No.123579

北郷一刀争奪戦争勃発 魏国ばれんたいんでー騒乱 吹雪に包まれる街

叢 剣さん

第四段です、ほとんどが決戦の準備が整いつつあります、どうなるのか?それは当日になれば解ります

2010-02-10 23:00:45 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:8857   閲覧ユーザー数:7403

 馬に乗り、かなり外れた街はずれにある、廃墟のようなものに華琳と凪が到着した。

「このようなところに一人で、来られるのですか?」

「そうね、数回ほど一人で来たわ」

「そうですか、危険なので護衛をつけてください」

「気が向いたらそうするわ」

 廃墟の街の奥の方へ、一直線に歩いていく。

「失礼するわ」

「おい!だ・・・・・こ、これは、曹操様!」

「久しぶりね、いつものはあるかしら?2人分お願いするわ」

 身なりが多少汚い男が家の中へ行くと、2人分の蜂蜜を持ってきた。

「これは、蜂蜜・・・・・ですか」

「そうよ、でもここの蜂蜜は私が今まで食べたなかでも最もおいしいといっても過言ではないわ」

 自分が作った蜂蜜を褒められたのが嬉しいのか、顔を綻ばせている。

「それじゃあ、2人分のお礼はここに置いて行くわ」

 異常なまでに膨れた袋を代の上に乗せると、そのまま去って行った。

「あれほどの金額の物を・・・・・もらうわけにはいきません」

「そうね、護衛の代金と思って頂戴、それに、本当のライバルとは平等の条件でないといけない・・・・・そう思わないかしら?」

 振り向くその顔は、清々しいまでの笑顔だった。

「は、はい!」

「わかったのならいいわ、城に戻ったら敵同士よ、わかったわね」

「勿論、そのとおりです」

 2人は馬に乗ると、先を争うように城へと帰って行った。

 

 

「さて、私も行動にうつすとするか・・・・」

 自らの政務を一通りこなすと、立ち上がり市へと歩き始める。

「ふむ、何がよいか・・・・・」

 甘いものと言われても多数の物が思い浮かぶが、買ってもいいのか、自ら腕をふるって菓子を作った方がいいのか。

「どうすればいいのか、考え付かんな」

 なにも思いつかないので、とりあえず書店へ入り書籍を漁り始める。

「これは・・・・・」

 手を伸ばした先にある本の題は[これで意中の彼もイチコロ!確実に彼を落とす方法]と書かれた書籍であった。

「なるほど、これは興味深い・・・・・・むっ・・・・これは・・・・・」

 何を見たのか、先ほどと全く表情が変わっている。

「店主、これをくれ」

「かしこまりました」

 いそいそと紙につつむと、秋蘭に手渡した。

「まずは・・・・・あれを買う必要があるな」

 本を持ったまま、酒屋へと足を進め高級な老酒を購入するとそれを持つと城へと引き換えしていった。

「これで・・・・・・なっ!これは・・・・・一つ足りないではないか」

 書籍に書かれていたのを見落としてしまっていたのか、そこには一つの物が書かれていた。

「今からなら、なんとか間に合うか・・・・・」

 書籍をしっかりと隠すと、再び市へと降りて行った。

 

 

「そうよ!料理がだめなら、買ってくればいいのよ!」

 料理ができずに悩みぬいた末に出てきたのは魏の軍師としてもった早く導きだすべきであったはずの答えであった。

「とりあえず、甘いものを買いに行きましょう」

 砂糖、蜂蜜、蜜芋、豆板醤、XO醤・・・・・・・?

「これでいいわね」

 途中から根本的に間違っているが、気づきすらしない。

「これを全部混ぜて・・・・・」

 混ぜると何とも言えない色をした物体が出来上がった。

「な、何これ・・・・・」

 自分がやったことなのに、まさに他人事である。

 一応舐めてはみるが、今まで食べてきたものの中で最もまずい。

「どういうこと・・・・これじゃあ」

 座り込み、すでに目は潤み涙をこらえるだけで精一杯のようだ。

「ぐすっ・・・・・ぐすっ・・・・・ふえ・・・・・」

 泣こうとした時に、桂花の脳裏に電気が走ったような感覚がし、名案が思い付いた。

「そうよ・・・・・もう、あれしかないわ、もうあれしかないのよ!」

 立ち上がると、再び市へと降りて行った。

「これで、私の勝ち・・・・・かもしれないわね」

 すでにいつもの顔に戻り、市での購入を済ませた。

 

 

「たしか、このあたりに・・・・・」

 荒野の目印が無い中の土を一人で掘り返す稟。

「ふう、やはり自分でも忘れそうになる場所に隠しておいて正解でした」

 掘り上げたのはそこまでは大きくないが、壺であった。

「悪いですが、みなさんに負けるわけにはいかないので」

 他の物も埋まっていたが、今回はそれだけを掘り出すと再び埋め、元の何もなかったような状態に戻った。

「よし、これで帰りますか、もう時間もありませんし」

 壺を馬の背にしっかりと固定すると、城へ向かって帰って行った。

 

 吹雪に呑まれた街は人一人の気配すら感じず、まさに吹雪という巨大な怪物に街ごとの見込まれたような感じである。

 


 
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