No.160479

来ヶ谷さんのお誘い

noraさん

いつものようにお茶会に誘われた理樹。しかしそこでトンデモな発言が……

2010-07-25 04:46:17 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1531   閲覧ユーザー数:1507

 

「ときに理樹君、ちゃんと避妊はしているかい?」

 

 とある日のことだ。

いつもと変わらない日常がそこにはあるはずだった。

どこでずれてしまったんだろう。

真人からの筋トレの誘いを断ったからか

謙吾が作ったジャンパーを着ることを拒んだときか

それとも恭介のロリロリハンターズの活動に

協力しなかったせいか、原因はわからない。

わからないからどうしようもない。

 

 休み時間にジュースを買いに行ったところで、来ヶ

谷さんに声をかけられた。(正確には拉致された)

しかしこのくたびれた椅子さえも、わりと馴染み始め

たなぁと思う。

「さぁ召し上がれ」

 例によって缶コーヒーとキムチが振舞われるが、当然コーヒーだけ受け取っておく。

「ときに理樹君、ちゃんと避妊はしているかい?」

「ぶッ?!」

 ゲホゲホ、盛大にコーヒーを吹いてしまった。

「ふむ、舌に合わなかったか、これは失礼した。しかしいくら何でもそこまで否定しな

くてもよいだろう。仮にも一女学生が差し出したものだぞ」

「いや、そうじゃなくて……」

 味がどうこうとかいう問題じゃない。急に何を言い出すんだ、この人は。

別にしてないわけじゃな……あれ?

……まずい、何かが非常にまずい。

考えろ、どうすればいいか考えろ……あ!

「き、聞かなかったことにしよう、おーけー?」

「何を言っているんだ君は」

だめだった。

「いやいや、来ヶ谷さんが突拍子もないことを言うから」

「突拍子はないが、大事なことだとは思わないかい?」

「いいかい理樹君、コンドームが地球を救うんだ!」

「えぇぇぇ?!」

「絶滅危惧種を救うという目的でコンドームの配布をした団体もあるんだぞ」

「そ、そうなんだ……」

 なんでそんなこと知っているんだろう……

「でもどうやってコンドームで絶滅危惧種を救えるの?」

「簡単に言ってしまえば、人口を増やさないためだ。他の生物の存在を脅かしているのは

主に人間だからさ。人口爆発が起きている国に普及させれば、食料難や感染症予防に繋が

ると考えている人もいるようだがね」

「想像以上に奥が深そうだね」

「で、結局のところどうなのかな。使っているのかい?」

 やっぱり、そこへ戻ってくるか。

「まぁ答えにくい質問だろうから無理に答える必要はないよ」

 助かった。なら最初からそんなこと聞かないで欲しい。

「ちなみに私はつけなくても構わないよ」

 

 

 

…聞かなかったことにしよう。

 

 
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