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仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第11章

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の蜀ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。なお今回は前回のおまけでも言いましたが、オリジナルキャラが出てきます。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。

2010-01-12 08:09:44 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:5314   閲覧ユーザー数:4468

仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第11章  超、参上! 

 

 

赤壁の戦いから一週間。曹操は江陵を放棄し、自領に撤退していった。

それからさらに一週間後、ついに最終決戦が始まろうとしていたが…。

とある場所では……。

 

 

 

 

「何? 蜀と呉が魏を攻めているだと?」

「ああ、そうだ…」

 

蜀よりも西にある五胡の国。その長である軻比能(かびのう)が謎の男にそのような情報を聞く。

 

「それは既にお前のところに来ているはずだが?」

「ふっ……確かに」

 

軻比能はその男に対して笑うように言った。

 

「俺は蜀に復讐をしたい、だが兵が足りん」

 

五胡軍は実は一刀達が南蛮制圧をする少し前に攻めてたのだが、一刀達により阻止されてしまったのだ。

軻比能はその仕返しの機を見ていたのだが、今がその時ではあるが、一刀の仮面ライダーとしての力により、倒れされた兵達が戦いたくないと言い、兵が少々不足している状態なのだ。

 

「仮に奴らの都、成都を制圧したとしても呉と魏が黙っていまい」

「ならば、呉も魏も倒してしまえば良いだけのことだ」

「さっきも言ったが、俺には兵が……」

「兵なら、俺が出してやるぞ」

 

男が自分の兵達を呼び出すと、どこからともなく現れる異形の兵達。

 

「こ、これは……」

「どうだ? 俺がお前達五胡の力になってやる。お前たちがあの大陸の真の覇者となるのだ」

「……お前の望みはなんだ?」

「俺はただこの世界の歴史が変わるのが見たい。それだけだ……。それ以外は何もいらん。お前たちが天下を手に入れたら俺は大人しく消えるとする」

「………そうか……ならお前の力を借りる」

「ああ、存分に使ってくれ。俺もこの戦いに出るからな」

 

軻比能と謎の男はその場で笑い続けた。

 

(そうだ、こいつを使えば未来は変わる。このまま漢族を根絶やしにすればな……!)

 

 

戻って、一刀達の方では……。

 

「曹操の動きは?」

「現在、敵軍は新野城へと入城し、防御体勢を整えています」

「しかし新野城は大軍を容れておくには狭すぎる城です。最後はやはり野外での決戦となるでしょう」

「野戦か……。個人的には望むところだな」

「赤壁の戦いと、その後の伏兵奇襲のお陰で、曹魏の軍勢は大幅に縮小しています」

「現在の兵力で言えば、ほぼ互角。勝てるかは分からんが、負ける要素も無いな」

 

星の言葉を聞いて将たちは心が燃える。

 

「後はあたしたちの活躍次第か。ふふんっ、腕が鳴るってもんだ」

「鈴々の強さを見せつけてやるのだ!」

「あいつら泣かしてやろうか!」

 

一刀もかなりやる気の状態の中、桃香が憂鬱そうな顔をしている。

 

「どうした? 桃香」

「うん…。これ以上、曹操さんと戦う意味、あるのかなって思って……」

「戦う意味ね…。ほぼ互角の兵数になったから天下三分の計の必要要素は揃ったな。

と言っても問題は曹操が止める気が無いってことだな。

(電王で負かしてもやってくるってことは、悪人じゃないのは確かだな。悪人だったら改心するし…)」

「それは分かってるんだけど…。でもね、ご主人様、私、思うんだ。

曹操さんの考えている覇道。……それはこの国を思ってのこと。そして私達が考えている、天下三分の計っていうのも、この国の未来を思ってのこと。

私達それぞれの考えが大切なんじゃなくて、この国のことが大切なんだと思うの。

私達が暮らす国。良い思い出、悪い思い出…全てが詰まった、私達の国が大切なんじゃないかな?」

「そうだね。国は民があって始めて支えられるんだ。民がいなかったら国の意味は無い。俺、何か少し変なことと言ってる気がするけど…。

なににしても曹操を納得させないといけない。この国を守りたいから、いがみ合うのを止めようってな。これはそのための戦いだろうな…」

「曹操を納得させるための戦い、ですか」

 

そこに皆が来た。

 

「戦って、曹操さんの力を弱めて。…そうしてようやく曹操さんと対等に会話できる」

「同じ机につかないと、話なんて出来ないのだ」

「曹操はそういうのだって、最初に会った時に聞いたからな。だったら、この戦いに勝って、曹操を説得させるってことだ。

だから桃香…。今はその優しさは出さないでくれ。戦場で優しさを……甘さを出すのは俺だけでいいんだ。それに理想と現実は食い違うところがあるしね」

「それは分かってるよ。ごめん、ちょっとだけ、これで良いのかなって考えちゃって」

「気にするなよ。それが桃香のいいところだからね。

(今度こそ、決着をつけよう……曹操)」

 

一刀はライダーパスを強く握り締めて、そう考えた。

 

 

その頃、曹操はかなり悩んでいた。死んではいないとはいえ、電王に敗北した。

それなのにもかかわらず曹操はまだ戦おうとしていた。

曹操はその事があって自分の目指す頂に靄が出ていると思っていたところを、夏侯淵が相談に乗っていた。

 

「華琳様」

「何?」

「私はいつもこう思っております。天命は天より至るものではなく、曹孟徳の行いによって曹孟徳に至るものだ。

あなたはあなたの信じる道を、ただまっすぐに進めばいいのです。それこそ、我らが愛しい主の姿。

あなたが死ぬのなら、私たちも死にましょう。あなたが生きるのならば、私たちはそれを支えましょう。

何が正しいのか、何が間違っているのかではない。曹孟徳の選んだ道が、すべからく正義なのです。我らにとっては」

「秋蘭……」

「出すぎた事を言いました。しかし…そろそろ他者の心に現出する曹孟徳では無い。華琳様の心のままに動くのも、良いのではありませんかな?」

 

曹操は少し考える。正直な話、電王に負けて凪達につれられて退却していた時、曹操は負けた以上もう戦わない方が良いのだと考えたりした。

しかし生、そして誇りがあるうちはまだ敗北ではない。曹操の持つ志がそうさせ、今に至るのだ。

 

「…そう出来れば良いわね」

「いつか…出来る時が来るでしょう。時は進み、世は変わる。…常に一箇所に止まっている事象など、ありはしないのですから」

「…ありがとう。その言葉、肝に銘じておきましょう」

 

曹操は笑いながら、夏侯淵に言った。

 

「だけど、今の私は曹孟徳の衣を必要としている。その衣と共に出陣しましょう。最後の戦いに向かって…」

「御意。…どこまでもお供いたしましょう」

 

曹操は本当は気付いていた。その衣が電王によってボロボロになっていた事を……。

それでも曹操は覚悟を決めた。例えボロボロの衣であろうともこれで本当に最後にすると……。

 

 

戻って蜀呉陣営で…。

 

「あっ、やっときた。…遅いわよ?」

 

孫策が待ちくたびれたように桃香達に言う。

 

「悪いね。少し考え事をしててね」

「考え事?」

「天下三分の計。その目指すところについて…」

「目指すところ、か。天下三分とは、勢力の均衡を保ち、三すくみの状況を利用し、擬似的な平和を作り出そうとする策。

無二の平和など存在しない。平和の裏には必ず駆け引きが存在する。駆け引きをしながら、最後の一線を越える事に対して、三すくみを利用して自制する心を引き出す。それこそがこの策の真髄だ」

「うん。それは分かってます。でもね、私、思うんです。駆け引きじゃない。心から分かり合えることは出来ないんだろうかって。

だって……私と雪蓮さんだって、心から分かり合えたんですから」

「買いかぶりすぎよ、桃香。私は呉のためならばあなたを裏切ることさえ厭わない。…そういう人間。

心からわかり合えたって、そう言ってくれるのは嬉しいけど。でも誰もが桃香のように、純粋に、無垢に人を信じているわけじゃないわ」

「まあ人間はそれぞれ個性があるな」

「でも…逆に言えば、雪蓮さんは呉に何も無ければ裏切る事はしないってことでしょう?」

「それはまぁ。好き好んで大戦を起そうなんて気はないけど」

「なら、曹操さんとだって分かり合えるはず。曹操さんの目指すところも、私達が目指すところも、同じ頂なんですから」

「うーん……まぁ何かきっかけがあって、一致団結できるなら、それも可能かもしれないけどね」

(一致団結になるきっかけ……。となると共通の敵ってことになるのかな?)

 

一刀は頭で考える。

 

(この大陸の人間が共通の敵として認識してるとなると…、五胡だな。でも五胡は俺が大分前に懲らしめたから動けないはずだし…)

「しかしそんな事は万に一つも無いだろう。…劉備よ。そんな甘い考えでは……」

「足下を掬われるぞ、でしょ? 分かってる。分かってます、それぐらい。

だけど…この気持ちは失いたくないです。いつかきっと…曹操さんとも分かり合えるって、そう信じていたい」

「俺も……」

 

軍議を終えた一刀達は決戦になるであろう、襄陽に向かい、曹操軍も軍を襄陽に向かっていた。

そして襄陽で互いの軍が接触し、曹操と桃香の舌戦が繰り広げられた。そんな時、恐るべき知らせが届く!

 

「申し上げます!」

 

突然、魏、呉、蜀の伝令兵がやってきたのだ。

 

 

「なんだ?」

「せ、西方の国境が五胡の大軍団によって突破されました!」

「南西も同様に、五胡の軍勢が……!」

「南方も同様! 五胡の軍勢は国境を突破し、破竹の勢いで北上を開始しております!」

「なんだと!?」

 

その知らせは桃香達、首脳よりも一刀が一番驚いた。

 

「あいつら……、俺が前にかなり懲らしめたんだぞ! それだけの勢いをつけるには悪く見積もっても、三年はかかるはずだ! 何故だ!?」

「そ、それが……」

「わかってるのか、わかってないのか!? 言え!」

「はい……。五胡兵の中には異形の姿をしたものが多数いるのです」

「異形の姿?」

「はい。それはもう人でも獣でもない。怪物で見たこと無い刃物のようなものを投げたり、刀を背負っていました」

「怪物……見たこと無い刃物のようなもの……刀を背負ってる……まさか!?」

「ご主人様?」

「まずいぞ……そいつらって怪人じゃないか!」

「かいじん?」

「名前の通り人じゃない。と言っても獣でもない。それ以上におぞましい存在だ。まさにこの大陸、いや人類の敵!

(だが何故怪人がこの世界…それもこの時代に……)」

「国境を突破した五胡の軍勢は各地の城を次々と落とし、兵士、民衆、を問わず、全てに人間を根絶やしにするように大殺戮を行っております!」

「皆殺しか…。怪人らしいやり方だ……。数は!?」

「その異形の者と五胡兵を含め、およそ百万!」

「南西よりも侵入した五胡軍も約百万! 同じく殺戮をしています」

「南方も同様です!」

「わかった……」

 

一刀は頭を抱える。

 

「くそ、ここに来てようやく仮面ライダーの本当の相手の怪人か…。話を聞くと敵はゲルニュートだけか……。

下手したら他の怪人達もいるかもしれない……。とにかく言えるのはただ一つ……、曹操!」

 

一刀が曹操を呼ぶ。

 

「!?」

「俺達に協力しろ! じゃないとこの国、いやこの世界全てが怪人に支配される!

いくら仮面ライダーの俺がいると言っても仮面ライダーは俺一人だ。さすがに三百万の数を相手にするのは辛い。

幸いゲルニュートは怪人の中ではそんなに力は無い。強い奴で当たれば倒せる相手だ。協力してくれ!」

「北郷……」

 

曹操は考える。赤壁のとき曹操は一刀に負けているのだ。本来なら曹操はそこで死んでいた。しかし一刀は殺したくないとしてわざと見逃した。

覇王たる自分が借りを作ったままで良いのか? そんなわけがない。そして今こそ曹孟徳の…覇王の衣を脱ぎ捨てる機会だと曹操はそう考えた。

 

「いいわ、協力しましょう」

「曹操さん」

「赤壁であなたに負けた借りを返すのにもちょうどいいし」

「へ?」

 

桃香が一刀の方を見る。

 

「実は俺、曹操と戦って勝ったんだけど、見逃しちゃってな…」

 

一刀が頭をかくようにして答えた。

 

「あんたねぇ……」

「でもそのお陰で今、こうやって軍をそろえることができたんだ。結果的にはよかったと言う事で……」

「……まあ、確かに結果的には良かったわね」

「それじゃあ?」

「魏軍も総力を挙げて協力するわ」

 

曹操も協力する事を約束した。

 

「となると、すぐに大人数を移動できるもんがあれば…」

 

マシンデンバードじゃ、一人、良くて二人がいいところである。

一刀がそう考えていると突然汽笛の音が聞こえる。

 

「何、この音?」

「この音は!?」

 

一刀が空を見あげる。突然空の一部の空間が光の穴が出てきて、そこからレールが敷かれ、先頭が赤く、一本の長い電車が一刀達の前で止まった。

 

「これって…」

「デンライナー!」

 

一刀がその電車の名前を叫ぶ!

 

「でん……らいなー?」

「電王の本来の乗る電車。電車ってのは俺の世界にある乗り物だ。馬なんかより速い。しかもこれだけ車両が長いなら、かなりの数が詰めれる!」

 

そのデンライナーは一刀が見たことも無いほどに車両の数が多く、連結されていた。

一刀がデンライナーの車両の中を見てみると、その中の広さ一刀の想像以上であり、全部の車両を合わせれば、この場にいる三国全軍の兵士を収納できるほどに……。

 

「皆に伝えてくれ! 全員デンライナーに乗り込んでくれ! これで各地の五胡兵のところに皆を運ぶってな!」

「ご主人様…」

「いいから早く!」

「は、はい!」

 

一刀の気迫はかなりのもので、皆一刀の言葉に従い、全兵士を急いでデンライナーに乗車させた。

 

「ご主人様、皆乗ったよ」

「よし!」

 

一刀はデンオウベルトを取り出す。しかしそのデンオウベルトはいつものと違い鳥の羽が付いてるようなものであった。

 

「変身!」

「ウイングフォーム」

 

一刀は電王に変身した。しかしそれはいつもの、ソード、ロッド、アックス、ガンフォームではない。

その特別なデンオウベルトのみが変身できる電王ウイングフォームに変身したのだ。

 

「降臨……満を持して……」

 

一刀がウイングフォームのいつもの台詞を言うとデンライナーの先頭にマシンデンバードと共に入り、マシンデンバードのキーボックスにライダーパスを入れ、デンライナーを正常に起動させた。

 

「ではゆくぞ! 皆の者、しっかりつかまっておるのだぞ」

『了解!』

 

 

一刀はデンライナーを発進させ、五胡軍を討伐に向かう。

三国の将全員がバラバラになっても協力をする。

南西で紫苑、黄蓋、桔梗、夏侯淵、呂蒙。西では愛紗、鈴々、焔耶、夏侯惇、周泰。南方で星、恋、李典、于禁、甘寧。

機動部隊としての補佐で翠、凪、霞、白蓮、麗羽、斗詩、猪々子に分かれた。

一刀は機動隊と共に北方に下りて五胡兵と戦っていた。

 

「てゃあ!」

 

ウイングフォームの巧みな動きにより、確実に五胡兵とゲルニュートを倒していく。しかもいつもは人を殺さない一刀だが、今回は五胡兵を殺している。

それはそうだもう五胡兵も人間ではない。一刀はそれを察知しているのだ。

 

「これで終わりにさせて……」

 

一刀がベルトにライダーパスを通そうとすると……。

 

「でゃっあ!」

 

一刀の前に突然光の弾が飛んできて、一刀はそれをギリギリ横に回転して回避した。

 

「今のは……」

 

一刀が光の弾が飛んできたほうを見る。そこには軻比能と一緒に話していた謎の男が見たこと無い杖を持って、前に立っていた。

 

「今の……人間技ではないな。何者だ、お前は!」

「我が名は拓跋部(たくはつぶ)」

「拓跋部? はて、聞いた事ない名であるな」

 

一刀が拓跋部と言われてもさっぱりと言う態度をとる。

 

「知らないのも無理は無いな。俺はこの時代から遥か後、北魏の人間だからな」

「北魏……」

 

一刀が頭の片隅にある知識で何とか北魏の事を搾り出そうとするが、北魏と言う名前だけしか分からない。

 

「お前は一体……」

「知らないのか。俺は北魏の創立者だ」

「……創立者……。そんな未来の人間がこの世界に何ようだ?」

「この世界の歴史を変える。それだけだ」

「歴史を変えて何になる?」

「北魏は後に西魏、東魏となり滅亡する。それはまだいい。だがその後の隋が許せんのだ」

「隋だと?」

 

隋の事は少しだが一刀もわかっている。

 

「隋、それは漢民族が立ち上げた国だ。せっかく我が部族が立ち上げた国を漢民族のものに支配されるの俺が許さん」

「それで歴史を……」

「そうだ。この世界の歴史、つまりこの時代の三国を五胡が完全に滅ぼせば、歴史は変わる。そして漢民族を一人残さず皆殺しにすればこの大陸は永遠に我ら五胡の民族のものだ!」

「そちは……それから先の歴史を知らないと見る」

「いや、知ってるさ。俺はその後の歴史を見た。隋の後に唐が出来、元が出来、清が出来…、そして中国の一部はよその大陸の国の人間が支配する事も……」

「ならば!」

「いや、そうはさせん。そんなこと俺がさせん。だがその前にこの漢民族を皆殺しにする。対策などその後で良い」

「そちのその考えは完全に誤っておる」

「ほう…?」

「自分の国が滅ぶのは仕方ない事だ。それは世界の歴史がそうだ。永遠にその部族が生きる事などないのだ。

そちがこの世界の歴史に立ち向かうのは構わない。しかしだ。その為に自分の民族以外の者を殺してよいなどそんな理由は無い」

「いいや! あるね! 俺は俺の国を続けさせるため! この時代の三国、いや漢民族を殺す!」

「どうやら、そちと話しいても埒があかないようだな」

「ああ、そうだな! 仮面ライダー!」

 

 

拓跋部が空に穴を開けるように杖を突き、杖の先が穴を開ける。

 

「変身!」

 

拓跋部の姿が光に包まれ、拓跋部はゴルドラに変身した。

 

「ゴルドラ…、なるほど、そちは鬼の力を……」

「俺だけではないぞ!」

 

拓跋部が後ろを向くとそこに五胡の長、軻比能が似たような杖を持って現れた。

 

「そちもか……」

 

軻比能が拓跋部と同じことをした。

 

「変身!」

 

軻比能はシルバラに変身した。

 

「ゴルドラにシルバラ…よかろう。人をやめ、鬼になったものを私が成敗してやろう。皆の者手を出すでない」

 

一刀が手を後ろにやって、翠達に来るなと合図を送る。

 

「でもご主人様!」

「この二人はゲルニュート以上の力がある。それこそ我の仮面ライダーの力と互角かそれ以上…。ならば我が相手をするしかない。

お前達は、他の五胡兵とゲルニュートを頼む」

「……一刀…」

「一刀さん」

「うん?」

「それが終わったら、ちゃんと私との決着をつけてくださいね」

「ああ、約束しよう」

 

翠、霞、凪が一刀の言葉を聞き、機動隊は一刀の邪魔をしないように五胡兵達を何とか一刀から離して戦う。

 

「お前一人で我らに勝てると思うのか?」

「さあ? やってみないと分からないではないか…」

 

一刀とゴルドラ、シルバラとの戦いが始まった。

一刀は巧みに攻撃をするも、ゴルドラとシルバラに防がれ、二人の同時攻撃に中々防御が回りきれない。一刀が隙を見て二人に攻撃をしても二人同時相手のため、ダメージを与えるにしてもそのダメージは僅か。

一刀がライダーパスを通し、フルチャージし、ロイヤルスマッシュをかまそうとすると、ゴルドラとシルバラは二人の杖を合わせて、エネルギー弾を作り出し、飛んでくるデンガッシャーと相殺させる。

爆発させた、エネルギーにより、一刀だけが後方に吹き飛ばされ、翠達の所に吹き飛んだ。

 

「うわっ!」

「ご主人様!」

「大丈夫、ご主人様?」

 

蒲公英が心配で一刀の方に寄る。

 

「大丈夫だ」

 

一刀が立ち上がろうとすると、まだ伏せていたゲルニュート兵が一斉に飛び出して、一刀達を襲う。

 

「まずいな」

 

一刀がそう思った瞬間! 突然ゲルニュート達が横から飛んできた何かにぶつかり目の前で爆発した。

 

「む?」

 

一刀が近くを見回すと、そこには自分が見たことある、仮面ライダーがいた。

 

「アギト……」

 

仮面ライダーアギトシャイニングフォームが居た。

 

「お前は?」

「………」

 

アギトは黙る。一刀は仮面ライダーアギトを見てふと笑った。

 

「面白い。そちらがパワーアップ形態なら我もパワーアップしようではないか!」

 

 

一刀はケータロスを取り出し、ウイングフォーム用のベルトに付けた。そして電王はさらに姿を変え、

クライマックスフォームを更に強化させた姿、仮面ライダー電王超クライマックスフォームに変身した。

 

「やっぱ、ひらひらしてるな……。まあ、仕方ねえか……」

 

電王とアギトがふと見ると、前にはゴルドラとシルバラがいる。

 

「仮面ライダーが二人……。二対二と言う事か」

「言っておくが、ここからが本番だ。俺は最初っから最後までクライマックスだ。手前らの泣き言は聞かねえぞ。

翠! お前達ははやく離れろ!」

「わかった…」

 

翠達は急いで二人の仮面ライダーから大きく離れた。

 

「じゃあ、いくぜ!」

「フルチャージ」

 

電王がライダーパスでフルチャージし、右足にオーラエネルギーが溜まっていく。

アギトはシャイニングカリバーを取り出し、両手で持ち、力を溜める。

ゴルドラ、シルバラは先ほどと同じように杖をあわせ、先ほどよりも大きなエネルギー弾を作り出す。

 

「これで……」

「消えろ!」

 

ゴルドラとシルバラが溜まったエネルギー弾を繰り出すが、アギトがカウンターするようにシャイニングクラッシュでそのエネルギー弾を爆発させ、

残ったシャイニングクラッシュの真空刃がゴルドラとシルバラを襲う。

 

「ぐぅおおおおお!!!」

「ぬぅおおおおお!!!」

 

ゴルドラは気付いていなかった。その爆発の隙に電王が背中のウイングを利用して高く飛び上がり、ライダーキックを自分に向けている事を……。

 

「どぉおおおおりゃああああああ!!!」

「危ない!」

 

シルバラはとっさに気付いて、ゴルドラをかばう。ライダーキックはシルバラを直撃させた。

シルバラはもうまもなく爆発するが、死ぬ前に断末魔を叫ぶ。

 

「五胡は永遠に不滅だーーーーーーーー!」

 

断末魔と共にシルバラは爆発していった。

 

「ご主人様!」

 

そこに先ほど下がった翠達や、自分達の持ち場の戦いを終えた愛紗達が皆集合していた。

 

「皆……」

 

一刀が感動に浸ろうとするが、それはしない。まだゴルドラが残っているのだから……。

 

「許さん、許さんぞーーーーーーーーーー!!」

 

ゴルドラの叫びと共にどこからとも無く、巨大戦艦が空に姿を現した。

 

「あれは……そうか、こいつでこの時代に来たんだな」

「たあっ!」

 

ゴルドラは巨大戦艦から出てきた紐にしがみつき、巨大戦艦に乗り込んだ。

 

「皆、デンライナーに乗れ! じゃねえと、危険だ! デンライナーの中でも危険かもしれないが、外にいるよりは安全だ!」

 

一刀が急いで自分のところにやって来た将達をデンライナーに乗せ、自分もソードフォームに戻って、デンライナーの先頭に乗り、マシンデンバードでデンライナーを操り、巨大戦艦と戦いを挑む。

 

「うりゃ! うりゃ!」

 

デンライナーに備え付けられている武装と巨大戦艦の巨大な砲台から放たれる武器がそれぞれ激突する。

その様子を地上で傍観するアギト。

 

「さてと、俺はひとまず、帰るか。もっとも俺が帰りたい世界に帰れるかは華琳次第だが……。後は任せるぞ。この世界に来た俺…」

 

そういうとアギトは姿を消した。

 

 

 

おまけ

 

 

作者「さあて、次回で終わりの仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編」

一刀「あのアギト何者? てかあれって超電王のディケイド的だな」

作者「言えん。だがこれだけは言える。俺が後々で投稿する作品で完全に正体が判明すると…」

一刀「そうか…。しかし、何でまた超電王の奴が出たんだ?」

作者「原作での蜀編は五胡との戦いで終わるからね。でも仮面ライダーの力がある以上、普通の名無しの雑魚で戦うのはひどいと思って、無理やりだが、超電王の敵を思いついてそれにした。

それにデンライナー出したかったし…」

一刀「何で?」

作者「終章で唐突に出しても…と思ったからだな。もっともこの話で唐突に出てきてるし、出てきた理由は不明だけどな」

一刀「お前の作品に出てくる仮面ライダーのものは全部唐突だぞ」

作者「まあそれも後々の作品で明かされることになるだろうな…。そして次回は終章!

前の魏編と同じでおまけはありませんが、お知らせは出すつもりです。そして投稿は今日の夜のつもりです。それでは……」


 
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