No.116594

蔡琰の日々 ~恋姫春秋~ 序章

ユングさん

真・恋姫†無双の魏ルートを元にした二次創作です。

2010-01-05 02:36:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3164   閲覧ユーザー数:2885

 

 

 

やっと陳留についた。

 

思えば漢の土を踏むのは何年ぶりだろう。 …10年ぐらい?

 

 

そもそも、私が匈奴の地に引っ越したのは物心つく前のこと。

 

あっちはあっちで家族や友人が出来ていたし、異国からの客人と言うことで、単于(ぜんう)様から破格の庇護を受けて暮らしていたのだ。

 

今さら「祖国」に戻ると言っても、私は漢に住んでいた頃のことをまったく覚えていない。

 

 

両親が死んだのも、物心つく前のこと。

 

母親は私を産んですぐ死んだので、顔も覚えていない。

 

私を育ててくれたのは、父だった。

 

低くてよく通る、それでいて優しい声。

 

毎晩、私は父親の子守唄を聞いて眠りについていた。

 

 

いや、夜だけでは無かった。

 

朝も父の歌声を聞いて目が覚めた。

 

日中は古(いにしえ)の武将や賢人の物語を聞かせてくれた。

 

それらのすべてを、私は今でも覚えている。

 

 

そしてその記憶こそ、匈奴での平安の日々を捨てて「新天地」陳留に来るに至った理由。

 

 

【あとがき】

 

読んでくださってありがとうございます。

 

主人公「蔡炎」ですが、先に言っちゃうと魏の「才女」として名高い蔡文姫がモデルです。

ただし、史実はかなり無視することになると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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