No.147680

飛天の御使い~第七幕~

eni_meelさん

恋姫†無双の二次創作です。
いよいよ一刀対北郷軍の開戦です。
ここまで脱線しながらようやく辿りつきました。
拙い未熟な表現力の文章ですが、
少しでも楽しんで読んでいただけたら幸いです。

2010-06-04 17:34:27 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:6421   閲覧ユーザー数:5249

 

はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

 

曹操side

 

「華琳様、どうやら洛陽攻略への先陣は北郷軍がきるようです。」

 

そんな桂花の報告を聞きながら、曹操は秋蘭の淹れてくれた茶を飲んでいる。

 

「軍議の時に諸葛亮があれだけ反対していたのに、どういう風の吹き回しかしら?」

 

そんな疑問を口にする。その言葉に桂花は

 

「袁紹自身が関羽を説得したそうです・・・・・。ただ、少し気になることが・・・・。」

 

そういうと言葉を詰まらせる。そんな桂花の様子が気になった曹操は、

 

「どうしたの?言いなさい、桂花。」

 

そう桂花に発言を促す。桂花は言葉を選ぶように少し考えながら

 

「実はあの軍議以降、諸葛亮の姿を見なくなりまして。また、袁紹のところから帰ってきた関羽の様子がおかしかったらしく、酷く殺気立ったものだったそうです。袁紹がどういったことで関羽を説得したのかが分からないので何とも言えないのですが・・・・。それと、洛陽に放っていた細作の話では、どうやら洛陽では暴政はしかれていなかったみたいで、洛陽の都は、暴政など無いかの如く賑わっているそうです。もうしかすると我々は袁紹に踊らされていたのかもしれません。」

 

そう説明する。その発言を聞いて曹操は少し考えてから

 

「もし洛陽の暴政がウソだとしたら、それこそ関羽たちが先陣を切って出陣するなんておかしいわね。あの子達は暴政に苦しむ民のためにこの連合に参加しているのだから、それが偽りだったと知ったら真っ先に連合から離脱しかねないもの。もしかしたら諸葛亮の身に何かあったのかもしれないわね。それで袁紹の要請をやむなく飲んだのかも。少し探りをいれる必要があるわね。桂花、もっとも優秀な間者を袁紹の元へ向かわせなさい。何か動きがあれば逐一報告させること。」

 

そう指示を飛ばす。その言葉に桂花は「御意」と答え天幕を出て行った。

 

 

「秋蘭、どう思う?」

 

お茶を淹れようとしていた秋蘭に問いかける。

 

「まだ何ともいえませんな。必要な情報が少なすぎますから。」

 

冷静に淡々とした口調で答える秋蘭を見て微笑んでいると、よく通る大きな声が聞こえてきた。

 

「華琳様ぁ、洛陽に放った斥候が戻ってきました。」

 

大声を上げながら春蘭が天幕へ飛び込んできた。その様子を見ていた秋蘭が

 

「姉者、そんなに大きな声を出しては他の諸侯に丸聞こえではないか。少しは落ち着け。」

 

だめな姉に呆れる秋蘭。曹操はそれをみてまた微笑んで

 

「春蘭、それで斥候はなんと?」

 

そう春蘭に問いかける。春蘭はすぐさま向き直り

 

「洛陽付近に展開している軍を確認したそうです。数は1万5千。ただ、その中に馬騰の軍勢がいるみたいなんですが・・・・。」

 

その報告に眉をしかめる。

 

「馬騰が?何故馬騰がそこにいるのかしら?」

 

その問いかけに返ってくる答えは無い。春蘭は続けて報告する。

 

「あとその軍勢、董卓軍の装備を着けているみたいですが、本体に金色の『十文字』の牙門旗があったそうです。」

 

その報告に目を見開く。

 

「十文字?それって北郷軍の牙門旗じゃない。何故北郷軍が馬騰の軍と一緒にいるのかしら。それに北郷軍ならさっき、関羽たちが率いて洛陽へ向かっていったはず。関羽たちとは別の勢力なのかしら。でもそんな話聞いたこと無いわ。どういうことなのかしら・・・・。」

 

ますます分からないことだらけの状況に思考の海に沈んでいた曹操だが、取り直して

 

「春蘭、秋蘭、部隊をすぐに展開できるように準備をしておきなさい。」

 

そう指示を出す。そしてまた思考の海へ沈んでいった。

 

「嫌な予感がするわね・・・・・。」

 

 

孫権side

 

「蓮華様、洛陽攻略の先陣は北郷軍がきるようです。」

 

そんな陸遜の報告を聞いて孫権は「そうか」と短く呟く。その傍らで険しい顔をしていたのは周瑜だ。

 

「あれだけ軍議の最中、孔明が反対していたのにどういうことだ?」

 

北郷軍の行動が気になったのか周瑜が思案げな表情を浮かべている。

 

「どうやら袁紹さんが関羽さんを直接説得、というか脅迫して出撃させたみたいですよぉ。」

 

のほほ~んといった口調でいう陸遜の報告に周瑜は眉を吊り上げる。

 

「脅迫だと、どういうことだ穏?」

 

「はい、幼平ちゃんの報告ですと北郷軍に降った董卓軍の兵たちの話しでは洛陽での暴政は過去のもので、今は董卓のもと改善されて善政がしかれているらしく、その事実を知った関羽さんが、袁紹さんに連合の離脱を申し入れたそうなんです。が、袁紹さんたちに孔明ちゃんを人質にとられ無理やり出撃されられたみたいです。」

 

陸遜の話を聞いて

 

「あまり穏やかな話ではないな。もし暴政がないとするならば我等としてもこんな場所にいる意味はない。」

 

そう発言する孫権に、周瑜がすかさず反論する。

 

「ですが蓮華様、すでに民の間では董卓の暴政は広い範囲に広まっています。その状況で我等が連合を離脱すれば、風評の悪化は必死。これはこのまま洛陽へ攻め入り董卓を討つべきかと。それが孫呉の未来のためには最良かと思います。」

 

そう提言する。孫権はあまり納得していないような素振りをみせるが、

 

「とりあえず連合の他の諸侯の出方を見てから行動することにしよう。勇み足では、我々だけ孤立してしまうようなことにもなりかねない。穏、幼平に引き続き袁紹のところに探りを入れるよう伝えておけ。」

 

そう指示を出すと陸遜は「は~い」といいながら天幕を出て行った。

 

「とりあえずは袁紹の動き次第だな・・・・・」

 

 

公孫賛side

 

洛陽攻略の先陣が北郷軍に決まったと報告を受けた白蓮は、北郷軍の陣を訪れた。

 

そこには酷く殺気だった愛紗とそれを心配そうに見ている鈴々の姿があった。

 

「愛紗、お前たちが洛陽への先陣をきると聞いてきたんだが、どうしたんだ?」

 

率直に気になったことを聞いてみた。しかし愛紗は

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

黙り込んだまま出陣準備をしていた。なんとなく声がかけづらかったので近くにいる鈴々に聞いてみたのだが、黙して何も語ろうとはしなかったが、その表情は酷く曇っていた。そうして北郷軍は洛陽へと出陣して行った。

 

(それにしても虎牢関の戦い以降、一刃は敵将とどこかに姿を消してしまうし、愛紗の様子がおかしいし孔明の姿も見えない。このまま進軍なんかさせて大丈夫なんだろうか?武力の点におけば、何の問題もないのだが・・・・)

 

そんな事を考えながら自分の陣へと戻るため北郷軍の陣を後にする。自陣に戻る道すがら、聞きなれた声が白蓮に向けられた。その声のするほうへ視線を移すとそこには懐かしい姿の女性が立っていた。

 

「おぉ、星じゃないか。どうしてこんなところへ?もしかして私の所に戻ってきてくれたのか?」

 

そう問いかける白蓮に、苦笑いを浮かべながら

 

「いやなに、白蓮殿にご忠告があって参上したまでで・・・・。」

「忠告?」

 

星の答えに「??」という感じで頭を傾ける白蓮を見て、星は思わず噴出してしまった。

 

「伯珪殿は相変わらずですな・・・。」

 

そういうと星は言葉を続ける。

 

「実は北郷殿から言伝を頼まれましてな。『連合の大義はなくなったから連合から即刻離脱されますよう』とな。洛陽の都で暗躍していたのは董卓ではなく宦官の張譲。その粛清を北郷殿が行っていたのですが、無事に排除できたみたいで帝、董卓ともに保護されたみたいです。それで、これから連合軍(主に袁紹軍)の掃討作戦に出るということなので、こうして忠告に来たわけです。このまま残っていれば、北郷殿の軍の総攻撃を喰らうことになりますゆえ。」

 

星のその忠告に白蓮は

 

「しかし、もう愛紗たちが洛陽へ向けて進軍して行ったぞ。このままじゃ不味いんじゃないか?」

 

先ほどのことを星に説明する。それを聞いた星は少し首をかしげながら

 

「おかしいですな。一刃殿の話だと、連合の真意に気が付いて離脱するような話をしていたと思ったのですが・・・。それに朱里もついているのだからそんな事はしないと思っていたのですが・・・・。」

 

そう呟く星。白蓮はその言葉に驚く。

 

「星、一刃に会ったのか?」

 

その問いに星は

 

「えぇ、董卓軍の張遼、呂布両将軍と洛陽へ向かわれているところに出くわしましてな。北郷殿の洛陽での作戦に支障をきたすとまずいため引き止めておく役回りを私がしておりましたので。その時に先ほどのことを言っておりましたので、てっきり北郷軍は連合離脱したのかと思っておりましたが・・・。」

 

そう答える星に対して、白蓮は軍議での事を思い出して星に説明する。

 

「いや、孔明は軍議の席でも進軍拒否を袁紹に申し出ていたからな。でも袁紹が愛紗を直接説得して進軍することになったはずだ。まぁ、その後からかな、愛紗が酷く不機嫌になったのは。それにあの軍議以降孔明も見なくなったし。」

 

その言葉に星は怪訝な表情を浮かべる。

 

「朱里を見ない?」

 

そう白蓮に問いかける。

 

「あぁ、あれから全然姿を見ないんだ。何処に行ったのやら。」

 

その答えに星はある可能性を導き出す。

 

「もしかすると袁紹は朱里を人質にして、愛紗たちに進軍を強要したのかもしれません。私は少し袁紹周辺を探ってみます。もし朱里が囚われているなら、朱里を助けて愛紗たちの後顧の憂いをなくしてやらないと。今行けば、間違いなく北郷殿との戦いは避けられなくなりそうですから、せめてこれくらいは。」

 

そういうと星は足早に袁紹軍の陣の方へと向かっていった。

 

「愛紗、無事でいてくれよ。」

 

白蓮は一刀と相対するであろう愛紗の無事を祈った。

 

 

洛陽周辺・荒野

 

北郷・馬騰連盟軍は連合軍の先陣である愛紗率いる北郷軍と睨み合いをしていた。

 

連盟軍1万5千、連合軍1万。数では連盟軍が優勢だ。そんな連盟軍から単騎で進み出てくる影が見えた。北郷一刀その人である。その姿を見てからか、連合軍の方からは2騎が進み出る。愛紗と鈴々だ。

 

「愛紗、鈴々、何故お前たちが連合の先陣をきったのだ。」

 

そう問う一刀の口調は淡々と、しかしその言葉には怒気が含まれていた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

しかし、そんな一刀の問いかけに愛紗たちは口を開こうとしない。

 

「洛陽で暗躍していたクズは俺が始末した。それにお前達もわかっているのだろう、この洛陽の都で暴政など行われていないことを。連合の掲げていた大義名分はすでになくなったのだ。なのにどうして連合を離脱しない?お前たちの正義とは、弱きものを守りたいといったことは全て虚言だったのか?どうなんだ、愛紗!答えろ。」

 

一刀の激しい叱責に愛紗は下を俯いたまま

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・違う」

 

そう抵抗するように小さく呟いた。

 

「何が違うのだ?お前たちがやろうとしていることは弱者を救済することではなく、力で蹂躙しようとしていることだ。お前たちの正義は自らの力を誇示して成し遂げていくものだったのか!」

 

その言葉に、肩を震わせながら顔を上げた愛紗の顔にはとめどなく溢れる涙が浮かんでいた。

 

「私がここにきたのは友のため、大切な仲間を救うため。そのために義叔父上、あなたを倒します。」

 

その愛紗の姿を見てか、後方から北郷軍の兵士たちが近付いてくる。

 

「関羽将軍、一人で抱え込まないでください。私達もともに戦います。私たちは一刃将軍、関羽将軍、張飛将軍についてゆくと決めたんです。例え北郷様と戦うようなことになったとしても私たちは最後の最後まであなたについていきます。」

 

そういって愛紗たちとともにするは元董卓軍を除いた北郷軍7千。その姿を見た一刀は何か思うように目を閉じ考えていたが、

 

「訳は話せないのか?」

 

そう問うが、愛紗は

 

「申し訳ありません。」

 

そう答えるだけだった。

 

「分かった、ならばお前達を倒してからゆっくり聞くことにするさ。」

 

そういうと自軍の方を振り返り、

 

「馬騰殿、手出しは無用だ。身内の恥は身内である俺が片付ける。」

 

そういう一刀に馬騰は驚き、

 

「北郷殿、相手は7千ですぞ。いくら貴殿といえども一人で7千もの数はいささか無謀ではないか?」

 

そう問いかけるが、一刀は飄々と

 

「いや、バカ弟子どもなど俺一人で十分。馬騰殿たちはゆっくり見ているといい。」

 

そう笑顔でいうと北郷軍7千の前に一人歩みだすのだった。

 

 

洛陽付近の邑

 

「なっ・・・」

 

一刃は目の前の光景に絶句した。その目に映っているのは連合の先陣をきっている愛紗たち、

 

そして、一人でその愛紗たちと対しようとしている師匠・一刀の姿だった。

 

その様子を見ていた張遼は

 

「なんや、あのおっさん?たった一人で関羽たちの軍勢に当たるつもりか、そりゃ無謀やで。」

 

そういうと張遼は隣にいた呂布を見て言葉を失う。呂布は顔を真っ青にして震えていた。

 

「どないしたんや、呂布ちん?身体の調子でも悪いんか?」

 

そう問いただす張遼に、呂布は

 

「怖い。」

 

と一言そういった。その言葉を理解できなかったのか張遼は

 

「怖いって誰が?」

 

そう呂布に問うと、呂布は一刀を指さした。その様子をみていた一刃はすっと立ち上がると刀を持って戦場へ向かおうとした。その姿を見て張遼は

 

「何処にいくつもりや?」

 

そう引き止めるが、一刃は

 

「愛紗たちを止めなきゃ、じゃないと愛紗たちが危ない。」

 

そう答えた。張遼は一刃の言った意味が良くわからなかったのか、

 

「関羽や張飛がおるんなら、心配するのはあのおっさんの方やないんか?」

 

そう聞いてきた。一刃は張遼に一刀のことを説明する。

 

「あの人は俺や愛紗、鈴々の武術の師匠なんだ。俺達三人がかりでも恐らく勝てないくらい強いんだ。だからいくら人数が多くても愛紗たちでは多分勝てない。それに師匠の怖さは俺が身をもって知っているからね。だから助けに行かないといけない。」

 

その一刃の尋常じゃない焦りと、呂布の姿を見て張遼も一刀が只者ではないと判断する。しかし、

 

信じられないという気持ちもある。

 

「ウチと呂布ちんとまともに戦える三人がまとめて戦っても勝てへんなんか、そんな化け物みたいな人間がホンマにおるんかいな。」

 

そう考えていたが、すぐに取り直し一刃とともに戦場へと駆けていった。

 

「愛紗、鈴々、無事でいてくれ。」

 

一刃はそう願いながら走る。戦場へ向けて。

 

 

戦場

 

「舞華、俺の刀を取ってくれ。」

 

そういうと舞華は一本の刀を持ってきた。

 

「北郷様、本当にこの刀でいいのですか?これじゃあ・・・・・」

 

そう言ってくる舞華の心配そうな顔を見てフッ、と笑いながら頭をなでる。

 

「大丈夫、本気は出すけどなるべく穏便に済ませるためにはね。」

 

そういうと戦場へ向かっていった。

 

 

 

「愛紗、鈴々、覚悟はよいか?」

 

並び立つ北郷軍7千人の先頭に立つ二人に声をかける。

 

「はい。」「応なのだ!」

 

二人の返事を聞き、徐に羽織っていた外套を脱ぎ捨てた。その外套が落ちたところから

 

ドォォォーーーン

 

という地響きと轟音が轟いた。同時に、戦場の空気は一刀の放つ冷たく切り裂かれそうな殺気で充満する。

 

「この姿で戦うのも久しぶりだからなぁ・・・。」

 

そういうと地面に向け軽く刀を振るう。その衝撃で砂塵が舞い上がり、地面が深く切り裂かれている。その姿に北郷軍の兵士達はもちろん、味方である馬騰たちも息を飲む。足が竦んでいる兵もいる。これから訪れることへの恐怖が溢れ出して来る。そんな中、一刀が吼える。

 

「お前達の『正義』を全力で示してみろ。その礼儀として俺も『本気』を見せてやる」

 

そういうと北郷一刀と連合・北郷軍の戦いの幕は切って落とされた。

 

 

あとがき

 

はい、終わりませんでした。

 

もう言い訳してもしょうがないのですが・・・・・。

 

この作品自体、反董卓連合編で終わったりして・・・・・・。

 

そんな弱気になっている私ですが、

 

沢山の方が読んでくれて、コメントを残してくれて本当に嬉しい限りです。

 

こんな拙く未熟な表現力の文章が少しでもみなさんに楽しんでもらえるなら

 

幸いです。

 

 


 
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