終戦を迎えた翌日、魏の重鎮たちは魏王である曹孟徳こと華琳によって緊急召集されたのだった。
「華琳さま、北郷がいないようですが」
「どうせアイツのことですから、蜀か呉の連中のところでしょ。これだから男は──」
その言葉と共に賑やかになる。
そんな久しぶりの穏やかな日常が──
「天の御遣いである北郷一刀は、その役目を終え天の国へ還ったわ」
華琳さまの言葉で終わりを告げた。
────
──
華琳さまが思い詰めた顔をなさったのは、予見していたのかもしれませんね。
そして彼もまた、背中を押し続けることを選んだのでしょう。
そんな姿を華琳さまだけが知っていて……その隣に立てなかった自分が恨めしい。
だから莫迦なことを考えてしまうのです。
目を覚ませば、思い人がいない現実を突き付けられ
夜は今日も逢えなかったと落胆するかもしれません。
それでも時は足を止めることを許さず、歩みを急かすのでしょう。
だから今夜だけは……思い出に寄りかかりたいのですよ。
「お兄さん──」
嗚咽と共に漏れた小さな呟きは夜の闇へと掻き消されていった。
最後まで読んでいただき有難うございました。
--NGシーン--
目を覚ませば、見覚えのある髪を月明かりが照らしていた。
「風?」
驚いたようで、キョロキョロと声の主を探していたので、もう一度呼びかけてみた。
こちらを認識すると、瞳を大きくさせ……
「ぐぅ~」
「寝るな!」
「おぉ!? あまりの非現実的なことに目を逸らしてしまったのですよ。ところでお兄さん、いつから宝譿になったのですか?」
「え」
その後、金髪の少女と喋る人形が目撃されたとか──
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初投稿の短編です。