No.137243

真恋姫無双~影と共に歩む者~明命√拠点

karasuさん

投稿です。

今回は拠点のみです、本編は進みません。

過度な期待はせずに生暖かい目で見ましょう。

続きを表示

2010-04-18 23:40:49 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:14975   閲覧ユーザー数:10026

この作品はキャラ設定が崩壊しております。原作重視の方はご注意ください。

 

時代背景がめちゃくちゃです。

 

一刀くんがチートです。

 

それでもいいかたはどうぞ。

 

白蘭拠点

 

 

~白蘭視点・始~

 

 

真っ赤な炎が私を包む……

 

肌は焦げ……

 

喉は焼け爛れたような痛みに襲われ水を求め……

 

肺は汚れた空気を大きく吸い込み綺麗な空気を求め……

 

心は間近に迫る死を感じ生を求めた……

 

廻りに生きている人の姿など居らず、家族も友人も知り合いも皆すでにその命を散らせている

 

ただ一人生き残った私を何処からか攻める声が聞こえる

 

『何故お前だけ……』

 

『お前も死ねば……』

 

『苦しぃ…苦しぃ…』

 

様々な声はやがてその姿を真っ黒な手に変えて、私の四肢を掴んでくる。私がどんなに振りほどこうとしてもその手は離れる事はない

 

そのうち私は身体の力を抜き、その手に身を任せる。すると私の身体は徐々に黒く染まり、闇と一体になる

 

 

 

 

 

「……っ!! …はぁ…はぁ」

 

自分にかかっている薄い布を跳ね除けるように起き上がった私は辺りを見渡す。そこは最近ようやく見慣れ始めた自分の寝室であった

 

「また……あの夢……」

 

私はそう呟くと、汗で湿った寝台から抜け出し軽く身体を洗う。少なくともこんな汗臭い身体で一刀様の前に出たいとは思わない

 

昨日の夜に呉の偵察の任を終えた一刀様が帰ってきました。本当はその日のうちに一刀様に色々話を聞こうと思ったのですが、その日は一刀様がお疲れのようでしたからやめておきました

 

「~~♪」

 

昨日までと違い、今日からはまた一刀様が傍に居る。それが分かっているだけで自然と一日が明るく、楽しく感じる事ができます

 

私は乱れた髪を整え、身だしなみも完璧であるのを確認すると自身の部屋かた出て一刀様の部屋へと向かいました

 

 

 

 

『コンコン』

 

一刀「どうぞ~。鍵なら開いてるから」

 

一刀様の部屋の扉を軽く三回叩くと中から一刀様の声が聞こえてきました。この行為は一刀様の世界では『ノック』と言って礼儀のようなものらしいです

 

もちろん一刀様も、私たちの部屋に入る前にはこの『ノック』をしてくれます

 

「失礼します」

 

そう言いながら私は扉を開き、部屋に入っていきます。一刀様の部屋に入った瞬間に外の通路とは違う世界に来たような錯覚に襲われます

 

その部屋の空気はどこか優しさを感じ取る事ができ、何かいい匂いがします

 

私が軽く頭を下げて一刀様に挨拶すると、一刀様はいつものように優しい微笑みを浮かべて挨拶を返してくれます。一刀様の魅力はやはり首だけではなく、この性格にもあるのだろうなと心底感じます

 

それからは二人とも休日だということもあり、呉でなにがあったか。逆に蜀ではなにか動きは無いかの確認と、袁術様達についての報告でした

 

そんな感じで二人で話していると、不意に扉がノックされました。その行為をするという事は一刀様の兵でしょうか?

 

私がそう疑問に思いながら扉のほうを見ると、扉の向こうから現れたのはやはり一刀様の隊の者の一人でした。その兵は片膝をつくと

 

兵士「申し上げます。この付近の村にて賊が発生した模様。諸葛亮様が討伐に出て欲しいとのことです」

 

頭を下げたままの状態でそう伝えた兵士を見ながら一刀様はすぐにその腰を上げて

 

一刀「わかった。すぐに出陣の準備を。白蘭はどうする?」

 

そう私に問いかけてきました。もちろん私の答えは決まっています

 

「もちろん」

 

私はそう一刀様に言うと、とびっきりの笑顔を向けます

 

 

 

 

『ワァァァァァ!!!』

 

様々な声がこの世界に木霊す

 

罵声 怒声 断末魔

 

そのどれもが醜いと言われる部分をかたどったようなもの

 

戦場では、一刀様の兵士と賊が殺し合いを始めました。その中心にはもちろん一刀様の姿。私はその傍を片時も離れることなくしっかりと着いていきます

 

私が一刀様に惚れた大きな理由はもちろん首です!! 私は一刀様ほど美しい首を見たことはありません。あれこそまさに理想の首です!! 

 

しかし、もう一つだけ大きな理由があります……それは

 

 

一刀「散れよ……」

 

 

一刀様の……あの人の戦場で見せる冷たく鋭い瞳と、その奥に感じる事のできる大きな闇

 

誰しもが心のどこかに闇を持っていると私は思う。そしてあの人の闇はとてつもなく深く、大きい

 

まだ袁術様が国を治めていた頃に私はあの人と始めて共に戦場に出ました。そこで私はあの人の闇に出会った

 

その闇が傍にあると、私の中にある闇が包み込まれていくような気がしました

 

あの人が傍にいると感じるだけで私の闇は消えていきました。きっとあの人はあれを闇とは感じないでしょう

 

でもあれは間違いなく闇……だって……

 

空を見上げれば死臭ではなく、あの人から漏れ出る闇を感じて飛んできた野鳥があんなにも飛んでいるから……

 

 

 

 

一刀「さぁ、帰ろうか白蘭。早く帰らないと美羽たちがふてくされるかもしれないからね」

 

一刀様はそう言いながら私に笑顔を向けてくれます。光と闇、その二つを感じながらもしっかり他人を思える一刀様

 

そんな貴方に私は何処までも着いてく……。そこがたとえ地獄でも……

 

だって私は……地獄のような場所から来たんですから

 

 

昴拠点

 

 

昴「一刀様~♪」

 

そう大きな声で一刀を呼びながら昴は自分の少し先を歩く一刀に後ろから抱きつく

 

急に後ろから抱きつかれた一刀は驚きながらも、しっかりとその場に踏みとどまる。すると昴はネコのように一刀に自分の頬をスリスリを擦りつけていた

 

一刀「何してるのさ昴……」

 

一刀が半分呆れながらそう昴に訊くと、昴はいたって真剣な顔をしながら

 

昴「一刀様に悪い虫が寄ってこないように匂いを付けてるのです!!」

 

そんな昴に一刀は深い溜息を漏らさずにはいられなかった。それでも一刀はどこか嬉しそうな表情でその背に昴を担いだまま、自分の当初の目的である食堂へ飯を食いに向かったのであった

 

さすがの昴も食堂に着く前には一刀の背から降りており、一刀と共に飯を済ませた昴はそのまま街へと向かった

 

街に出た昴は寄り道をすることも無く一つの場所へと向かう。そこは酒屋、そこで酒を適当に購入した昴はすぐに城壁の上へと向かう

 

昴が城壁の上に到達するころには既に日は落ち、空には月が昇っていた

 

昴は城壁上の適当な所に腰を下ろすと、懐から杯を二つ取り出してそのうちの一つに酒を注ぐ。そしてそれを一気にグイッっと飲み干す

 

それを何度か繰り返しているうちに一刀が現れる

 

一刀「ごめん。遅くなった」

 

そう言いながら一刀は駆け足で寄ってくると昴の横に腰を下ろした。それを確認した昴は上機嫌で待ち人の杯に酒を注ぐ

 

一刀はなみなみに注がれた酒を一気に飲み干すと昴に笑顔を向ける。その笑顔を見たからか、はたまた酒を飲んだからか、昴の頬は朱色に染まっていた

 

不意に昴の腕についている腕輪に気がついた。昴も一刀の視線に気がついたのか、腕を一刀の目の前まで上げる

 

一刀「それ付けてくれたんだ」

 

昴「当たり前です。一刀様からの贈り物ですから♪」

 

昴はそう言いながらその腕輪を愛おしそうに撫でる。そんな姿を見た一刀もまた嬉しそうにその顔に笑顔を浮かべ、そっと昴の腕を取る

 

腕をとられた昴は一刀を真っ直ぐ見つめると、その瞳を閉じる

 

一刀もまたそれが当然の如く瞳を閉じ、徐々に二人の唇が近づき

 

 

 

『ヒュ~~……ドンッ』

 

 

一刀「―――――――」

 

 

夜空に咲いた太陽のように眩しい華に見守られながら二人の唇がそっと重なる。その瞬間に一刀が何かを言っていたようだが、それを知るのは一刀と昴の二人と、夜空に消えた華のみ

 

しかし、涙を流しながら笑って一刀に抱きつく昴の姿を見れば、それが二人に幸せをもたらす言葉だというのは安易に想像がつくものだ

 

 

 

 

どうもkarasuです。

 

久しぶりの拠点はいかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたでしょうか? 

 

今回は二つの拠点でしたが、随分と対照的になった気がしますね。

 

てか白蘭拠点はなんか暗いし怖い気がしますね。でもどうしてもこれが頭から離れなくてついつい書いちゃいました。

 

昴のほうは甘い感じにしたつもりでしたがどうですかね? ちゃんと甘くなってますか? 久しぶりに書いた拠点は色々不安ですね。

 

で、ようやく私生活のほうが落ち着いてきたので更新速度を上げていければなと思っております。

 

とりあえず最近は2週間に一作品ぐらいでしたが、1週間に一作品くらいにして、できればもっと早く更新していく感じにしていきたいと思っております。

 

それとタグに『karasu製一刀』というのを追加しました。前回のとある大佐のコメント見て気に入ってしまったからです。ゴメンナサイ。デモユルシテネ

 

 

ここまで読んでいただきまことにありがとうございます。

 

これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
126
10

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択