No.142974

真・恋姫†無双 頑張れ一刀くん 番外編3

手持ち幼女にワロタw

今回はアフター的なもの。

意外にながくなってしもたorz

2010-05-14 12:29:58 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:17323   閲覧ユーザー数:13003

 

 

「父様~、また雪蓮様が冥琳様に叱られてるよ~」

 

「またぁ? ……今度は何したんだか」

 

 

午前の仕事を終えた一刀は中庭で読書をしていた。そこに蓮華にそっくりの女の子、孫登がやってきた。

 

 

孫登の性格は明るく元気ながらもしっかりしていて、孫呉の次の王として期待されていた。

 

 

「なんかね、仕事中にお酒飲んでたんだって~」

 

 

一刀に抱きつきながら答える孫登。一刀は読書をやめて孫登を受け止めた。

 

 

「登は抱きつくのが好きだなぁ~」

 

 

娘に抱きつかれて悪い気はしない一刀。

 

 

傍から見れば子供同士がじゃれているだけなのだが。

 

 

「だっていつもは紹姉様が独占しているから今のうちに抱きつくのー♪」

 

 

孫登の一つ上の異母姉である孫紹は娘たちの中で一番年上なのだが、一番子供っぽく甘えん坊だった。

 

 

「紹は雪蓮にそっくりだからな」

 

「雪蓮様にー?」

 

「っそ。天真爛漫なところとか、行動派のところとか、勘がいいところとか、……自分の欲望に忠実なところとかね」

 

 

一刀は自分の娘たちについてよく知っていた。

 

 

なんせ無類の親バカであるのだから。

 

 

 

 

「私も母様と父様に似てるかな?」

 

「俺に似ているかは分からないけど、登は蓮華に似ているよ。責任感が強くて他人のことを考えてあげられるところとかね」

 

「それに、一刀に似て優しい子に育ってくれてるわ」

 

「蓮華!」

 

「母様!」

 

 

そこに蓮華が登場した。

 

 

「仕事は終わったの?」

 

「ええ。ひと段落ついたから少し休憩にしようかと思ったの」

 

 

一刀の隣に座った蓮華は一刀に抱きついている孫登を見る。

 

 

「ちょっと登、一刀から離れなさい」

 

「やーだ、母様こそどっかいってよ」

 

「あなた母親に向かって――」

 

「そんなこと言って父様とイチャイチャしに来たんでしょ」

 

「な、なななな――」

 

「顔を真っ赤にしてたら何を言っても説得力ないよ~♪」

 

 

毎回のように行われる親子の会話に一刀は苦笑いをする。

 

 

そして毎回娘に言い負かされる蓮華を閨でたっぷりと慰めてあげるのだった。

 

 

 

 

 

「ふぇぇ~~~~~ん」

 

 

しばらく三人で過ごしているとどこからともなく泣き声が聞こえて来た。

 

 

「紹! どうしたんだ?」

 

 

泣きながら庭に現れた孫紹は一刀の声に気付き、少しきょろきょろとし、一刀の姿を発見すると泣きながら一刀に突っ込んだ。

 

 

「ふぇぇん、おとーしゃまー!」

 

「ぐへっ」

 

 

勢いよく抱きつかれた一刀は苦しそうに息を吐いた。しかし愛娘が泣いているので何とか倒れることは避けた。

 

 

「どうしたの紹?」

 

 

一刀は孫紹の頭を撫でながら聞く。

 

 

「ぐしゅっ、……あのにぇ、さっきね街に遊びに行ったの」

 

「また一人で行ったの!?」

 

「紹姉様いいなぁ~」

 

 

一人で街に行ったことに驚く蓮華と羨ましがる孫登。この辺は一刀の血が混じっていると言えよう。

 

 

孫紹は母親の雪蓮に似て、一人で街や河原や山に行くことがよくある。一度一刀と雪蓮が孫紹を尾行してみると街の人たちにとても気に入られていて良くしてもらっていたのだ。それを見た二人は互いに似ているなと思いあっていた。

 

 

「まぁまぁ蓮華。一応街の警備隊には伝えてあるから大丈夫だよ」

 

「で、でも…………はぁ。もういいわ。姉様の娘を私が止められるわけないのだし」

 

 

雪蓮をいくら注意しようが聞いてもらえなかったことを思い出し諦める蓮華だった。雪蓮はいろんな意味で天衣無縫だった。

 

 

 

 

「それでね、お友達と遊んでたにょ」

 

 

孫登がとてもしっかりしているように見える。

 

 

「そしたらね、『お前の父さんってチビだな』って言われたにょ!」

 

「最近は紹と循に抜かれたもんなぁ」

 

 

しみじみと呟く一刀。

 

 

「でね本当は大きいのって言い返したらじぇんじぇん信じてくれなくてね、悲しくなって帰って来たにょ」

 

「なるほどね~。私の娘を泣かせるなんてなかなか見所がある子ね」

 

「でも紹は泣き虫だぞ……………………って雪蓮!?」

 

 

いつの間にか話を聞いていた雪蓮。

 

 

「紹ってば可愛いわ~」

 

「んー! んー!」

 

 

一刀から紹を取り上げて、自分の谷間に抱きよせ恍惚の笑みを浮かべる雪蓮。孫紹は苦しそうにしているだけだったが。

 

 

「あらごめんね紹」

 

「むー、おかーしゃまのおっぱいは大き過ぎなにょ!」

 

 

悪びれる様子のない雪蓮だった。

 

 

「母様よりおっきいね」

 

「い、いいのよ。……大きさじゃないって一刀も言ってくれたのだし」

 

「そうよ登。それに蓮華は国宝級のお尻を持っているのだからあなたもそれを受け継いでいるのよ

 

「ね、姉様!」

 

 

決して子供の前でやる会話ではない。

 

 

「うん! 私もお尻で父様を誘惑する!」

 

「紹もおっぱいでゆーわくするー!」

 

 

娘に狙われる一刀だった。

 

 

 

 

「まあお尻やおっぱいは置いといて、紹は一刀は本当は大きいって認めさせたいのよね?」

 

「うん」

 

 

コクコクと頷く孫紹。

 

 

「なら簡単じゃない。一刀が大きくなって紹と街に行けば完璧よ」

 

「おぉ~!」

 

 

パチパチと手を叩く孫紹。

 

 

「俺はいいけど」

 

「やったー! おとーしゃまとでぇと♪」

 

 

大きくなれば親子にしか見えないことに気付かない孫紹。

 

 

「それじゃあ早速行くわよ」

 

「おかーしゃまはダメー!」

 

 

雪蓮の同行を拒否する孫紹。

 

 

「な、なんでよ?」

 

「おかーしゃまは仕事が残ってるって登ちゃんが言ってたもん!」

 

 

母親に説教する孫紹。

 

 

「うっ……。さすがは蓮華の娘ね」

 

「自慢にょ妹ちゃんだもん」

 

 

自分の事のように振る舞う孫紹。

 

 

 

 

「登も行きたい~」

 

「あなたはダメよ。午後から亜莎に勉強を教えてもらうのでしょ」

 

「蓮華ってば厳し過ぎない?」

 

 

蓮華の教育方針にやや厳しさを感じた雪蓮だったがそれを後悔した。

 

 

「だいたい姉様は甘すぎるのです! だから紹はあんなに自由に育ってしまったのじゃないですか! それに王族が一人で街に出るなんて――――」

 

 

その後蓮華の説教はしばらく続いたと言う。

 

 

「ごめんよ登。今度は一緒に街に行こうね」

 

「ホントに?」

 

「うん。約束だ」

 

「やったー♪ 楽しみにしてる~♪」

 

 

上機嫌になった孫登と別れて、孫紹と共に街に繰り出した一刀。

 

 

「~~~~♪」

 

 

鼻歌を歌いながらニコニコとしている孫紹と手を繋いで街を見渡す一刀。

 

 

一刀は天の御遣いとして知られているのだが、街の人からするとただの可愛い男の子だった。

 

 

「あら一刀ちゃんと………………孫策様!?」

 

 

いつか雪蓮が小さくなったときにお世話になった肉まん屋のお姉さんだった。

 

 

「ああ、違うよお姉さん。この子は娘の孫紹だよ」

 

「こんにちはー♪」

 

「ああ! 最近よく街に来るって言う女の子だね」

 

 

孫紹を知らない人は少ないのである。

 

 

「それにしてもこんな小さい一刀ちゃんが父親なんてね~」

 

 

街の人は一刀が大きくなれることを知っていたが、実際に見た人は一人もいないのである。

 

 

 

 

「はい、熱いから気をつけてね」

 

「いつもありがとうお姉さん」

 

「ありがとー!」

 

「いいのよ。二人が来てくれただけで宣伝になるんだから」

 

 

 

お姉さんにもう一度お礼を言って店を出た。

 

 

「ほら、熱いから火傷しないようにね」

 

「うん! ふーふー」

 

 

半分に割った肉まんをふーふーする姿に癒される一刀。

 

 

「美味しい♪」

 

「だろ? 俺も雪蓮もここの肉まんが好きなんだよな~」

 

 

常連になっている二人。常識的に考えて国の元王と天の御遣いが街の肉まん屋の常連客になることなどはありえない。しかし二人は良い意味で庶民的だった。

 

 

おかげで肉まん屋の売り上げは素晴らしいものだったという。

 

 

 

肉まんも食べ終わり、二人は子供たちが集まる広場に到着した。

 

 

「元気に走り回ってるな~」

 

 

この国に来た当時では見られなかった光景に、一刀は自分たちがしてきたことは間違いじゃなかったというのを再確認した。

 

 

二人の姿を見た子供たちがぞろぞろと集まって来た。

 

 

「あー、御遣い様だー!」

 

「ホントだ! 御遣い様遊んでー!」

 

 

一刀のもとに女の子たちがたくさん集まって来た。男の子からは嫉妬の視線を向けられているのだが。

 

 

「ダメー! おとーしゃまは紹のなんだかりゃ!」

 

「こら紹、そんなこと言わずに仲良くしなさい」

 

「むー、……わかった」

 

 

一刀に言われると断れないのだった。

 

 

 

 

「ほら、やっぱり小さいじゃんかよ」

 

 

一人の男の子が孫紹に言う。すると周りの男の子も女の子たちをとられたことに腹が立っていたので次々に悪口を言う。

 

 

「小さくないもん! ねっ、おとーしゃま」

 

「よーし、みんな見てろよ!」

 

 

一刀も結構乗り気だった。

 

 

ポケットから瓶を取り出し錠剤を一粒飲んだ。

 

 

するとみるみるうちに一刀は元の姿に戻っていった。

 

 

それを初めて見た子供たちは唖然としていた。

 

 

孫紹は胸を張ってどんなもんだいと言いたげな表情だった。

 

 

「ほら! 紹は嘘ついてにゃいもんにぇ!」

 

 

舌っ足らずは相変わらず。

 

 

「わー、御遣い様が大きくなった!」

 

「もっと格好よくなった!」

 

「遊んで遊んでー!」

 

 

さらに人気が高まった一刀。今度は男の子も寄って来た。相手が大人だと分かると嫉妬心も沸かなかったのである。

 

 

「よーし、そろそろ帰ろうか」

 

 

たっぷりと一刀に遊んでもらった子供たちはへとへとになっていた。

 

 

「また遊んでねー」

 

「さよなら御遣い様ー!」

 

「お、お前のこと認めたわけじゃないからな!」

 

「気をつけて帰れよー」

 

 

子供たちと別れを告げ、紹に向き直る一刀。

 

 

「これで満足したか?」

 

「うん! おとーしゃま大好きー!」

 

「ははっ。俺も紹のこと大好きだよ」

 

「えへへ♪」

 

 

微笑ましい親子がそこにいた。

 

 

 

 

「じゃあ帰ろうか」

 

「うん」

 

「よし、特別におんぶしてやろー!」

 

「やったー♪」

 

 

疲れて眠そうな孫紹を見た一刀はおんぶすることにした。

 

 

「背中あったかいねー」

 

「たくさん運動したからな」 

 

「すー、すー」

 

「寝ちゃったか……」

 

 

一刀は孫紹を起こさないようにゆっくり歩いて帰ったのだった。

 

 

 

帰り道、孫紹をおぶっている一刀を見た街の若い女たちの人気が急上昇することになったとは一刀は知らない。

 

 

そして城の少し前で元の姿に戻った一刀は残りの道のりを必死に歩いて帰ったのであった。

 

 

 

完。

 

 

いや、甘。


 
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