No.161429

新・外史伝『希望』編第六話『それぞれの旅立ち』

新・外史伝『希望』編第六話をお送りいたします。
投稿まで一月近くかかってしまってスミマセンでした。
レポートに追われる中一生懸命頑張りました!
それでは、どうぞぉ~

2010-07-28 22:29:23 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3215   閲覧ユーザー数:2694

 

新・外史伝『希望』編 

 

 

 

 

第六話

 

 

 

『それぞれの旅立ち』

 

 

幽州タク郡の群城内

 

そこで義勇兵を募った劉備三姉妹の元に、彼女達を慕う民が集まっていた

 

「俺…、玄徳様についていきます!!」

 

「俺もっす!!」

 

「僕もだ!」

 

「私もです!!」

 

劉家の備の父親は、立派な方で村人から慕われていた。

 

そして、その娘が戦いを始めると聞いて、同じ夢を見る若者たちが次々と志願してきた。

 

兵士が集め、軍が作られ、ついに出陣の時がやってきた。

 

 

出発の朝…

 

「本当にお別れしなくちゃいけないの?」

 

桃香は一刀に問いかける。

 

「あぁ…。桃香、俺がしてやれるのは恐らくここまでだろう。

 

あとは、君たち自身の力でやっていけるよ。」

 

涙目で抗議する桃香…

 

しかし、一刀の決意は固かった。

 

いくら天の御遣いとはいえ、今の彼は無力。

 

それに、なによりも…

 

「俺は、君たちのために、なさねばならぬことがある………

 

君たちの望みを少しでもかなえる手伝いをしたいんだ。

 

君のために…してやれることをしておくために」

 

一刀はすがりつく桃香の頭をやさしくなでる。

 

周りを見渡すと…

 

残念そうな顔をする朱里、雛里、鈴々。

 

愛紗は何か思いつめた顔をしている

 

 

一刀は出発する義勇軍に挨拶をした

 

「みんな…。

 

みんなには中山靖王の子孫と、一騎当千の勇者、天下に並ぶものなき天才軍師がいる。

 

これから先も、劉備の仁徳に惹かれた猛者たちが続々と集まってくるだろう。

 

彼女たちがいる限り、君たちに敗北はない

 

そして、天が付いている

 

約束しよう。

 

俺は必ず君たちの前に現れる。

 

だから、その時まで、皆…死ぬな」

 

 

「応!!!!!!!」

 

 

「相手は野党とはいえ、数では劉備軍を上回るだろう。

 

厳しい戦いは避けられない。

 

しかし、恐れることはない。

 

守りたいものを胸に…目の前の弱者を救え!」

 

 

「応!!!!!!!」

 

 

そして、旅立っていく劉備義勇軍

 

その雄姿を見つめる人々の中から一人の少年がいつの間にか消えていた

 

 

一週間後

 

とある村が盗賊に襲われていた

 

「きゃああ!!」

 

「わぁああ!!」

 

逃げ惑う村人達に容赦なく襲い掛かる盗賊たち

 

いや、黄巾党っと言ったほうが良いだろう

 

 

蒼天已死

黄天當立

歳在甲子

天下大吉

 

その旗印を掲げ、略奪と暴力を繰り返す狂気の集団

 

人を人と思わない彼らは己の欲望の間々に奪い、殺す

 

幾度と無く襲ってくる彼らを止めてくれる救世主を…村人たちは待ち望んでいた

 

そんな中必死に逃げる一組の母娘がいた

 

「お、おゆるしぉ~」

 

袋小路に追い込まれてしまった

 

「へへへへ!殺さねぇさぁ!

 

タァ~ップリと楽しませてもらうぜ」

 

「あ、兄貴!お、オイラにも」

 

「あっしにも!」

 

蛮刀をちらつかせながら男たちは母親に迫る

 

「こ、この娘だけは…どうか!」

 

黄巾士官「へへへ!!そぉ~れ!ひん剥いちまえ!!!」

 

「きゃぁあああ!!!」

 

男達の手が母娘に迫ろうとしたその時

 

??「やめろ…」

 

突如、男の声がかけられた

 

 

「な、なんだ!?」

 

黄巾党たちはあたりを必死に見渡す

 

しかし、どこにもいない

 

「ど、どこにいやがる…!?隠れてないで、出てきやがれ!」

 

すると、突如地面が光だしその光の中から白い服を纏った三人の男達が現れた

 

その様子に賊は恐怖を感じた

 

??「今から去れば…見逃そう。どうだい?」

 

母親達をかばうように立ちはだかり男たちは言う

 

「ふ、ふざけんじゃねぇ!てめぇからちまつりだぁ!!!」

 

黄巾士官は蛮刀を振りまわして白い服の少年に迫る

 

??「やれやれ…では、すまない。」

 

少年は謝罪の言葉を口にすると腰の刀に手をかけ…

 

ズシャ!

 

「ぐぁわあああ!!!!」

 

ドサッ!

 

一撃の下に、男を切り裂いた

 

??1「早く避難を!!」

 

娘「あ、ありがとう。」

 

??2「さっさと行け!」

 

少年の仲間たちは壁を蹴り壊した

 

母「あ、あの!せめて、お名前だけでも…」

 

親子たちは少年たちを見つめる

 

白い服を着た三人の男たち

 

その中で、リーダー格の少年は振り返りながらこう名乗った

 

一刀「そうだな…、差し詰め『天の御遣い』とでも呼んでくれ…

 

(桃香…。俺も、俺にできることをやってみるよ。

 

だから、死ぬなよ!)

 

さぁ、いくぞ!左慈、干吉!!」

 

「「御意!!!」」

 

 

 

そして…この一帯を荒らす黄巾党が一日のうちに壊滅し、天の御使いの名は大陸中を駆け巡った

 

 

 

 

つづく

 

 


 
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