためその間風呂に入って来いと言われ今一刀は城の大浴場に来ていた。

 

一刀「ふぅ、まったく今日はいろいろあり過ぎて疲れたな」

 

ガチャ

 

一刀は脱衣所に入ると入り口にしっかりと鍵を閉め誰も入れないようにする。その後脱衣所に誰もいない事を確認する

 

一刀「・・・・・誰も・・・いないよな・・・よし!」

 

一刀は荒野に居たせいか来ていた制服は砂が大量に付いていて服の中にまで砂が入りこ込みザラザラとしていた。一刀は早く風呂に入ろうと制服の上着を脱ぎ始めた。

 

一刀「うわぁ、やっぱりTシャツの中にまで入ってる。気持ち悪い~」

 

そう呟きながら一刀は次に制服の下に着ていた黒いTシャツを脱ぐ。脱いだ瞬間、彼には男には不要と思われる胸の箇所にグルグルに巻かれたサラシが姿を現した。

 

一刀「うげっ、サラシの中まで、もう~~」

一刀は巻かれていたサラシをスルスルと解いていく。解いていくにつれそれまで締め付けられていた二つの膨らみは徐々に大きくなっていき全て外し終わる頃には膨らみは通常の状態に戻り彼が・・・・いや、彼女が女性であるという証となっていた。

 

一刀「ふぅ、大分慣れたけどやっぱりサラシを外すとスッキリするな」

 

一刀はズボンを脱ぎ体にタオルを巻き付け大浴場に足を向ける。ドアを開けるとそこは夕焼けの紅に染まったなんとも綺麗な露天風呂があった。

 

一刀「うわぁ~キレ~イ」

 

一刀は先ほどまでの男勝りな感じが嘘かのような年ごろの女性に見られる可愛らしい顔で露天風呂の美しさに見惚れていた。

 

一刀「さてとそれでは」

 

たっぷり露天風呂の美しさを堪能した一刀は次に安らぎを堪能することにした。足からゆっくりと御湯に全身を浸かり一日の疲れを癒す一刀。

 

一刀「はぁ~、やっぱり御風呂って最っっっ高~~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋蘭「華琳様・・・」

 

華琳「ん?どうしたの秋蘭。安心なさい床には貴方もちゃんと呼んであげるから」

 

一刀と別れた華琳と秋蘭は政務室で今日の仕事のまとめを行っていた。ちなみに春蘭は今夜の床が楽しみで酒やら料理などを準備するために何処かに行ってしまった。

 

秋蘭「いえ、そのことは嬉しいのですが。私が聞きたいのは北郷の事で・・・・」

 

華琳「一刀のこと?」

 

秋蘭「華琳様は才能を持った者でも男には一線を引かれていたはず、なのになぜあの者を

・・・」

 

華琳「う~ん、やっぱりおかしいわよね?」

 

秋蘭「華琳様?」

 

華琳「私もね疑問に思っていたの何時も男に感じている嫌な気持ちが一刀には感じられなかった。だから興味を引かれたのかもしれないわね」

 

秋蘭「ふふ、もしかしたら北郷は女なのかもしれませんな」

 

華琳「はは、そしてらすぐにでも床に呼んであげるわよ」

 

そんな他愛のない話しをしている彼女達はまだ知らないその予想が的中している事に・・・

 

 

 

 

 

 

 


 
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