No.161536

始まりの物語第4話~一対の剣 後編~

雪蓮様さん

4作品目投稿しました♪

今回は賊の討伐のお話の後編です!

誤字報告などがあればお願いします。

2010-07-29 10:55:22 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1911   閲覧ユーザー数:1752

 

それは一瞬の出来事だった。

 

「五の刃 牙突・・・」

 

一鞘がそう言い終わると同時に砦の門が粉々に砕け散った。

 

一瞬の静寂は、森に隠していた兵の叫び声によって破られた。

 

「突撃――――――ぃ」「おおおおおおおおおぉぉぉぉ」

 

計400人の兵士が一鞘の破った門から砦に侵入して行った。

 

「さて、俺達も行こうか、蓮。」

 

「あっ、ああ。」

 

正直俺は動揺していた。 俺や祭も氣を使えば小さな門ぐらいならギリギリ壊すことはできる。

 

だが、今明らかに一鞘は氣を使うこと無く門を破りさってしまった。そのことに驚きを隠せなかったのだ。

 

「!!危ない蓮!!」

 

一鞘の声で自分の背後から賊が斬りかかろうと近づいていることに気付いた。

 

「死ねぇぇぇーー!!」

 

賊が剣を振りかぶり斬りかかってきた。 しかし、遅い。今まで数々の修羅場をくぐってきた蓮にとっては遅すぎる一撃だった。

 

俺は南海覇王で攻撃を防ぎ、そのまま南海覇王の刃を滑らせ賊を切り裂いた。

 

「大丈夫か蓮?」

 

俺が賊を切り倒すと、一鞘が辺りの敵を一掃し、近づいてきた。

 

「ああ、大丈夫だ。 それよりすまない。少し考え事をしていたんだ。」

 

「そうなのか? 考え事もいいけど、するなら他の場所でな。」

 

「あぁ、すまないな。」

 

「よし、なら行くか。」

 

「ああ。」

 

危ない危ない。もしさっき一鞘に言われなければ俺は死んでいたな。

まぁいろいろ聞くのは後でもいいか。とりあえず今は賊の討伐に集中しようか。

 

その後、賊は門をたった一人の男に破られた事に動揺しているのか、動きが鈍く、わずか一刻ほどで壊滅した。

 

だが動きが悪かったこともあるが、一鞘が賊の半分ほどを殺ったのが大きかった。

 

ともあれ、賊の討伐は無事成し遂げられた。

 

 

 

 

「蓮・一鞘賊の討伐お疲れ様。 今日はもう休んでくれて結構です。」

 

「やった~~♪」

 

「蓮。明日はしっかり債務をするんですよ~♪」

 

「はっ、はい。」

 

「よろしい。」

 

俺は改めて冥を敵に回すのはまずいと思った。

 

 

「さて、とりあえず終わったな。一鞘。」

 

「そうだな。でもやっぱり冥は凄かったな。絶対敵に回すのはまずいな。」

 

「だよな!! 一鞘もそう思うかぁ~。」

 

「そりゃ、まぁな。 そういえば、城に帰ったら話があるって言ってたよな? 一体何の話だ?」

 

そういえばそうだった。俺は城に帰る途中に「帰ったら話がある」と、言っていたのだった。

 

「あぁ、話っていうのは一鞘に質問があったんだよ。」

 

「質問?」

 

「ああ。 単刀直入に聞くが、一鞘は氣を使えるのか?」

 

「氣か? いや俺は使えないよ。 昔あっちの世界で「素質がある!!」って言われた事はあるけどな。」

 

「使えない・・・か。 なら門を破った時に氣を使わなかったのか。」

 

「ああ。 でも門を破った時は技を使ったけどな。」

 

「確か・・・牙突、だったか?」

 

「そう。 五の刃 牙突。 姿勢を低くして突きを放ち、突きの衝撃波を飛ばす技で、砦とかを壊すための技だよ。」

 

「そうか・・・普通の技であの威力か。 もし氣を使えればもっと威力が上がるかもしれないな・・・。 よしっ、決めた!!」

 

「決めたって何を?」

 

「一鞘!! お前には確かに氣の素質があると俺も思う。どうだ、氣を会得してみないか?」

 

俺は一鞘に聞いてみた。

 

「会得するってどうやって?」

 

俺は一鞘の問いに笑って答えた。

 

「簡単だ。 俺が今からお前の中に俺の氣を流し、お前の中の氣を一気に増幅させる。

その増幅した氣を自分で操り何時でも氣を出せるように感覚をつかむ。 それだけで一鞘は氣を使えるようになるはずだ。 まぁ、氣の素質があればだが・・・な♪」

 

「ようするに氣を操ればいいんだな?」

 

「そういう事だ。」

 

「わかった。やってくれ。」

 

「よし。」

 

俺は一鞘に自分の氣を送り込むため一鞘の背中に手を当て、自分の氣を送り始めた。

 

必ず一鞘が氣を会得できるだろうという、自信を持って。

 

 

  後書き

 

ここまで読んでくださった方々、有難うございます。

 

雪蓮様です!

 

さて、今回は賊討伐の後編でした。

 

書いていて、戦闘シーンがとても難しい事に気付き、大変でした(>_<)

 

ですが無事4作目を完成させ、投稿することができました♪

 

次回は一鞘の氣に関してのお話です。

 

これからも頑張りますので、よろしくお願いします♪

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
12
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択