No.1171919

スタバリス事件

だぶまんさん

K.5「老いたる獅子の告白」
飛行艇の医務室には、重い沈黙が満ちていた。ベッドの上で、捕虜となった天才技術者デ・キール・ウ・デマエは、遠い目をして語り始めた。それは、ゼン・ニン兄弟が彼の元を去った後の、後悔に満ちた昔話だった。
「お前たちが、“スタバリス事件”でワシの元を去った後じゃ…」
デ・キールは苦々しげに口を開いた。
「残った弟子たちは、それはもう熱心にワシの技術を吸収していった。ワシも老い先短い身、後継者が育つことに満足しておった。じゃが……ワシの持つ技術の全てを継承し終えた時、奴らは本性を現した」

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