No.117087

真恋姫無双~仁徳の王と共に~蜀√12

karasuさん

投稿です
過度な期待はせずに生暖かい目で見ましょう

<●><●>

2010-01-07 13:11:06 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:21072   閲覧ユーザー数:13956

この作品はキャラ設定が崩壊しています。原作重視の方はご注意下さい。

時代背景がめちゃくちゃです。

一刀くんがチートです。

それでも良い方はどうぞ。

 

無事に南蛮を平定し、五胡も退けた桃香たちのもとに、北に放っていた、斥候から急報が届く

その内容は北方の曹操が大規模な軍事行動を起こすべく、各方面に総動員令を発したというものだった

緊急事態に備え、朱里たち軍師が蜀全土に緊急召集を掛けるなか、曹操の軍が動き始める

曹操の軍が目指していたのは、東の孫策の居る領土

桃香たちは少しは安心したが、相手が曹操ということもあり緊張は解かずにいた

そんな中、ついに曹操と孫策の両雄がぶつかり合う

 

一刀「ついさっき北方と東方に放っていた斥候から報告があって、曹操と孫策の二大勢力が全面戦争に入ったみたいだよ」

斥候と話していた一刀は斥候を下がらせ、桃香の方にふりかえりながら言う

桃香「いよいよ戦いの火蓋が切って落とされたんだね」

一刀から話を聞いた桃香はとても真剣な表情になる

一刀「ああ。攻め入った曹魏の兵力は、噂では百万を越すらしい」

そう言いながら一刀は小さな溜息をつく

蒲公英「ひゃ、百万!? なにそのデタラメな多さ……」

蒲公英は百万という膨大な数に心底驚く

愛紗「……対する孫呉の兵力は?」

腕を組みながらそう愛紗が一刀に訊くと

朱里「約四十万だという噂です」

一刀が答える前に朱里が答えた

星「総動員してそれか。圧倒的な差だな」

朱里の答えを聞いた星は、苦虫を噛み潰したような表情になる

雛里「はい。噂なので確実ではありませんが、戦力差が圧倒的なのは確かだと思います」

そう言う雛里の表情は暗いものだった

桔梗「ふむ……それならば今は曹魏の動きより、孫呉の動きが気になるな」

桔梗がそう呟くと

鈴々「徹底抗戦って言ってるけど……いつまで持つのか分からないのだ」

鈴々がそういうと、翠がうんうんと頷きながら

翠「鈴々の言う通りだな。いくら孫呉の王が英雄と呼ばれている人物だとしても、兵数の差っていうのは絶対的なものだ」

そう言う翠の隣にいる焔耶も

焔耶「敵よりも多くの兵を集める。兵法の基本だな。そういう意味でも曹魏は兵法に沿い、孫呉は兵法に添えていない……」

二人の言葉に白蓮が顎に手を添えながら

白蓮「この状況を覆すには、なんらかの奇策を用いるか……。または兵を増やすしかないか……」

白蓮の言葉に朱里が一回頷くと

桃香「兵を増やすって……そんなこと出来ないでしょ? 今の段階で総動員を掛けてるんだし」

桃香が素直に疑問に思ったことを言うと

雛里「自国の兵だけが兵というわけではありません。……それに孫呉には周瑜さんがいますから」

雛里がそう返す。一刀は雛里の言葉を少し思案すると、ふと顔を上げ

一刀「こっちまで巻き込むってことか……充分にありえる…というよりもそれしか孫呉が生き残る術はないだろうね」

そう言う一刀に朱里は頷きながら

朱里「考えても見て下さい。まず今の兵力差で孫策さんが曹操さんに勝つことはまず無理です。そして、孫呉に勝利した曹操さんが次に矛先を向けるのは……」

朱里がそこで言葉を区切ると

翠「あたしたちってことか」

翠の一言にその場の全員が表情を苦いものにする

雛里「そんなことをあの周瑜さんが見逃しているはずがありません。対して私たちもその状況を見抜いていますから、……導き出される答えは一つかと」

雛里が軍師としての顔をしながらそう告げると

一刀「孫呉と蜀の同盟、って訳か。今ここで決断しなければ確かに俺たちは座して死を待つだけになるからな」

一刀の言葉に愛紗が少し不安そうな顔で

愛紗「それほどまでに大陸の状況は急を要しているのか……」

そんなことを呟く

星「さもありなん。反董卓連合より続いていた諸侯の割拠も、曹操、孫策、そして我らの三陣営に収束した。……あとは誰が最後まで立っているかを決定するだけだからな」

そんな愛紗に星がそう言うと

桃香「三人一緒に立つことって……出来ないものなのかなぁ……」

ふと桃香がそんなことを呟いた。そんな桃香に一刀が

一刀「今は無理だよ」

そう告げる。一刀の一言に桃香は驚きながらも

桃香「どうして無理なの? だって皆目指している方向は一緒なんだよ!」

そう必死になって言うが

一刀「目指している方向が一緒でも辿っている道が違う。孫策さんのほうはまだ平気だと思う。江東一帯を統一した後はとくに曹操さんに突っかかるわけでもなく、俺たちに戦争を仕掛けてきてもいない。でも曹操さんは違う。曹操さんは自分の力でこの大陸を統一しようとしている。それに昔、桃香も曹操さんと話をしたはずだよね、その時に曹操さんと一緒に立つのは難しいと感じなかったのかい?」

そう言いながら一刀は桃香の目を真っ直ぐに見つめる

桃香「……それは……」

一刀の言葉に桃香は言葉を詰まらせる

一刀「それに、桃香の双肩には俺たちだけでなく民全員の期待と命を背負っているんだよ。あまり甘いことばかり考えていると桃香だけじゃなくて桃香が守りたいと思っている人たちにまで被害がでるんだよ」

そう言われた桃香は涙目になりながら

桃香「でもっ! それでも私は!! やらなくてもいい争いはやりたくない!!」

そう叫ぶ桃香に一刀は

一刀「なら言わさせてもらおう。曹魏との決戦はどうしてもやらなくちゃいけないものだ。それは後の戦争を減らすためにもだ」

一刀の言葉に桃香は首を傾げる

一刀「桃香の言った三人並び立つという事は不可能ではないんだ。ただ、今の状況では無理なんだ。三人並び立つにはどうしても曹操さんのところの兵力を削って三勢力を均衡させなきゃいけない。そうだよね、朱里」

そう言われた朱里は「はい」と言って頷く

一刀「まぁ今回桃香に強く言ったのは、もうそろそろ理想を求める人から一国の王になってほしいからかな。もちろん、その理想は捨てないで欲しいけどね」

そう笑顔で言う一刀に桃香は涙を流しながら抱きつく

桃香「ふぇ~。私、一刀さんに嫌われたのかと思ったよ~」

そんな桃香の頭を一刀は黙ってそっと撫で続ける。そして、朱里に話を続けるように目線を向ける

朱里「では、三国が並び立つためにも今は孫呉と同盟を結ぶ必要があるのですが……私は行くとして、あとは……」

そう言いながら朱里は全員の顔を見て

朱里「一刀さんと恋さん。お願いできますか?」

朱里に一刀は「了解」と一言返し、恋は一回頷く

それ以外にも、愛紗、焔耶、桔梗が一刀たちと共に呉に赴くことになった

そして、その場は解散となったが、一刀はなかなか桃香に放して貰えなかった

 

 

それから数日後、一刀たちは孫策に会いに来ていた

 

一刀「初めまして。北郷一刀です。こちらは軍師の諸葛亮です」

一刀がそう言うと

周瑜「今日はどういった用件だ?」

そう周瑜が少し怪訝そうな表情で訊いた

一刀「わかりませんか?」

そう訊いてきた周瑜に一刀は疑問で返す。周瑜は少しの間一刀の目をみた後

周瑜「ふむ……同盟の申し込みといったところか?」

少し表情を崩しながらそう言った

一刀「本気ですか?」

周瑜の言葉に一刀は少し呆れたような表情で返す

周瑜「本気……だとしたら?」

そんな一刀を気にするでもなく周瑜が一刀に訊くと

一刀「すぐに帰らせてもらいます」

一刀がそう言うと周瑜はニヤリと笑い、一刀も同じように笑う。そんなやりとりを見ていた孫策が

孫策「はぁ……。冥琳、顔が笑っちゃってるわよ」

溜息をつきながらそう言った

周瑜「仕方ないだろう。いくら蜀が相手だとしても一応結ぶ価値があるのかどうか位は試さないとな」

そう言いながら周瑜は眼鏡の位置を直し、改めて一刀のほうに向き直ると

周瑜「言い直そう。同盟の提案をしに来た……で良いのかな?」

その言葉に一刀は笑顔で頷くと

一刀「この状況をなんとかできる可能性が一番高いのは呉と蜀が同盟を結ぶことぐらいだからね」

周瑜は一回頷くと孫策のほうを向き

周瑜「どうする雪蓮?」

そう孫策に訊ねた。訊ねられた孫策は一刀の目を真っ直ぐに見ながら

孫策「普通同盟を結ぶ相手はそれなりに信頼できる相手だと思うんだけど……何か私を信頼させられるようなものはある?」

少し悪戯をするような表情で訊く孫策に一刀は

一刀「今はただ信じてもらうしかないかな」

一刀は少し苦笑しながら答える

孫策「ふふふ。意地悪してごめん。でも、もし裏切ったら……」

孫策は少し笑い。その後、目を細め、王としての表情で一刀を見つめる

一刀「曹操と同盟を結ぶなりなんなりしてくれて構わないよ」

そんな孫策の視線に一刀は笑顔で返す

孫策「なら問題ないわね」

そう言いながら手を差し出し

孫策「これからよろしくね。北郷」

一刀は差し出された手を握り返しながら

一刀「こちらこそ。孫策さん」

そして、二人はほぼ同時に微笑みあう

周瑜「さて、無事に同盟を結んだ所で早速意見を聞きたいのだが」

一刀に視線を向けながら周瑜がそう言うと

一刀「そういったことは朱里に任せるよ」

一刀はそう言いながら朱里の肩をポンッと叩く

 

その後、一刀は孫策の話相手となり、周瑜と朱里は今後の方針を話し合っていた

 

 

一刀「ということで、俺たちはこのまま江陵にいる呉の人たちを援護に向かうよ」

一刀がその場に居る将の顔を見ながらそう言うと

桔梗「ならばここから五里先に駐屯している曹魏の部隊を叩くのが良いじゃろうな」

桔梗がそう言った

一刀「さすが桔梗。もう斥候を放ってたんだね」

一刀がそう褒めると桔梗は胸をはりながら

桔梗「将としての嗜みだな」

そう言った。桔梗の両脇に居る愛紗と焔耶は一刀に褒められた桔梗を少し羨ましそうな目で見ていた

朱里「そうですね。蜀の参戦はなるべく迅速になおかつ派手に知らせたいですから」

朱里は顎に手を添えながら笑顔で言い放つ

一刀「そうだね。全軍駆け足!! 今日中に曹魏の軍を捕らえるぞ!!」

一刀は一言朱里に返事する。そして、大きな声で兵士たちに声を掛けると、後方の兵士たちから「応っ!!」と返事が返ってくる

そして、一刀たちは進軍速度を上げ、曹魏の部隊へと向かっていった

 

 

それから数刻後

桔梗「捕らえた!! 前方に曹魏の部隊を確認!! 谷に展開しておる!!」

曹魏の部隊を目視で捕らえた桔梗がそう叫ぶ

焔耶「その後方に砂塵あり! あれは恐らく輜重隊だな。先に前線に向かわせるのだろう」

焔耶の視線の先には確かに大きな砂塵が舞い上がっていた

愛紗「ふむっ……では敵突破後、輜重隊を追撃、殲滅するぞ!!」

そう愛紗が吼えると各部隊長が動き出す

恋「……準備完了」

いつの間にか恋が肩に『方天画戟』を担いでやる気満々で立っていた

一刀「んっ? 待ってくれみんな。……どうやら一つの部隊が殿を務めて他の隊は輜重隊の護衛につくみたいだよ」

曹魏の動きの変化を見て一刀がそう言うと

朱里「そうですね。その部隊は放置しといてもいいですが輜重隊は撃破しておきたいですね……」

朱里がそう言うと一刀は焔耶のほうを向き

一刀「頼めるかな?」

そう一言だけ言うと

焔耶「もちろんです一刀様」

焔耶は笑顔で頷きかえした

朱里「一刀さんはどうするんですか?」

朱里がそう訊くと一刀は微笑みを向けながら

一刀「軽く挨拶してくるよ」

そう言いながら一人駆け出した

朱里「あっ! う~、仕方ないですね。愛紗さんは一刀さんの援護。焔耶さんと桔梗さんは輜重隊の追撃をお願いします」

朱里がそう言うとそれぞれが頷き、駆け出し、その後を兵士たちが追う

 

戦場

 

そこでは既に一刀と楽進との一騎打ちが始まっていた

楽進「はぁぁぁぁぁ!!」

楽進は吼えながら一刀に連撃を放つが一刀はそれを軽々と避け。距離を空け矢を放つ

楽進「でぇぇぇぇい!」

楽進は飛んでくる矢を大きめの氣弾でまとめて落とすとまた一刀との距離を詰め連撃を放つが

一刀「確かに攻撃速度は速いんだけどね……攻撃が真っ直ぐすぎる」

そう小さく呟くと、一刀は楽進の放った蹴りに合わせて自身も蹴りを放ち動きを止める。そして、ほぼ零距離で矢を放つ。楽進はそれを左の拳で弾き飛ばすが、バランスが崩れる。その隙を突いて一刀が第二射を撃とうとしたが、楽進が地面に氣弾を放ったために両者吹き飛ぶ

一刀も楽進も空中で一回転して着地をして、再び睨みあっていると、一刀は『龍砲』と矢筒をいつの間にか側に来ていた愛紗に預け、指で「かかって来い」と楽進を挑発する

そんなことをされた楽進は殺気と闘気を膨らましながら一刀に向けて氣弾を放とうとしたが

一刀「遅い」

瞬時に一刀は楽進の懐に入り込み胴にそっと手を添える

一刀「……んっ!」

次の瞬間、一瞬一刀の手がぶれる。そして、楽進の身体は後方の谷の土壁に叩きつけられる。一刀は楽進に向かって追撃をかけようと駆け出すが

不意に真横からドリルが突き出される

一刀(ドリルッ!?)

そんな事を考えながら一刀が後ろに跳んで避けると、楽進を庇うように二人の女の子が立っていた

一刀が二人に向けて殺気と闘気をぶつける。二人の女の子は額に汗を浮かべながらも立ち続けていた。すると、一刀は背を向けて

一刀「行こうか愛紗」

そういうと一刀は愛紗から『龍砲』を受け取る。気がつけば他の蜀の兵もいつの間にか撤退していた

二人の女の子は一刀と愛紗がその場を去ったのを確認すると、その場に座り込んだ

干禁「し、死ぬかと思ったの~」

そう言いながら干禁は苦笑いを浮かべる

李典「ウチもや……」

そう言って李典は額に浮かんだ汗を拭くと

李典「はぁ…輜重隊もやられてもうたし……これは大将に怒られるで」

李典の視線の先には黒煙が天高く上がっていた

 

 

一刀「ただいま。焔耶も桔梗もさすがだね」

そう言いながら一刀は前方に上がっている黒煙を見つめる

朱里「お帰りなさいお二人とも」

朱里は笑顔で二人を出迎える

愛紗「そうですね。しかし、一刀殿。どうして見逃したのですか?」

そう愛紗が訊ねると

一刀「んっ? いや~将来有望な人なのにここで潰しちゃうのはもったいないだろ? それに愛紗も手合わせしたさそうな顔してたからさ」

一刀がそう笑顔でいうと、愛紗も笑いかえし

愛紗「そうですね。この大陸が平和になった際には手合わせしてもらおうと思いましたよ……一刀殿に」

そう言いながら愛紗は一刀の腕を絡めとる。するとそこに――

焔耶「あーーーーっ!!! 私の一刀様に何をしている!!」

輜重隊の殲滅を終えた焔耶と桔梗が帰ってきた。そして焔耶は愛紗とは反対側の一刀の腕を絡めとる

愛紗「むう……たまには良いではないか。いつも焔耶と星ばかり良い思いをしているではないか」

それからは、いつも通り愛紗と焔耶が一刀をはさんで吼え合い、桔梗と朱里がそれを笑いながら見ていた

 

どうもkarasuです

いかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたでしょうか?

いよいよ蜀√も完結が近づいてきていますね。

この後は、一旦呉√のほうは更新せずに蜀√のほうを先に完結させたいと思います。呉√の更新を期待してくださっている大佐がた……ごめんなさい。

 

 

 

ここまで読んでいただきまことにありがとうございます。これからもほそぼそと続けていこうと思います。


 
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