No.113045

魔神達の幻想入り 第27話

ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。

2009-12-19 11:27:45 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:716   閲覧ユーザー数:696

デオキシスとの戦闘を終えたベンケイ達は寺子屋で今までの事柄をまとめていた。

ベンケイは気晴らしということで人里へ飛来。慧音は自分の里が心配と感じて永遠亭から戻り、霊夢はデオキシスの追跡で一旦別れて行動している途中に、てゐと萃香のいる人里へやってきたのだが、てゐは鈴仙によって永遠亭に連行されていったのである。

しかし霊夢はお賽銭をどっさり受け取ることを約束しており、その件についてはベンケイが「会長殿から提供で支払うことにする」と言った結果で不満が解消されたのである。

そのあとの霊夢はもう一度追跡することで萃香と一緒に人里を跡にし、残っているのは痛手を負った筈なのに回復している妹紅と、寺子屋の主の慧音となった。

ベンケイ「信じられんな。あの戦いで治るのに時間がかかる筈が、5分もしないうちに治るとは・・・」

妹紅「まっ、この程度の傷なら私の能力でも余裕さ。私は『死なない程度の能力』、槍で刺された傷でも治ることができるわけさ」

慧音「しかしあの化け物は何か、とてつもない違和感を感じた。まるで強い敵と戦いたがってるように・・・!」

ベンケイ「うむ、我輩を見たときにすぐ襲ってきた。強者を求めていることは確かであるが、まずは奴が何者なのかが分からなくてはならない」

慧音「・・・こんなことでなんだけど、私には心当たりがある」

ベンケイ「と言うと?」

慧音「さっきから妖獣のことを考えていた。もしかしたら奴もその類なのかも・・・」

ベンケイ「ポケモン・・・ということだな?」

しかし確実じゃないことにベンケイは考え込んだ。この先でも何が起きるのか分からないこと、また襲ってくるのもおかしいことではない・・・

と、静かになっていたその時、ドサッと何かの音が3人の耳に入ってくる。その方向に振り向いてみると、布団に包まっている橙の姿があったのだ。

ベンケイ「む!?橙殿ではないか!」

橙「ふぇ?・・・う~ん・・・ここどこ?」

慧音「私の家だ。しかしこの子が何故・・・」

ベンケイ「慧音殿、紫殿が何かの理由で送ってきたのでは?」

慧音「理由・・・ !まさか!?」

橙「待って・・・」

デオキシスと戦闘を行っていたことにすぐ気づいた慧音だが、橙が暗そうな声で彼女を止める。

橙「私、寝ているときに怖い夢見たの・・・藍様が化け物に負けて、その化け物が竹林の中に逃げて行っちゃったんです・・・」

ベンケイ「竹林・・・?」

慧音「永遠亭のことか・・・だとしたら奴はそこに行ったというのか?」

ベンケイ「そんな大げさな・・・」

信じられないと思い込むベンケイ。すると外で声が聞こえてきた。

「おい、あれってあの時の奴じゃないか!?」

「永遠亭の方向に飛んでいくみたいだぞ!!」

一同「!?」

その話を聞いたみんなは外へ飛び出す。空にはデオキシスが物凄いスピードで永遠亭に行く姿があった。

妹紅「くっ・・・・・・慧音、ベンケイ!私はあいつにリベンジしてくる!!」

ベンケイ「! 待つのだ妹紅殿!!」

慧音「よすんだベンケイ。あの状態になった妹紅は止めようが無い・・・私達はこの先を備えて待つしかない」

ベンケイ「この先?」

慧音「何か嫌な予感がする・・・とてつもないことが起きそうになってるんだ。だから・・・」

ベンケイ「・・・・・・」

止めたい気持ちがあろうとしても、慧音の冷静な判断がベンケイを黙らせることになった。

 

 

エビス達はあれからデオキシスを探していたのだが、見つかる様子無いせいで天子は不満となっていた。

天子「あーもう!!エビスさん見つけてくれるんじゃないのですか!?」

エビス「んなこと言われても、伝説のポケモンとかは神出鬼没で出会いにくいんや!空飛んで探しても余計離されてまうから、こうして近づかなきゃ無理なんやでぇ」

天子「だからと言って30分ほどしても見つからないんですよ!?これ以上付き合わせるというなら弾幕を撃って・・・」

バルト「天子さんエビスさん!!空を見てください!!」

2人が空を見上げた。そこにはデオキシスか永遠亭へ飛び去っていき、さらに妹紅が追いかけていく様子が見えていたのだ。

天子「・・・これだともう空を飛んでも良いのではないんですか?(睨み)」

エビス「そんなに睨まんといてぇなぁ・・・ほな、バルトはん天子はん、行くで!」

 

魔神移動中・・・

 

エビス「竹林の中へ逃げ込んだようやなぁ」

バルト「でもこの竹林、なんだか不気味だね・・・」

天子「迷いの竹林とも言われてますからね・・・あれ?あそこにいるのは・・・」

エビス・バルト「?」

3人の先には、永遠亭へ連れて帰っている途中の鈴仙とてゐがいた。どうもてゐは嫌がっている。

エビス「・・・どうも関係ないような者みたいでんなぁ」

バルト「天子さん、別の場所に行きましょうか」

天子「待って、また誰かが来るようですよ」

そういった直後、さっきまで追い続けていた妹紅が鈴仙のもとにやってくる。どうやらデオキシスを見失ったらしい。

妹紅「イナバ!この辺りでオレンジの色をした変な化け物を見なかったか!?」

鈴仙「? 何よ急に・・・」

てゐ「ちょっと待って!それって・・・私が前にこの辺りで見た、胸に紫の水晶をつけている化け物のこと!?」

妹紅「そうだ。その化け物が永遠亭に向かってるんだ!早くしないと・・・」

天子「それなら私達も手伝わせてくれませんか?」

話を聞いていた3人は妹紅のもとへ近寄った。

妹紅「誰だお前達は・・・?」

天子「比那名居 天子。有頂天に住む天人よ」

エビス「大魔神会員のエビスや」

バルト「同じく大魔神会員のバルト!よろしく!」

鈴仙「大魔神・・・もしかして、ジュウゴロウの知り合い?」

バルト「うん、あの人は僕達の会長なんだ。今は何処にいるのか分からないけどね」

天子「大抵の話はそこの人(妹紅)から聞かせてもらいました。名前は・・・」

妹紅「藤原 妹紅だ。お前達の目的は私と同じな訳がよく分かった・・・!」

てゐ「じゃあ私も・・・ニギャッ!!」

鈴仙「あんたは駄目。行くわよ」

てゐ「そんな~!!」

結局鈴仙とてゐは彼女達より先に永遠亭へ行ってしまった。

妹紅「・・・それじゃあ、おっぱじめるか」

天子「ええ・・・」

妹紅の手には赤い炎が燃え、天子は緋想の剣を手に持つ。

エビス「ワテ等も負けられへんなぁ、バルトはん」

バルト「僕達は会長さんの歩んだ道を進むトレーナーですからね・・・!」

エビスのボールからはガブリアスが、バルトのボールからはリザードンが出され、4人と2体が横一斉に並びながら永遠亭へ進み始める。

 

 

 

 

 

全力で走る俺を止めようと、すかさず発砲する魔理沙。しかし改造による影響で脚力も人間以上な故、機敏な動きでかわしながら魔理沙の持つマシンガンを叩き落とし、魔理沙の両肩を掴んで抵抗できなくする。

ジュウゴロウ「魔理沙、俺だ!ジュウゴロウだ!いい加減に暴れるのをやめろ!」

魔理沙「ヴヴヴヴヴヴヴ~・・・」

それでも魔理沙は止まる気配がない。

青い眼光は「私に触るな」と伝えているようかのように俺を睨む。そんな眼を見た俺は、この感覚はどこかで見たことあることに気づく。

ジュウゴロウ「魔理沙、お前まさか・・・!?」

その時、背中に殺気が走り出す。ルーミアが起きて、俺の背中を狙いながら襲ってきたのだ。

俺はヤケで魔理沙を掴んでいる左手を離し、その手で振りかぶるルーミアの右手を止めた。だがこれはかろうじて危険なこと、今の俺は無防備で、相手にはもう片方の手が使えることとなっている。その予想通りに魔理沙の右手にはミニ八卦炉が俺に向けられていた。

ジュウゴロウ(ヤバい・・・!!)

俺はこうなればと両腕を引いたあとに突き出しで2人を離れさせる。しかしこの距離じゃ食らってしまう。避けれない!!

その時、

ルサナ「ジュウゴロウさん、耳を塞いで!」

ジュウゴロウ「!!」

ルサナに言われたとおり、俺は自然と耳を塞いだ。ルサナは持っているバイオリンの糸に弓を乗せる。

 

 

~~♪~~♪~~♪

 

 

魔理沙・ルーミア「!?」

悲しそうな曲が流れ、それを聞いた2人に異変が起きた。それは小町に食らわせたあの音であるのだ。

耳を塞いでいる俺を省き、魔理沙とルーミアは鬱となって闘争心を失ってしまった。

あいつに助けられたのだ・・・。

ルサナ「大丈夫でした・・・?」

ジュウゴロウ「ああ・・・ありがとな」

バイオリンと弓をおろしてルサナを見て俺は塞ぐのをやめ、心から御礼を言った。

サイ「会長さん、無事でしたか!?」

ジュウゴロウ「! サイ!」

サイ「よかった・・・あと、閻魔様も来ていますよ」

映姫「小町が戻ってこないと思いきや、あの魔法使いが穴へ入っていったのを見て追うことにした先がこうなっているとは・・・ところで、小町はどうしているのですか?」

ジュウゴロウ「死神はあそこで鬱になってる」

映姫「なっ!こんな所でなに落ち込んでいるんですか小町!起きなさい!」

 

ベチンッ!!

 

小町「痛っ!!・・・?私は今まで何を・・・」

小町がようやく目を覚まし、のちに映姫は説教を開始する。相変わらずなものです、閻魔様というものは・・・。

親父「ジュウゴロウ、無事か!?」

どうやら親父もやってきたようだ。

ジュウゴロウ「ああ親父、なんともないさ」

ロウダイ「それにしても、こんな場所があるなんて意外ですねぇ・・・」

ジュウゴロウ「俺達が見た地下はただの荒地みたいだ。ここが本当のアジトとうわけだぜ、シャドー団のな」

親父「ジャドー団だと?」

ロウダイ「なるほど・・・よく見たらあそこにいるのは昨日の子達じゃないですか」

姉妹達に気づいていたようだ。ルサナが「どうも」と挨拶すると、リリカとメルランがルサナのもとに寄って挨拶した。

魔理沙「・・・ん?ここどこだ?」

一同「!?」

鬱になっていた魔理沙が信じられない速さで目を覚ました。だが正気には戻っているようなので、魔理沙を俺の顔へ向けさせようと話しかける。

ジュウゴロウ「お前、変な石が集められた部屋に入っただろ?」

魔理沙「何で知ってんだ?そういえばあの時の青い水を飲んで・・・」

やっぱり・・・と俺は予想した。簡潔に事情を説明する。

 

魔人説明中・・・

 

魔理沙「えええええっ!?あれって薬だったの!?」

ジュウゴロウ「お前が飲んだのは、ギャラドスの遺伝子で作り上げた液状の覚醒剤だ。飲めば最大限の攻撃力と凶暴性が高まり、慣れない奴は暴走する非常に危険な薬って訳だ」

ロウダイ「マシンガンとかも彼女が持っていってたんですね。どれだけ物好きなことやら・・・」

ジュウゴロウ「お前が言うな。魔理沙、これからは俺達と同行するようにしろよ。逆らえば・・・こうだ」

俺は手に入れたハンドガンを魔理沙に突きつける。

ジュウゴロウ「分かったな?」

魔理沙「・・・分かったぜ・・・」

元の魔理沙でもやはり落ち込むときはあるようだ。さて、これで仲間は無事に揃ったし、そろそろ行くとするか。

ジュウゴロウ「ところで映姫、ルーミアやプリズムリバーはどうするつもりだ?連れて行くか?それとも先に幻想卿へ連れて帰らせるか?」

映姫「そうですね・・・小町、罰として彼女達を幻想卿へ連れて帰りなさい」

小町「はい・・・」

映姫「・・・返事は大きく!!」

小町「は、はいっ!!」

姉妹「さようなら~!」

まさにスパルタ教育。小町をシャキッとさせて鬱なルーミアを抱きかかえ、姉妹と共に幻想卿に繋がる空間までもと来た道を辿っていった。

映姫「では参りましょうか」

ジュウゴロウ「目指すは、ジャミラの元だ」

 

 

バコンッ!と扉をブチ破り、研究室へやってきた。この暗さといい、この気配は間違いなく奴だ。

「待ってたぜ。ジュウゴロウ・・・」

ジュウゴロウ「・・・ジャミラ・・・」

最悪の牙。ジャミラが姿を見せた。

第27話でした。

ついにジャミラとの決戦、そして永遠亭での攻防戦がスタート!!

とりあえず自分の趣味と言うか楽しみを増やすために、アニメ風の次回予告をどうぞ!

 

 

次回、魔神達の幻想入り。

「お前の悪事、ここで断ち切ってやるぜ!」

しかし、ジュウゴロウ以外に嵌められた罠・・・

「この檻は力を吸収する。ジュウゴロウ、俺と戦え!」

空間の神、パルキア降臨!圧倒的威力にジュウゴロウになす術無し!

(紫と戦っているようなことだ・・・スキマと同じように・・・!!)

一方の永遠亭で、デオキシスと遭遇する4人の戦士達。

「もう一度勝負だ!!」

天子の改心の一突きに弱まるデオキシス。しかし・・・!

「何で倒れないんだこいつ!?」

「そんなことが・・・」

そして人里、にとりの工房に魔の手が・・・

「我々はシャドー団!抵抗するものは全て、ダークポケモンによって排除する!」

「俺たちロケット団は、お前のような科学力より優れてる。貴様など時代遅れだ!!」

幻想卿、制圧寸前・・・

「ジュウゴロウ・・・」

その時、鈴仙の涙に奇跡が!

「俺はお前を・・・許さなぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~いっ!!!!」

 

次回、第28話。こうご期待!


 
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