No.117354

ようこそ、二次へ 七話

suica.西瓜さん

ようこそ、二次へ七話です。曹操との相談後の話です。

2010-01-08 20:38:49 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1373   閲覧ユーザー数:1295

前回のアバウトなあらすじ

荀彧に罵られたような気がしたり、しなかったり。

そして、春蘭さんのおバカっぷりを見たり

七色の物の事で曹操さんと相談したりした。

 

もう大分過ぎましたが、

新年明けましておめでとうございます。

では、本編どうぞ!

 

七話 恋姫無双 ~北郷軍⑤~

 

「よーし。探すぞー」

曹操さんとの相談が終わった俺は午後から町に出ていた。

ぐうぅぅぅぅぅ

「うん、その前に昼飯だなぁ」

腹が減っては情報収集なんて出来ないからな!

「ここら辺は屋台がたくさんあるなぁ」

そこらから美味しそうな匂いが漂ってくる。

俺は近くの屋台へ歩み寄った。

うーむ。美味しそうな物ばっかだなぁ。

「すいませーん、肉まん3つ下さい」

とりあえず食べ歩きながらいろいろ食べていこうかな・・・とか思っていると

 

クイクイ

 

ん?袖が引っ張られてる?

振り向くと呂布が肉まんを凝視しながら俺の服を引っ張っていた。

「・・・呂布さんも食べますか?」

「(コクッコクッ)」

顔は肉まんに向けたまま、力強く頷く。

お金はお城の方から少し余分に貰ってるし、大丈夫だろう。

「すいません、肉まんもう7つ下さい」

「はいよー」

 

「どうぞ呂布さん」

店主から肉まんを受け取り呂布に手渡す。

「・・・ありがと」

呂布は受け取った肉まんをすぐに口へと運ぶ。

「ところで呂布さんは何してたんですか?」

「はふっ、もぐもぐ・・・恋でいい」

「あっ、はい。それで恋さんは何をしてたんですか?」

「もふっ、はむはむ、んぐ・・・・・散歩?」

いや、疑問形で聞かれても・・・。

まぁ、おそらく警邏の途中でお腹が減って、お金を持ってないから食べ物が買えずに

屋台の近くをウロウロしてたら、見知った顔を見つけて寄って来た、って感じだろうな・・・・。

ただ恋がここにいるだけで、サクはこの程度の推理が可能です。

・・・誰でも思いつきそうだけどね。

「しかし、まぁ・・・」

隣で肉まんを無心で食べている恋の方を見る。

「北郷さん達が餌付け・・・食べ物をあげたがるのが分かるなぁ」

もふもふと食べ続ける恋は小動物の様で、見ていると、こう、ほわわ~んと。

クイクイ

「ん?どうしたんですか?」

ぼんやりしている俺の袖を恋が引っ張る。そして、

「・・・アレ」

と言って一つの屋台を指差す。

恋はいつの間にやら肉まんを完食していて、物足りないという表情でこちらを見つめている。

「分かりました。行きましょうか」

そんな上目使いで見つめられたら断れる訳ないじゃないか!!

とあまりの可愛さに内心悶えつつ心の中で叫んでみる。

 

了承を得た恋は小走りで屋台へと向かって行った。

「いらっしゃい!」

入った店はラーメン屋だった。俺は恋が座っている席の隣に腰かける。

「・・・厚切り豚肉ラーメン全部大盛り」

俺が座ると同時に恋は注文をする。

「おやじさん、ラーメン一つ」

俺もさっきの肉まんだけでは物足りなかったので注文をする。

「はいよー、ちょっと待っててな。すぐ出来るから」

おやじさんは、ニカッと笑顔を見せると調理をし始めた。

手際いいな―。とか考えてボーっとしていると

「おやっ?そこにいるのは恋ではないか」

不意に後ろから声が聞こえた。

「あっどうも、星さん」

振り向くと趙雲・・・星さんが立っていた。

「おぉ、サクもいたのか。珍しい組み合わせだな」

そういうと、星さんは恋の隣の席に腰かけ

「店主、いつものを一つ」

と注文する。

 

数分後。

三つの器が卓に並んだ。

普通のラーメン。

メンマが丼いっぱいに積まれて汁と麺が見えないラーメン。

そして、普通の丼の5倍はあろうかという器に大盛りの具というラーメン。

・・・うん、俺の横二つが異常だ。他のお客さんの視線がチラチラとこっちに注がれる。

 

「うむ、店主いつも旨いな」

星さんは山のようにあるメンマを食べながら言う。

「いやー、毎度御贔屓にありがとうございます」

そんな会話を聞きながら俺は麺をすする。

にしても、すごい量のメンマだなー。と星さんの器を見てると

「なんだ、サク?そんな物欲しそうな目で見ても私のメンマはやらんぞ」

「いりませんよ・・・」

「そうか、はむっ」

星さんはメンマを一つ口に運ぶ。

そんなやり取りをしていると、さっきまで巨大な器でラーメンを無心で食べていた恋が

食べる手を休めて星さんの方・・・山盛りになったメンマを見つめている。

「なんだ恋?いくらお主でもメンマはあげられな・・・・・」

今度は恋は星さん顔をじっーと見つめている。

「くっ・・・そんな目で見られたら・・・」

「・・・じっーーー」

「うぅ、しょうがない一つだけだぞ」

「・・・(コクッ)」

純真無垢な恋の瞳に負けて星さんはメンマを箸で一つ摘むと恋の方へ差し出す。

「・・・あむっ、もきゅもきゅ」

「「あぁ、もう。可愛いなぁ・・・」」

俺と星さんは声を揃えて呟く。

「ほら、恋。もう一つどうだ?」

結局、星さんはその後も恋にメンマをあげていた。

「ゴクッゴクッゴクッ・・・ふぅ」

俺はスープを飲み干して一息つく。

恋はあれだけの量を食べたのに2杯目を食べている。

星さんはラーメンを食べ終わった後、メンマのみを頼んで食べている。

まだ食べ終わるのには時間が掛かりそうなので、何かして時間潰そうか・・・。

・・・そういえば俺、情報収集に来てたんだった・・・。恋が可愛くすぎて忘れてたぜ!

「おやじさん、最近珍しい物、七色の物がどうとか言う噂聞いたりしませんでした?」

「・・・うーん?おっ、そういえばこの前ある客が話していたんだがな・・・。

近くの山で蝶の仮面を付けた三人組に襲われそうになって逃げてきたって言う人がいてなぁ、

その人が言うに三人のうちの一人が七色に輝く蝶の仮面を付けていたとか何とか」

「それ本当ですか!!?」

「おうよ!」

本物かどうかは分からないけど、念願の七色の物の情報が手に入った。

「蝶の仮面とな?」

星さんはメンマを食べる手を止めると何かを考えているようだった。

そして

「サク、その者たちを探しに行くぞ」

「へっ?」

「蝶の仮め・・・ゴホン!そいつらを放っておいたら被害が出るやもしれん。

私が直々に成敗してやろうと思ってな」

きっと自分以外の蝶の仮面を被った人間が悪さをするのが許せないのだろう。

「七色の仮面・・・ふむ、一度着けてみたいものだ」

・・・違ったみたいだ。つか、興味本意ですか!?

「じゃあ、明日にでも行きましょうか?」

「サクよ何を言っておる。思いたったが吉日と言うだろう。さぁ、行くぞ」

星さんは残ったメンマを食べるとお代を置き俺の襟首を掴んで店を出る。

「いたたたた、星さん痛い痛い!自分で歩けますって」

そんな俺を無視して星さんは恋に声をかける。

「恋、私たちは先に帰ってるぞ」

「・・・・・・(コクッ)」

こちらを少し見て頷くとすぐに食べる作業に戻った。

 

その後、馬をとってくるから城門で待ち合わせしようと星さんに言われ

俺は城門へと向かった。

 

七話 恋姫無双 ~北郷軍⑤~ 終わり


 
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