No.144454

恋姫†無双 ~天ハ誰ト在ルベキ~ 第壱話 ハジマリ

桜花さん

初めてSSを書いてみました
もし、拾われた相手が各国の君主じゃなかったら?と思い、書いて見ちゃいました
拾われる相手は意外?な娘たちです
登場人物のしゃべり方が原作と違っているかもしれませんが、そこはスルーしてあげて下さい
呼び方は原作とは立場が変わる人がいるので、変わる場合があります

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2010-05-21 04:20:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6523   閲覧ユーザー数:4948

 

 流れ星が落ちてきた。

 それ自体は別段驚くことではない・・・・・・それが昼間の出来事でなければ。

 その上、昼でも分かる程の光を放ってである。

「ちょっ、凪、どこいくんや!!」

「真桜、お前もあの光を見ただろう。あれは天の御遣い様に違いない!」

 言うや否や、凪と呼ばれた少女は走り出していた。

「天の御遣いって、なんとかって占い師が予言したあの噂のことかいな!? 流石にそれはありえへんやろ。所詮は噂やで、胡散臭すぎて信じられへんわ」

 やれやれ、と言わんばかりに肩をすくめる。

「真桜ちゃん、もう凪ちゃんとっくに行っちゃったの~」

「なんやて!? しゃ~ないなぁ、沙和、凪を追っかけるで」

「うんなの~」

 そうして三人は流星の落ちた地へ駈け出していった。

 

 

「これ、ほんまもんの御遣いやと思うか、沙和?」

「わからないの~。でも、服はなんか光っててカッコいいと思うの」

「沙和は相変わらずやな。凪はどう思う、って聞くまでもないか」

「当たり前だ。御遣い様に決まっているだろう」

 上の方から声が聞こえる。昨日は部活でこってり絞られて疲れてるから、もう少し位静かにしてほしい。

 (ん、いや、まてよ・・・・・・)

 自分の部屋で寝てるのに人がいるのはおかしくないか? 及川あたりが入って来るにしても、あいつ以外の人まで、俺の部屋に入るなんてまずない。

 そう思うと、急速に意識が回復してきた。

「おっ、起きたみたいやで」

 眼を覚ますと女の子三人に囲まれていた。

 

 

「ごめん、もう一回聞き直して良いかな?」

 三人から話を聞いたのだが、俺の頭は混乱しているらしい。

 夢の中と言われた方がまだ信じられる様な状況だった。

「はい、何なりと」

「ええで」

「何でも聞くの~」

 三者三様に返される。

「ここはどこかな?」

「荊州の襄陽なの~」

「黄巾党って知ってる?」

「黄巾党? あぁ、最近各地を荒らしとる黄色い服着たやつらのことやろ? 当然や」

「有名な武将と勢力の場所は?」

「そうですね・・・・・・河北の袁紹、涼州の馬騰はかなりの有力かと」

 うん、100%三国志の世界でした。

 嘘を言ってる様に見えないし、俺の三国志の知識とも整合性があるし、本当だよなぁ。これからどうしよう。剣道やってたとはいえ、ここじゃどこまで通用するか分からない。そもそも、なんで話通じてんの? 俺、中国語全く分かんないんだけど。いやいや・・・・・・

「・・・・・・-い、おーい、大丈夫か? 聞こえとるかー?」

「はっ」

 やばいやばい、ちょっと意識が向こう側にいってしまっていたらしい。

「で、なにか分かったの~?」

「えっ~と、信じてくれるか分かんないけど、俺は他の世界から来たみたい」

「他の世界? どういうことですか?」

「上手く言えなくて申し訳ないけど、俺は君たちより1800年位先の未来の人間で、タイムスリップみたいな感じででここに来ちゃたんだと思うんだけど、ってあんま驚いてないね」

「いや~」

「言ってることはよく分からなかったけど」

「御遣い様ですから」

「御遣い?」

「はい」

「出来れば詳しく聞かせて欲しいんだけど。 ・・・・・・えっと、名前は?」

「そういえば自己紹介をしていませんでしたね。私は姓は楽、名は進、字は文謙です。そして、こっちが」

「ウチは李典。姓は李、名は典、字は曼成や。よろしゅうな」

「わたしは姓は于、名は禁、字は文則なの。よろしくなの」

「俺は北郷一刀。よろしく」

「性が北、名が郷、字が一刀ですか?」

「いや、俺の世界には性と名しかないから、性が北郷で名が一刀だよ」

「そうなのですか」

「へ~、そういうもんなんや」

「変わってるの~」

 三者三様の形で驚いている。

 やっぱりこっちの人にしてみたら不思議なのかなと思っていたが、御遣いについて聞くのを忘れていた。

「それで楽進さん、御遣いについて聞かせてくれるかな?」

「あっ、はい。洛陽の管路という有名な占い師が、世が乱れたときに空から天の御遣いが降臨して、世の中を平和にしてくれるという予言をしたと言われています。それで先ほど流れ星が落ちてきたので、ここに来てみたら」

「俺がいた、と」

「はい、その通りです」

「せやせや~。凪なんて一目散に走っていったんやで」

「そうなの。わたしたちを置いていっちゃったの~」

 俺が天の御遣い? 何かの間違いだろ?

「ち、ちょっと待って。俺が御遣いって証拠は?」

「う~ん、例えばその服は見たことない素材を使ってると思うの。周りにそんなに光ってる服着てる人なんて全然いなかったの」

「沙和が言うんやったら、そうやろなぁ。沙和の服に対する知識は半端やないし。正直、ちょっと引く位やからなぁ」

「真桜ちゃんに言われたくないの。真桜ちゃんのからくりへの情熱には勝てないの~」

「お前たち、話がずれてるぞ。それに、先程から私たちの知らない言葉と使われてますし。えっとと・・・・・・たいむ、すりっぷでしたっけ? 他にも名の違いなどいろいろありますが、これだけでも十分な理由になりえるかと」

 そう言われると何も言い返せない。というか、彼女たちの方がよっぽど正しいことを言っている気がする。いやでも・・・・・・

「ぐ~~~~」

 考え込んでいると、俺の腹が気の抜けた音を出していた。

「えっとさ、まだ俺が御遣いっていうのには納得いかないんだけど、取り敢えずどこかで昼ごはんでも食べながら詳しく話を聞いても良いかな?」

「そうですね、そうしましょうか」

 楽進さんが微笑しながら、賛成してくれた。

「しゃ~ない御遣いはんやなぁ。ま、ウチもお腹減ってきたし、さっさと行こか」

「うんなの。はやくご飯にするの」

(楽進、于禁、李典ってことは魏の重鎮になる人たちなんだよなぁ。この後曹操とかにも会うのか? つーか、それ以前になんでみんな女の子なんだよ!?しかもみんな可愛い・・・・・・、って違う違う)

「早よせんと、おいてくで~」

「ごめん、すぐ行く」

 こうして、俺達4人は街に向かって歩き出した。

 これから先、どうなるか分からないが、なぜか胸は期待に満ち溢れていた。

 

 

 
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