No.153426

紫苑の大人の女講座・生徒は蓮華

 萌将殿では蓮華がまたやってくれそうだ。
 とオフィシャルHPでのサンプルCGとサンプルボイスで思いました。

2010-06-26 15:53:48 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10347   閲覧ユーザー数:8763

 

 

 北郷一刀は、蓮華との間に一子を儲けた。

 蓮華、――呉王・孫権の跡取りとなる一子である。

 そもそも一刀が呉に保護されたのは、天人としての血筋を孫家に混ぜ合わせ、そのカリスマ性を取り込むためであったが、そんなこととは別に、一刀も蓮華も、互いの思いの結実となる我が子を 心から愛した。

 

一刀「可愛いなあ、孫登は本当に可愛いなあ」

 

 スヤスヤと眠る愛娘を、一刀が蕩けるような笑顔で見詰める。

 最近ずっと こんな調子な一刀であった。

 新都建設の激務に、目が回るほどの忙しさであるハズながら、それでも日に一度は こうして蓮華の部屋を訪れることを忘れない。

 

蓮華「もう、一刀ったら。すっかり孫登に骨抜きなんだから」

 

 傍らで、母親の蓮華が呆れたように言った。しかし こうして親子が会する状況は、まんざらでもないらしい。

 

蓮華「でも少し心配だわ」

 

一刀「ん、何が?」

 

 こんなに何もかも満たされていて、一体 何を心配するというのか。一刀は蓮華の発現を訝しむ。

 

蓮華「だって最近の一刀って、この部屋に来るのは殆ど孫登 目当てでしょう? それが、私にとっては少し寂しい」

 

 自分の娘に対して嫉妬するというのも おかしな話であるが。

 それでも、巷間では『父親と母親になってしまうと、男と女の関係に戻るのは難しい』という。

 だから一刀も、孫登を生んでしまった今、蓮華を女として見れなくなってしまったのではないか? ゆえに我が子ばかりで蓮華のことには見向きもしないのではないか?

 あらぬ不安が頭をよぎる。

 

一刀「何を……、バカなことを言うんだ?」

 

 慌てて否定する。

 子煩悩さに、注意力が鈍っていたかもしれない一刀だった。大切な人の不安に気付けなかったとは。

 

一刀「蓮華は心配性だな……。なら早速これから、お互いの気持ちを確かめ合おうか?」

 

蓮華「えッ? ここでッ? 孫登がいるのよッ?」

 

一刀「ぐっすり寝てるから大丈夫……」

 

 と、展開があらぬ方向へ進みだしたときである。

 

 

 

 

紫苑「その意気やよしッッ!!」

 

 

 

 

 親子夫婦 水入らずの室内に、無関係の一人が乱入したのは。

 それは蜀陣営の重鎮、五虎将軍の一人 黄忠こと紫苑だった。

 数いる武将の中でも年長の部類に入る、大人の女性。熟れた肉体には、胸と尻に充分すぎるほどの柔肉を蓄え、男を惑わす魅力を ところかまわず撒き散らしている。

 そんな三国屈指の大人の女・紫苑の登場に、一刀、蓮華は当然のことながら大驚愕。

 

蓮華「誰ェェェェーーーッ!!?」

 

一刀「紫苑ーーーッ!!?」

 

 当惑する二人に、どっから わいたのか わからない紫苑は、いつもと変わらぬ朗らかな笑みを浮かべる。

 

紫苑「わかります、わかりますわ蓮華さま」

 

 なにが?

 

紫苑「女たるもの、妻となろうと、母となろうと、自分が女であるという原点は忘れたくないものです。愛する人の種を宿し、見事 元気な嬰児を生み落としたとしても、それでもまだ想う人との恋に燃えたいというのは女であれば当然の望み。この黄忠、蓮華さまの女心に深く感じ入りました」

 

蓮華「クセモノよッ! 出あえェーーーーッ!!」

 

紫苑「アラアラ……」

 

 それが当然のリアクションだと思うのだが。

 呉王・蓮華の呼び出しに答え、室外から思春と亞莎が駆けつけてくる。二人とも指折りの勇者、彼女らが来たからには大抵の刺客は指先一つでダウン確定であるが…………!

 

思春「おのれ何奴ッ! 呉王・孫権様の屋敷に侵入し、生きて出られると思ッ………!」

 

 ヒュッ! ドスッ!

 

思春「あふぅッ?」

 

 さらに ヒュッ! ドスッ!

 

亞莎「にゃわッ?」

 

 紫苑が無拍子で放った二本の矢が、見事命中して護衛人たちは崩れ落ちる。

 紫苑の矢には、空き瓶とクロロホルムを二種調合した睡眠瓶が装填してしてあったため、思春も亞莎も一撃でin夢の中。鼻提灯を膨らませてグースカ眠る二人を見下ろす、紫苑の弓術は冴え渡っていた。

 

一刀「強ェッ!!」

 

 紫苑は笑顔で、再び一刀&蓮華に向き直る。

 

蓮華「ヒィッ!」

 

 さすがにビビらずにおれようか?

 

紫苑「蓮華さま、お忘れですか? 私もまた今のアナタ様と同じ、子持ちの女武将であるということを」

 

 そう、恋姫†無双の中でも熟女キャラとして通っている紫苑は、璃々という一人娘の母親でもある。

 真・恋姫†無双となって、祭、桔梗など他熟女の台頭を許した彼女であったが、おかあさん、というレア属性だけは、今日まで独占を守り通してきた。

 

紫苑「しかし……、それも どうやら今回までのようです」

 

璃々「わぁーッ、あかちゃん かわいー!」

 

 いつの間にか娘の璃々までが侵入し、可愛い赤子の寝顔を目をキラキラさせて覗き込んでいた。

 

紫苑「蓮華さま……、私とアナタ様は お仲間です。母でありながら、それでもご主人様の愛情を頂きたいと思っています。しかし蓮華さま、アナタにはまだ、子持ちの女として欠けたものがあります。…………大人の色気!」

 

 

 

蓮華「大人の色気ッ!?」

 

 

 

紫苑「それを習得しない限り、アナタは子持ち熟女としては画竜点睛を欠いた状態。だので私が、この道の先輩として、アナタに指導を与えにきたのです!」

 

 たしかに蓮華は、萌えキャラとしては これでもかと言うぐらいに直球のイチャラブ属性。大人の色気というよりは乙女の恥じらいでもって、イジられることによって光るキャラだ。

 その点、大人の落ち着きでもってイジる側に回ることの多い紫苑とは、真逆というべき立ち居地なのだが。

 

一刀「でも、そんなムリしてキャラを変える必要はないんじゃ……?」

 

 蓮華には蓮華の、紫苑には紫苑のよさがあると思う一刀である。

 だからムリして、大人だの少女だのという枠にはめ込むことなどせずに、各人の素の良さを大切にすればいいんじゃない?

 蓮華には蓮華の尻の、紫苑には紫苑のおっぱいの良さがあればいいんじゃない?

 と思う一刀であったが……。

 

 

 

小蓮「それなら その大人の魅力、シャオが習得するーーーッ!!」

 

 

 

 また なんか現れたッ?

 錐揉み状態で、SAT並みに窓から突入してきた物体は、小柄な少女。蝶のような軽やかさで可憐な笑顔を輝かせる彼女の名は、孫尚香こと小蓮。蓮華の妹だった。

 

蓮華「小蓮! 何故アナタがここにッ?」

 

小蓮「ふっふっふー、三国一といわれる大人の色気ムンムンの紫苑さんの熟女技、このシャオこそ受け継ぐに相応しいんだもんねー」

 

 小蓮は小蓮で野心に燃えておるご様子。

 

小蓮「ねえねえ紫苑さん、紫苑さんの技、シャオに教えてよ。蓮華姉さまみたいな おぼこちゃんじゃ、どの道 紫苑さんみたいな大人の女性になるのはムリだって」

 

蓮華「おぼこちゃんッ!?」

 

 実妹からの辛辣な一言に、蓮華 騒然。

 

小蓮「シャオの ちゃっちゃな体に、紫苑さんの手練手管が加われば もう無敵! 一刀なんか すぐメロメロにして蓮華姉さまから奪い返してやるんだから!」

 

 ただでさえ小悪魔系で、一刀を手玉に取る小蓮が、紫苑並みの男殺しテクを身に付けた日には、パーフェクトジオ○グみたいな生物が爆誕すること受けあいだ。

 これに蓮華も、さすがに女として危機感を感じ、焦りながらも手を挙げる。

 

蓮華「ダメ! ダメダメ! 紫苑さん! 私も習います、紫苑さんの男殺しの技を習います!」

 

紫苑「アラアラ、みんな勉強熱心ね」

 

 最初の思惑通りにコトが運んで、気分のよい紫苑。

 

蓮華「私だって もう一児の母です。大人の色香を身に付けて、一刀のことを手玉にとってみせますよ! ええもう! 人にイジられる私じゃありません!」

 

 しかしながら、そうやって押しかけ紫苑の授業に参加表明を示したさまは、見事 紫苑&小蓮の手玉に取られているように見えてならなかった。

 やっぱり蓮華に、大人の魅力はムリだなあ……。

 やっぱり蓮華は、イジられキャラだなあ……。

 開始前から そんな結論に達せざるをえない一刀だった。

 

 

     *

 

 そして璃々は、孫登の寝顔に ご執心だった。

 

 

     *

 

 

紫苑「それではまず、演習してみましょうか」

 

蓮華「演習?」

 

 蓮華と小蓮、二人並んで紫苑の講義を受ける。

 

紫苑「そうです、これから ある状況を仮定してみますので、そこで蓮華さまと小蓮さま、それぞれ どんな反応を取るかを聞いてみようと思います」

 

 なんか大喜利みたいだな。

 

紫苑「では、想像してみてください……」

 

 

 ―――アナタは今、一刀と並んで歩いています。

 しかしアナタは躓いて、転んでしまいます。

 転倒の勢いで、衣服が乱れ、アナタの下半身の下着が丸出しに!

 一刀は、アナタの下着を凝視しています。

 

 さて、こんなときアナタの反応は?

 

 

蓮華「そそそ…ッ、そんなこと……ッ!」

 

 蓮華は顔を真っ赤にして絶叫する。

 

蓮華「すぐさま衣服を整えて、下着を隠すに決まってるじゃない! ダメでしょ一刀、女性の恥ずかしい場面をマジマジと見ちゃ!」

 

一刀「いや、これシュミレートだから……」

 

 蓮華の回答に、紫苑は必ずしも満足した表情ではなかった。

 それを察知し、次の回答権は小蓮。余裕の表情で言う。

 

小蓮「エヘヘ…、じゃあ、シャオの場合は こう言いまーす」

 

 言う。

 

 

 

 

 

小蓮「………そんなに食い入るように見なくても、一刀になら、いつでも好きなだけ見せてあげるよ」

 

 

 

 

 

紫苑「ハイ合格!」

 

 紫苑が、商店街の くじ引きで オッサンが鳴らすような鐘をカンカン振る。

 

蓮華「えぇーーーーーッッ!!」

 

紫苑「お見事です小蓮さま。……こんなとき大人の女に必要なのは、慌てない冷静な対処。大人の女は、下着など見られた程度で取り乱してはなりません。むしろ逆にもっと見せてあげる、と言えるほどの余裕がほしいものです」

 

 それでも恥じらいは必要だがな。

 密かに思う一刀だった。

 

蓮華「じゃあ先生 先生! 紫苑先生の場合は、どんな切り返しをするんですかッ!?」

 

紫苑「そおねぇ…」

 

 不覚にもご主人様の前で転倒し、あられもなく下着を晒してしまった。

 そんな紫苑さんの一言。

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「イヤですわ、そんなに凝視して。……ご主人様が私に穿かせた下着ですのに」

 

 

 

 

 

 

姉妹「「かずとぉぉーーーーーーッッ!!」」

 

 蓮華・小蓮の二人が、息もピッタリに一刀に食ってかかる。

 

蓮華「一刀ッ! アナタ紫苑さんに何穿かせたのッ? どんな下着を穿かせたのッ? そんなガン見するほど大胆な下着って、どんな下着なのッ?」

 

小蓮「そうだよ一刀ッ! 黒のヒモなんて いやらしすぎるよ!」

 

 一刀は慌てて抗弁する。

 

一刀「ちょっと待って、黒だのヒモだの そんな単語が今までの会話の何処にあった。それ妄想! 単なる小蓮の妄想! 俺は紫苑に何も穿かせてないから!」

 

蓮華「えっ? 紫苑さんに何も穿かせていないって……」

 

小蓮「なんて達人なの一刀! 熟女の紫苑さんに穿かせていないって上級すぎるよ!」

 

一刀「そぉいう意味じゃねえェェェェェェェェェッッ!!!」

 

 

 

璃々「すとぉーーーーーッッっぷ!」

 

 

 

 ここで璃々が、一刀から教えられたばかりの天界語を言い放つ。

 子供は新しいものに慣れる速度がハンパない。

 

璃々「そんなに さわぐと、孫登ちゃんが おきちゃいます(しぃ~っ)」

 

一刀&蓮華&小蓮「「「はっ、もうしわけありません(しぃ~っ)」」」

 

 

     *

 

 

 そうして落ち着いた後、紫苑から さらに次の御題が出される。

 

紫苑「では、こんなのは どうでしょう?」

 

 

 ―――何気なく街を歩いていると、一刀に偶然 出くわした。

 しかし一刀の傍らには見知らぬ女性が!

 しかも物凄く仲睦まじそう。

 こんなときアナタなら、どうするッ?

 

 

蓮華「そんなの すぐに……ッ!」

 

 と言いかけて、とっさに口を噤む蓮華。

 危ないところだった。

 このまま激情に任せて「一刀に突っかかる」などという選択をしてしまえば、また「大人の女になるには余裕が足りない」といわれるところだった。

 そう余裕。

 大切なのは余裕だ。

 余裕ある態度こそ、大人の女の絶対充分条件。

 だからこの場合の正解は……、

 

蓮華「何も言わずに去る! これでどうッ!」

 

 プレイヤーにダイレクトアタック! ぐらい確信的に答えを言い放った蓮華。

 これほどまでに余裕の行動はないだろう、そう信じて疑わない蓮華だったが、それに対して紫苑の採点は……、

 

紫苑「全然ダメです、まるでダメ」

 

蓮華「えぇーーーーッ!?」

 

 トラップカードオープンされたぐらいのショックだった。

 一体何がいけなかったのか。

 余裕たっぷりの行動ではないか。

 

紫苑「余裕があれば いいというわけではありません。どんな状況であれ、『何もしない』というのは最悪の選択です。それではご主人様に蓮華さまの気持ちが まったく伝わりませんから」

 

蓮華「な、なるほど、むずかしいのね……!」

 

紫苑「そのような難しい匙加減を制するのも、大人の女の妙技なのです。それを踏まえた上で小蓮さま、アナタの答えは何ですか」

 

 

 

 

小蓮「無言で、一刀のことを見詰める」

 

 

 

 

 恐っ。

 小蓮が少しヤンデレだった。

 

小蓮「虫が殺せそうなぐらい鋭い視線で、凝視する」

 

 ヤンデレだッ。

 

小蓮「蟲がシャオの視界に入った途端、地面に落ちて、腹を上にして、六本の足をピクピクさせるような、シャオの心のこもった視線で、一刀のことを見詰め続ける」

 

 ヤンデレだッッ!!?

 超恐いッ!!

 

蓮華「あああああああ、あの! 紫苑さんの場合は。どういう答えを用意してるんですかッ?」

 

 この危険な流れを早急に修正すべく、蓮華は紫苑に話を振る。

 

紫苑「そぉねぇ……」

 

 彼女の回答は、このようなものだった。

 

 

 

 

 

紫苑「……ご主人様が、その娘をご所望なら、私が責任もって今夜の閨に送り届けますわ」

 

 

 

 

 

蓮華&小蓮「「仲介してるぅーーーーーーーッ!!」」

 

 衝撃のあまり小蓮もヤンデレモードを強制終了。

 

蓮華「一刀ーッ! アナタ一体 紫苑さんに何をやらしてるのよッ? 計画なのッ? 計画的犯行なのッ?」

 

小蓮「犯罪の匂いがするよッ! 一刀、そこまでして女の子と にゃんにゃん したいのッ? シャオに言えば いつでもさせてあげるのにーッ!」

 

 またも槍玉に挙げられる一刀。

一刀「だからッ! これあくまで紫苑の出任せだって言ってるだろッ! いくら紫苑がエロくても そんな犯罪めいた………ッ!」

 

 

 紫苑の犯罪歴。

“無印”で、着飾った翠を送り込んできました。

“真”で、舌テクを仕込んだ鈴々を送り込んできました。

 

 

一刀「………アレ?」

 

 紫苑の着実に重ねられた前科を思い当たってしまった一刀。

 

紫苑「本当に いい女というのは、男の もてあます性欲を肯定してさしあげるものです。浮気は男の甲斐性、浮気を許すのは女の甲斐性。ならば、率先して協力して差し上げたほうが、ご主人様の心証もよくなるというもの……ッ!」

 

 そうすれば3Pのご相伴に与れたり……、いえ、なんでもないです、今のナシ。

 

蓮華「すごい……、凄すぎるわ大人の女……、貞操観念なんて軽く超えるわ……」

 

小蓮「背徳感が、むしろ紫苑さんの艶やかさに いっそう磨きをかけてるよ。……恐るべし大人の女、イケナイことすら魅力に変える!」

 

 もはや孫家の姉妹は、大人の女・紫苑に まったく勝てる気がしない。

 

小蓮「こうなったらシャオだって、仲介業で一刀の好感度を上げてやるんだから! ……一刀!」

 

一刀「(ビクッ)…はい、なんでせう?」

 

小蓮「蓮華姉さまを、そこの倉庫裏でF××Kしてきていいよッ!!」

 

蓮華「小蓮ーーーーーーーッッ!」

 

 何サラッと姉を売っておりますか。

 

小蓮「だってぇー、シャオに仲介できそうな女の人って、蓮華姉さましかいないんだもの」

 

一刀「だが、その際に上がるのは、小蓮への好感度じゃなくて、蓮華への好感度じゃないのか?」

 

小蓮「はっ、そうだ! それじゃあ意味がないじゃない! ……じゃあ蓮華姉さま! 一刀にシャオのことを倉庫裏でF××Kしてきていい許可を出してよ!」

 

蓮華「出すかァーーーーーッッ!!」

 

 というか、F××Kなんて言葉 何処で覚えてきた?

 

 

 

璃々「すとぉーーーーーッッっぷ!」

 

 

 

 ここで またも璃々から すとっぷコール。

 

璃々「孫登ちゃんが おきるって いってるでしょ(しぃ~っ)」

 

一刀&蓮華&小蓮「「「はっ、非常に遺憾に思っております(しぃ~っ)」」」

 

 

     *

 

 

 結局、紫苑による大人の女講座は、紫苑の魅力を真似することなど一朝一夕ではムリだとうことが わかったのみだった。

 

小蓮「大人の女への道は遠いね~」

 

蓮華「そもそも私たちには まだムリなのよ、紫苑さんみたいに“年齢を重ねた”人じゃないと」

 

紫苑「(グサッ)」

 

小蓮「そうだよねぇ、シャオたち、人生経験じゃ全然 紫苑さんに敵わないもんねー」

 

紫苑「(グサグサッ)」

 

蓮華「亀の甲より年の功なのよ」

 

紫苑「(グサササッ)」

 

 自分たちの何気ない会話が、適確に紫苑のHPを削っていることに まったく気付いてない姉妹だった。

 認めたくない若さゆえの過ちというヤツだった。

一刀「蓮華ェ……、小蓮ェ……」

 

 一刀は戦慄するしかなかった。

 

 

     *

 

 

 まあとにかく、孫家姉妹にとっては『俺たちは上りはじめたばかりだからな、このどこまでも続く大人の女坂を(未完)』を実感した一日であった。

 その一日も無事終わろうかと思った、そのときである。

 

 

 

璃々「やぁッ! めーなのッ! これは孫登ちゃんに あげる お乳なのッ!!」

 

 

 

 大声を上げる璃々に驚いて、全員の視線が集中する。そこには……。

 

 

 

雪蓮「やだッ! 喉が渇いたのッ! お水欲しいのッ! ちょーだい ちょーだい! それちょーだい!」

 

 

 

 璃々と哺乳瓶を奪い合っている、前・孫呉の主、孫策こと雪蓮の姿があった。

 

璃々「だからこれは、孫登ちゃん の ゴハンだって ゆってるでしょお! 雪蓮おねーちゃんは おとななんだから、すこしは がまんしてよぉ!」

 

雪蓮「大人だって喉が渇くのは仕方ないのッ! 目の前に水があるんだから それを飲んで何が悪いのよッ!」

 

璃々「お水じゃないよ! 孫登ちゃんに あげる おっぱいだよッ!」

 

 どうやら、呉王の位を妹に譲って毎日遊び呆けている雪蓮は、喉が渇いたところに孫登のために用意されていた哺乳瓶を発見、赤子の番をしていた璃々と取り合いになったらしい。

 

蓮華「姉様……」

 

小蓮「雪蓮姉さま……」

 

一刀「雪蓮ェ……」

 

紫苑「あらあら……」

 

 三国一の子供が、そこにいた。

 

                    終劇


 
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