No.121450

真・恋姫無双 ~美麗縦横、新説演義~ 

茶々さん

茶々です。
今回投稿するのは、真恋姫無双がTV放送されていたときに妄想のままに書いた短編です。

ぶっちゃけます。かなりアレな作品ばかりです。
原作?なにそれおいしいの?みたいな感じで書いてしまったものばかりです。

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2010-01-30 21:13:55 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:8662   閲覧ユーザー数:7088

 

 

*注意!

 

・この短編に北郷一刀は出てきません!

・オリキャラ乱舞です。オリキャラ×原作の誰か、です!

・暗かったりアレだったりコトがあったりなかったり、です!

・原作完璧無視です!時間軸とかそんなの一切無視です!

・書いた当時のテンションにより男なのに真名あります!(司馬懿=白叡、太史慈=轟蓮、姜維=怜麟)

 

 

 

以上の事が許せる、という方のみご覧ください。

 

 

 

追記:タイトルの幾つかは「群青三メートル手前」様より拝領仕りました。

 

『ただこの刹那は』 (茶々オリキャラ司馬懿×朱里)

 

 

 

月夜の下、はだけた服の下から覗く素肌は、まるで白い彫像の様に美しい。

そっと指を走らせれば、くすぐったそうに朱里はその細い身をよじった。

 

真っ赤に染まった顔は、潤んだ瞳と共に僕に向けられている。

それはどんな妖術よりも強力で、誰でもない僕を君の虜にしてしまう。

 

奪う様に、それでも優しく丁寧に、朱里の唇に自分のそれを重ねた。

 

視界いっぱいに広がる朱里の顔は、今まで見たどの顔よりも艶やかで、綺麗で。

 

全てが欲しい。君の全てを、僕だけのものにしたい。

 

狂っているのかもしれない。毒されたのかもしれない。

でも、それでもいい。

 

白い肌に指を走らせれば、どんな風に悶えてくれるのか。

柔らかい膨らみを掌中で弄べば、どんな風に声をあげてくれるのか。

彼女の一番大事な場所を僕の色に染めれば、どんな風に踊ってくれるのか。

 

知りたい。知りたい。知りたい。

 

君の全てを、何もかもを。僕だけの色で染めて、僕だけのものにして。

 

それを狂うというのなら、僕は喜んで狂ってやるさ。

 

 

 

ねえ、朱里。

 

こんな風にしか君を愛せない僕を、君はどう思う?

こんな形でしか想いを伝えられない僕を、君はどう思う?

 

答えてはくれない。だって彼女の口は僕がいま塞いでいるから。

 

口を離せば、きっと彼女は嬌声をあげて踊り狂う。僕の指の動き一つで、彼女の全てを想いのままに出来る。

 

そんなのはつまらない。もっと、もっともがいてくれよ。

僕の腕の中で必死に身体をよじる君が、何よりも愛おしい。もっと足掻いて、抵抗して、そしてそれでも尚、君は僕から逃れられない。

 

僕が君に狂った様に、君も僕に狂うから。狂わせてみせるから。

今はまだ大丈夫でも、いずれ僕しか見えなくしてみせる。

 

だから今は、まだ純粋に彼女を想える自分がいるこの刹那は。

 

 

『ただ想いのままに、君を求めたい』

 

『二度と帰らぬ道』 (茶々オリキャラ司馬懿×朱里)

*注意:作品が全体的にダークです!

 

 

 

君を襲っていたのは、物言わぬそいつらなんだ。

 

なのに、どうして僕が責められる?

 

「何で……?」

 

朱里、君だけは違うと思っていた。

君だけは、僕を信じてくれると、そう信じていたのに。

 

「どうして……?」

 

なのに。なのに。

 

「朱里……」

 

君まで、僕を疑うのか。

君まで、僕を信じないのか。

 

「は、ははは……」

 

そうか。そうなのか、朱里。

 

「…だったら」

 

だったら、もういらない。

君も。そいつらも。全部、全部、全部。

 

 

 

「寄るな」

 

血濡れた剣を肉塊から引き抜き、その切っ先を朱里のいる方へ突き付けた。

赤黒く染まった刀身に愚民共は怯えた声をあげる。一部の下種共はいきり立った声をあげるが、そんなの知った事ではない。

 

「そこをどけ。カス共が」

 

朱里がいなければ、貴様らなど賊軍に虐殺されていた。

朱里がいなければ、貴様らなど生きてはいない。

 

ならば、朱里さえいればそれでいいではないか。

 

奴らが必要としているのは『強い』俺ではなく『弱い』朱里。

 

傷を舐め合い、被害を受ければ持て囃される。慣れ合える奴が必要なのだろう?

 

だったら、俺が此処にいる意味はない。

 

「せいぜい醜く生き延びればいいさ。出来るのならな」

 

男手も、先導する者もなく、弱い連中が慣れ合って何が出来る。

黄巾党だか山賊だかは知らんが勝手に奴らを貪ればいい。好きに蹂躙すればいい。

 

そこの女も、子供も。そして朱里も。

 

「ふはは…あっはははははは!!!」

 

どうした白叡。貴様が抱いていた感情など何処かに消えたではないか。

 

何が『守る』だ。

何が『信じる』だ。

 

恋だの、愛だの。そんなものは簡単に消える。

信頼?恋慕?そんなものただの飾りだ。

 

壊れたように口から零れる笑いは、もう止まる事はない。

 

「さようならだ、朱里……いや諸葛亮」

 

もう、俺には何もない。何も必要ない。

この身と、才が全て。それだけあれば十分。

 

「二度と会う事もあるまい。貴様に預けていた我が真名、返してもらうぞ」

 

さようならだ、諸葛亮孔明。

 

愛も、想いも、全てを捨てる。

 

 

 

我は司馬仲達。天涯孤独にして天啓を得ながら天を自ら捨てし魔性の智。

 

この世でただ一人の思い人への気持ちも。

心から敬慕していた師との記憶も。

 

「ふっ……くっあっははははははは!!!」

 

 

『今、全てに別れを。』

 

『落陽』 (茶々オリキャラ司馬懿×朱里。『二度と帰らぬ道』の続編気味です)

 

 

 

宮殿を包む業火は、地獄の底で猛る鬼の様に踊り狂って全てを呑みこむ。

 

意識の中に戻ってきた痛みは、やがて全身に走り悲鳴をあげた。

 

泣いていた、な。

最期に僅かに見てとれた朱里は、泣き叫んで確かに俺の真名を呼んでいた。

 

未練など、あの夜に全て捨てた。

敬慕した師も、愛した人も、忠を誓った主も。全てを捨て、そして決別を告げた。

 

なのに、どうしてだ。

 

どうして、頬を伝う雫は止まらない。

どうして、嗚咽が口から零れ落ちる。

 

無様なものだと嘲笑を浮かべようとして、しかし頬の緩みと嗚咽を止めるには至らず、ただ声だけが漏れる。

 

今更、だと思った。

今になって、まだ『情』が残っていたとはな。

 

自分を殺して、非情に徹して、義だの情だのと綺麗事を並べる連中を揃って潰してきたというのに。

 

最期の最後で、殺せなかった。

 

どうしても、朱里だけは殺せなかった。

 

情にほだされ、情に溺れ、そして過去に囚われ見誤った俺の唯一にして最大の誤算。

その一度の過ちが、俺の全てを今奪い去ろうとしている。

 

 

 

だが、不思議と笑みが零れた。

 

自分に向けた嘲笑ではない。

紛れもない『喜び』の笑み。

 

朱里の理想が、その信念が、幾重にも理詰めされた俺の持論を打ち破ったのだ。

ならば、その理想はきっと何よりも強く、価値のあるものだ。

 

やがて天井にも飛び火し、宮殿を支える柱がゆっくりと倒れる。既に体は使い物にならない。避ける術など、残されてはいない。

 

 

 

振り返るな、朱里。

何があっても、君なら必ず道を切り開ける。伊達に『臥龍』じゃないんだろ?

 

曇りないその志を、純粋に正義を信じるその心を。

どうかいつまでも、忘れないでいてくれ。

 

さようならだ、朱里。

 

届く事のなかった言葉は、伝わる事のなかった想いは、紅蓮の中に消えていった。

 

 

 

もし、許されたのならば。

もし、また何処かで出会えたのならば。

 

 

『想いの全てを、ありったけの気持ちを、君に。』

 

後記

最早妄想の塊としか言いようのない作品ばかり……恥ずかしいっ!

しかもずっと司馬懿と朱里のターンとか!!

 

次回は雪蓮×太史慈←蓮華(全体が暗い)、姜維×桃香(唯一ほのぼのとした作品)、司馬懿×風(時系列だと此処の二つの司馬懿登場作品の間)の三作品を投稿予定です。

 

……あれ?本編は?という方。

申し訳ありません。ご要望を受けただいま推敲の真っ最中です。

 

気長にお待ちいただければ幸いです。

 

 

 
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