No.138706

NikQ外伝 第一章 入団

丹波さん

この話にはオリジナルキャラを強引に本家と合わせたものですwなので本編には一切関係ありません。

2010-04-25 16:12:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:400   閲覧ユーザー数:388

 

ここはとある海の見える町。ここには猫たちがお互いに国を持ち干渉しないようにしていた。

しかし数年前、ある国は血相を変えたように他の国に侵攻を始めたのだ。他の国は急いで自分の国の騎士団を創立し自分の国が侵略されぬよう争いあっていた。

 

ここは海辺の町カムクラ。いつも商店街が多くの人でにぎわっている海辺の町だ。

「確かにこの辺に本部があるはずなんだけど・・・」

クレイは『騎士団急募』と大きな字で書かれている紙の地図を見ながら当たりを見回す。近くにいるはずなのだが騎士団の本部が全く見えない。おまけに人影は少なく道も聞けない。

「どうしよう・・・」

「やぁ、何か困り事かい?」

「え?」

声のした方を振り向くと赤毛の渋い猫がいた。怪我をしたのか片目には眼帯をしている。とりあえずこの辺りについて聞いた方がいいよな。

「えっと、この地図・・・」

「おぉ!それを持っているとは話が早い。着いてきてくれ」

「ちょ、ちょっと待って・・・」

クレイは突然歩き出した男の背中を必死で追う。男が歩くたびに羽織っているマントが優雅に揺れる。

「ひょっとしてこの騎士団の方ですか?」

「まぁそんな所だな。実は誰も来ないんじゃないかと内心ヒヤヒヤしてたんだ」

「騎士団に入る方ってそんなに少ないのですか?」

「まぁ・・・一応死ぬ危険もあるからね」

「し・・・・」

俺が思わず言葉を失うと男は苦笑いをしながらハハハと軽く笑った。そして真剣な顔つきになり再び前を向く。

「安心しろ、部下は俺にとっては命と同じだ。誰も欠けさせはしないさ。絶対に」

「・・・・(カッコイイ」

「ところで名前を聞いてなかったな。私はゼファー、君は?」

「俺はクレイです。よろしくお願いします!」

「よろしく!見えてきたな・・・そろそろ着くぞ」

ゼファーが眺めている方を見ると大きな建物がそびえ立っていた。真っ白な綺麗な壁には大きく騎士団の紋章が描かれていて所々にあるステンドグラスが美しさを際立たせている。

「すげぇ・・・!でも何であの地図場所と全然違うところにあるんですか?」

「あれは私の部下が間違えてドラッグストア野田の地図を載せてしまったんだ。本当にすまなかったね」

「そ、そうですか・・・それは辿り着かないはずだ・・・」

「それで私が毎日あの場所に立っていたんだが来てくれたのは君が初めてだよ」

ゼファーがため息をつきながら微笑むとクレイも微笑んだ。そうしている内に二人は騎士団本部の扉の前まで来ていた。ゼファーがゆっくりと大きな扉を開くとその中は大きな要塞のような作りになっていてたくさんの猫達が右往左往していた。

「お帰りなさいませ副騎士団長様!」

「あぁ、ただいま」

「ふ、副騎士団長様って・・・。まさか!?」

「そのまさかだよ。びっくりしたかな?」

クレイはしばらく呆然とすると驚いて声を上げた。

「ふ、副騎士団長様!?すいません軽々しく口を聞いてしまって!」

「そんなに気を使わなくていいって。今までみたいにゼファーさんでいいよ、クレイ君」

「は、はぁ・・・」

恐縮しているクレイを見て剣士はゼファーに耳打ちをする。そして突然クレイに抱きついてきた。

「ごめんなぁ!来てくれて本当にありがとなぁ!」

「え!?えぇ・・・!?」

「会った瞬間から仲良しとはいいものだねぇ。ほら、クレイ君に本部の中を案内してあげなさい」

「はい!了解しましたぁ!」

ゼファーは後でね、と言うと本部の奥の通路に歩いていった。剣士はクレイを離すと顔を真っ赤にして頭を掻いた。

「えっと・・・俺はイセ。副団長の小隊で剣士をやってる。君は?」

「俺はクレイです。まだ戦闘なんてした事なくて一体自分に何の武器が合うのかさっぱりで・・・」

「じゃあ最初は君に会うタイプの武器を見に行こう。順番に案内するから一緒に来てくれ。最初は離れないように一応手を握っておいてくれないか?」

「よ、よろしくお願いします・・・//」

「こ、こっちだってちょっと照れくさいんだからな・・・//」

イセはクレイの手を握ると大きな通路を歩き始めた。大きく見える通路でも他の猫がいるせいか意外に狭く込み合っているので手を握っていないとはぐれてしまいそうだった。

そして人ごみに揉まれる事5分。イセは騎士団の武器庫へとクレイを連れてきた。古い扉が歴史を物語っている。

「ここは騎士団の武器庫だ。とりあえず中に入ろう」

「わぁ・・・」

イセがゆっくりと扉を開け中に入る。後から入ったクレイが目にしたのは部屋一杯に広がる様々な武器だった。剣や槍は勿論魔法使い用の杖もある様だ。

「どれがいいかなぁ!これなんかどうですか!?似合ってます?」

「服を選ぶんじゃないんだから・・・。とりあえずこの片手剣はどう?」

「う~ん、どうしようかなぁ。あ、この剣使っていいですか!」

クレイはそう言って乱雑に詰まれた中の下の方にあった剣を手に取る。イセも初めて見るようで目を丸くしていた。

「随分埃っぽい剣だね・・・。ほんとにそれでいいのかい?」

「はい!何かこう、語りかけてるって言うか何と言うか」

「ふむ。ちゃんと耐久力はあるみたいだね。刃こぼれしたり壊れたらすぐに騎士団の鍛冶屋に言うんだよ?」

「了解です!」

「じゃあ、ひとまずさっきの所に戻ろうか。君の配属先も決まってると思うから」

「はい!配属先かぁ・・・(きっとゼファーさんみたいな強い人と一緒に戦えるんだろうなぁ」

クレイは嬉しそうに剣を腰に携えると鼻歌交じりにイセと共に先ほどの騎士団の入り口へと戻るのだった。

 

 
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