No.117682

真・恋姫†無双 十√ 7

kazさん

オリキャラ:大将軍何進
 アニメで女性だったのでその印象で女性設定にしてみました
 性格 :派手好きで化粧が濃くて馬鹿、でも実は結構芯の強い女性
     自分の過去の境遇が気にいらない、高貴?な言葉使い、常に大物であろうとする

2010-01-10 09:13:55 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:44418   閲覧ユーザー数:29689

涼州

 

月がとても綺麗な夜、涼州の城の城壁に二人の少女の姿

 

一人はいかにも儚げな少女、しかしこの涼州の牧、名を董卓、真名を月と言う。

もう一人は緑色の髪の眼鏡をかけた少女、董卓の軍師、名前は賈翊、真名は詠と言う。

 

「くすくすくす」

 

楽しげに笑う月に詠は頭を抱えている、何故頭を抱えているかと言うと、月が配下の呂布(真名は恋)、張遼(真名は霞)が陳留での出来事を楽しく話したからだ、なかでも天の御遣いと噂される人物の話になると二人とも楽しげに語り、恋に到っては「かずと、いいひと」と頬を染める始末、今までそんな姿を見た事のなかった月はその天の御遣いに興味を示し、色々な話を聞いた、そんな話を思い出し楽しげに笑っていたのだ。

 

それに対し詠の方は陳宮(真名は音々)の話を聞いて「あのち●こは危険人物でありますぞ!」との報告を思い出していた、まぁ音々が恋一筋な事を知っていたので多少酷く報告してるとは思っているが、っていうかち●こって何よ!

詠自身天の御遣いなどという胡散臭い人物を信用してる訳ではない、ただ陳留の異常なまでの平和と安定と発展、急激な軍事力の増大、そしてあの黄巾党本隊を壊滅させ首魁の張角を討ち取ったという話は聞いていたので興味はあった、そして、危機感も抱いていた。

 

そんな詠の心配をよそに主君の月は。

 

「私、天の御遣い様にお会いしたいな」

 

などと言うのである、正直月をそんな胡散臭い男なんかに近づけたくない!という月への防衛本能が。

 

「何言ってるのよ!そんなのダメ!ぜぇーーったいダメ!いきなり襲ってくるかもしれないでしょ!月可愛いんだから!」

 

と、強く言ってしまう。

 

「大丈夫だよ詠ちゃん、恋さんも霞さんも、御遣い様はいい人だって言ってたし」

 

「音々は危険人物だって言ってたわ!ち●…/// とにかく危険だって言ってたわ!///」

 

「音々ちゃんは恋ちゃんが御遣い様に取られちゃうって思って寂しかったんじゃないかな、

私だって、詠ちゃんが誰かを好きになっちゃったら寂しくなっちゃうと思う」

 

「な!ななななな!何言ってるのよ!も、もう月ったら!////」

 

「くすくすくす」

 

そう言ってまた楽しげに笑う月、こんなに楽しく笑う月を見たのはいつ以来だろう、詠はそんな事をふと思う。

 

「月、寒くなってきたわ、そろそろ城に戻りましょう」

 

肌寒く感じた詠は月の体を心配してそう提案する、しかし月は動かない、何かを思うような感じ、そして。

 

「……詠ちゃん、今度の戦いで、また沢山の人が死んだの?」

 

「えっ!」

 

詠は極力血生臭い戦いの話は月には聞かせないように気をつかっていた、でも全てを隠し通せる訳ではない、どこかから月は最近進入してきた異民族との戦いの話を聞いたのだろう、詠は諦めた様子で、でも極力月に心配かけさせないように考えて。

 

「う、うん、でも華雄が頑張ってくれたおかげでこちらの被害はたいした事なかったわ、相手も追い返したししばらくは近寄ってこないから安心して!」

 

ここ涼州は北方の異民族の襲撃を度々受ける不安定な場所だった、それでも涼州の誇る騎馬軍団、そして有能な武将、そして詠の知略によって幾度もの襲撃に勝利し続けていた、しかしその戦いの連続で兵士達の被害は見逃せないものになっていた。

 

「…ごめんね」

 

「な、何で月が謝るのよ!謝るような事してないでしょ!大丈夫、ボクにまかせて!きっと二度とあいつらがこれないようにしてやるから!」

 

「ありがとう、詠ちゃん、いつも、ごめんね」

 

やめて、そんな顔見せないで!お願い!月にはずっと笑顔でいて欲しいの! そんな想いを口に出せない詠。

 

月は今度は城壁から街並みを見回す、この街は月と詠によって治安もよく守られている、しかし、住む人々の多くは飢えている、元々この涼州はそんなに裕福な場所ではない、収穫も悪く、度重なる戦いで民も兵も疲弊しきっているのだ。

 

「詠ちゃん…」

 

「な、何?どうしたの月?」

 

「私、思うの、きっとその天の御遣い様なら、今のこの国をなんとかしてくれるんじゃないかって」

 

「月!何言ってるのよ!そんなどこの馬の骨ともわからないような変な奴に国がどうこうできる訳ないでしょ!この国は、月のような人に治めてもらうのが一番なんだから!」

 

「ありがとう詠ちゃん、でも、きっと私には無理だよ」

 

「そんな事ない!大丈夫!ボクに任せて!きっと月をこの大陸の王にしてみせるから!きっと!」

 

詠は必死で月に訴える、この儚い少女は幼い頃から辛い想いをしてきた、もう二度とそんな想いをさせたくない。

そう思って必死で勉強し必死で兵法を覚えた、そして涼州でも知らない者がいないほどの軍師にまでなった。

 

弱小貴族の月をなんとかそれなりの勢力にまでしたのは月のカリスマと詠の統率力、恋や霞や華雄といった一騎当千の武将達の武によるものであった、いつか、大陸の王となる為に。

今はまだその時じゃない、でもいつかきっと…

 

「詠ちゃん…」

 

必死で語る詠、しかし月は見抜いていた、詠が自分の為に誰よりも無理している事を、

詠は月にとってかけがえなのい存在、自分にとって大切な人、その人が無理をしている姿を月はこれ以上見たくなかった、そんな想いが…

 

「もう、無理しないで」

 

そう言うと月は詠をそっと抱きしめる。

 

「月…」

 

詠はその言葉をかみ締める、自分の力がないせいで月に心配をさせてしまっている、辛い想いをさせてしまっている、なんて無力なんだと…

詠の目から涙が溢れ出る。

 

「うっ…ううっ…ごめん、月、ごめん…」

 

「詠ちゃん、泣かないで」

 

 

力があれば…

 

 

月にもっと幸せをあげられるのに…

 

 

そんな想いが溢れる、だからこそなのかもしれない、もし、冷静な判断ができていたなら…

 

悪魔のささやきを振り払う事が出来たかもしれなかった…

 

 

ドカドカドカッ

 

 

二人の空間に入ってくる兵士、そして、その兵士の発した言葉、そしてその意味に

 

 

「董卓様、賈翊様!洛陽より十常寺の張譲様の御使者が参っております!」

 

 

 

詠はすがってしまった。

 

 

 

 

 -そして群雄割拠の時代が始まる-

 

 

 

 

時間は少しさかのぼる

 

洛陽にて

 

一刀は春蘭、秋蘭と共に洛陽の街に来ていた。

西園八校尉として初めて洛陽に来て、大将軍何進と面会する機会に恵まれたのだが…

 

 

「おーーーほっほっほっほ !お久しぶりですわね、袁本初さぁん、相変わらず貧相なくるくるしたお髪ですこと!」

 

「おーーーほっほっほっほ !お久しぶりですわね、大将軍何進様、あらあらまた化粧が分厚くなられましたのね!」

 

「おーーーほっほっほっほ!」

 

「おーーーほっほっほっほ!」

 

 

何この状況…

 

大将軍何進と面会に来た俺は同じく西園八校尉の袁紹と出会う、まぁ向こうは俺を見て一瞥しただけだが、まぁいかにも成金主義の馬鹿貴族って印象、桂花からも袁紹の悪口を聞いてはいたが、実際見てその通りだなと思ったり。

他にも袁紹の従姉妹に当たる袁術さんもいたが、こっちはなんていうか袁紹を小さくした感じの世間知らずのお姫様という感じだ、付き添いの張勲というなんかバスガイドさんみたいな人がやたらその子を持ち上げてたのが印象的。

 

でもって、この漢の大将軍何進に拝謁したわけだが…、こいつががまぁなんというか、確かにスタイルはよく胸も大きく色気むんむんな感じではあるが、化粧がやたら厚くあちこちくるくるした銀髪、性格はなんていうか馬鹿をさらに馬鹿にした感じ、なんていうか袁紹が二人いるような感じ、こんなんが大将軍なんだから漢の命運はもう尽きてるんだなと改めて思ったりした。

 

 

「おーーーーっほっほっほっほ!しかし相変わらず悪趣味な金ピカですこと、そんなものいつも身に着けていたらお肉がついてさぞ大変でしょうねーーー、おーーっほっほっほ!」

 

「おーーーーっほっほっほっほ!何をおっしゃいますの、金色こそ優雅さの表れ、この美しさが理解できないだなんてあきれ返ってモノも言えませんわぁーーー、おーーっほっほっほ!」

 

「おーーーーっほっほっほっほっほ!!そういえばこの間とても美しい、この優美で華麗なる大・将・軍!の私にとても似合う宝石を頂いたのですが、まぁ貴方にはそんなもの一生かけても手に入れられないでしょうねぇーーーー!

なにせ私は大・将・軍!なのですから!おーーーーーほっほっほっーー!」

 

「おーーーーっほっほっほっほっほ!!宝石なんてもうこの優雅で華麗で威風堂々としたこの名・家!のこのわたくしは見飽きましたわぁーーー、大将軍様はそのようなものをまぁだ珍しがっていたなんて、名・家!のワタクシ呆れかえってしまいますわーー!おーーーーーほっほっほっほーーーーー!」

 

 

とかもう一時間くらいこんなやり取りやってたり、いや、お前らもう、いい加減にしろよほんと…

 

「七乃ーー、喉が渇いたのじゃー」

 

「はぁーーい、すーぐ蜂蜜水を持ってきますねぇー」

 

袁術と張勲さんは何か別の場所で独自の空気だしてるし、慣れてんだろうな、こいつら。

 

 

「「おーーーーーーーほっほっほっほーーーーーー!!!!」」

 

 

 空が夕陽に包まれ始めた頃、俺はようやく解放される、頭に「おーーほっほっほ」ってのがこびりついて離れん。

 

「北郷やっと戻ってきたか!遅いぞ!」

「北郷、お疲れ様、姉者がお前が中々帰ってこなくてヤキモキしていたんだぞ」

「ば、馬鹿を言うな!わ、私は別に北郷の事なんか待っていない!ほんとだぞ!////」

「うんうんありがとう二人とも」

 

なんかこのやりとり聞くとさっきまでの意味不明なやりとりがほんと馬鹿馬鹿しく思えてきて安心する。

 

「二人とも食事まだだったら今から食べにいかないか?」

 

「そうだな、姉者はどうする?」

 

「おう!当然北郷の驕りだからな!いいな!後で払えと言っても絶対払わんからな!」

 

「はいはい、といっても、洛陽は初めてだし、どこに行ったらいいんだろ」

 

という俺の疑問に秋蘭が。

 

「なら、私にまかせてくれ、洛陽には曹嵩様のつきそいで何度か来てた事があるからな」

 

「おお、さすが秋蘭頼りになるな、…しかし」

 

「ん?どうした北郷」

 

「いや、洛陽ってこの国の首都なんだよな?来た時にはその大きさにしか目がいってなくて気付かなかったけど、よく見回すと…」

 

そこには寂れた街並み、そして多くの浮浪者のような人々、家が焼け落ちて手付かずの場所や所々壊れた家も見られる、綺麗なのは宦官や朝廷の高級官僚のいる区画だけと言っても過言ではないほどの有様。

 

「これがこの国の現状と言うやつだよ、中央は腐りきって民の事など考えない、自分達の地位とその安寧以外興味ないといった有様、だからこそ、誰かがこの国をなんとかしなければいけない、誰かがな」

 

「そうだね、その誰かになれたら…、いや、ならなきゃいけないな」

 

その言葉にふっと笑みを漏らす秋蘭、その姿につい見惚れてしまう、うん、やっぱ秋蘭は美人だよな、そんな事を思ってると。

 

「北郷、秋蘭何をやっている!早く来んか!料理がなくなってしまうだろうが!」

 

「ははは、待ってくれ姉者」

 

まぁ難しい事はまた考えよう、今はまず「おーーーーーほっほっほ」というステレオサウンドのあの馬鹿共の事を忘れるくらい

飲んで食って楽しもうかなと思う一刀だった。

 

 

 

 

秋蘭、春蘭が洛陽に来たらよく行く店、という所に来てみると。

 

「お?一刀に惇ちゃんに淵ちゃん?なんであんたらいんの?」

 

「 …かずと?」

 

「な!ななななななな!何でち●こがここにいるのですかーーーーーー!!!!」

 

そこには、恋、霞、陳宮がもふもふと食事中だった、ってか陳宮は相変わらず俺を男性生殖器扱いか…

 

「霞達こそ何でここに?」

 

「んー、まぁうちらは洛陽の街を偵察ゆうかえーっと、あーもう面倒臭い!とにかく洛陽の情勢を見て来い言われててな」

 

「よくわかんないけど仕事みたいなもんかな?ところでここ一緒していい?俺らも食事しにきてさ」

 

「おお、ええよええよ、食事は人多いほうが楽しいしな、その代わり酒おごってな~」

 

と、俺に擦り寄ってくる霞、かなり酒臭くて床には空っぽの酒瓶がいくつもあったり、どんだけうわばみなんだこいつ…

 

「かずと、いっしょに食べる!」

 

霞と恋は凄く好意的に迎え入れてくれる、しかしただ一人陳宮さんだけは。

 

「く、くるなですーーー!せっかくの美味しい食事もち●このせいで台無しになるです!

来るなです!このち●こ!ち●こ!ち●こ!ち●こーーーー!!!!」

 

「ち●こ連呼すんじゃねえ!!!おま、ここどこだと思ってんだ!見ろっ!周りお客皆すっげー嫌な目で見てんだろーが!」

 

「だったらここからとっとといなくなるです!邪魔なのです!」

 

ああ、こいつほんとムカつく、こいつが俺をち●こ呼ばわりしたせいで桂花とかも俺をち●こ呼ばわりするし!一度こいつには灸を据えてやろうか!とかギリギリしていると。 

 

 

ポカッ!

 

 

「あ、あう、呂布殿~な、何をするのですか~」

 

「ちんきゅ、恋、かずとと一緒にご飯食べたい、酷い事言っちゃだめ」

 

「う、ううううう、わ、わかったです…ぐぐぐぐぐ!ち●こめー、覚えているのです!」

 

なんかめっさ睨んでるんですけど、まぁいいや、ようやく座れそうでよかったよかった、ん?春蘭と秋蘭は…

もう注文とかして食べ始めてるし。

 

「俺の存在ってなんなんだろうね…」

 

 

 

 

それからしばらく俺たちと霞たちは一緒に行動する事が多くなった、お互いに情報交換をしたり剣の稽古をしたり。

特に春蘭なんかは霞や恋とやりあえて凄く楽しそうだった、それもそうだろう、陳留で春蘭とまともにやりあえる奴なんかいないから、何だかんだで春蘭は強い、大陸でも屈指の武将だと思っている。

その春蘭と互角に近い霞もさすがだとは思ったが、恋の強さはその二人を遥かに凌駕していた。

 

 

どっかーーーーん!!!

 

 

「ぬああっ!」

 

「また、恋の勝ち」

 

恋の一撃で吹き飛ばされる春蘭、稽古とはいえ結構手加減なしだよね、恋さん。

 

「ぐぬぬぬぬぬ!も、もう一度だ呂布!!」

 

「はーい、これで恋の27勝0敗ー」

 

「五月蝿いぞ北郷!さぁもう一度だ呂布!」

 

 

ぐううううううううううううううううううううううううううううううううううう

 

 

「恋、おなかすいた、もうやめる」

 

「姉者、私達もそろそろ食事にしよう、あまり無理をしてもいい結果はでないと思うぞ」

 

「ぐ…、わ、わかった」

 

秋蘭に諭されようやく剣を引っ込める春蘭、なんかこうしてるとどっちが姉だかわかんなくなるなぁ…、そんな風に二人を見ていると恋が俺の所にててててててててって近寄ってくると。

 

 ぴとっ! そんな感じで俺に寄り添ってくる。

 

「かずと、ご飯一緒に食べにいく」

 

「お、おお!////いいぞ!今日は何が食べたいのかな?」

 

「なんでも…、かずとと一緒のご飯なら、なんでもおいしい」

 

ああもう!可愛いなあ!もうこの子の為ならなんだって食わせてあげたくなるぞ!金そんなないけど!

 

「一刀ーー、恋に変な事したらあかんでーー、まぁ双方合意ゆうんやったらかまへんけどな」

 

「い、いやしないから! …春蘭、七星餓狼しまってくれ、ほんと何もしないから!」

 

「北郷、姉者は自分も北郷に優しくしてほしいのだよ」

 

「な、なぁっ!//// 秋蘭!な、何をっ!いいか!私は別に北郷に優しくしてもらおうだなんて思ってないからな!ほんとだぞ!////」

 

「ふふっ、わかっているよ姉者」

 

そう言いながら顔はなんか赤くなってる秋蘭、心が読めるよ、うん、照れる姉者も可愛いなぁとか思ってるんだろうね。

 

「そういや陳宮はどこに行ったんだ?いつもならこの辺で俺にちんきゅうきーーっくとかしてくるのに」

 

「ああ、ねねやったらうちらの秘密の隠れ家にいっとるわ」

 

と、俺の疑問に霞がさらっと答える。

 

「秘密の隠れ家?って、なんかいかがわしい事でもしてたりすんの?」

 

「アホいいな!別にやましい事なんかしとらんわい!まぁ何ていうか、詠にはまだちょっと言えんってだけの事でやな、えーーっと」

 

「いや、別に無理に聞くつもりはないよ、ちょっと秘密の隠れ家って言葉が気になっただけだから」

 

「…かずと、隠れ家に行く?」

 

恋が俺に聞いてくる、上目使いで触角をぴくぴくさせんでくれ、可愛いすぎてどうにかなりそうだ。

 

「え、えと…いいの?」

 

コクッ

 

そううなづくと恋はててててって感じに歩いて行き、俺にこっちこっちって感じに誘う。

 

「えっと、どうしよう?」

 

とまどう俺に。

 

「まぁ好きにすればいいさ、私と姉者は先にいつもの所で食事をしているから、呂布殿がいればお前の警護もいらぬであろうし」

 

「あ、じゃあうちも一緒にご飯行くわー、一刀恋の事頼むなー」

 

といって春蘭、秋蘭、霞は俺たちを放っておいて楽しげに行く、はたから見てると仲の良い三姉妹って感じだなぁ。

まぁこうなったら秘密の隠れ家とかに行って見るか、なんか面白そうだし。

 

 

 

 

恋の後をついて行く事10分ほど、中央からは少し離れた一軒の古びた屋敷にたどり着く、するとそこから何頭もの動物の鳴き声らしきものが聞こえる。

そして「ひ、ひうう、や、やめるのですー」という陳宮さんの悲鳴のようなものも。

俺は恋に誘われるままその家に入っていくと、そこには10匹ほどの犬、猫がいた。

その中でも人くらいの大きさの犬に陳宮さんがのしかかれてるような状態。

 

「な、なぜち●こがここにいるですか!にゃ、にゃあ、や、やめるのですー!////」

 

俺を見つけていつものようにち●こ呼ばわりする陳宮さん、しかしその言葉をさえぎって犬にペロペロ舐められてどうにもこうにもって状態になっている、うーーん何か一部の趣味の人達が喜びそうなシュチュエーションだなとか思ってると。

 

「おいで」

 

恋がそう言うとばらばらにいた動物たちが恋の所にかけよってくる、皆恋によくなついてる感じだ。

 

「その動物たちは恋が飼っているの?」

 

俺の質問に ぷるぷるっと首を振る恋さん。

 

「このこ達、友達…」

 

「恋殿は優しいのです、困っていたこの子達を助けてあげたのです!でも詠に知られると勝手に動物を飼っちゃダメ!と言うに決まっているのでこうして秘密の隠れ家で飼ってあげているのです!」

 

そう言って動物たちに餌をあげる陳宮さん、そういや詠って誰だろ?真名っぽいけど、とか考えてるとそこにセキトが俺の所にやってきてわふわふと俺になつく、その姿を見てか他の動物達も俺の所に来て俺はいつの間にやら動物達にペロペロと舐められまくる。

 

「ちょ、ちょっとお前らやめっ!こ、こちょばいって!おいいい!」

 

「みんな、一刀気に入った」

 

「ぐぬぬぬ!このち●こ!動物にも見境がないのです!やっぱり危険人物なのです!」

 

「誤解をまねくようないい方やめい!し、しかしこいつらほんと人懐っこいな、あははくすぐったいって」

 

俺と動物たちとの戯れてる姿をみて、恋は何か考えてる様子、そして何か考えた様子でテテテッと俺の所にくると。

 

 

ぺろっ

 

 

「!?」

 

俺と陳宮さんが同じように固まるリアクション、恋が何故か俺の頬を舐めたのだ。

 

「れ、れれれ恋さん、ななな何を急に!/////」

 

俺がドギマギしながら質問すると、恋は少し頬を赤らめながら。

 

「一刀、みんなに舐められて嬉しそうだった、だから恋も真似してみた、かずと嬉しい?」

 

そう言うとまたペロッって舐める。

 

「ちょちょちょ、ま、待とう恋さん!う、嬉しいけど少し待とう!//////」

 

「? 一刀、恋の事嫌い?」

 

「嫌いなわけあるかーー!、いやでもね、もっとこう、お互いを知り合ってからね…」

 

ドキドキする俺の心臓、止まれ俺の心臓!いや止まったら死ぬか!などと何か俺自身そろそろほんと理性を保てなくなってきそうなそんな時。

 

「ちんきゅうきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく!」

 

どぐしゃああああああんん!

 

「ごはっ!」

 

陳宮さんのキックが俺の顔面にめり込む、うん、この時だけはなんか感謝した。

もしこのまま恋に色んな事されたら俺ほんと恋を襲っちゃうかもしれないから、ほんとち●こになっちゃうから。

そんな事を思いながら俺は地面に倒れていった。

 

 

 

 

????

 

 

??「隠していた帝の死を何進に知られてしまった!どうする!」

 

??「何進はすでに弁太子を皇帝に据えようと準備をしている、そうなっては我等が推している劉協を皇帝に据えるのは無理になってしまう、なんとかせねば、いざとなれば奴を殺してでも…」

 

??「しかし奴には直属の軍、兵士がいる、易々とは手は出せまい」

 

??「それならば我に妙案がある、何太后の名の偽勅をもって奴をおびき寄せ、そこを殺すのだ」

 

??「おお、それはよい、ではさっそく…」

 

 

宮廷のいずこかで行われていた企みを知る者は誰もいない。

そして、この者達の企みによって大将軍何進に何太后の名による偽勅が送られる、それを信じた何進は宮中へ参内する。

 

 

「はぁ、まったく妹にも困ったものですわ、私とて暇ではないというのに、とはいえあの子のおかげで今のワタクシもある事だし致し方ないかしら」

 

愚痴をこぼしながらも宮中を一人歩いてくる何進、そこにワラワラと現れる者達

暗闇でその姿はうかがい知れない何進。

 

「…何ですのあなた方は?」

 

??「大将軍何進殿、謀反の咎で貴方の首、貰い受ける」

 

その者達は剣をを抜刀すると何進の周りを取り囲む、何進はそれを見やり。

 

「妹はどうなさいましたの?」

 

??「心配いらぬ、すぐにお主の後を追わせてやる、姉妹仲良く寂しくないようにな」

 

その者達は下卑た声で笑う、それを聞いた何進は天を見やり、星を、月を眺める。

 

「助けを乞うてもあなた方は私を助ける気はないんですのでしょうね、十常侍の方々」

 

十常侍という言葉に一瞬静まり返る。

 

??「……ただの肉屋風情が短いとは言え大将軍の地位にまで登りつめられたのだ、もう思い残す事はあるまい」

 

「思い残す事などいくらでもありますわ!まだ美食を食べつくしてもいないですし、まだまだ楽しみたい事が沢山ありましてよ!」

 

??「では、それは死して後叶えられるが良い」

 

そう言うとじりじりと何進に剣を近づけるその者達、何進は。

 

「何を言っても取り合っては貰えないのですわね、本当に無粋な方々…、いいですわ、もう覚悟を決めましょう、ただし一つだけ、最後に一つだけあなた方に命令をさせていただきますわよ!」

 

その言葉に仲間内できょろきょろとする者達。

 

??「命令、何を命令する気だ?」

 

そう問うた者に何進はびっ!とさっきからしゃべってる者を指指し。華麗に、優雅に、威風堂々とした声で…

 

 

 

「ワタクシ、醜く死ぬのは嫌ですの、殺すと言うのなら美しく殺しなさい!」

 

 

 

 

 

恋達と別れた俺達は洛陽に用意された屋敷で休んでいた、異変に気付いたのは春蘭だった。

 

 

「む?、おい秋蘭、北郷、なにやら外が騒がしくないか?」

 

「そう?俺はわからないけど」

 

「…ふむ、確かに、少し様子を見てくる、姉者と北郷はここにいてくれ」

 

そう言うと秋蘭は外に出て行く、俺と春蘭は秋蘭が帰ってくるのを待つ、しばらくして秋蘭が走って戻ってくる。

 

「姉者!北郷!すぐここを…洛陽を出る支度をしろ!急ぐんだ!」

 

出て行った時とは全然違う、険しい表情の秋蘭の姿に何か大変な事が起こっている事に緊迫する

 

「何かあったのか秋蘭?」

 

「わからん、だが中央の方で何やら戦いが起こっているようなのだ、それもかなり大規模な」

 

「戦い!?何?大規模な盗賊でも… 」

 

そこまで考えていくらなんでも洛陽に大規模な盗賊というのはおかしいような、一応軍のようなものもいるしとなれば後考えられるのは…もしかして反乱?

 

「詳しい事はわからん、だが急いでここを出た方がいい、もしこれが政変のようなものであったなら…国を巻き込んだ大きな波がくるかもしれん、その波に対策しておかねば我らも、陳留も飲み込まれる恐れがある」

 

その言葉に息を呑む、俺は三国志の知識を思い出す、でも何かあった気はするが思い出せない、凄く大きな事があったような気がする、何か… あっ!

 

「帝が…死んだんじゃないのか?」

 

ぽろっと出た俺の一言に春蘭と秋蘭が俺をみつめる。

 

「北郷!貴様めったな事を口にするなっ!誰かに聞かれていたら首がとんでいるぞっ!」

 

強い口調で俺に話す春蘭とは対照的にじーっと何かを考える秋蘭。

 

「…、成る程、確かにそれなら…、帝は前から体調が悪かったと聞いているし、しかし北郷何故そう思った?何進将軍と会った時に話でも聞いたのか?」

 

「い、いや聞いてない、ただ、そんな…そんな気がしただけだよ」

 

俺が何かを隠してそうな風だった事に気付いた秋蘭であったが、それ以上聞くような事はしなかった。

 

「とにかくここから出よう、巻き込まれたら洛陽から脱出するのも困難になるかもしれない」

 

「わかった!」

 

そう言うと春蘭、秋蘭は陳留から付き従ってきた従者や兵士達に荷物をまとめさせる。

そして外に出ると遠くから悲鳴と怒号が聞こえる。

俺達は城門の方に向かうと。

 

「一刀!」

 

聞いた声、霞だ。

 

「霞!、よかった無事だったか、なぁ、霞は何が起こっているか知ってるか?」

 

「うちもわからへん、けど、なんや嫌な予感がする、音々に相談したら、一度洛陽を出て月の所に戻った方がええ言うんで兵まとめて戻ろう思てた所や、一刀達も陳留に戻るんか?」

 

「うん、秋蘭がそうした方がいいって言うんでね、何か、大きな波がこの国を襲うんじゃないかって」

 

「波か、確かに、こら何か来そうな気がするわ」

 

そんな話をしていると恋もやってくる。

 

「かずと」

 

「恋も無事でよかった、俺たち陳留に戻る事になったんだ、またお別れになっちゃうけど、元気でね」

 

そう俺が言うとすこし寂しそうになる恋。

 

「大丈夫、またきっと会えるよ、その時はまた美味しいもの沢山食べようね」

 

「……うん」

 

 

 

そして俺達は混乱の洛陽から脱出する。

 

 

この後、恋と霞は洛陽から離れた所で襲われている一台の馬車を助ける事になる。

 

 

 

 

陳留に戻った俺たちはしばらく情報集めに努め、その結果、何が起こり、どうなっていったのかを知る事となる。

 

 

まず、漢の皇帝、劉宏(霊帝)がやはりというか死んでいたのだった。

俺の予想、というより知ってる三国志の通りだったのだった。

 

それを待ってたかの如く支配者が死んだ事で黄巾党の乱から朝廷内に燻っていた権力争いが具現化した。

朝廷内を牛耳る宦官・十常侍と軍部を握る軍人が自分たちの懐中にある皇太子を即位させようと血で血を争う権力闘争を起こしたのだ。

 

霊帝の崩御に伴い、その妻何大后とその姉である大将軍何進によって擁立された弁太子こと小帝弁

そして宦官一派と霊帝の母である董太后に擁立された聡明と評判の高い次子劉協

この二人の皇位争いは軍という実行部隊を持つ大将軍何進がその力を背景に妹の息子である弁を無理矢理即位させようとしていたのだった。

 

しかし十常侍たちも黙ってはいない。

何大后の名を騙り、何進を呼び出し暗殺、その後自らを守る盾をなくした何大后も暗殺する、これを聞いて黙っていられなかったのが何進の部下たちである。

 

報復とばかりに十常侍たちを急襲し、その数名を排除する事に成功した。

だが、これを予感していた十常侍筆頭の張譲は少帝弁と劉協を連れて都より逃亡していた実行部隊の必要性を痛感していた張譲はその政治力を駆使し、涼州の董卓を味方に引き入れる事を考え、事前に董卓へ激を飛ばして洛陽へと呼び寄せていたのである。

 

そして逃亡途中その董卓軍と合流する。

 

その後、董卓は軍を率いて洛陽に入場、劉協を玉座につける。

 

 

「以上が各地から集められた情報を元にまとめたものよ」

 

陳留の玉座の間で春蘭、秋蘭、桂花が揃う中、桂花が淡々と説明をする、季衣や流琉、凪達には軍の統括をしてもらっている。

桂花の話を聞き、じっと考えてる俺たちに桂花はさらに続ける。

 

「そして、これが袁紹から各地に送られている檄文」

 

「檄文?」

 

桂花の渡された書簡を開くとそこには。

 

 

『董卓の暴政に都の民は嘆き、恨みの声は天高くまで届いてる

董卓の命で官の大粛清があり多くの罪なき者が断罪された

洛陽で暴虐の限りを尽くす魔王董卓を討伐する為、反董卓連合軍を結成する

世の平和と安寧を望む英雄ならば、この檄文が届き次第連合軍に参加するべし』

 

 

「魔王…ね」

 

「まぁこの檄文自体あの馬鹿女、袁紹の都合のいいように解釈したものでしょうけど、

伝え聞いた話じゃ、騒動の時、洛陽にいた袁紹がほうほうのていで逃げ出した後、騒動が落ち着いて再び洛陽に行ってみたらすでに董卓が権力の中枢を握った後だったとか、名門の私を差し置いて!と言ったかどうかわからないけど。

自分を差し置いて田舎のどこの誰ともわからない弱小貴族が国を牛耳り、さらに相国の立場になったっていう事への腹いせみたいなものでしょうし、洛陽での大粛清も都で悪い政をしていた官を粛清したって細作の報告でわかってるわ」

 

「じゃあ、俺たちがそれに参加する事は袁紹に利用されるだけ、という事か」

 

「そうとも言えないわ、すでにこの連合に参加する各国の諸侯はわかっているだけでも袁紹、袁術、公孫瓚、馬騰といった有力な諸侯がすでに参加を表明していて軍を動かしているわ、それに…」

 

「それに?」

 

「実際、洛陽では略奪や暴行が行われているらしいわ」

 

その言葉に場が静かになる。

 

「董卓というのはどんな人物なのだ?」

 

「わからない、としか答えようがないわ。実際その姿を見れた者はあまりいないの、政の表舞台に立つのは大体軍師の賈翊という人物が出てほとんどこなしているらしくて一部の者しか董卓の姿を知らない」

 

「隠している…という事か?」

 

「かもね、よほど注意深いのか、もしくは意図的に隠されているのか、いずれにせよ容姿はわからないわ、ただ君主としてはとても慕われている名君らしいわ、涼州という場所にあって善政をしき、五胡の襲撃を何度も撃退し、民衆からの支持も高いと聞くわ」

 

「だろうね、じゃなかったら恋や霞なんかが仕えるはずがない」

 

「しかし洛陽では袁紹の送ってきた檄文のような暴行や略奪が行われているのであろう?」

 

「君主が名君であっても部下がすべてそれと同じって事はないって事よ、とくに涼州はここ最近幾度もの異民族との戦いや、不作による飢饉があったと聞くわ、疲弊しきって飢えた将兵、そんな国の兵隊達が都に雪崩込んでみなさい、いくら規律を守らせようとしても守れるものではないわ」

 

「そういう事か」

 

俺は思う、霞や恋が言ってたようにきっと董卓という人物は素晴らしい主だと、でも全てに目が行き、全てに手を下せる神ではないのだと、もしくは董卓以外の人物が董卓の名を騙って何かを行っているという可能性もあるのか、と。

 

「俺達はどうするべきだと思う?」

 

俺の問いに。

 

「参加すべきだろうな、これだけの英傑が揃う機会はこの先ないだろう、ここで手柄を上げれば諸侯に北郷の名を広められよう、それに、もしこれに参加しなかった場合、我らは董卓と通ずる者達として諸侯からの攻撃の口実を与える事になる」

 

「実際に都で民が苦しんでいるのであれば助けるのは当然であろう!」

 

秋蘭、春蘭、桂花は連合軍に参加するのにほぼ決まっているようだった、でも俺は。

 

「北郷、何を考えている?」

 

「え、ああ、こんなどの程度本当かわからない檄文一通で、各国の諸侯が集まって一つの勢力を袋叩きにするんだなって思ってたんだ、もしかしたらその一つの勢力が俺達だった可能性があったのかなとか」

 

「何をつまらん事を考えてる!もしこの陳留に攻め込んでくる奴らがいたら叩き潰す!それだけだろうが!」

 

「いや、そゆ事を言ってるんじゃないけど、まあ確かにつまんない事を考えてた、ごめん」

 

俺が考えてたのは、もしが十常寺の張譲の檄文が俺たちにも送られていたら、逃げ出す劉協様を俺たちがもし助けていたら諸侯の矛先が俺達にきていたのかな、という事だったんだけど、なんか春蘭と話してると変に考え込んでる自分がアホらしくなる、ほんと春蘭といると元気になってくるな。

俺は両手でパンッと自分の頬を叩くと。

 

「この檄文の返事、というか反董卓連合に参加するかどうかだけど、俺は参加しようと思う。

秋蘭も言ったけどもし参加しなかったら俺達は董卓もろとも滅ぼされる可能性があると思う、それに、実際洛陽で略奪と暴行が行われてるというならそれはやめさせなきゃいけない」

 

「そうか、北郷が決めたのなら我等はそれに従うまでだ」

 

「ただ、董卓という人が噂通りの名君で、配下の行っている事を知らなかったとしたら…」

 

「可哀相だとは思うが、この流れではただではすむまいな、世論はすでに董卓を悪とし、連合を

善としている、涼州に帰れば全てが終わるという段階ではない、董卓は贄として殺されるだろう、

逃げたとしてもどこまでも追いかけられて安寧のない生活が待っているだけだ」

 

「可哀相だな」

 

「不憫ではあるが、それは自らの不明によって招かれた事、自身でなくとも配下が勝手にやったかもしれんがいずれにせよ、同情の余地はないとしか言いようがない、今の世ではな」

 

「そうか…」

 

「それと北郷、連合に参加するという事は呂布や張遼と戦う事になるが、覚悟はできているのだな」

 

秋蘭の問いに考える俺、もちろんそれが一番気がかりではあった、反董卓軍に参加するという事は恋や霞と戦う事になる、正直あの二人とは戦いたくはない、でも、参加しなかったら今まで俺の為に頑張ってくれている人達を危険にさらす事になる。

 

「その時は…、こちらも本気で戦うよ、じゃないと、皆が、今まで一緒に戦ってきてくれた兵士の人達がやられてしまうから、俺は迷っちゃいけないと思う、迷いは判断を鈍らせて仲間を危険にさらす事になってしまうから」

 

「そうか、それがわかっているのならもう何も言うまい」

 

「あ、でも、俺、出来る事ならあの二人を仲間にしたいと思っているんだ、その事は覚えておいてね」

 

 

俺の言葉にしーーーーーーんとなる王座の間、しばらくして最初に声を上げたのは春蘭。

 

 

「北郷!貴様何を考えている!!あいつらはこれから戦う敵になるんだぞ!」

 

「そうだな、あの二人を見る限るそう簡単に我等に降るとも思えん、まぁ呂布は北郷になついてるようではあったが」

 

「この全身精液下劣男!孕ませ男!全身男性生殖器!」

 

「はーいそこの猫耳頭巾のひとー、人をち●こ扱いしないよーにー、いや、俺は冗談や酔狂で言ってる訳じゃないよ、この戦いの後、俺達にはきっともっと多くの戦いが待ってると思う、その時仲間は多いに越した事はないと思うんだ、それに、あの二人はきっと仲間になってくれるんじゃないかと思ってる」

 

「…お前のその自信はどこからやってくるんだ…」

 

「まぁだてに天の御遣いなんて呼ばれてないって事さ」

 

あきれる秋蘭に俺は自信満々に答える。

 

「仲間にするとはいうが、どうやって仲間にするんだ?」

 

「うーーん、まだ考えてないけど、なんとかなるんじゃないかな」

 

「考えてないのか…」

 

俺の言葉に呆れる秋蘭、その会話を聞いていた桂花がふーーっと溜息を吐き。

 

 

「はぁ、ほんとに呆れるわこの品性下劣最低孕ませ男!まぁとにかく反董卓連合には参加って事でいいのね!、参加するならすぐにでも装備品と兵の確認、糧食の手配とか色々やらなきゃならない事があるんだから!あんた達も手伝ってよね!」

 

「ああ」

 

 

こうして様々な想いの中、俺達は反董卓連合に参加する事になった。

そして、その情報は、洛陽の董卓陣営にも伝わる事となる。

 

 

 

 

 洛陽

 

恋の秘密の隠れ家

 

「恋、やっぱここにおったんか」

 

そこには隠していた犬や猫と戯れる恋の姿があった。霞は恋にある事を伝える為にやってきた、だが中々口に出せないでいた。

 

「霞… 何か、あった?」

 

霞のかすかな憂いに気付く恋、はぁーーって感じに頭をポリポリとかく霞

 

「ほんま、あんたには隠し事でけへんなぁ」

 

「隠し事…してたの?」

 

「いや、うん、まぁちょっと言いにくい事やったからな」

 

「?」

 

きょとんとする恋に霞は頬をパンッ!と叩き、意を決して話す

 

「えっとな、今洛陽の外で月を討伐しよういう連中がようさん集まっとるんや、それも凄い数でなー、あっちこっちの諸侯、ゆうか月ら以外ほぼ全部ゆうくらいな」

 

「月倒す?だめ、そんな事させない」

 

「うん、うちも月の為に戦うよ、相手が誰であろうともな、けど…」

 

そこまで言い終わると、霞は再びはーーっと息をはき

 

「恋、よう聞きや、その月を討伐しよう言ってる連中の中にな、一刀もおるんや!」

 

一刀という言葉を聞いた恋はぴくっと反応する、そして、確かめるように霞に聞きなおす。

 

「かずと…敵?」

 

「うん、まぁ多分そうなる思うt…」

 

「……」

 

沈黙が二人を包む、言葉を先に発したのは恋の方だった。

 

「恋…、かずとと戦いたくない…」

 

 

せやろうなぁ、っと頭を抱える霞。

 

「ほんま、難儀な事になってもうたなぁ…」

 

 

そんなやりとりをしている間にも反董卓連合軍は結集しつつあった。

 

 

あとがきのようなもの

 

オリキャラは極力避けたかったんですが、書いててなんか好きになってきてしまったもので。

 

恋姫では帝どこいっちゃったんだろ、あまり変に使うと後々困りそうだったので今回は保留

のような感じにしてしまいました。


 
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