人間と動物の精神活動は、以下の四つの特性によって区別される。人間の知性の起源を明らかにするには、個々の特性の由来を説明する必要がある。　■『生成計算能力』によって人間はほぼ無限に多様な物、言葉、概念を作り出すことができる。この特性には再帰と組み合わせという２つの操作が含まれる。再帰の操作では、規則を繰り返し使って新たな表現が作られ、組み合わせ的な操作では、別の要素が混合されて新たな考えが生まれる。　■『思考の自由自在な組み合わせ』によって、芸術、性、宇宙、因果関係、友好関係などの、異なる領域の知識を混ぜ合わせることが可能となり、新たな法律、社会関係、技術などが作られる。　■『理知的シンボル』は、現実および想像上の知覚経験を記号化して、内容豊かで複雑な情報伝達系の基礎を形づくる。理知的シンボルは、自己のうちに記憶しておいたり、言葉や絵画として他者に伝えたりすることができる。　■『抽象思考』によって、私たちが見るもの、聞くもの、触れるもの、味わうもの、嗅ぐものを超えて、物事を考える事ができる。