No.134579

真・逆行†無双 序章:後編

テスタさん

というわけで二話目です。
色々見直しとかしたいので一日一回ペースで上げていきます。
多くの人が閲覧してくれたみたいで凄く嬉しかったです。
この話も目を通すだけでもしてくれると嬉しいです。

2010-04-05 18:57:35 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:8600   閲覧ユーザー数:6973

 

 

 

「はぇ〜〜〜〜、大きいとこだなぁ」

 

呆けたように眼前を見ながら呟く。

 

俺、北郷一刀が立っている場所……。

そこは全国で有名なお嬢様学校――

 

『聖フランチェスカ学園』

 

と、呼ばれる場所だ。

 

なぜ俺がこんな場所にいるかというと、

前話を読んだ人なら分かると思うが、俺が通っていた学校が三学期をもって廃校になることが決定した。

 

だが俺はまだ一年生。

通える学校がなくなるのは非常に困る訳なのだ。

 

そこで学校から言われたことが、今年から共学になるフランチェスカ学園への編入であった。

 

まぁここ以外にも何校か編入先はあったのだが、俺はここを希望し……希望者が多くて無理かもと思ったが……無事、編入が決まった。

 

そうして季節は春、月は4月。

俺はこうして聖フランチェスカ学園の前に立っているのだ。

 

「さてと、何時までも呆けてる暇はないか」

 

そう言って俺は一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラス編入も無事終わり、与えられた寮の一室で俺は日課になった筋トレをしていた。

 

「……198……199……200!」

 

いつもの回数をこなし、タオルで汗を拭った後、今日のことを振り返る。

 

「しかし、本当に『ごきげんよう』なんて使う人たちがいるなんてな……」

 

自然に苦笑する。

俺の編入されたクラスには見事なまでのお嬢様たちがいた。

 

教室に入った瞬間、好奇の目で見られたが、休憩時間には話しかけてくれたり、色々教えてくれたりと概ね良い人たちで良かった。

 

その他、男子寮では数人とは仲良くなれたし……及川っていう変な奴もいたが……初日としては十分良い日だったな。

 

「よっしゃ、休憩終わり」

 

1日の締めくくりにと俺は実家から持ってきた木刀を手に外に出る。

 

夜ということもあり、部屋の電気はついてるが、俺みたいに外にいる奴はいなかった。

 

「始めるか……」

 

静かに息を整え、木刀を構える。

 

春休み。

なんとか今までやってきたメニューの合格を貰えた俺は、やっと剣の鍛錬を許された。

 

と言っても、これも基礎からで未だ本格的なことはしていない。

だけど基礎はバカに出来ない。

春休みに久しぶりに爺ちゃんと打ち合いをすると、正月より段違いに動け、

あの感覚の中の俺の動きも速くなっていた。

それでも爺ちゃんには適わなかったけど……。

 

それでも以前の俺とはワンランクは強くなっていると自分でも理解でき、やる気は衰えるどころか増すばかりである。

 

それに基礎の型以外にも一つ技を教えて貰えた。

まぁ、俺が頼み倒したんだけど。

 

その練習が楽しくて仕方がない。

あ、何を練習しているかはまだ秘密だ。

楽しみにしててくれよな。

 

「それに此処にはあの人がいるからな」

 

俺がフランチェスカを選んだ理由が此処にある。

 

今じゃ剣道より剣術に夢中な俺が剣道部に入りたいと思わせる人物がいるんだ。

 

それは女子剣道最強……いや、男子でも適う相手がいるかわからない程の強者。

 

不動 如耶。

 

俺は彼女と剣を交えられるかと思うとにやけ顔が抑えられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

俺は改めてフランチェスカに編入できたことに感謝していた。

 

「それがしが剣道部の部長をしている不動如耶でござる」

 

このさい話方に対するつっこみはスルーする。

 

剣も握っていない、ただ立っているだけ。

だが、たったそれだけで強者のオーラが俺には見えた。

 

失礼な話になるが、爺ちゃんに比べれば先輩は弱い。

打ち合っていないが分かる。

爺ちゃんのオーラは先輩の比ではないからな〜。

改めて爺ちゃんの化け物ぶりを実感するよ……。

 

それはともかく、爺ちゃんより弱いとはいっても強者には変わりない。

爺ちゃんより弱いが腕のある人間。

俺が腕を磨くにはうってつけの人物だった。

 

そう思ったら、止められなかった。

 

「では、新入部員の者たちにはまず、此処の空気に慣れ――」

 

「あの、不動先輩は本当に強いんですか?」

 

俺がそう言った瞬間、道場が凍った。

 

部員たちも新入部員も驚いた顔で俺を見てくる。

 

「お主は……」

 

「確かに話だけなら聞きますよ、最強の女子剣道家、不動如耶って。

でも、実際はどうかわかりませんよね」

 

「……どういう意味でござるか?」

 

先輩の目が細められ、俺を射抜く。

部員たちも俺が先輩を馬鹿にしていることに気がつき、睨んでいた。

 

「どういう意味も、先輩はお金持ちのお嬢様。

あいにく今の世の中金があれば大概のことが出来ますからね」

 

「お主……それがしを侮辱するか?」

 

「侮辱?とんでもない……ただ、勝負しませんか?」

 

「勝負でござるか?」

 

「ええ。嘘じゃないなら証明して下さい。

その実力を」

 

不動先輩はしばらく黙り、

 

「よかろう。その勝負受けるでござる」

 

了承してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防具を着けるのは久しぶりだ。

剣術を習い始めてからは着けたことはなかったからな。

 

キチンと防具を着け終えた俺は正面を向く。

そこには既に防具を着け、こっちを見据える先輩がいた。

 

そういえば周りは少し人だかりが出来ていた。

どうやらこの少しの間にどこからか話を聞きつけた生徒たちがやってきていた。

その中に昨日知り合った及川ともう一人男子がいて、手を降っていたが今は無視して先輩を見ている。

 

場は完全なアウェイ。

不動先輩は学園でも人気があるらしく、来た人ほとんどに激励の言葉をかけられていた。

ちなみに俺には馬鹿にした笑みや罵倒。

自分からやったとはいえ、すごいなこれは……。

 

「準備は出来たでござるな?」

 

「いつでもいいですよ」

 

もう面を被っているため態度は元に戻す。

ここからは勝負にのってくれた先輩に対して剣で敬意をもって応える。

 

勝負は二本先取したものが勝ち。

 

審判役の部員が間に立つ、そして――

 

「始めっ!!」

 

勝負が始まった!

 

 

 

 

 

――やっとこの感覚にも慣れてきたな。

 

――っと、さっそく来るか!

 

――だけど、やっぱり爺ちゃんより遅い。

 

――何よりこれは恐らく先輩の全力じゃない。

 

――見た感じ先輩の性格からして手を抜くタイプではない。

でも初めての相手、何より今まで無敗を誇るその腕が、俺に対して本気ではあるが全力を出させていない。

 

――だったら、まずは……!!

 

――先輩の攻撃を避ける。そしてそのままがら空きの面に……

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

「メェン!!」

 

爽快な快音が響く。

 

「嘘っ!?」

 

それは誰の言葉だったろう?

しかしその声につられて他の人たちも驚愕の表情へと変化させる。

 

「審判。判定は?」

 

「あ……い、一本!!」

 

その審判の言葉で周りの動揺は増す。

 

「如耶お姉様が……一本とられた」

 

部員の声。

その言葉通り、俺の面への一撃は見事綺麗に入った。

 

そんなことよりも、と周りの動揺を無視して、呆けたように立つ先輩に向き直る。

 

言葉はかけない。

確信がある。

 

次から先輩は全力でくる!

 

「……お主、名は?」

 

「北郷一刀」

 

「そうか……では北郷一刀」

 

冷や汗が出る。

凄い……さっきの比じゃない。

 

「ゆくぞ」

 

そう言い構える先輩に合わせるように俺も構える。

 

それを見て、慌てて審判が開始の声を上げ――

 

「は、始めっ!!」

 

二本目が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始めっ!!」

 

「づっ!?」

 

開始の合図と共に先輩の鋭い一閃が襲ってくる!

 

 

 

 

 

 

――っ速い!さっきとは比べものにならないくらいに!

 

――なんとか防げたけど……

 

――面。

 

――胴。

 

――小手

 

――左。

 

――右。

 

――くっ!多方向!しかも速い!

 

――このままじゃ、追いつけな……

 

 

 

 

 

 

「胴っ!!」

 

「ぐっ!?」

 

「一本!!」

 

先ほどとは違い元気な審判の声が響く。

 

当然だ。

先輩が俺から一本奪い返したのだから。

 

「やっぱり如耶お姉様は凄いわっ」

 

「きっとさっきのはまぐれですわ」

 

と、周りの声。

 

「っ〜〜〜」

 

結局、追いつけなくなったか…。

これが全力の不動如耶。

 

……こうじゃなくちゃ面白くない。

 

「じゃあ、最後……始めましょうか、先輩」

 

「ああ」

 

お互い、既に周りの声なんて聞こえていない。

 

今は目の前の戦いのみに集中していた。

 

そして――

 

「始めっ!!」

 

後に、この勝負はフランチェスカ剣道部に長く語り継がれることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「せいっ!」

 

「だぁっ!!」

 

 

 

 

――っ!力も今の俺じゃ負けてるか。

 

――それにまたスピードに追いつけなくなってる。

 

――気を抜けばすぐに負ける。

 

――でも……

 

 

 

 

「せぁっ!」

 

さっきよりさらに重い一撃!

だけどそれがなんだ?

 

「ふっ!!」

 

さらに速い一閃!

それがどうした?

 

俺が……

俺が目指す強さは……!

 

 

 

 

 

戦いの最中、思い浮かぶ光景がある。

 

恐らく戦場。

こんな場面に出くわしたことなんてないのに鮮明に浮かび上がる情景。

 

俺は誰かの隣に立ち、戦場を見ている。

 

視線の先には敵に突撃していく一つの影。

 

長い黒髪を靡かせ、男の俺でも振り回すのが困難だと思われる大剣を手に、力強く敵を薙ぎ倒して行く。

 

その姿は美しく、その武は鮮やかに。

 

まるで蝶のように――

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

竹刀が弾かれ、後ろへと後ずさる。

 

ヤバい、と思った時には遅かった。

 

体勢の崩れた俺に向かって、先輩は剣を振り下ろしていた。

 

それは間違いなく、先輩の今日一番の一撃!

 

間に合わない!

心がそう叫ぶ。

 

なのに、思い浮かんだ女の子はそうは言ってくれなかった。

 

『どうした?そんな攻撃も避けられんのか?』

 

挑発するように、

なのにその目は俺が避けられると信じているように――

 

『情けないぞ、北郷!』

 

 

 

 

 

 

 

――……ああ。

 

――そうだよな。

 

――お前を目指す……おこがましいにも超えたい、超えようなんて思ってる俺が……。

 

――この程度の攻撃を避けられないでどうする!

 

――そうだよな

 

「春蘭……!!」

 

 

 

 

 

 

 

「胴っ――!!」

 

綺麗な……胴に決まった綺麗な音が響く。

 

それから数秒間、静寂が流れる。

 

それは見ていた者たちには信じられないことだからだろう。

 

なぜなら勝ったのは――

 

「い、一本!!」

 

俺だったから。

 

竹刀を握る手を緩める。

 

勝った……のか。

 

そんなことを思いながら、寸前のことを思う。

 

俺、何か大事なことを思い出した気がする……。

 

だけど、そのことは霧がかかったように思い出せない。と……

 

「如耶お姉様が……負けた?」

 

「う、嘘ですわ!あんな礼儀もなってない男なんかに……!」

 

「信じられない……」

 

そんな言葉にハッとする。

 

そうだ、俺先輩と勝負するためにあんなこと!

 

俺は慌てて面を脱ぎ、まだ呆然としている先輩に駆け寄り。

 

「すいませんでしたっ!!」

 

思いっ切り頭を下げた。

 

「……どういうことでござるか?」

 

「俺、フランチェスカに編入が決まってから先輩と打ち合いたいって思ってて、いざ目の前にすると少しでも早く打ち合いたくなって……我慢できなくて、あんな挑発してしまいました。

本当にすいませんでした!」

 

俺の言葉と態度の違いに周りがざわつく。

 

「部員の人たちも先輩を馬鹿にして気分を悪くさせてしまいました。

すいませんでした!」

 

次に、俺と一緒にきていた新入部員たちに向き直る。

 

「新入部員の人たちもせっかくの入部初日なのに、空気を悪くしてしまい、すいませんでした!」

 

次に道場に見にきた人たちに。

 

「俺のせいでお騒がせしてすいませんでした!」

 

最後にまた先輩に向き直り、

 

「不動先輩……ごめんなさい」

 

深く頭を下げた。

 

はっきり言って俺がしたことは最低なことだ。

だからこれで許されようなんて思っていない。

でも、俺のワガママに巻き込んだことをちゃんと謝りたかった。

 

「…………」

 

「…………」

 

そして、先輩の答えた言葉は――

 

「北郷」

 

「はい」

 

「拙者はお前を……許さない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数カ月かたった。

 

そんな俺が何をしているかというと……。

 

「おはようございます!先輩」

 

「ごきげんよう、北郷さん。毎朝精が出ますね。」

 

「いえ、自分で決めたことですから」

 

そう言って手に持っていた雑巾をバケツに入れる。

 

今は早朝、俺はあれから毎朝道場へ先に行き、道場の掃除をしていた。

 

「おはようございます。北郷先輩!」

 

「おはよう。北郷くん」

 

他の部員も道場にやってきて、俺に挨拶をしてくれる。

 

「おはよう!」

 

初めはこうはいかなかった。

謝ったといっても最初の印象から俺にキツく接する人ばかりだった。

 

でもそれは当たり前のこと。

だからめげずに態度で示し続けた。

すると少しずつ俺に話しかけてくれる人が増えていき、今じゃ好意的に接してくれる人が増えた。

 

正直、泣きそうなくらい嬉しかった。

 

あ、そうそう。

不動先輩はというと……。

 

「北郷。掃除は終わっているでござるな」

 

「はい。今終わりました」

 

「なら準備を」

 

「すぐにします」

 

そう答え防具を着ける。

それから道場の真ん中へ。

そこには同じように防具を着けた不動先輩が竹刀を構え立っていた。

 

「今日こそは勝たせてもらうでござる」

 

「俺の方こそストレートで勝たせて貰いますよ」

 

審判が間に立つ。

そして――

 

「始めっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

先輩に許さないと言われた後、こう言ってきた。

 

「罰としてこれから拙者の剣の相手をずっとしてもらう」

 

自然と笑みを浮かべていた。

 

嬉しかった。

この人も俺と同じように、また打ち合いたいと思っていてくれたんだ。

 

それから部員のみんなに申し訳ない気持ちから道場の掃除をすることを決め、先輩とは毎日打ち合うといった日々を過ごしてきた。

 

楽しい日々だ。

退屈なんて何もない日々。

 

だけど、心は違う場所を求めていた。

 

そこがどこか分からないけど、きっと俺が心の底から行きたいと願う場所。

 

その想いは日を増すごとに募っていくばかり。

 

時間だけが過ぎて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩っ」

 

「ん?」

 

もうすぐ夏休みに入る七月のある日。

部活が終わり寮へと帰る途中、部員仲間である後輩の女の子に呼び止められた。

 

「何?どうかした?」

 

「あ、その……今時間いいですか?」

 

「帰るだけだし、大丈夫だよ」

 

この子は一番早く俺に挨拶をしてくれた子で、今では結構仲のいい関係だ。

 

何の話だ?

 

女の子は顔を赤らめて下を向いてたけど、バッと顔を上げ真剣な瞳で俺を見た。

 

「わ、私っ先輩のことが好きです!私と付き合ってくれませんか!」

 

「…………え?」

 

驚いた。

まさか俺を好きになってくれる子がいるなんて……。

 

だって今まで、付き合ったこともおろか、告白されたことなんてなかったんだ。

 

見るからにからかいではない。

真剣な告白。

 

この子は可愛い。素直にそう思う。

性格も穏やかで優しいし、何より嫌いではない。

 

でも、俺から出た言葉は了承の言葉じゃなかった。

 

 

「ごめん。……好きな子がいるんだ」

 

「…………そう……ですか」

 

返事を聞いて瞳には涙が出来ている。

 

心が痛んだが、疑問もあった。

 

自然に出た言葉……好きな子がいるんだ……俺には、そんな子いないはず……。

 

――ほんとに?

 

「すいません……いきなりこんなこと」

 

「いや、告白してくれたのは嬉しかったよ。でも、付き合えない」

 

「はい……」

 

「ごめんな」

 

まただ、胸がざわつく。

 

爺ちゃんに剣を教えてもらうようになった日から。

……夢を見て泣いた日から、時々こんな感覚に陥る。

 

切なくて、寂しい……。

 

「あの……先輩の好きな人ってどんな人なんですか?」

 

「え?」

 

「す、すいませんっ振られたのに……。

でも、その……気になって」

 

俺の好きな人……。

 

そんなのいない――

 

――ほんとに?

 

「……その子はさ、凄く誇り高い子なんだ」

 

頭に浮かんだのは綺麗な金髪。

どこまでも自身に溢れた姿。

 

「我が儘でさ、自分の欲しいものは何でも手に入れようとして……でも、その為の努力を惜しまない子で」

 

月夜、二人で歩く。次にそんな姿が浮かぶ。

 

「自信に溢れてて、怒らすと怖くて、こっちの都合なんて考えずに巻き込んだり」

 

それから――

 

「それでも、とても大きなものを背負ってて……全部を愛してた」

 

『恨んでやるから』

 

「そんな、寂しがりやな女の子だよ」

 

『一刀』

 

そこまで浮かんで、またいつものように思い出は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

琥珀色の月の下歩く。

後輩の女の子と別れた後、しばらくその場でぼうっとしていたらいつの間にか月が出ていた。

 

「勿体なかったかな……」

 

そう口に出したものの後悔はなかった。

 

泣かせてしまったことには心が痛んだけど。

 

「綺麗な月だな」

 

月を見上げ歩く。

 

「夏休みになれば、爺ちゃんに新しい剣術教えて貰えるし楽しみだ」

 

琥珀色の月。

 

「教えて貰ったことは毎日かかさず鍛錬してるし……」

 

鏡のように綺麗に反射する光。

 

「俺は……」

 

その時、女の子の泣き声が聞こえた気がした。

 

『ずっと傍にいてくれるって言ったじゃないっ』

 

「――――ぁ」

 

『ばかぁ……!』

 

「華琳?」

 

そして俺はその場から消えた。

 

 

 

 

次に目を覚ました時、俺は果てなく続く荒野の上にいた。

 

 

 

 

 

 

 

あとがき。

今回も改正なく話をくっつけただけになりました……。

これで序章は終わりです。やっとこさ外史へと旅立ちました。

こっからは色々変えていくと思います。

 

それから嬉い事にコメントくれた人がいたので返していきたいと思います。

 

紅蓮さん>ヘルプは見ましたが、私の場合再発行が出来ない状態に当てはまってしまい。此処に投稿することになりました。

これからはこっちで頑張っていきます!

 

BookWarmさん>期待に答えられよう頑張っていきます。

コメントありがとうございました。

 

 

 

それではまた次回に


 
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