No.167357

真・恋姫無双 蒼穹の果てに 序章

ぽややんさん

真・恋姫無双の二次創作小説です。

一刀は割とチート気味なんでご注意を……。

登録タグに董卓とありますが、まだ出てきません。

2010-08-22 02:03:43 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:176615   閲覧ユーザー数:102836

 

 

 

 

 

 

  真・恋姫無双  蒼穹の果てに  序章

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで…。私はいつまで生きていられるの?」

「……知ってどうするんだ?」

「覚悟を決めたいの」

 

時に、東の島でようやく国という概念が表れ始めた頃。

二つの大河が文明と文化を育てたこの大陸では、

東の島を遙かに凌駕する大国『漢』が400年に渡って既に支配していた。

 

「ねえ、憶えてる? 貴方と私が出会った10年前の事を」

「忘れるはずがないさ。いや、忘れられるはずがない」

「私はね。貴方は私と出会わない方が良かったんじゃないかと思う時があるの」

 

しかし、いかなる清流も留まれば、濁り腐る。

外戚と宦官の権力争いの末、

高祖の栄光、光武帝の栄華は薄れて久しく。

天と地を繋ぐ権威の頂である皇帝は失落し、国は乱れて不正と賄賂が横行した。

悪政に継ぐ悪政に嘆き、力無き民の不満は頂点に達しようとしていた。

 

「私は貴方を閉じ込めてしまった。

 この狭くて窮屈な宮殿に、この嫉妬と陰謀しかない都に……。

 もう本当なら、元の世界へ貴方は戻ってたのかも知れないのに……。私の我が儘のせいで……。」

「何、言ってるんだ。その為に随分と力を尽くしてくれたじゃないか。

 お前が出来ない、解らないなら、それはもう無理なんだよ。……そうに決まってる」

 

そんな中、

『 蒼天已死 黄天当立 歳有甲子 天下大吉 』

陰陽五行思想による蒼天。

即ち、漢王朝の打倒を旗印に、黄色の頭巾を被った者達の大乱が起こる。

後の世に言う『黄巾の乱』である。

 

「俺は感謝してる。感謝してもしきれないと思ってる。

 この世界には何にも持っていなかった空っぽな俺に居場所を……。お前の隣という居場所をくれたお前に」

 

王朝はこの反乱に興味も、危機も抱かず、後手後手に回り、

黄巾の集団は戦勝に戦勝を継ぎ、とある地方では領主が住まう城を陥落してしまうほどに至った。

天の時を得て、その思想は大陸の隅々までに爆発的な勢いで広がってゆき、各地で頻発する乱。

だが、急激な広がりは共に災いも成し、人の和を失いつつあった。

度重なる勝利の甘露に当初の理想を失って規律が乱れ、更なる弱い者への略奪と暴行へと変わってゆく。

 

「ねえ、憶えてる?」

「今度は何だ?」

「出会って間もない頃、貴方が私へ話してくれて…。

 私が私以外の誰にも絶対に話すなと言った『三国志』と言う物語を……。」

「っ!?」

 

民衆にとって、希望だったはずの集団は、

いつしか、盗賊や山賊となんら変わらないならず者と成り果て。

ならばと治安を期待するにも、王朝は頼りにならず。

それどころか、乱鎮圧の戦費と称し、天井知らずに高まってゆく重税。

 

「ええ、それが私の覚悟。……そして、私の願い。

 私は立派な皇帝ではなかった。それどころか、宦官達の言いなりで……。

 でも、最初は違った! だけど、私には無理だった! 諦めてしまった! そう、貴方と出会うまでは!

 しかし……。気づいた時にはもう遅かった。もうどうしようもなくなっていた。

 実際、その『三国志』の通り、黄色の頭巾を被った者達による乱が各地で起き始めたらしい。

 まあ、宦官共ははっきりと言わないがな。でも、間違いない。お飾りの私とて、宮中の雰囲気で何となく解る」

 

安寧は過ぎ去った昨日のみ。

今日の恐怖に怯え、明日は絶望しか有らず、貧困に貧困を喘ぐ民衆達。

だからこそか、とある占い師の言葉が人々の口には乗らないが、

捨てきれない希望、藁にも縋る一縷の望みをもって、

村から村、街から街、都市から都市、大陸にゆっくりと広がってゆく。

『 蒼天より尚も蒼き果てより飛来する流星 其は天の御遣い也 乱世を成して治世を成す 』

 

「良いよ。解った」

「……え?」

「言ったろ。感謝してもしきれないと……。だったら、それを返すのも当然だ。

 幸いにして、多少は知恵も回る。それに『三国志』っていうインチキな知識も持ってるしな」

「まあ、どう評価するかは後世の歴史家達だけどさ。

 俺が生きてる間は少なくともそう言われない様に……。お前の目が確かだったと言われる様にやってみるよ」

「……一刀」

 

 

民衆達は待ち望んでいた。救世主という名の存在を……。

 

 

 

 

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