No.144898

マジ恋†無双

loloさん

マジ恋と真・恋姫†無双のクロス物。

2010-05-23 06:09:19 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:7141   閲覧ユーザー数:6477

 

「おーい!大和ぉ~そっちは終わりそうか~??」

 

「まだかかりそうだよ!姉さん!!」

額の汗をぬぐいながらそう俺は答えた。

 

とある日の土曜日。俺たちは前日の金曜集会で姉さんから上がった、川神院一斉清掃の手伝いに来ている。若いから。という理由で、数十年間放置されたままであった開かずの蔵の掃除をさせられているわけなのだが…

 

「しっかしあのジジイめ、私のような美少女にこんなうす汚い場所を掃除させるとは、あとで覚えてろよ…」

 

「んなこと言ってるけど、さっきまでモモ先輩は外でさぼってたじゃね~か!」

 

「アぁ!?なんか言ったか~ガクト??」

 

「いえ!なんでもありましぇ~~ん!!」 バキッ!!ドガッ!!・・・・

 

「でもホントに大きな蔵だよね。このペースで今日中に終わるのかな?」

 

「モロの言う通りこのままじゃ終わる気配が全くないね。でも私は大和と一緒ならこのまま薄暗い蔵の中でも全然平気だよ♪」ギシッ

 

「遠慮します。そして抱きつかないでください。」

 

姉さんとガクトは蔵の荷物出し、俺、モロ、京の3人は棚の整理。奥の棚をまゆっちとクリスがしている。

 

「そういえばキャップたちはどこ行ったんだ??」

 

「キャップと犬なら宝物探しだぁ!とか言って蔵の奥のほうに行ったが?」

少し自分も行きたかったという顔をしながら、姿を現した。

 

「お!クリスか。そっちのほうは片付いたのか?」

 

「オウオウ!あったりめ~だヨ!掃除スキルMAXのまゆっちにかかればオチャノコサイサイヨ~♪」

「はい!クリスさんが頑張ってくれたおかげでだいぶ片づけられました。『ホントはクリ吉が棚の物をひっくり返したりしてかなり大変だったがな~』」

 

やはりこのお嬢様にはこのような大きい蔵の掃除は無理のようだった。

しかし朝からやっててここまで進まないとホントやる気が落ちてくるな…少しここらで休憩でもxt

 

「おう!お前らこんなとこに居やがったのか。ほらよ!仕事先でもらったジュースだ。勝手に飲みやがれ。」

我らが島津寮のアイドル源さんの登場である。

「ゲンさん!!!!どうしてここに?」

 

「別についでだよ!ついで!!朝お前らみんな川神院で掃除するとか言ってたからな。」

やっぱりいい人だ…

「タッちゃん!!」

声を聞きつけたのかワン子がひょっこり顔をだした。

 

「おう!一子お前も飲め。」

 

「うん!!ありがとう。いただくわ♪」

 

「なぁ妹よ。キャップはどうしたんだ?」

 

「キャップならまだ宝物探ししてると思うわ。お姉さま♪」

 

「まったくキャップはいつまでたってもガキだな~。俺様のようなタフガイはお宝を探すより女を探すがな!!」

 

「しょーもない」

 

「でもキャップなら本当にお宝とか見つけてきそうだよね。」

 

そう。俺たち風間ファミリーのキャップである風間翔一という男はとてつもなく運がいい。しかしだからといってそうそう簡単に蔵にあるお宝なんて見つけてくるはずは…

 

「お宝はっけーーん!!!」

 

突如叫びながら現れたキャップだが本当に何か手に持っている。

 

「じゃじゃーん!!これを見よ!!…ってなんでみんなジュース飲んでるんだ?キャップをのけものにしたらいけないんだぞ~!!!」

 

ハイハイと京がキャップにジュースを持っていく。

 

「ところでキャップ。なにを見つけたの??」

とワン子が興味津津といった感じでキャップに聞いている。

 

「おう!!見てくれ!なんか蔵の奥に隠されるように置いてあったんだ。」

そう言うとキャップはみんなの前にソレを差し出す。

 

「これは…鏡??」

 

「みたいだな!なんか額縁のところとか綺麗だろ!?きっとお宝に違いない!!」

 

「なんか見た感じ中国のものぽいな…。もしかしたらルー先生の物かもな」

 

「おいおいマジでお宝なのかよ。だったら売った金でまた旅行にでも行こうぜ!!今度こそ俺様の肉体美で水着ギャルたちを落としてやるぜ!!」

 

「いいなそれは!私もおねぇちゃんたちとキャッキャウフフしたいぞ~」

 

すでにノリノリな姉さんたちだが、これは本当にお宝っぽいぞ…

 

「でもルー師範代の物なら勝手に売っちゃまずいんじゃないかしら?」

 

「いいか~妹。ここは私たちの家だ家の物を売って何が悪い!!」

 

「いや!思いっきり人の物かもしれないよ!モモ先輩!!」

 

「まぁ確かにルー師範代のものとなるとちょっとヤバいかもしれないな。あの人キレると怖いし…よし!なら私がルー師範代に聞いてこよう。キャップ!それを貸せ!!」

 

「はいよ。モモ先輩。」スルッ

 

「「「「「「「ア…」」」」」」」」」

 

ガッシャーン………

 

夢から現実へと引き戻されるような大きな音が蔵に響いた。

あれ?…どこだ?ここは…

 

気がつくと俺は今までいた川神院の蔵の中ではない所にいた。

 

地平線までつづく荒野そしてゴツゴツした山々。

 

あたりを見渡すと姉さんと京が倒れていた。

 

「姉さん!京!!起きて!!」ユサユサ

 

「…ん~どうした弟…」

「あ…やまと…そんなに激しくしちゃ…」バシッ お前は何の夢を見てるんだ!!

 

 

「そうか。つまりあの鏡が割れた時不思議な光が私たちを包み、気が付いたらここで私たちは寝ていたと。」

 

「あぁ。その通りだよ姉さん。見たところ俺たち三人のほかには周りにいないみたい。ワン子やクリス、ガクトたちがどこに行ったかもわからない。もしかしたら俺たちと同じようにどこかで寝てるものかも…」

 

「しかしホントにここはどこなんだ?日本なのか??」

 

「川神ではないね。間違いなく。そういえば大和。なんで私たち制服になってるの??ハッ!!まさか大和ったら私の制服姿が好きだからって、寝ているスキに着換えさせたんじゃ!?いいよ!!大和が望むなら私いつでも制服のままでいるよ!!だから付き合って!!!」

 

「そうなんだよな。今日は掃除だからって汚れてもいいようにみんなジャージ着てたのに…お友達で。」

 

「ム!?誰か来るぞ!」

 

そう姉さんが言うと、山の麓から黄色い布を頭に被った見るからにガラの悪そうな三人組が現れた。

 

「おー。そこのねぇちゃんたち上等な着物着てんじゃねえか!そいつ脱いでこっちわたしな!」

「アニキ!しかも女は二人ともかなりの上玉ですぜ!!今夜は楽しめそうですな。グフフ」

 

「ならオラはあっちの青髪のほうがいいな…」

 

なにやらこの人たちは悪い人らしい。しかしここは情報を聞き出すためにも手加減してね。と姉さんに言おうと思っていた。しかし時すでに遅し。その言葉を発するよりも先に彼ら三人は地表に犬○家のように頭から突き刺さっていた。

 

「あ~ぁ姉さんやり過ぎ…せっかく人に会えたのにこれじゃここが何処かわからず仕舞だよ」

 

「いや。弟よ。こいつらガクトよりも気持ち悪い目線で私を見てきたからな、反射的に攻撃してしまったのだ。許せ!!」

 

「ねぇ大和。この人たちコスプレでもしてたんじゃないのかな?」

ん?

 

「ほら。だって黄色い布つけて盗賊ぽい服きてるし、もしかして黄巾賊のコスプレとか!」

 

「黄巾賊!?ってあの三国志のか??そんなマニアックなコスプレする人なんているのかよ。じゃぁアレか?今のってもしかしてコスプレしてる人が悪ノリして…」

 

「お!また誰か来るぞ」

 

もしかしたらこの三人に大変申し訳ないことをしたのではないかと考えてる間に、再び誰か現れるようだった。

 

「すいませ~~ん。この辺りに流星が落ちてきませんでしたかぁ??」

 

いきなりピンクの髪の女の子にそう尋ねられた。

 

「流星??知りませんけど…あの!!それより少しお尋ねしたいことがあるんですがよろしいですか??」

 

「はい?いいですけど何か困ったことでもありましたか?」

 

「ええ。まずはここはどこなんでしょうか??」

 

「ここは幽州琢郡の五台山の麓だ。」

 

そう答えてくれたのはさっきの子の後ろにいた長い黒髪の子だった。

 

「幽州?琢郡??五台山????ってまさか中国のか?最近世界遺産に登録されたってやつ?っていうかここ中国??」

あれ?なんでさっきまで日本の川神にいたのに中国なんかにいる訳??あれ??あれ???・・・・

 

「お兄ちゃんたちの服とっても綺麗なのだ」

 

一人で混乱していると、小柄な女の子に声をかけられた。

 

「ホントだね~なんだかキラキラしてるよ。」

 

そういうと三人は俺たちのほうを珍しげに見てきた。

 

「そんなに珍しい??うちの学校の制服。キラキラしてるというかコレはポリエステルって言って…」

 

「ぽーりーえすてーる?さっきからお兄さんたちがしゃべってる言葉が時々わからないんだけど」

 

「そうだな。姉者の言うとおり、一体お主ら何者なのだ??」

 

何者なのだとか聞かれちゃってるし…一体どうなってるんだココは…

 

 

とりあえず俺は今まで起こった事を三人に話した。

蔵の掃除をしていたらいつの間にかここで寝ていたこと。変な三人組に襲われそうになった事。

 

「…そして俺は川神学園2年の直江大和。そしてこっちが、」

 

「同じく2年の椎名京」

 

「3年の川神百代だ」

 

「ところで君たちは?」

 

「私は劉備。字は玄徳。」

 

「鈴々は張飛なのだ!」

 

「関雲長とは私のことだ」

 

「「「………………」」」

 

「おい!弟!!これもアレか?コスプレというやつか?さすがに私でも三国志のこの3人の名前くらいは知ってるぞ!!」

 

「大和…これって…」

 

あわてるな。そう慌てるな俺。

 

「あのさ。コスプレはもういいからホントの名前教えてくれない?ついでにココのホントの場所も。」

 

「わからぬお人だ。先ほどから言っている通り、ここは幽州琢郡だと教えているではないか。」

 

「え?マジなの?」

 

「うん。うん。嘘なんかつかないよ。」

 

「大和。この人たち嘘言ってる様には見えないよ?」

 

「あぁ。京の言うとおりだ弟。それにあの関羽と張飛と名乗ってる二人本当に強いぞ。」

 

姉さんまでもあぁ言ってる…これはもう認めるしかない。

 

「どうやら俺たちは三国志の世界へタイムスリップしてきたようだ。」

 

「たいむすりっぷ?」

向こうの3人はみな不思議そうな顔をしている。

「そう。つまり俺たち3人はこの時代の人じゃない。もっと未来から来たんだ。」

 

そうやって説明していると劉備と名乗った女の子が口を開いた。

 

「…やっぱり!思った通りだよ!鈴々ちゃん!!愛紗ちゃん!!」

「私たちの知らない言葉使ってるし、なにより服が変!!この人たち天の御遣い様だよ!!」

 

「管輅が言っていた天の御遣いですか…あれは戯言なのでは?」

 

「でもでも!東方より飛来する流星は乱世を治める御遣いの乗りものだって!」

 

「ふむ。その占いからすると確かにこの人たちが天の御遣いとなりますが…」

 

「愛紗は疑り深いのだ!愛紗だってホントはわかってるのだ。このおねぇちゃんたち強いのだ!特に黒髪のほうのおねぇちゃんは鈴々と同じくらい強いのだ!!」

 

「ほぅ。同じか…ならば勝負してみるか!!」

 

「ちょ!姉さん!!」

 

「心配するな弟!相手が誰であろうと私に勝てる奴など存在しない!!正直に言うと一目見たときから戦いたくてしょうがなかったんだ」

 

別に姉さんの心配してるわけじゃないんだけど…あんなに小さい子と姉さんが戦うなんて、けがでもさせたら…そんなことを思っている間に戦いが始まっていた。

 

「うりゃりゃりゃりゃー!!」

 

張飛の放つ蛇矛による攻撃は姉さんに簡単に避けられていた。

 

「どうしたこんなものか張飛!ではこちらから行くぞ!!」

 

姉さんは蛇矛の攻撃を正面からうまくよけながら突っ込んでいった。

 

「にゃにぃ!?」

懐に入った姉さんはボディブローを入れる。

 

ガシッ!!

 

だが張飛もすぐさま蛇矛を引き戻し拳を防御した。

 

「これを防ぐか!ならばっ!!」

 

今度はお構いなしの連続攻撃。四方八方からくるパンチの嵐についには張飛が防げなくなり攻撃が当たる。

 

「うぐっ…」

 

「「鈴々!!」ちゃん!!」

 

「大丈夫なのだ!まだ全然やれるのだ!!」

 

だが再三攻撃を防いだせいで手に力が入らない張飛。

 

「これで終わりだ!」

 

ガキン!!

 

ついに張飛は獲物を手放してしまう。

 

「うー鈴々の負けなのだ…」

 

「姉さん大人げないよ…」

 

「いや。弟。あいつやっぱり強かったぞ。こんなに楽しい戦いは久しぶりだ!!」

 

「モモ先輩が最後のほうマジになってた。かなり強いよあの子…」

 

確かに。うちのクラスの委員長ぐらいの身長なのに、この姉さんと撃ち合える時点ですごいよな…一体あの体のどこからあんなデカイ獲物を振り回せる力が出るんだ…

 

「鈴々ちゃん大丈夫!?」

 

「桃香おねちゃん…大丈夫なのだ!ただ疲れただけなのだ…でもこれで愛紗もわかったはずなのだ。このおねーちゃんたちは本物の天の御遣いさんなのだ。」

 

「うむ。そうだな。川神殿。どうか私たちともにこの世を変えるための力になっていただけないだろうか。現在の世の中は漢王朝が腐敗し、弱い民たちが重税で苦しんでいる。さらに最近は賊が多くなり民を襲っている。そんな弱い人々を我らは救いたいのだ。」

 

「どーするんだ?軍師?」

 

決まってる。ここが三国時代ならば劉備について行って悪いことなんかない。他の仲間たちを探すためにもここは協力すべきだ。

 

「もちろん協力するよ。」

 

「本当ですか??」

「はい。ただ俺たちはこの世界の人間ではない。もし元の世界に変える方法が見つかればその時は俺たちはここからいなくなります。それでもいいですか?」

 

「…その時は残念だけどしょうがないよね…わかりました。ではよろしくお願いします。誓いの印に私の真名を預かってください。」

 

「真名??」

 

「真名とは我らの持つ本当の名前です。家族や親しき者にしか呼ぶことを許さない、神聖なる名」

「その名を持つ人の本質を包み込んだ言葉なの。だから親しい人以外には、例え知っていても口に出してはいけない本当の名前。」

 

「だけどおにいちゃんたちなら呼んでほしいのだ」

 

「我が真名は愛紗」

「鈴々は鈴々!」

「私は桃香」 

 

「わかった。大切な名前を教えてくれてありがとう。期待に応えられるよう頑張るよ。愛紗、鈴々、桃香よろしく!!」

 

こうして俺たち3人は劉玄徳達とともに、戦乱の三国時代へと身を投じていくことになった。

あとがき

 

みなさんはじめまして。そして最後まで読んでくれたみなさんありがとうございます。主にROM専だった私ですが、日々のだらけきった生活にくぎりをつけるためにもこのSSを書き始めることにしました。なにぶん素人なもので、分かりにくい表現、おかしな文章などがあると思いますが、気軽にご指南、ご指摘のほうをよろしくお願いします。

 

目指せ完結!!

 

 
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