No.134399

北斗の恋姫の拳 第12話

BLACKさん

この作品では特に人が喋っていない部分には「北斗の拳」でおなじみのナレーションの声が出ているものと思ってください。
なお、可能な限り控えめにしておりますが流血表現があることをご了承ください。

2010-04-04 20:20:34 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:2286   閲覧ユーザー数:2084

第12話  南斗最後の将よ! お前は俺の何なんだ!?

 

 

桃香と華琳の激闘から一週間ほどが経つ。

桃香は刹活孔の影響で、寿命を縮め、体を動かすのがつらい状態となっていた。

 

桃香「ごほっごほっ」

一刀「大丈夫か桃香」

桃香「大丈夫……でもないかな……ごほっ!」

 

桃香は思わず倒れそうになってしまう。

 

一刀「桃香!」

桃香「一刀さん。私が言うのは間違ってるかもしれないけど、これだけは覚えておいて…。

悲しみを怒りに変えて生きて! 華琳さんの統治は恐怖によって成ってる。

でもその後の平安は一刀さんの手で……!」

一刀「悲しみを怒りに……」

???「それは結構だが、まだ死ぬのは早いと思うぜ」

 

そこになんと通りすがりの破壊者が突然やってきた。

 

一刀「お前は!」

通りすがりの破壊者「俺は病気そのものを治すことはできないが、刹活孔で縮めた寿命くらいなら何とかしてやる。ちょっとくすぐったいぞ」

 

通りすがりの破壊者は桃香を突く。

 

桃香「あれ? 少しよくなったかな?」

通りすがりの破壊者「あくまで刹活孔で悪くした部分を治しただけだ。病そのものは治ってないからな。

前みたいに北斗神拳は使えないと思った方がいいぞ」

桃香「ええ~と、ありがとうございます」

通りすがりの破壊者「礼を言われることはしてない。ただ俺が勝手にやってるだけだ。じゃあな」

 

通りすがりの破壊者が去ろうとすると…。

 

一刀「待て!」

通りすがりの破壊者「まだ俺に用があるのか?」

一刀「いい加減、その仮面を外したらどうだ?」

通りすがりの破壊者「…………いいだろう。だがここじゃ何だ。人が多くいるからな。少し外に出るか」

 

通りすがりの破壊者は外に出ると言い、一刀に桃香も外に出た。

三人が外に出るとそこには桃香の身を案じて、天和達張三姉妹だけでなく、蓮華、小蓮、美羽、七乃、白蓮、麗羽、斗詩、猪々子、そして遠くから霞もやって来ていた。

 

通りすがりの破壊者「おいおい、ちょうど俺が助けた人達全員集合か……」

地和「何かする気なの?」

通りすがりの破壊者「まあお前達には教えてもいいだろう。見せてやるよ俺の正体を……」

 

通りすがりの破壊者が腰の真ん中についている白いものを外す。

それと同時に鎧と仮面が姿を消し、その中身の人間が姿を現す。

 

一刀「なっ!?」

桃香「え!?」

蓮華「そんな…?」

人和「まさか?」

霞「ありえへん」

白蓮「どういうことなんだ?」

美羽「なんじゃこれは?」

麗羽「何の冗談ですの」

通りすがりの破壊者「冗談じゃないぜ」

一刀「何故、俺がもう一人……」

 

 

鎧が消えたと共に姿を現したのは北郷一刀と瓜二つの人間であった。

身長は一刀よりもやや高めで、格好は一刀の上着の色とは違い黒色で、その上着から出ている服は白色であった。

しかし身長と格好以外は全く同じと言ってもいいものであった。

 

七乃「ひょっとして、偽物とか赤の他人とかですか?」

通りすがりの破壊者「いいや。俺は北郷一刀その人だ。正確には俺も北郷一刀と言うことだ」

一刀「俺もだと?」

通りすがりの破壊者「そうだ。信じられるかどうかは別だが一応説明してやる」

 

その通りすがりの破壊者と名乗っていた一刀は語る。

自分や北斗神拳を使う一刀はこの世界の住人ではないということを…。

世界はいくつもあり、それは郡として分けられている物であり、北斗神拳を使う一刀が元居た世界とこの世界は同じ郡であるが、自分はその郡とは別の郡の並行世界の人間であるということを…。

そしてその別の郡の世界から来た一刀はかつてこの世界とは似て異なる世界で異形の生命体と戦ったことを語った。

 

蓮華「とても信じられないな」

一刀(別世界)「信じられなくて結構だ。この世界だと信じてもらえる可能性はかなり低いことは承知の上だからな」

一刀「それでお前は何故この世界に来た?」

一刀(別世界)「ここによく似た世界で戦い終えた後、俺は自分の世界に帰ったさ。だけどそいつらの生き残りと言うか…なんというか…、

まあその俺の居た世界とはまた別の郡の世界の敵が俺が行った世界の敵の思念と融合して、俺の暮らしてる元の世界に影響が及びそうになっちまってな。

それで俺は捨てた戦う力をまた使うことにして、その力で倒した後は、俺は自分が行った世界を行き来しながら、いろんな世界をめぐって旅してるんだ。

ちょうど仕事もなくて暇だったからな。俺はそうすることにした」

霞「それはええけど、なんでウチらを助けたんや?」

一刀(別世界)「それこそ俺が何度も言っているように、命を無駄に死なせたくないだけだ。

それにお前達は俺が行ったこの世界によく似た世界にお前達が居たからな。当然その世界の人間であり、お前達とは基本的に関係はないがな…」

一刀「そうか……。だが何故経絡秘孔の事を詳しく知っている?」

一刀(別世界)「俺は色々な世界をめぐる際に俺はちょっと知り合った人間から大まかな事を聞いてるからな。

それと俺が変身している時の姿の力と併用して、本来なら存在しないとか解明されていない経絡秘孔を突くことで死にそうになる命を救えたってことだ」

桃香「だから新血愁を解くことが出来たんだね」

一刀(別世界)「そう言うことだ。それじゃあ、俺は行くぜ」

 

そう言うと別世界の一刀は先ほどの姿に変身する。

 

一刀「またお前と会えるのか?」

一刀(別世界)「さあな、とりあえず俺は行くぜ。じゃあな」

 

別世界の一刀は高速の速さで、その場を去った。

 

一刀「別の世界か……」

地和「一刀もだったの」

一刀「ああ。正直な話、少し記憶が薄れていてな…。この世界に来た時記憶のほとんどが無かった。自分の名前くらいがいいところだった」

桃香「でも一刀さん、結構早く経絡秘孔とか北斗神拳覚えたよね」

一刀「それは俺もよく分からない」

天和「それはそうと一刀さんも自分の世界に帰るの?」

一刀「さあな。記憶がはっきりしない今、俺の居るべき世界はここだ。それに華琳との決着もまだ付いていない!」

住人「あ、いたいた。一刀さん!」

 

住人の一人が一刀を探していたようで一刀に声をかける。

 

一刀「うん?」

住人「ちょうどあなたにお会いしたいと言う人が来まして……」

一刀「……分かった」

 

そして皆でその人物に会いに行った。

 

 

その一刀に会いたいという人物は村の入口に待ってもらっていた。

 

一刀「あなたが俺に会いたいと言った?」

黄忠「はい。黄忠と申します」

霞(あいつは……)

 

霞がわずかに顔を隠す。

 

一刀「一体俺に何の用だ?」

黄忠「単刀直入に申し上げます。我らの将。南斗最後の将に会ってもらいたいのです」

一刀「何? 最後の将に…?」

黄忠「私は南斗五車星、山の黄忠と言います」

霞(………)

蓮華「最後の将、生きてたの?」

一刀「知っているのか、蓮華」

蓮華「いえ。南斗六聖拳があるのは知ってたけど、私は美羽と白蓮くらいしか知らなかったわ」

白蓮「私も麗羽と蓮華だけだな」

美羽「わらわは麗羽しかよく分かってなかった!」

麗羽「私も白蓮さんだけですわ!」

桃香「威張って言うことじゃないと思うけどな……」

一刀「霞は?」

霞「………」

一刀「霞」

霞「ああ、悪い悪い。まあウチはその最後の一人以外は名前だけなら皆知っとったけどな…」

一刀「では誰も知らないと……」

蓮華「そう言うことね」

桃香「でもその最後の将って誰なんだろう?」

黄忠「それは会えば分かりますが、今は言えません。ですが一緒に来て下さい」

一刀「だが何故だ? 俺には北斗の掟を破った曹操を倒すという宿命がある」

黄忠「我が将の永遠の光のためです。その永遠の光のために我ら五車の星は天を舞い、地を駆けます。

そしてそのためなら五車の星は粉塵に砕け散っても本望なのです!」

一刀「……」

天和「どうするの? 一刀」

一刀「……分かった。一緒に行こう」

黄忠「ありがとうございます」

霞「なあ一刀、ウチも付いて行ってええやろか?」

一刀「俺は構わんが…董卓の居る洛陽はもういいのか?」

霞「まあかなり落ち着いてもうウチが居なくてもいい状態なったんや。今日はその報告を兼ねてきたんやけどな…」

一刀「そうか……」

黄忠「私も構いませんわ」

霞「おおきに……」

人和「一刀さん…」

 

天和達が一刀を物欲しそうに見つめる。

 

一刀「……これまで以上の過酷な旅になるかも知れんぞ」

地和「へっちゃらよ!」

天和「一刀さんと一緒なら大丈夫!」

人和「私も一刀さんを信じてる」

黄忠(随分慕われています事…)

一刀「そうか……なら行こうか。黄忠、案内してくれ」

黄忠「分かりました。私の事は真名の紫苑とお呼び下さい」

一刀「何故?」

紫苑「今のあなたを見て、そう思いました」

一刀「分かった。紫苑、頼む」

紫苑「分かりました」

 

そして一刀達は紫苑の案内の元、南斗最後の将に会いに行くことになった!

 

 

そのころ、華琳の元には……。

 

華琳「風の旅団!」

傷だらけの覇王軍兵士「はい……」

華琳「一刀以外にこの覇王に楯突く者がいるとはね…。いいでしょう! 私自らが出向きましょう!」

 

そして華琳は居城を出て、その風の旅団と名乗った一味と戦いに向かった。

 

華琳「愚か者め! 名を聞こう!」

糜芳「俺は南斗五車星の一人、糜芳!」

華琳「五車星」

糜芳「五車星は南斗極星の守護星!

天を握るのは北斗にあらず! 天を平定するは我らが南斗六聖拳最後の将!」

華琳「そうかついに南斗六聖拳最後の将が動き出したか」

糜芳「我が母星南斗を脅かす北斗の死拳! 今消滅する時が来たのだ! 覚悟!」

 

糜芳が高速で手を動かし、華琳を突こうとするが、華琳は立ったの拳一発で糜芳を粉砕した!

 

華琳「私を倒そうとは甘いわね。でも南斗最後の将が動いたとなると…。

五車星は風・雲・炎・山・海。次は山かしら? 炎かしら?」

 

華琳が軍を動かす。

そして動かしてからしばらくすると突然自分達に向かって火の矢が飛んできたのだ。

覇王軍はなんとか対応する。そして華琳の前には真紅の服を着た男が来た。

 

華琳「あなた、何者かしら?」

糜竺「覇王! よくも我が弟星にして俺の実の弟の糜芳を! 俺は南斗五車星の一人、炎の糜竺!」

華琳「炎。動いたのはあなただけかしら?」

糜竺「いや、山も動いている」

 

糜竺は山は一刀の方に向かったと告げた。

 

華琳「なるほど一刀の方に向かったのね。でもこの覇王と同じく北郷一刀は倒せないわ」

糜竺「いや、倒すのはお前一人で良い」

華琳「何ですって!?」

糜竺「貴様も知っていよう! 南斗と北斗は表裏一体! 真の天下平定は両者一体となった時初めて成就される!」

華琳「ならば最後の将はこの覇王より、北郷を選んだということね!」

糜竺「行くぞ!」

 

糜竺はいきなり自分の体を燃やし、赤兎馬に乗る華琳の体を掴もうとするが……。

 

華琳「下郎め!」

 

華琳の体から発せられる闘気により糜竺は吹き飛ばされてしまい、そのまま燃え尽きていった。

 

華琳「男が私に触れるなど…! しかし、まさに炎の男ね。それだけは誉めてあげるわ」

 

そして華琳は再び進軍を開始した。

 

 

糜芳と糜竺の二人がやられたことは紫苑の耳にも届いた。

 

紫苑「糜芳と糜竺が!」

紫苑の部下A「はい。お二人とも壮絶な最期でした!」

紫苑「(やはり曹操を止めるには星ちゃんの力が必要……)すみませんが、星ちゃん……趙雲を探してください!」

紫苑の部下達『はっ!』

 

紫苑の部下達は趙雲を探しに行く!

それから少ししてなんとか趙雲を見つけだすことは出来たものの、趙雲は動く気が起こらなかった。

そこで部下達や南斗五車星で海の星を担っている諸葛亮と鳳統がなんとか趙雲に薬を盛って、無理矢理南斗最後の将のところにまで連れて行き、趙雲は南斗最後の将を見た時、気が変わり、命をかけて戦う気になったのだ!

そしてしばらくして趙雲は華琳の前に対峙した。

 

華琳「あなたは……」

趙雲「久しぶりだな、曹操」

華琳「雲があなたと聞いた時は正直安心したわよ。あなたは気紛れだからたぶん私の邪魔はしないだろうってね……。

それにあなたが動かないと思った理由は他にもあった」

 

華琳が語る。趙雲は女性でありながらも、昔ある女性を好きになっていた。

しかしそれは叶わなかった。女と言うこともあるが、その女性とは実は血縁関係があったのだ。

そして趙雲は諦め始め、その女性はある男と一緒になった。その女性とは関羽である!

 

華琳「でもあなたの拳は衰えていないかどうか心配だわ」

趙雲「その心配はいらんぞ。曹操!」

 

赤兎馬から降りた華琳に向かって趙雲は一気に駆け寄る。

 

華琳「一気に勝負を決めるつもりかしら!」

 

趙雲は駆け寄ると同時に蹴りの連打を華琳に浴びせる。

華琳はなんとかその蹴りを受け止めると同時にお返しとばかりに蹴りを一発趙雲に当てようとする。

趙雲はその蹴りを紙一重でかわすものの、腹部辺りの服が切れる。

 

趙雲「やるな……。だが!」

 

趙雲は遥か上空へと跳び、着地した場所はなんと赤兎馬の上であった。

赤兎馬は華琳以外の人間をとことん嫌う。

そのため赤兎馬は自分の上に乗ってきた趙雲を振り下ろそうとするのだ。

 

趙雲「くぬぬ! 静まれーーーーーーーー!」

 

趙雲が赤兎馬の耳と髪を持って、無理矢理沈めさせ、赤兎馬は静まった。

そんな時覇王軍の周りから岩が突然落ちてくる。

これは五車の紫苑の軍であり、趙雲は紫苑の軍と一緒に居たのだ。

そしてその岩は覇王軍を足止めするのにとても役立った。

 

趙雲「曹操! お前達の足は奪った! 悪いがまだ私は死ねないのでな! さらばだ!」

 

趙雲はそう言って赤兎馬に乗りながら、その場を去った。

 

華琳「趙雲、やはり食えない人物ね」

覇王軍兵士V「覇王様! 迂回しましょう!」

華琳「いえ。全員この岩を乗り越え、乗り越えた後、その場に留まれ!」

覇王軍兵士L「何故です!? 馬もまだ無事なのはおります!」

華琳「私が体を預けるのは赤兎馬のみ。それに趙雲のことよ、ここに戻って来るわ。

この私の前に! (後は私の読みが正しければ……)」

 

一時華琳の元から離れた趙雲は曹操に蹴りをかすめられた腹部を抑える。

そこからはわずかにだが血が流れていた。

 

趙雲「やるな、曹操。ところで、北郷一刀は今どのあたりに?」

紫苑軍兵士A「はい。先ほど届いた情報によりますと、北郷様のところにも覇王軍の別働隊が襲ってきたのですが、

なんとか黄忠様に張遼様が足止めをしてくださいまして、現在は北郷様がお一人でですが将の居る居城に向かっております」

紫苑軍兵士B「このままいけば北郷様の方が一足早く将の元に……」

趙雲「そうか……。ならお前達は北郷殿のところに行って将のところにまで案内してやれ」

紫苑軍兵士達『はっ!』

 

紫苑の兵士達は趙雲に言われてその場を去り、一刀の元に向かう。

趙雲はその場に留まり、少し考え込む。

 

趙雲(北郷一刀、どれほどの人間か少し見ておこうか。同じ人間を好きになった者として……)

 

 

それから少し時が経ち、一刀は天和、地和、人和達を紫苑と霞に任せて、一人で南斗最後の将がいるとされる居城に向かっていた。

その途中……。

 

覇王軍先遣隊兵士A「ほらほら、早く逃げないと轢き殺されちまうぞ!」

 

覇王軍の兵士数名が馬に乗り、一人の幼き少女が追われていた。

 

幼女「きゃっ!」

 

幼女は石に躓き倒れてしまう。

 

覇王軍先遣隊兵士C「ヒャッハー! 派手に転んだぜ!」

覇王軍先遣隊兵士B「このままいたぶるのも悪くねえな……」

 

するとそこに一刀がその様子を見て、真っ先にやってきて、その兵士の一人に向かって大きな岩を投げ、その兵士を馬ごと潰した。

 

一刀(許せ、馬よ)

覇王軍先遣隊兵士D「何だ手前は!?」

覇王軍先遣隊兵士A「俺達は覇王軍の先遣隊だぞ!」

一刀「それがどうした?」

 

一刀は闘気を体から放ち、馬をおびえさせ、先遣隊を全員馬から落とす。

そして一刀は馬から落ちた兵士に容赦なく、自分の足を兵士達の頭に置く。

 

覇王軍先遣隊兵士D「もう真面目になります。許して下さい」

一刀「残念だったな。この足を放したらお前達は死ぬ」

覇王軍先遣隊兵士A「そんな、ご冗談を」

一刀「冗談? 何の事だ?」

 

一刀が足を放す。すると足を置かれていた兵士達は爆散する。

 

一刀「君、大丈夫かい?」

幼女「うん……。ありがとう、お兄ちゃん」

 

そこに先ほど趙雲のところにいた紫苑の兵士達が一刀の元にやってきた。

 

紫苑軍兵士A「北郷一刀様……あ、璃々様、璃々さまではないですか!」

璃々「他の子が攫われて……」

紫苑軍兵士B「なんですと!?」

一刀「その子は?」

紫苑軍兵士A「この子は黄忠様の実のご息女」

一刀「何!!」

紫苑軍兵士A「この子は黄忠様の実のご息女ですが、心優しき黄忠様は捨てられた多くの子供達を全て自分の子として……」

一刀「………紫苑が危ない!」

 

一刀が引き返そうとする。

 

紫苑軍兵士A「何をもうなされます! あなた様を将の元に連れていくのが我らの使命」

紫苑軍兵士B「覇王により我が将の涙をくれさせてはなりませぬ!」

一刀「将の涙もこの涙も違いはない!」

 

一刀は紫苑の兵士達に璃々を任せ、一人、紫苑のところに助けに戻った。

 

 

その頃紫苑は、覇王軍に子供達を人質に取られてしまい、霞と共に一方的にたたきのめされていた。

 

覇王軍兵士H「いい加減死ね!」

 

覇王軍の兵士が斧を振り下ろそうとしたが、その斧を振り下ろそうとした兵士は拳の連打を浴びさせられ、死んだ。

その拳の主は一刀であった。

 

霞「一刀……」

紫苑「一刀さん、何故戻ってきたのですか!? 将の未来を放棄なされるのですか!?」

一刀「人の血と涙で己の未来を掴もうとは思わぬ! そして俺に死はない!」

覇王軍兵隊長「ほざけ!」

一刀「それをよこせ」

 

一刀は覇王軍隊の隊長に子供をよこすように要求する。

 

覇王軍兵隊長「何だと!?」

一刀「全部だ!」

覇王軍兵士L「ふざけるな!」

一刀「全部だ!」

 

一刀は拳の連打をその場にいた覇王軍の兵士達に当て、覇王軍の兵士達は全滅した。

 

霞「さすがやな、一刀」

紫苑(この人は私の想像以上に遥かに強く、そして暖かい)

 

その様子を陰で隠れて見ていた趙雲は……。

 

趙雲「これは参った。あれでは愛紗があの男に惚れるわけだ……。

さてと……では行こうか赤兎馬! お前の主の元へ!」

 

趙雲は赤兎馬を走らせる!

 

 

それからまた少しして趙雲は華琳の元に戻ってきた。

 

華琳「やはり戻ってきたわね。命を捨てて戻ってきたかしら」

趙雲「ただでは捨てぬ。私はこう見えても寂しがり屋なのでな、お前を道連れにしてやる」

華琳「あなたが言うと本気にしか聞こえないわね。皆のもの、手を出すでない!」

 

華琳の声により、覇王軍の兵士達は皆下がる。

 

華琳「あなたはまだ秘拳を隠しているはずよ。あなたの拳は我流。

我流ゆえ、防御は苦手だが、攻撃には長けている。

あなたの秘拳、私の拳で見極めてあげましょう!」

趙雲「ならばそのお言葉に甘えよう!」

 

そう言うと趙雲は一気に間合いを詰め華琳の体にほぼ密着状態になり、両手の掌を華琳の体の前に出す。

 

趙雲「取った! 撃壁背水掌!!」

 

趙雲の掌から放たれた氣は華琳を襲った。

 

華琳「なかなかのものね」

趙雲「しかしお前には一瞬で見破られたようだな。この肩の秘孔を突いて致命傷をかわすとはな……」

華琳「それは鏡明と言う秘孔よ。趙雲、あなたの手はこれまで…」

 

華琳がそう言うと趙雲の手からは血が噴き出された。

 

趙雲「ぐわっ! (仕方ない……)」

 

趙雲は何かを決めたかのように腕を広げる。

 

華琳「?」

趙雲「撃つがよい」

華琳「どういうつもりかしら?」

趙雲「私に守りの力はないことは承知のはずだ。撃ってこい」

華琳「ではそうさせてもらいましょう!」

 

華琳が拳を振るう!

 

趙雲(さらば……!!)

 

そして華琳の拳が趙雲を襲う!

 

 

その頃、一刀は璃々を送るため紫苑達と一時、紫苑の村に行っていたが……。

 

一刀「紫苑!」

 

紫苑が村に着いた途端に倒れてしまった。

 

紫苑「参りましたわ……。ですが、大丈夫ですわ。将の元に案内せねば……」

一刀「お前を連れていくわけには行かない」

紫苑「何を言われます! このくらい私は……」

一刀「お前のためじゃない」

 

一刀は見る。それは璃々だけでなく、紫苑を親と思って慕う子供達を見ているのだ。

 

一刀「お前は死んではいけない人間だ。もはや隠す必要もあるまい。

南斗最後の将の正体を教えてくれないか?」

紫苑「分かりました……。ならば申し上げましょう。

今日まで我が将の正体を隠していたのは覇王曹操の耳に入らないようにするため…。正体を知れば曹操は狂喜して奪いに走るでしょう」

一刀「何故?」

霞「………」

紫苑「南斗最後の将の正体はあなたが愛しました関羽様です」

一刀「!?」

 

南斗最後の将の正体は愛紗であった!

そして趙雲の生死やいかに!

 

 

愛紗は生きていた!

一刀は一人、愛紗の居る居城へ向かう!

だがしかし華琳もまた愛紗の居る居城を目指していた!

そして北斗究極奥義が姿を現す!

 

次回 北斗の恋姫の拳

 

華琳よ! お前の暴挙もここまでだ!

 

 

一刀「華琳、桃香が待っている!」

 

 

おまけ

 

作者「ヒャッハー! 第12話だ!」

一刀「まさか破壊者が俺だったとは…」

作者「正確には仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双の一刀だがな。そして一刀は仮面ライダーディケイドに変身して助けていたのさ」

一刀「何故その作品の俺なんだ?」

作者「一番使いやすいからな」

一刀「しかし最終回の時と状況が違わないか?」

作者「それは最終回後の話があるからだ。それは後日投稿しよう。

そして意見がある人はどんどん言ってください!

それでは!」


 
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