No.133210

真・恋姫†無双 ~記憶無き者~ √1・・・空

蔵前さん

数日ぶりに投稿。
高校も受かったし落ち着いて書ける。

2010-03-30 11:00:49 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1649   閲覧ユーザー数:1490

 

ゆっくりとぼくにスローモーションで迫る白銀の剣。若干刃が欠けていてノコギリみたいになっている。ナマクラのようだがこのままじゃ間違いなくぼくに直撃し儚い命という華を刈り取るだろう。

あきらめていた。

どうせ助からないんだと。

せめてもの未練は雛咲もここで死んでしまうということ。ぼく一人が死ぬのであればいいのだが彼女まで死んでしまったら後味が悪い。・・・どうしようもないけどね。

ぼくは自虐的な皮肉の笑みを浮かべた。

剣はもう目の前。避けることは絶対と言ってもいいほど不可能に近い。じゃあ気にしたところでどうしようもないな。最期ぐらいぼくは潔くあろう。

 

 

ってか、あれ?なんでぼくこんな状況になってんの?

↑今更そう思う人

疑問に思ったとき剣はもうぼくの鼻先3㎜だった。

 

 

ガギィィィイイイン!!!

 

 

目の前で火花が散った。あまりにも唐突だったので目がチカチカした。

それでも必死で目を開いてみると刀が剣を受け止めていた。

 

・・・・・・・・・・刀?

 

おかしい。ぼくの知ってる限りこの場の人は誰も刀なんて持ってなかった。

雛咲とぼくが持ってないのはもちろん、不審者三人組が持ってたのは剣だったはずだ。

すると当然この疑問に行き着く。

 

じゃあこの刀の持ち主は?

 

「だ、誰だてめぇ?!」

 

案の定、この男も知らない人物のようだ。

妖しく輝く刃の先端から目でたどりぼくは刀の持ち主をみた。

そしてびっくりした。

 

ぼくだった。いや、正確にはぼくそっくりな誰かだった。

所々ぼくと違うとこがある。

たとえば服装。上は白と黒の入り交じったノースリーブベストでぼろぼろの白い包帯みたいな布を手首から肩にかけて巻いている。ちらちらとその包帯の隙間から赤い模様がはみ出して見えるが…なんだろう。下は白いだぼだぼのズボンにごちゃごちゃした装甲が張り付いている。ぼくはこんなコスプレイヤーになったつもりはない。断じてない。

たとえば髪の長さ。ぼくよりちょっと長い。

たとえば手元。銃刀法違反した覚えはない。

 

誰だこいつ!!?

 

マジでそう思った。だってぼくこんな知り合いいないもん!!雛咲にこんなシュールな友達がいたことも聞いたことないし・・・マジで誰よ!!

と、一人悶々としているとぼくっぽいのがぼくに言った

 

「大丈夫?」

 

・・・こ、声までクリソツ・・・・・。ぼくはこんな兄弟持った覚えないっちゅーのに・・・・。

 

「・・・え、あ、アー・・・大丈夫でございます」

 

何故敬語になるのだ、ぼくよ。そう疑問に思った今日この頃・・・。

後ろでオロオロする気配があった。絶対雛咲だろうなと思いつつぼくは立ち上がった。

 

「さがってて・・・。ボクが守ってあげるから・・・」

「・・あ、・・・あざぁーっす」

 

わ、訳がわからなさすぎる・・・。け、けど、とりあえず助かるのか・・・?

展開についていけず訳がわからないままぼくはさがって雛咲のところに行った。

 

「・・・ゆ、ユキくん・・・、あの人・・・誰?」

「ごめん。全然憶えねぇっす」

 

例のあの人は微動だにせずに剣を止め続けている。

不審者は力をこめているのか顔が真っ赤だが微動だにしない…。ちなみに不審者とそのぼくっぽい人との体格差は大体二倍ほどだ。

 

……。

 

あの華奢な体にどんだけ筋肉絞り込んでんだ!?

 

「な、なんだよこいつ…っ!びくともしねえぞ…!!?」

「ふぅ…。この程度なのかい?じゃあ…こっちからいくよ……!!」

 

ぼく2号(仮)がそう呟いた刹那、男の体が宙に豪快にぶっ飛んだ。

ありえない光景だ…。体格差が倍ほどもある巨漢を軽々と…。人間業じゃない。あいつゴリラの遺伝子組み込んでんじゃねぇの!!?

 

「って、危ねぇ雛咲!!」

「へ…って、きゃっ!?」

 

ぼくは自分でもビックリするようなスピードで雛咲に飛びついて押し倒した。

ぶっ飛ばされた男の体が雛咲に落ちてきたのだ。あの高さからこんなのが直撃したら間違いなく死ぬ…。危機一髪だ…。

 

「ああああ、あのあの、あの…ゆ、ユキ君…!!?」

「ん?…んぁあ!?ご、ごめん!!」

 

押し倒された雛咲が顔を真っ赤にしてすごい慌てていた。もちろんぼくは夢中だったので今気付いて慌てて飛びのいて謝罪した。

 

「次は君達だ…。覚悟はいいかい?」

 

そんなぼく達を完全にスルーしたぼく2号はもう二人の男たちと対峙していた。男たちもぼく2号の威圧感に気圧されて慌てて剣を抜く。

 

「くっそぉ…チビのくせに……ッ!!」

「(ピクッ)……今…なんて言ったのかな?」

 

今…地雷踏む音が聞こえたような気が……。

 

「ひ、雛咲。と、とりあえずこっち来い。避難しといた方がいい気がするんだ…」

「え?な、何かよく分からないけど…うん」

 

さっき押し倒した相手のいう事に従う雛咲にとりあえず言いたいことがあるが今はそれどころじゃない!なんかこういう時のぼくの予感ってイヤになるぐらい当たるんだもん!!

 

「あぁん?チビつったんだよ、このドチビが」

「(ブチッ)だ・れ・が…ドチビだってぇぇぇええええ!!?」

 

どかぁぁぁぁあああああん!!

 

背後で爆発音が響いた。ついでに野太い悲鳴も聞こえた気がする。

 

 

 

避難しといてよかった・・・・・・・・と、心の底から思った。

 

 

「怪我はないかい?」

「いえっ全く!!」(ビシィッ)

「…?なにやってんの?」

 

敬礼するぼくにぼく2号は訝しげに首を傾げた。

 

ところかわってここは一風変わった町の宿屋だ。

ぼく2号が言うにはこの辺は非常に治安が悪いらしい。(この辺って治安悪かったっけ?)いや、でもまぁここが聖フランチェスカの近辺とはかぎらないか…。…となるとマジでココどこなんだろうな~。←遠い目

 

っと、話が逸れたな。まぁ治安が悪いらしい。っで、このぼく2号さんがとりあえずここまで送ってくれたわけだ。この宿屋に住んでいるんだってさ。

 

「それで?君達…どこから来たんだい?近かったらぼくが送っていってあげるけど」

「…聖フランチェスカから…」

「……」(こくこく)

「聖フランチェスカ?なんかの宗教?」

「学校です」

 

この反応は間違いなく全く知らないという反応だ。人付き合いをロクに行ったことのないぼくでも分かる…。……。うぇ~あい~ずでぃ~す?

 

「…ま、まぁどこにもいくアテがないんだったらココで働いていかないかい?」

「…住み込みのバイト……ってところか?」

「?…ばいとって…何?」

「……」

 

…む、無知は罪ではない。ぼくがこの人に対してイライラするのは不当なものなんだ。助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな助けてもらった恩を忘れるな……。あぁ落ち着いた。

 

「か、簡単にいったら働くことっす」

「へぇ…。君、博識だね」

 

やってますからね。

つか、やってなくても普通は知ってますからね。

 

「あ、そういえばまだ名乗ってなかったね」

「あ、そういやーそうでしたね」

「……」(こくこく)

 

そして、雛咲。お前いつまで黙ってるつもりだ?

 

「ボクは…えと…く、空って呼んでくれると…いい…のかな?」

「?歯切れが悪いですね?」

「うっ…とと、とりあえずボクは空なのっ!!君の名前は?!」

 

空さんは強引にそう言いきり顔を赤らめてうつむいた。ふむ…。突っ込まない方がいいようだ。何か事情があんのかな?

 

「ぼくは青海雪丸。青海でいいよ」

「わ、私は雛咲みかげ…。ひ、雛咲でいいです…。」

「…お、青海君なのかな?青海さんなのかな?」

「ぼくは男だッ!!」

↑コンプレックス

 

生まれつきぼくが気にしていることはこれだ。ぼくはれっきとした男なのに何故かいろんな人に女と勘違いされている。……いつか…男らしくなりたいよぅ…。

 

「うぅ…で?空さんも男なの?」

「ボクは女だッ!!」

↑コンプレックス

 

おまえもかーい!!!

 

「うぅ…確かに口調とか男っぽいかも知んないけどボクはれっきとした華も恥らう乙女だいっ…」

「……(なんか親近感を憶えた…)」

 

この人…ほんと色々とぼくに似ているなぁ……。口調とかこの報われてなさそうな雰囲気とか…この人、友達いないかな?

 

「おーい!!空、炊き出し手伝ってくれー!!」

「あ、はい!!すぐ行きます!!じゃ…この部屋のものは何でも自由に使っていいから-----」

「早く来てくれー!!」

「す、すぐ行きます!!」

 

そう言って空さんは階段の下にパタパタと走っていった。

 

 

「…雛咲…。お前どう思う?」

「ふぇ…?な、何が…?」

 

もちろんここについてだ。

ぼく個人の意見ではここは少なくとも日本じゃない。

まず、ぼく達を襲ったあの男たち。平和大国日本であそこまで堂々と刃物を振り回す人達がいるわけがない。よくよく思い出してみると空さんも刀ぶん回してたし…。あそこまで当たり前の用にぶん回すのはまずぼくの知ってる日本ではありえない光景だ。そんな光景あったらぼくは国外に逃げてる。

そして二つ目は名前。あの人…もし正直に言っているのであれば性も名でもない何か…。日本の文化は性も名もある。

んでもって三つ目は建物。この宿屋の建築仕様をざっと見た感じ日本の技術じゃない。どっかで見たことあったな。確か…中国に修学旅行に行ったときに見たことがあったような…。…うん。日本じゃねぇって事は分かった。

 

「ぼくの予想じゃさ…ここ日本じゃない気がするんだよね…」

「え!?そ、それほんと!!?」

「あくまで予想ね。で…どうしましょうか?」

「ど・・・どうって言われても……」

 

うろたえる雛咲。あ~。無駄に混乱させちまったかな…。

でも、…マジでどうしようか。冷静に述べてみたはいいがじつは何も考えがない。さっさと帰りたいっていう意見はあるんだが(危ないし)帰り方がマジで分からん。まずここに来た方法だってわかんないし。

 

「むー…。やべぇなぁー……」

「…ユキ君も…やっぱりどうすればいいのか分からないの?」

「当っ然!原因すらサッパリわかんないのに…んなもん分かるかっちゅーに」

 

ボスッとぼくは羽毛の布団に倒れこんだ。ふわりとお日様の香りが辺りに舞う。

 

「……雛咲さー、もしこのまま一生帰れなかったらどうする?」

「………帰れないの?」

 

泣きそうな声で雛咲は不安そうに言った。

少し予想はしていたがぼくは慌てて付け足した。

 

「も、もしもの話っ!まだ帰れないと決まったわけじゃないよ!」

「……私…ここに馴染める気がしないよ………」

「………」

 

確かに…。あんな不審者が堂々とはびこるこの世界だ。雛咲がこんなところで生きていけるわけがないのは誰でもない彼女自身が一番分かっている。

 

「…とりあえずさ……生きることが最優先事項なんだよね?」

「え、……う、うん」

「ぼくさ、空さん見てて思ったんだ」

「……?」

「ぼくとめちゃくちゃ似てる彼女があんなに強くたくましく生きてるんだったらぼくもあんな風になれるかな…って」

 

体格も、口調も、おそらく性格もそっくりな彼女…。だったらぼくもあそこまで強くなれる可能性はある。だったらぼくだってがんばれば強くなれるはずだ。

そして…

 

「雛咲はぼくが無事に家まで帰してあげる」

「・・・・・・・・え?」

「こういう時は男のぼくがなんとかするべきだろ?」

 

にっこり笑ってボクは雛咲に言った。

今この世界で知っている人物は雛咲しかいない。全く見覚えのない荒野に気が付いたら立っていたぼくは正直怖かった。そんな時彼女がいた。知っている人がいるだけでものすごい心の支えになってくれた。

そして気付いた。

友達がひとりもそばにいないぼく…。

孤独だった。

性格の悪いぼくだ。そんなやつについて来るやつなんているわけがないと諦めて逃げていた。

 

それでも雛咲はぼくのそばにいてくれたんだ。

 

ぼくが部活をサボろうとした時も、あいつらに襲われた時も、今このときも…。

雛咲は別に大した事をした覚えがなくてもぼくにとっては大きなことだ。

そして…ぼくにできることはこれだけだ。

 

「守ってあげる……って言ってもぼくじゃ頼りないか…」

「…そ、そんなコトないよ!ゆ、ユキくんは強くて、かっこよくて、…とっても頼りになるよ!」

 

何故か少し強い口調で雛咲はそう言ってぼくをじっと見つめた。

……雛咲の理想はぼくとはかけはなれているな。

ぼくはやれやれと肩をすくめた。

 

 

カタカタカタッ

 

っとぉ。第二話書き終わったにゃ~。

…あ、どうも。真・恋姫ダガー無双 ~記憶無き者~ の作者、蔵前です。

なんか二作目になってもいまだにかずピーさんやらオレ的に結構好きな明命さんが出てきてないことに少し問題を感じますがそれは置いときました。

 

「「「「「置いとくなぁー!!!!!!」」」」」

 

はい。今聞こえた声は空耳です。春の小川が細流が如くスルッときましょう。

で、どうしましょう?これなんか書いといた方がいいかな?でもオレ何も話題ねぇよ。

 

 

 

あ、そうだ。じゃあとりあえずあやふやな次回予告でもしておきましょう。

 

空が働いている宿屋『華蘭堂』で住み込みで働くことになった雪丸とみかげ…。しかしぶっちゃけるとウン千年も前の中国の、しかもパラレルワールドの知識をこれっぽっちも知らないため失敗ばかりしてしま-----

 

「「それっぽいこといって誤魔化すと怒りますよアホ作者」」

「……う、嘘はいけないんだよ」

 

…バレてた?

 

「「「…」」」(こくこく)

 

う~ん…。まだ全然考えてないんだよね実は……。さすがにそろそろあの人たち出さないとまずいかなぁ…とは思ってるんだけどね、どう出しゃいいのかわかんないのよ。

 

「そこをどうにかするのがあなたの仕事でしょう。ちゃんとぼくの雄姿を正確に書かないと解体(バラ)すからね?」

「ボクの乙女らしさもね」

「…へ、変なコトしなかったら何も文句は……」

 

……話変わるけどこうして見るとすっごいでこぼこパーティーだなぁ。とくにみかげのあたりが。

 

「そ、そんなぁ…わ、私がいるのそんなに変なのぉ…」(ズーン)

「こら作者!!雛咲はあんたと違って繊細なんだよ!!?そんな無神経な発言すんなー!!」

 

オレも繊細だっつの。失礼な。

 

「ボクの聞いた話によると自分を繊細って言うやつに繊細なやつはいないんだって。このおっぺけぺー野郎」

 

誰だそのクルクルパーっぽそうな野郎は…。あんたも意外と失礼だなー。

 

あ、空と雪丸の見分け方について気付いてる人もいると思いますが一応記しておきます。雪丸が「ぼく」で空が「ボク」です。と、書いてはいますがやっぱり分かりづらいと思うので次から括弧の前に名前の最初の一文字を書くようにしたいと思います。

 

雪「最初からそうしなよ」

空「っていうかそれだと雪蓮と雪丸さんどうやって見分けるの?」

み「……私だけ平仮名なんだけど…」

 

雪蓮さんは多分当分出ないからしばらくは安心しておきなさい。

 

雪蓮「なんてぞんざいな扱いなの…」

 

それでは締めの言葉です。←シカト

不出来な…オレって書くべき?私って書くべき?…お、オレの作品見ていただき真に感謝申し上げます。どうかよろしければ最後まで付き合っていただけると嬉しい…ですがなんかアドバイスあったら下さい。よりよい作品にしたいので。

では…ありがとうございました!!

 

雪「また見てね!!」

空「絶対に見てね!!」

み「み、…見ていただけると……うれしいです」

 

じゃ、最後は仲良く皆で…

 

雪「ばいばーい!!」空「シーユー(!?)!!」み「さ、さよならですっ!!」

 

……バラバラだし。何故か英語知らないはずの空が設定無視って使っちゃってるし…。ぐだぐだになっちゃいましたが…次回で会いましょー!ばいばーい!!

 

 
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