やるんだよ

エッチなグラビア

とるんだよ

～草薙、心の俳句～

最近、ヘルヘブンの勢いが増している。

あの悪逆無道な勢力が、ここまで露骨に支持を拡大しているとは――

由々しき事態だ。黙っていては、民心を揺さぶられてしまう。

だからこそ、やるしかない。

敵情視察だ。

～ヘルヘブンマガジン（通称：ヘルヘブングラビア）～

◆

そこに写るのは、肉体的魅力を武器にする戦闘員たち。

磨かれた肢体を惜しげもなく晒し、視線を惹きつけ、注目を集める。

はちきれそうなボディライン、光を受けてきらめく肌。

腰に手を当て、鋭く曲線を描くポージング。

まるで、視覚そのものを制圧する法定式（ヴィジュアルドミネーション）だ。

その眼差しは、投影機の向こう側――

投影機越しの「視る者たち」へと突き刺さる。

「ほら、ちゃんと見ていて……？」

「わたしたちのカラダ……♥」

◆

知ってい入るがやはりただのグラビアではない。

視覚戦術、そして情報工作の一環‼

「ヘルヘブンマガジン」なる戦略ツール

敵基地から押収した資料、または撃破した敵戦闘員が落としていく小冊子。

その中には、ヘルヘブンの女戦闘員たちの写真がふんだんに収められている。

内容には段階がある。

・軽めのプロパガンダ型

・濃密な視覚制圧型

いずれも、「視る者の心に刺さる」構成である。

これにより、彼らは資金を得、資金と支持を集めている。

まさに、「欲望の力を味方につける術」。

見る者の意識を塗り替える、ある種の“認知侵略”だ。

（……キケンだぜ）

蒼生大和も、“視線を制する者が、戦局を制す”という理を理解している。

むしろかなりやってるほう。

しかし、ここ最近は連戦続きで、

エッチ肉欲で支持と士気を高めちゃうぞプロジェクトがちょびっと疎かになっていた。

（やるしかありませんよ！！）

決断しちゃう。

「グラビア撮影を――再開する」

それは単なる撮影ではない。

希望と活力、誇りと美しさを民に伝える文化戦である。

蒼生大和。

おっぱいがいっぱい……ではなく、誇り高き魅力が満ちる国。

その強さと温もりを、いま再び発信するとき！