No.118476

真・恋姫✝無双 仙人で御遣い 10話

虎子さん

キャラ崩壊があります。
お気をつけ下さい。
あとがきにQ&Aがあります。

拙い文章ですが、よろしくお願いします。

2010-01-14 08:31:28 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5101   閲覧ユーザー数:4241

 

~孫堅軍本陣~

 

豪臣と雪蓮が刃を交える少し前のこと。

孫堅発見の知らせが届き、冥琳が一安心していたときのこと。

一人の斥候が、冥琳の天幕へやって来た。

斥候からの情報は、劉表軍が此処へ向けて軍を動かし始めた、というものだった。

「して、敵将と数は?」

「敵将旗は蔡。おそらくは蔡瑁(さいぼう)かと。敵兵数は歩兵二万五千、弓兵五千の合わせて三万であります。かなりの速度で行軍しておりますので、二刻(1時間)と経たぬ内に到着するかと」

「そうか・・・分かった。下がって別命あるまで待機していろ」

「は!」

 

斥候を下がらせた後、冥琳は頭を抱えたくなった。

自軍の兵数は総勢一万六千。先の戦までで、四千の兵を失っていた。そして、八千人が重軽傷を負っている。戦えぬ者を省くと一万三千を少し超える程度。

しかも、現在。黄蓋・甘寧隊がそれぞれ五百、孫策隊が千、合わせて二千の兵が孫堅捜索隊として出ている為、本陣の兵数は一万千弱しかいない。

将は自分一人。士気も上がらず、指揮もし難い。

(本来なら、撤退が定石。しかし・・・)

それは出来ない。

本陣のある場所は、唯一、兵が多人数で山へ出入り出来る処の少し手前。劉表軍を正面とすれば、右手に山で左手に雑木林となっている。

反対側にも同様の場所はあるが、其方は劉表軍に抑えられている。

今、此処を退けば、山に入った孫策たちが挟撃に遭ってしまう。

(残りの矢を使い切ってでも此処を死守しなければ)

そう決めた冥琳は、すぐに伝令兵を呼び、雪蓮たちの下へ走らせた。

そして、歩兵を三つの部隊に分け、その内の二部隊を左手にある森へ伏せさせて残りを本陣前方に配置。その後ろに弓兵を置き、弓兵の後ろには残り全ての矢を用意させた。

冥琳は用意を終えると、雪蓮たちの居る山を見上げる。

「雪蓮。早く戻って来て」

 

そして、蔡と書かれた旗と共に三万の兵が彼方に見えた。

 

~山道~

 

「「「「「!!!!!」」」」」

伝令の報告で一気に空気が張り詰めた。

「クソッ!すぐに本陣に戻るぞ!」

黄蓋は、伝令の報告を聞き、即行動を開始した。

「策殿。連れてきた兵数は?」

「千よ」

「ならば、儂と策殿で急ぎ戻り、冥琳を助けるぞ!」

「ええ。思春は母様を護衛しながら下山して。後方から攻めてくるかもしれないから注意してね」

「御意!」

と、孫堅陣営が話していると

「え~と・・・俺、どうしたら良い?」

豪臣が聞く。

「「「・・・・・・」」」

三人は黙る。しかし、青蓮が

「豪臣さんは私と一緒に来て下さいね」

そう言うと、雪蓮と祭が反応する。

「母様!危険よ!」

「そうじゃぞ、青蓮!何処の馬の骨とも知れん者を戦場まで連れて行くつもりか!?」

「でも、恩人をこのまま此処に置いておくの?

 そんなこと、私は許さないわよ」

「「・・・・・・」」

青蓮の言葉に黙る二人。

そして

「思春・・・母様をお願い」

雪蓮は、諦めた様に思春に言った。

思春は

「・・・御意」

一瞬豪臣を見た後頷いた。

 

 

~山道 孫策・黄蓋隊~

 

開戦から1刻(30分)程たった頃、雪蓮と祭は、山道から戦場を眺めていた。

戦況は押されていた。

本陣の手前で蔡瑁隊を受け止め、弓で敵兵を減らし、左方(森)からの攻撃でどうにか本陣を守っていたが、兵力が違う。じわじわと押され始めていた。

 

「策殿。どうしますかな?」

「こんな地形じゃ、策もクソも無いでしょ。本陣の冥琳と合流して押し返すわよ」

「それしか無いか、のぅ」

二人は、苦虫を噛んだ様な顔をした。

戦場が狭過ぎて、これでは、ほとんど正面からの力比べになってしまうからだ。

この状況では、いくら精兵で鳴らす孫堅軍の兵でも厳しい。

しかし、泣き言が許される状況でも無い。

雪蓮は

「行くわよ。祭、覚悟は良い?」

そう無理やり笑って言い

「うむ。行くかの」

祭も笑って答えた。

 

そして、二人は戦場に飛び込んだ。

 

 

~山道 甘寧隊~

 

甘寧隊は、孫策・黄蓋隊の様に全速を出さず、後方に注意しながら下山していた。

当然、思春含めた甘寧隊は周囲に気を配って、雰囲気はピリピリしていた。

そんな中、豪臣と青蓮は、それがどうした、と言わんばかりに普通に会話していた。

(・・・この二人に危機感というモノは無いのか?)

そんな様子を見ながら呆れる思春。

しかし、戦の話になると豪臣の雰囲気が変わった。

 

「一万弱・・・ね。普通なら撤退だろうな」

「そうね。でも、山の麓に本陣を構えたらしいから退けないわね。挟撃されてしまうわ」

「・・・・・・」

豪臣は、駆け足のまま考え込む。

「豪臣さん?どうかしましたか?」

そんな豪臣を心配した青蓮が聞く。

すると、豪臣は笑って答える。

「いや、まあ・・・ヤバかったら“飛んで”みようかな、と思ったんだよ」

「???」

(???)

青蓮と盗み聞きしていた思春は首を傾げたが、豪臣が言おうとしなかったため、此処で会話は終了した。

 

そんな中、豪臣の肩に乗る朔夜だけが

(・・・また、莫迦なことに挑戦しようとしていますね)

と、呆れた様に溜息を吐いた。

 

そして、雪蓮たちに遅れること1刻(30分)。甘寧隊は雪蓮たちが戦場を見ていた場所に到着した。

戦況は完全に押されていた。

孫堅軍の伏兵は、蔡瑁軍が上手く押し返し、その半数が撃破されていた。

本陣前では雪蓮や祭の旗が揚がっている。今、前線を保っていられるのは、この二人のお陰だった。

蔡瑁軍では、最後尾に蔡の旗。軍中央に黄の旗があった。

「黄?黄祖のおっさんか?」

ふと出た豪臣の独り言に思春が答える。

「いえ。黄祖であれば最前線で戟を振るうでしょう。好戦的な男ですので」

「それに、あの傲慢な男が、いくら筆頭の将・蔡瑁の、とは言え副将に甘んじることなんてしないわ」

と、思春に続き青蓮も言う。

「じゃあ、誰?」

「おそらくは、黄射(コウエキ)。黄祖の息子よ。父親と違って、智で軍を動かすわ」

青蓮の答えに、なるほど、と頷く豪臣。

「納得がいった。青蓮の話では、蔡瑁は陸戦が苦手だって言っていたから、あの伏兵への対応を不審に思ってたんだよ。

 なるほど、その黄射ってヤツが動かしているのか」

豪臣の言葉が終ると、今度は思春が聞く。

「我が隊はいかがいたしましょう?」

「そうねぇ・・・「動かなくて良いぞ」・・・豪臣さん?」

青蓮が考え込もうとしたところに、豪臣が声を掛ける。

「甘寧は、このまま後方に注意を払いながら待機しててくれ」

「は?・・・貴殿は何を・・・わっ!」

思春が訝しく思ったところで、朔夜が思春の肩に跳び移る。

「何だ、朔夜。ついてこないのか?」

驚く思春を余所に、豪臣が朔夜に問うと、プイ、とそっぽを向いた。

「豪臣さん?あなたはどうするつもりなのですか?」

そう青蓮が尋ねる。

「なーに。さっき言った通り、飛ぶだけだよ」

そう答えた豪臣の顔は、笑顔だった。

 

 

私の肩に、豪臣という男から虎が移り、驚いていると

「なーに。さっき言った通り、飛ぶだけだよ」

そう言って、男は笑った。

私は、この言葉の意味が分からなかった。

・・・次の瞬間までは

 

男は、三歩後ろに下がり

「・・・せーのっ!」

「「な!!」」

飛んだ。そして、驚く私と文台様。

彼は、2引(約48m)以上ある崖下に向かって

 

「アーイ!キャーン!フラーーーーーイ!」

 

と言う奇怪な言葉を残して・・・飛んで行った。

あまりのことに、私と文台様は言葉を失っていた。

 

すると、横から

 

「やはり、ですか・・・莫迦」

 

と、かなり落胆の色の濃い声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

聞こえた気がして肩を見ると、虎が溜息を吐いていた。

顔を上げた虎と眼が合う。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

一瞬の沈黙。

そして、何を血迷ったのか。私は虎に声を掛けてしまった。

「・・・喋っ・・・た?」

すると

「・・・・・・ドジった」

と、虎が言葉を返してきた。

 

私は

 

「きゃああぁぁぁぁあぁぁあぁぁっぁぁぁ!!!!」

 

不覚にも、自分でも聞いたことの無い悲鳴を上げてしまった。

 

 

 

 

あとがき

 

どうも、虎子です。

またお気に入り登録数が増えて40人を超えていました。

本当にありがとうございます<m(__)m>

 

さて、作品の話ですが・・・

すみません。全然、進みませんでした。

先日、友人から「ユー・キャン・フラーイ!」と、橋から落とされそうになりまして、その時に「あ!豪臣も飛ばそう!」と、そんなことを思ってしまいました。

本当は、蔡瑁との戦いはこの話で終わらせる予定だったのですが、戦の内容まで予定と変わってしまい・・・困ったものです。(自爆ですけどね(;一_一))

・・・次です。

遂に、朔夜が思春にばれました。しかも、思春の悲鳴付きで・・・彼女、本気で壊れてるなぁ。

まあ、彼女の崩壊は今さらなので、良しとして置いて下さい。

お願いします<m(__)m>

後はですね、今まで文中で『仙気』『気』と表記していたものを『仙氣』『氣』と変更します。

こっちの方が分かりやすいのです(主に作者が)。

 

8・9話のQ&Aです。

Q.朔夜って人に変身出来ないの?

A.・・・案の一つとして頂きます。朔夜との恋愛が見たい! みたいなコメントが出てくるか次第ですが・・・

 

Q.恋姫で、武器を何処から出した云々言ってもしょうがなくない?

A.いや、だって。まだ、そういうシーン出てませんし・・・

 

Q.誤字脱字以外のコメントも載せて言いの?

A.要望等もガンガンお願いします。それによって、内容が私の考えているモノから変わる可能性(大)があります。

 

Q.思春、デレ過ぎ!

A.デレ過ぎ? まだまだ、準備してるんですが・・・要らないですかね?

 

と、こんな感じです。

 

次回投稿は、早ければ今日中。遅くとも明日終了までにと予定しています。

今回よりも短いです。とりあえず、戦いを終わらせないと・・・

 

作品への要望と共に、誤字脱字等ありましたら、どんどんコメント下さい。

 

最後に、ご支援、コメントを下さった皆様。お気に入りにご登録して下さった皆様。

本当にありがとうございました。

 

ではでは、虎子でした。

 


 
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