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~少年が望んだ世界と力~

第六十七話 再来するナイトメア・クリスマス・イブ

2022-05-16 16:00:58 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2279   閲覧ユーザー数:2222

 

前書き

 

ARXー7アーバレスト「大変長らくお待たせいたしました!最近話をどうぞ!」

 

 

 

12月24日 海鳴市内デパート

 

「ねえねえ、これなんてどうかな?」

 

「こっちもいいわね!」

 

「わー、いいね!」

 

「そうだね、どっちがいいかな?」

 

グレアム提督との会談から数日が過ぎた。

あの後、リンディ提督とクロノから今回の仮面の男のことについての説明がされた。

説明をしている時のリンディ提督とクロノはいつも通りにも見えたが、落ち込んでいるようにも見えた。

信頼していた人物が関わっていたんだから当然か。

仮面の男から被害を受けた俺とフェイトにはリンディ提督とクロノが頭を下げて謝られた。

もちろん俺は許し、頭を下げられて戸惑っていたがフェイトも2人を許した。

そして、今日は12月24日。

世間はクリスマス・イブで、運命の日を迎える。

今すずか、アリサ、なのは、フェイトがこの後訪れるはやてへのクリスマスプレゼントを選んでいる。

俺はそれを離れて見ている。

俺は予め、はやてを含めてのプレゼントを用意しているからだ。

なので、俺はプレゼントを選んでいる皆んなの鞄を持って待機している。

 

同日 海鳴大学病院

無事にプレゼントを選び終え、お見舞いの花束を購入し、病院へと移動。

はやてのお見舞いに訪れ、すずかが病室の扉をノックする。

 

【はーい】

 

病室からはやての返事が聞こえると扉を開いて皆んなが病室へと入っていく。

 

「はやてちゃん、こんばんわ」

 

「「「こんばんわ〜!」」」

 

「よ。こんばんわ、はやて」

 

「あ!いらっしゃい!」

 

最初に入ったすずかが挨拶をして、続いて入ったアリサとフェイトとなのは、最後に俺も挨拶をすると、はやては笑顔で迎えてくれる。

少々警戒しながら俺も病室に入るがシャマルさん達の姿はない。

 

「具合、どう?」

 

「うーん、退屈すぎて違う病気になりそうや〜」

 

体調の具合を尋ねるすずかにはやては冗談で返すと皆んなで笑う。

 

「あ、紹介するね」

 

「高町なのはです」

 

「フェイト・テスタロッサです」

 

「八神はやてです。よろしくな」

 

「これお見舞いの花束と」

 

「クリスマスプレゼント」

 

「うわあ」

 

今回会うのが初めてなのはとフェイト、はやてが自己紹介するとアリサとすずかは花束と皆んなで選んだクリスマスプレゼントを渡す。

プレゼントと花束をはやては嬉しそうに受け取る。

 

「もう一つプレゼントがある。これは俺個人からのプレゼントだ」

 

「え!ええのん?」

 

「おう」

 

「おおきに、健悟君!」

 

皆んなで選んだのとは別の、俺個人からのプレゼントを渡すとは、はやては喜んでくれた。

ちなみに他の皆んなにも事前に渡したから問題ない。

プレゼントを渡してから、しばらく皆んなで談笑して楽しんでいる。

正直、こんな時間が続けばいいと思っているがそうはいかないだろうな。

 

コン、コン

 

そう思った矢先に病室のドアがノックされる。

・・・来たか。

 

「あ、皆んな来たかな?どうぞ〜!」

 

「失礼します」

 

「「こんばんは〜!」」

 

「ああ。アリサちゃん、すずかちゃん。こんばん・・・っ!?」

 

「「!?」」

 

「「!!」」

 

病室に入ってきたシャマルさん達がすずかとアリサに挨拶を返している最中にフェイトとなのはを見て驚き固まってしまう。

無論フェイトとなのはもだ。

 

「くっ!・・・ん!うーーー!」

 

ヴィータが俺達とはやての前に入り込み俺達を睨む。

正確的にはフェイトとなのはなんだろうけど。

ヴィータの突然の行動にすずかとアリサは戸惑っている。

 

「こらヴィータ!」

 

「あう!」

 

勿論事情を知らないはやてにしてみればお見舞いに来た人を威嚇するヴィータの行動は失礼なことだ。

ヴィータははやてに丸めた雑誌で頭を軽く叩かれる。

 

「お見舞いに来てくれた人にどういう対応や?」

 

「はやて!でも!・・・くっ!」

 

「は、初めまして。ヴィータ・・・ちゃん」

 

「私達、何もしないよ?大丈夫・・・ですよね?」

 

「ああ」

 

弁解をしたいけど出ないヴィータは再びこちらを睨む。

戸惑いながらなのは、初対面であるように挨拶し、フェイトはヴィータを宥め、シグナムの方を見る。

 

「どうも、こんばんは」

 

「あ、あら、健悟・・・君。こんばんは・・・。あ!皆、コートを預かるわね」

 

「「はーい」」

 

気まずい空気になったがとりあえず俺もシャマルさんに挨拶をする。

俺が挨拶をするとシャマルさんは動揺しながらも挨拶を返し、皆んなからコートを集める。

 

「健悟君、君もコートを」

 

「ああ、俺は自分で持っています。ちょっと、大事な物が入ってるので」

 

シャマルさんは俺からもコートを預かろうとするがコートに入ってるフェニックスドライバーを僅かに見せて断る。

 

「それは・・・!」

 

「そ、そうなの?わ、分かった」

 

フェニックスドライバーが見えたようで、シグナムが小さい声で驚き、はやての前でもあるせいか無理に預かることも出来ない為、シャマルさんは直ぐに頷き、すずか達のコートをハンガーに掛ける。

 

「念話が使えない。通信妨害を?」

 

「シャマルはバックアップの要だ。この距離なら造作もない」

 

「健悟」

 

「あー」

 

フェイトが念話を使おうとしたみたいだがシャマルさんによってジャミングがされているようだ。

フェイトは俺の方を見てきたからチラッとフェニックスドライバーを見る。

フェニックスドライバー、もといアポロンが通信可能を晒す緑の光を小さく、一回だけ点滅させる。

フェニックスドライバーで通信は出来るようだけど、シグナムやシャマルさんがこっちを警戒してるし、ここは出来ないって言っておいほうが良さそうやな。

そう思った俺はフェイトには首を横に振って出来ないと伝える。

 

「うーーっ」

 

「そ、そんなに睨まないで・・・」

 

「睨んでねぇです!」

 

「もー、ヴィータ。悪い子はあかんよ?」

 

「むおおお!」

 

明らかに睨んでいるが睨んでいないと言うヴィータに、はやては態度が悪いとヴィータの鼻を摘んで注意する。

 

「ここに来たのは本当に偶然で。お見舞い、続けても?」

 

「・・・ああ」

 

フェイトがシグナムに説明し、許可を取って、一先ずは、お見舞いを続けることになる。

 

海鳴市内 高層ビル屋上

 

「はやてちゃんが闇の書の主?」

 

はやてのお見舞い後、俺とフェイトとなのはは、シグナムとシャマルさんは場所を移し、はやてが闇の書の主人だと伝えられた。

ヴィータは病室に残り、すずかとアリサには先に帰ってもらっている。

 

「悲願はあと僅かで叶う・・・」

 

「邪魔をするなら・・・例え、はやてちゃんのお友達でも」

 

「ちょっと待って!話を聞いてください!駄目なんです!闇の書が完成したら、はやてちゃんは!」

 

なのははシグナム達に真実を伝えようとした時、上空から何かが飛来してくる音が聞こえ、俺とフェイト、なのはは視線を向ける。

 

「であああ!」

 

「っ!・・・きゃあっ!」

 

視線を向けると病室に残っていたはずのヴィータが急降下して向かってきた。

俺とフェイトはその場から離れ、なのははプロテクションパワードで受け止める。

だがプロテクションパワードは破られ、その衝撃によってなのはは吹っ飛ばされフェンスにぶつかる。

 

「なのは!」

 

「はあああ!」

 

なのはを心配してフェイトが叫ぶとシグナムがレヴァンティンを構え接近、俺とフェイトに斬りかかってくるがフェイトは回避する。

 

「シグナム!」

 

「管理局に我らが主のことを伝えられては困るんだ」

 

「私の通信防御範囲から出すわけにはいかない」

 

うーん。

これは戦闘の回避や逃げるのは厳しそうな状況だな。

見逃してくれる雰囲気が微塵もない。

ま、最初から逃げるつもりはないけど。

 

「ヴィータ・・・ちゃん」

 

「邪魔・・・すんなよ」

 

「あ・・・」

 

「あと少しで、はやてが元気になってあたし達の所に帰ってくるんだ。必死に頑張ってきたんだ。もう・・・あとちょっとなんだから・・・邪魔すんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あっ!!」

 

「でやあっ!」

 

なのはに近づいたヴィータの声は普段よりもトーンが低く、騎士甲冑を展開する。

グラーフアイゼンを強く握りしめ、僅かに涙を流しヴィータは叫びながらグラーフアイゼンを振り下ろすと大規模の爆発が発生する。

爆発の熱と爆風がこっちにも伝わってくる。

なのはの居た場所が炎に包まれている。

一応この後の展開は知っているが、多少は心配になる。

燃える炎の中からコツコツと歩く音が聞こえ、人影が見える。

バリアジャケットを展開したなのはが炎の中から現れた。

 

「くっ。・・・悪魔め!」

 

「悪魔で・・・いいよ・・・」

 

炎の中から現れたなのはの姿にヴィータが呟く。

その言葉になのはは、あの名シーン、名言である悪魔でいいと返す。

こんな状況で不謹慎だが、鳥肌が立った。

 

「分かってもらえるなら、悪魔でもいい!」

 

待機モードのレイジングハートをデバイスモードにして構えるとヴィータがなのはへと向かって行き2人の本格的な戦闘が始まる。

 

「シャマル。お前は下がって通信妨害に集中しろ」

 

「ううん。シグナム」

 

「ん?」

 

「私は、彼の相手をするわ」

 

シグナムがシャマルさんに通信妨害に専念する為に下がるように言うがシャマルは従わず、俺を見ながら俺の相手をすると告げる。

 

「しかし」

 

「彼と少し話がしたいの。お願い」

 

「・・・分かった。だが無理はするな」

 

「ええ」

 

シグナムは一度止めようとするがシャマルさんの希望を受け入れる。

流石にこれは想定外だな。

 

「健悟」

 

「ご指名されたみたいだからな。あの人は俺が相手しよう。フェイト、そっちは任せる」

 

「うん!」

 

指名されてしまった以上、相手をしないわけには行かない為、シグナムの相手をフェイトに任せる。

俺とシャマルさんはシグナムとフェイトから少し離れる。

 

「闇の書は悪意ある改変を受けて壊れてしまってます。今の状態で完成させたら、はやては・・・」

 

「お前達があれをどう決めつけようと、どう罵ろうと聞く耳は持てん」

 

「そうじゃない!そういうことじゃない!」

 

「聞く耳は持てんと言った。これ以上邪魔をするなら・・・。斬り捨てて通るだけだ!」

 

フェイトはこのまま闇の書を完成させるのは危険だと説得しようとするがシグナムは聞き入れず騎士甲冑を展開、レヴァンティンを構える。

既に戦闘体制に入っているシグナムにこれ以上の説得は不可能だと悟ったフェイトはバルディッシュを構える

 

〈Barrier Jacket Sonic form〉

 

バルディッシュがバリアジャケットを展開させる。

フェイトの服装がバリアジャケットへと変わっていくがその姿は普段とは少し違う。

普段装備されているマントがなくなっている。

フェイトの高速戦闘フォーム「ソニックフォーム」だな。

 

〈Crescent〉

 

バルディッシュのシリンダーが回転しカートリッジシステムが発動、再度フェイトがバルディッシュを構えると魔力刃が展開される。

 

「薄い装甲を更に薄くしたか」

 

「その分、速く動けます」

 

「緩い攻撃でも当たれば死ぬぞ」

 

「貴女に・・・勝つためです」

 

「こんな出会いをしていなければ、私とお前は良き友になれていたろうにな」

 

フェイトの姿を見て忠告をするシグナムにフェイトはシグナムに勝つ為と答える。

フェイトの覚悟にシグナムは出会い方が違っていれば良い友になれていたと言うと鞘を取り出し、一度レヴァンティンを納めて居合の構えをとる。

 

「まだ間に合います!」

 

「止まれん。我ら守護騎士、主の笑顔の為になら騎士の誇りさえ捨てると決めた。この身に代えても救うと決めた」

 

まだ間に合うとフェイトは訴えるが、はやての笑顔の為に自分達の騎士としてのプライドを捨ててでも、そして自分達を犠牲にしてでも、はやてを救うと決意したことを告げる。

シグナムの足元に魔法陣が展開される。

 

「こんな所では止まれんのだ!」

 

「止めます。私とバルディッシュが!」

 

涙を流しながら胸の内を叫ぶシグナムにフェイトは止めると宣言し、両者は同時に向かって行き、バルディッシュとレヴァンティンがぶつかり合う。

なのははヴィータ、フェイトはシグナムと戦闘を始めた。

俺もそろそろ自分の相手に集中しよう。

 

「正直驚きました。シャマルさんの方から俺を相手すると言うなんて。・・・それで、話とは?」

 

「健悟君。どうしても私達の邪魔をするの?」

 

「残念ですがその通りです」

 

「どうして!闇の書が完成しないと、はやてちゃんの命が危ないの!君は、はやてちゃんがどうなっても構わないの!?」

 

「そんなことないです。俺ははやてを救いたいと思ってます」

 

「ならお願い健悟君!私達を見逃して!」

 

「駄目です」

 

シャマルさんからの話は、やはり自分達の行動を邪魔をするのかという内容だった。

シャマルさんは邪魔をせず、協力をするよう訴えるが俺は首を横に振る。

 

「はやてを救う為とはいえ、闇の書は完成させてはいけないんです」

 

「・・・そう、残念だわ」

 

俺が協力を断るとシャマルさんは騎士甲冑を展開した。

 

「出来ることなら、君とは戦いたくはなかったけど。邪魔をするなら君でも!」

 

あーこりゃ駄目だ、シャマルさんのあの目は本気だ。

これは仕方ないけど武力制圧するしかない。

でも向こうはフェニックスへの変身を警戒してる。

恐らく俺がフェニックスドライバーを取ったらカード装填する前くらいに身動きを封じそう。

既に騎士甲冑を纏っている。

行動を起こすならあっちが早い。

そうなると不意をつくしかないな。

 

「仕方ないですね」

 

俺はコートの左胸ポケットに右手を突っ込む。

その動作にシャマルさんも警戒を強める。

ポケットからカードを1枚取り、表面がシャマルさんに見えるように裏返す。

 

「え?トランプ?」

 

見せられたカードがトランプだったことにシャマルさんは拍子抜けする。

勿論これはただのトランプでなく、ラウズカードだ。

シャマルさんの警戒が緩んだ瞬間に左腕をコートの右内側へ伸ばし、内側に隠し持っていたブレイバックルを取り出してスペードAを装填、ブレイバックルを腰に当て、ベルトが巻かれる。

 

「え!?ん!」

 

油断していたシャマルさんはブレイバックルが装着されるとクラールヴィントを向け、俺に放つ。

だが既に遅い。

 

「変身!」

 

『TERN UP』

 

ブレイバックルのレバーを引き、前面にオリハルコンエレメントが展開され、クラールヴィントを弾き返す。

 

「ふああああ!」

 

「!?っ!」

 

展開されたオリハルコンエレメントに向かって走り出す。

通り抜けることでブレイドに変身してそのままシャマルさんを捕まえようと右手を伸ばす。

しかし、シャマルさんは後ろへ飛んで空中へと逃げる。

 

「その姿、この前のブレイド!」

 

「正解です」

 

俺の変身した姿を見てシャマルさんは驚いている。

 

ちゃんとブレイドのことを覚えてたんだな。

 

「フェニックスと響鬼だけじゃなく、ブレイドにもなれるの?」

 

「数は秘密ですがまだまだ変身出来るライダーは沢山ありますよ」

 

フェニックスと響鬼にのみ変身出来ると思っていたシャマルさんにまだまだ変身出来るライダーはあると答えてブレイラウザーをホルスターから抜き、トレイを開く。

その中から1枚のラウズカードを選び取り、ブレイラウザーにラウズする。

 

『MAGNET』

 

「え?な、何?きゃっ!」

 

スペードの8のラウズカードに封印されたバッファローアンデッドの力が解放されたことで磁力を操ることで対象を引き寄せたり、斥力で引き離すことが出来る「マグネットバッファロー」を発動させるとシャマルさんご俺の方へ引き寄せられ、手間なくシャマルさんを確保出来た。

 

「確保」

 

「体が君の方に引き寄せられて。今のは一体?」

 

「磁石のように対象を引き寄せたり、または反発させられる能力を使ったんです」

 

「あ!は、離して!」

 

「駄目です」

 

突然のことに混乱しているシャマルさんにマグネットの効果を説明すると冷静を取り戻したシャマルさんは俺から離れようと暴れ出すが俺は力で抑える。

 

「あーもー暴れない」

 

「離してってば!」

 

「だから駄目ですって」

 

「そこまでだ!」

 

暴れるシャマルさんを抑えていると屋上の昇降口がバンっと勢いよく開き、声を掛けられる。

 

「キャプテンと劉備」

 

「その声、フェニックスなのか?」

 

「ああ。今の俺は仮面ライダーブレイド」

 

「シャマル、助けに来たぞ!」

 

「皆んな!」

 

昇降口の方に振り向くとそこには劉備とキャプテンが立っていた。

俺に声を掛けたのは劉備の方だな。

ゼロ、爆熱丸、ザッパーザク、グラップラーグフ、デストロイヤードム、曹操、孫権、呂布達が次々と現れる。

逃げ道塞がれた。

 

「君に質問がある。君は、はやてが闇の書の主だと知っていて、はやてに近づいたのか?」

 

「まぁ、ある程度は間違っていない。でも俺は、はやてを本当に友達だと思っている。だから助けたい」

 

「はやてを救いたいと思うなら我々に協力してくれ」

 

「駄目だキャプテン。闇の書を完成させては駄目だ」

 

「ならば、答えは決まったな」

 

キャプテンの質問に答えると呂布が前に踏み出し、破塵戟を俺に向けて構える。

 

「我らの邪魔をするのであれば、貴様をここで斬る!」

 

「呂布!」

 

「友達とか言っておきながらはやてを助けないだとぉ?ふざけたこと言いやがって。俺達の邪魔をするんじゃねぇよ!」

 

「止めるんだザッパー!」

 

「でも兄貴、キャプテン。結局コイツは、はやてを助ける気がないぜ」

 

「それは違う!」

 

「では何故、私達の闇の書の完成の邪魔をする?」

 

「闇の書は完成させてはいけない。危険だ」

 

「何言ってんだ。シグナム達が助かるって言ってんだ。闇の書のことを分かってるシグナム達が正しいに決まってるだろ」

 

「嘘ついてるドム〜」

 

「だが、彼の言う事が本当だったらどうする?」

 

「どうなさる劉備殿、キャプテン殿?」

 

今にも戦闘を始める勢いの呂布とザッパーザクを劉備とキャプテンが止めようする。

張飛に俺がはやてを助ける気がないと言われて俺はすぐに否定する。

今度はゼロに協力しない理由を聞かれて、闇の書の完成は危険だと伝えるが関わりのあるシグナム達の方が正しいと思っているグラップラーグフ、デストロイヤードムは俺の情報は嘘だ信じない。

一方で爆熱丸は万が一俺の情報が本当である可能性があるかもと思ってくれる。

どちらが正しく、どう行動するのか関羽がキャプテンと劉備に尋ねる。

全員がキャプテンと劉備を見る。

 

「もう一度聞きたい。君は我々と闇の書を完成させるのを協力してくれないのか?」

 

「ああ。出来ない」

 

「・・・」

 

俺の答えを聞いてキャプテンは黙って考える。

 

「君の言うことが事実なのか、嘘なのか、現状では判断出来ない。なら、我々は今共にいる仲間を、シグナム達の言葉を信じる!闇の書を完成させることで、はやてを救えると!野田健悟に通告する。シグナム達への攻撃に対し、私達は武装火器の使用を許可されている!速やかに撤収せよ!」

 

「そうか」

 

キャプテンの答えは俺と戦う事だった。

答えを聞いた俺はシャマルさんを離す。

 

「え?」

 

「シャマルさん、危ないんで離れてもらっていいですか?あ、そうそう。背後から俺を拘束しようとしてら駄目ですよ?周辺に狙撃部隊を待機させてるので」

 

「え、ええ」

 

シャマルさんは戸惑いながらも俺から離れていく。

離れたのを確認してブレイラウザーを引き抜いて構える。

ちなみに狙撃部隊を配備させているというのは嘘。

これでシャマルさんは警戒して通信妨害の方に専念するだろう。

 

「折角の人質を離してよかったのか?」

 

「俺は人質としてシャマルさんを捕まえたんじゃない。戦闘を止める為に捕まえただけだ。今の姿じゃ、シャマルさんを守りながらお前達と戦うのは難しい。だから離した」

 

「なんでもいいじゃねぇか。あいつがシャマルを離してくれたお陰で遠慮なく攻撃出来るぜ。おめぇら撃ちまくれー!」

 

「撃つザコー!」

 

「ちっ!」

 

シャマルさんがいなくなるとザッパーザク、ザコソルジャー達が一斉に撃ってきた。

弾を避ける為、右に走り出し、フェンスへと向かう。

屋上では逃げる場所がなさすぎる。

あとあんだけ相手がいるのに場所が狭い。

場所を変える為に跳躍してフェンス飛び越え、屋上から飛び降りる。

 

「な!?」

 

「飛び降りたぞ!?」

 

俺が飛び降りると後ろでゼロと爆熱丸の驚いた声が聞こえる。

地面に向かって落下する中、ラウズカードを1枚取り出して、ブレイラウザーにラウズする。

 

『FLOAT』

 

カリスのラウズカードであるフロートを使い、落下速度が落ちていき、地面にゆっくりと着地する。

俺はすぐに走り出し、ビルから離れる。

飛行が可能なガンイーグルとガンチョッパーズ、ある程度の飛行が出来るキャプテンとゼロも降りてきた。

 

「逃がしはしないぞ!」

 

「ちぃっ!」

 

降りてきたゼロがヴァトラスソードを振りおろすと俺はブレイラウザーで受け止める。

 

「ふんっ!はっ!」

 

「っ!やあ!」

 

「くっ!」

 

ヴァトラスソードを弾き、今度は俺がゼロに斬りかかるがシールドに防がれ、その隙にヴァトラスソードの切先で左肩を突かれる。

 

「ここは一旦離れて対策を練るしかないか」

 

「させるか!」

 

「何!?ぐあっ!」

 

一旦この場を離れる為にラウズカードを取り出そうとしたが上空からガンイーグル、ガンチョッパーズから攻撃を受けてカードが取れない。

 

「くそっ!オートバジン!ジークフリート!」

 

『BATTLE MODO』

 

『COMBAT MODO』

 

ガンイーグルとガンチョッパーズの攻撃に晒さられながら俺は念の為に待機させていたオートバジンとジークフリートを呼ぶ。

 

呼ばれたオートバジンとジークフリートはその場でバトルモード、コンバットモードへと変形し、ガンイーグルとガンチョッパーズに対してバスターホイールによる威嚇射撃行う。

 

「な!?なんだこいつら!」

 

「くっ!」

 

「ぬっ!」

 

「よし」

 

『MACH』

 

オートバジンとジークフリートの登場にガンイーグルは驚き、2体の射撃を回避する。

またジークフリートはキャプテンとゼロにも威嚇射撃を行い、キャプテンとゼロは後退し回避する。

その間に俺はブレイラウザーを開き、マッハのラウズカードを取り出してラウズしマッハを発動させる。

マッハで得た高速移動で走りだし、一度この場を離れる。

 

 

 

ある程度移動して、振り返るとキャプテン達の姿は見えない。

近くのビルの影に身を潜めて、アポロンに尋ねる。

 

「アポロン、状況報告を」

 

「キャプテン達はマスターをロストしたようで手分けして捜索しているようです。ガンイーグル及びガンチョッパーズはオートバジン、ジークフリートを追跡中」

 

「ふむ、成る程な。さーて、これからどうするかな」

 

「向こうの数は多すぎます。ブレイド単独で相手をするには限界があるかと」

 

現状報告を聞いて、これからどうする対策を考える。

アポロンの言うことはもっともなんだよなー。

数が多いのも理由の1つだけどキャプテン達強いんだよ。

特に三国志組が。

今更ながらだけどあいつらなんであんな強いの?

1対1ならまだなんとかなるけど、多人数をブレイドで相手するのは正直厳しい。

特に曹操と呂布!

かと言ってフェニックスにばっかり頼っても面白くない。

 

「なら、対抗出来そうな力で戦うしかないな」

 

色々考えた結果、ブレイドの状態でもキャプテン達を相手出来そうな力、左腕のアブゾーバーを見る。

 

「まさか、使われるのですか?」

 

「ああ」

 

「・・・あまりご無理のないように」

 

「可能な限りな」

 

フェニックスドライバーを上に向けて天に向かって1発撃ち、しばらく待つ。

 

 

待っているとオートバジンとジークフリートがガンイーグルとガンチョッパーズを引き連れて合流する。

少し遅れてキャプテン達も集まってきた。

俺の左右にオートバジン、ジークフリートが立ち並び、双方睨み合う形になっている。

 

「どういうつもりだ、健悟とやら。わざと自らの居場所を我らに晒すとわ」

 

「俺の方の考えも纏まったし、フェイト達の方に行かれたら困るからな」

 

折角離れたのに自分から場所を教えた俺に行動に曹操が尋ねてくる。

曹操の質問にフェイトとなのはの所に行かれたら困ることと俺自身の考えが纏まったことを正直に答える。

 

「フェニックス、もう一度勧告する。速やかに撤収するんだ。君1人で我々と戦うなど無謀だ」

 

「キャプテン。再三に渡る勧告には感謝する。だが、引くことは出来ない」

 

キャプテンは俺にまた撤退勧告をしてくれたことに感謝はするが俺はそれを断る。

右手でラウズアブゾーバーのトレイを開き、Qのラウズカードを取り出し、アブゾーバーへと入れる。

 

『ABUSORB QUEEN』

 

アブゾーバーが起動するともう1枚、スペードのKキングのラウズカード「EVOLUTION CAUCASUS」をアブゾーバーから取る。

 

「いくか。力を貸せ、キング!」

 

手に取ったKのラウズカードをアブゾーバーにラウズする。

KをラウズするとアブゾーバーにKの紋章が刻印された青いプレートがセットされる。

 

『EVOLUTION KING!』

 

エボリューションキングという音声後、AからKまでの13枚全てのスペードのラウズカードが宙に浮き、俺の、ブレイドの体に宿っていく。

全てのカードが宿るとブレイドの姿が変わる。

全身がディアマンテゴールド製の装甲「キングアーマー」へと強化され、胸部装甲もオリハルコンプラチナ製の「キングブレスト」になり、カテゴリーKの紋章が刻印された「ハイグレイドシンボル」が出現している。

右肩、右上腕、右下腕部にの3箇所にJのイーグル、10のスカラベ、3のライオン、左肩と左上腕部の2箇所にQのカプリコーンと2のリザード、右太腿、右膝、右脚部の3箇所に6のディアー、7のトリロバイト、5のローカスト、左太腿、左膝、左脚の3箇所に8のバッファロー、4のボア、そして9のジャガーの計11箇所に融合したカテゴリー2からQまでの11体のアンデッドの紋章が刻印された「アンデッドクレスト」が浮かんでいる。

そして左手に巨大剣型カードリーダー「重醒剣キングラウザー」が出現し、キングラウザーを持つ。

本来ならばカテゴリーKの上級アンデッドである「コーカサスビートルアンデッド」とのみ融合するはずだが、俺自身も剣崎一真並に適合力が高い為、彼と同じ姿に強化変身出来た。

これが13体のスペードスートのアンデッドと同時融合し、金色に輝くアーマーを纏ったブレイドの最強フォーム「仮面ライダーブレイド キングフォーム」だ。

 

「変化しただと」

 

「黄金の・・・鎧」

 

「ケッ!金ぴかになったからってなんだってんだよー!野郎共、撃ちまくれ!」

 

『ザコー!』

 

「撃つドム〜」

 

キングフォームにフォームチェンジするとゼロと爆熱丸が驚く中、ザッパーザクが指示を出し、ザッパーザク、ザコソルジャー、デストロイヤードムが撃ってくる。

飛んでくる弾やロケット弾を俺は躱すことなく全て受けていく。

 

「胡蝶!乱舞!」

 

元ダークアクシズメンバーが撃ってくると続けて貂蝉が技を放ち、無数の蝶が俺の周りに群がり爆発を起こす。

爆煙によって俺の全身が包まれる。

これだけの攻撃を受けたのに、あまりダメージを感じない。

流石、キングフォームすげぇわ。

 

「ぶわああはっはっはっは!!なぁんだ大したことねぇじゃねぇか!」

 

「なんでぇ。ザッパーザクの言う通り、単なるこけおどしだったのか?」

 

爆煙で回りは見えないが俺が倒れたとザッパーザクと張飛は思っているようだ。

とりあえず、煙で何も見えないから視界を確保する為に前に歩き出す。

 

「否」

 

「曹操殿?」

 

まだ煙で見えないけど、曹操と関羽の声が聞こえてきた。

倒したと思っているザッパーザクと張飛とは違い、俺が動いたのを感じ取ったのか曹操の声は未だに警戒が解けていない。

そして、煙の中から出られて周りが見えるようになった。

 

「な、何〜!?」

 

「ほお・・・」

 

爆煙から何事もなかったように出るとザッパーザクは驚き、呂布が感心している。

 

「へっ!そうでなきゃ面白くねぇ!」

 

まだまだ戦える俺を見て、グラップラーグフが鉤爪で斬りかかってくる。

 

「・・・」

 

俺は無言で鉤爪をキングラウザーで防ぎ、動きを止めると右手でグラップラーグフの左頬をパンチする。

 

「ごっ!」

 

「「「ザココー!」」」

 

殴り飛ばしたグラップラーグフにザコソルジャー数体が巻き込まれてと共に倒れる。

 

「参る!」

 

グラップラーグフを殴り飛ばすと関羽が青龍偃月刀を構えて向かってくる。

俺の右上腕部のスカラベアンデッドのアンデッドクレストが光る。

すると俺を除く全員の動きが止まる。

タイムの力を使い時間を止め、関羽に近づき青龍偃月刀を掴んだところで時間を戻す。

 

「な、何!?ぐあ!」

 

関羽にしてみれば瞬間移動した感覚になるだろう。

突然のことに驚く関羽を俺はキングラウザーで胸部を斬る。

 

「よくも!」

 

「ふっ!」

 

「マジかよ!うがっ!」

 

「張飛!」

 

関羽が斬られると張飛が跳びかかってくるが今度は左膝のボアアンデッドのクレストが光り、タックルの力を発動させ突進、張飛の懐に入り込み、そのままショルダータックルを食らわせる。

ショルダータックルを受けた張飛を心配して劉備が叫ぶ。

 

ガガガガガ

 

ガキンガキンガキン

 

「ん?」

 

張飛を吹っ飛ばした直後、背後から撃たれる。

俺が振り向くと、ザッパーザクがマシンガンを構えている。

 

「くらいやがれー!」

 

ザッパーザクは更にマシンガンとガトリングを撃ってくる。

銃弾を受けながらザッパーザクに向かって歩いていく。

 

「こ、こいつ効いてねぇのかよ!うお!?」

 

銃撃を受けているのにも関わらず、怯むことなく近づいていく俺にザッパーザクは驚いている。

腕が届く距離まで近づくと右手でザッパーザクの頭を掴み、片腕で持ち上げた。

 

「いだだだだ!は、離せ離せ!頭がもげる!」

 

「撃つドム〜!」

 

ザッパーザクを持ち上げると左側からデストロイヤードムがバズーカを構えて撃とうしている。

危ないぞ、ザッパーザクが。

仲間なんだから気にしてあげて。

 

「ん!」

 

「おわああああ!?」

 

「ふぉあ!?」

 

「「あら〜!!」」

 

デストロイヤードムに向かってザッパーザクを投げ、2体がぶつかって倒れる。

 

「す、凄い。なんて強さだ」

 

「ならば、孫権!」

 

「あ、ああ!」

 

キングフォームの強さに感心している孫権に劉備が声を掛けると孫権は慌てて返事を返して動き出す。

劉備が右、孫権が左から迫ってくる。

劉備と孫権が同時攻撃しようとしているのを察した俺はラウズカードを今までのラウザーから抜き取るのでなく、具現化させる。

キングフォームになったことでスペードのラウズカードのみ、これまでのラウズカードとは異なった「ギルドラウズカード」に変化し、具現化した5枚のギルドラウズカードを右手で取る。

 

『SPADE TWO!SPADE THREE ! SPADE FOUR! SPADE FIVE! SPADE SIX!』

 

具現化させた5枚のギルドラウズカードを2、3、4、5、6の順番でキングラウザーに入れていく。

 

「これで!」

 

「打ち取った!」

 

「ふんっ!」

 

キングラウザーに入れ終わった直後、接近した劉備と孫権が各々の剣を振るう。

俺の左手にブレイラウザーが出現し、右手のキングラウザーで劉備の剣、左手のブレイラウザーで孫権の剣を受け止める。

 

「何!?剣が!」

 

「に、二刀流!?」

 

『STRAIGHT FLUSH!』

 

「うおおお!ふっ!はっ!」

 

「「うわあああっ!」」

 

突然現れたブレイラウザーによって防がれて劉備と孫権が驚く中、キングフォームの必殺技の1つである「ストレートフラッシュ」を発動させ、キングラウザーに3と6、ブレイラウザーに2、4、5のラウズカードの力が宿りるとキングラウザーが輝き、ブレイラウザーは青白く輝き電撃が走る。

2人の剣を同時に押し返し、2本のラウザーを同時に振り上げ、同時に振り下ろし劉備と孫権を斬る。

 

「我が奥義、受けてみよ!」

 

劉備と孫権を斬ると俺の後ろから曹操の声が聞こえ、振り返る。

視線を向けると曹操は剣を構え、空中へと飛ぶ。

曹操が飛ぶと俺はカードケースから3枚のラウズカードを取り出し、2枚のギルドラウズカードを具現化させる。

 

『SPADE! HEART! DIA! CLUB SIX! SPADE KING!』

 

「はぁぁぁぁああああっ!」

 

『FOUR CARD!』

 

「ふっ!」

 

3枚のラウズカードと2枚のギルドラウズカードをキングラウザーに入れていき、コンボが発動する。

俺の後ろにスペード、ハート、ダイヤ、クラブの6、前面にスペードのKが絵柄が浮かび上がり、後ろの4枚の絵柄が前のKの絵柄に集まり、1つとなって俺の体に宿る。

スペード、ハート、ダイヤ、クラブの6のカードとスペードのKを使ったキングフォームの必殺技の1つ「フォーカード」を発動させると俺の前にラウズした5枚のカードがエネルギー状のカードとなり、縦一列に並ぶ。

キングラウザーを両手で握り、腰を深く落として構え、エネルギー状のカードに向かって駆け出す。

 

「大紅蓮斬!!」

 

「うおおおおおっ!」

 

5枚のエネルギー状のカードを通り抜け、ブレイド、ギャレン、カリス、レンゲルの4ライダーのエレメントの力がキングラウザーに宿る。

通り抜けてすぐ、曹操が大紅蓮斬を振り下ろし、俺もキングラウザーを振るう。

曹操の大紅蓮斬と俺のフォーカードがぶつかりあう。

 

「ぬうううううう!!」

 

「おおおおおおお!!」

 

力は互角、俺も曹操も押し切ることが出来ず鍔迫り合う。

 

「「ふんっ!!」」

 

10秒近く鍔迫り合い、一度互いに後ろに下がり距離を取る。

 

「魂ぃぃぃ!!」

 

曹操から離れると突然叫び声が発せられ、すぐに声の方へ視線を向ける。

 

「ふははははっ!よもやあのフェニックスの他にこれ程の力を持っていたとは!その力、俺の魂をたぎらせる!」

 

叫んだのは呂布でキングフォームの力に興奮し、手に持っている破塵戟を振り回す。

奴の技が来ると思った俺は5枚のギルドラウズカードを具現化させる。

 

『SPADE TEN!SPADE JACK!SPADE QUEEN!SPADE KING!SPADE ACE!』

 

具現化した5枚のギルドラウズカードを10、J、Q、K、Aの順番でキングラウザーに入れていく。

 

5枚のギルドラウズカードを入れたことでコンボが発動し、キングラウザーの刀身が光を放ち、再び俺の前に縦一列にエネルギー状のカードが5枚出現する。

 

「はぁぁぁぁああああっ!」

 

『ROYAL STRAIGHT FLUSH!』

 

「旋風!大烈斬!」

 

「ウエエエエイ!!」

 

フォーカードと同じ様にキングラウザーを両手で握り締め、腰を落として構え、キングラウザーからコンボ名が発せられる。

直後に呂布の破塵戟から暴風が放たれると俺もキングラウザーを振るい、刀身をエネルギー状のカードに向け、破壊光線を放つ。

呂布の暴風とキングフォームの最強の必殺技である「ロイヤルストレートフラッシュ」がぶつかる。

一瞬止まったがロイヤルストレートフラッシュは呂布の暴風を貫く。

 

「むっ!!ぐおおっ!」

 

呂布は驚きながらも右へと避けようとしたが左肩にロイヤルストレートフラッシュが命中し、後ろへ飛ばされると背中から地面に倒れる。

 

「奉先!」

 

「・・・ふ、ふふふ、ふっはははははは!!」

 

呂布が倒れると心配して貂蝉が叫ぶが呂布はゆっくりと起き上がり、破塵戟を杖代わりにして立ち上がると高笑する。

 

「中々やるではないか!その強さ、俺の魂が昂っておるわ!」

 

やっべー。

こいつめっちゃ楽しんでやがる。

こういう奴はめちゃめちゃ面倒だぞ。

ていうか、やっぱ呂布と曹操強すぎん?

曹操に関しては技、呂布に関しては力とあのタフさ。

ロイヤルストレートフラッシュで少しはダメージ受けて動き鈍るかと思ったのに元気やし。

 

「こいつ、あの鎧を纏ってからかなり強くなってるぞ」

 

「うむ。攻撃力も防御力も桁違いだ」

 

爆熱丸とキャプテン、ゼロが構える。

それに加えて劉備達もまだまだ戦えるし、時間がかかりそう。

 

「・・・ん?」

 

しかし、ここで俺はあることに気づく。

 

「なぁ。一ついいか?」

 

「?どうした?」

 

「俺達以外の周り。・・・静かすぎないか?」

 

「何?」

 

周りの劉備達を警戒しつつ、キャプテンに声を掛ける。

さっきまで遠くで聞こえたフェイト達の戦闘の音が全く聞こえてこない。

そのことをキャプテン達に伝えるとキャプテン達は周囲音を聴こうと耳をすます。

 

「お前ら、ちょっと降りて静かにしろ」

 

「え?あ、ああ」

 

俺は聴きやすくする為に飛行音がするオートバジンとジークフリードに地上に降りるようジェスチャーしながら指示を出し、オートバジンとジークフリートが地上に着地する。

俺はオートバシンとジークフリートだけに言ったつもりだったんだが、ガンイーグル達は自分達も言われたのだと思ったようで返事を返し地上に降りる。

その後、誰も喋らず、動きも止めて改めて周辺の音を聞く。

 

「言われてみれば、確かに」

 

「シグナム達が倒されたのか?」

 

「あの子供の方という可能性は?」

 

「どちらだとしても、連絡が来ていない。どういう事だ?」

 

爆熱丸、孫権、関羽、キャプテンもおかしいと思ったその時だった。

 

【やめてーーーーー!!】

 

『!?』

 

「はやて?!」

 

町中に叫び声が響き渡る。

 

この声は、はやての声だ。

 

はやての叫び声が聞こえ、この場の全員が反応、俺ははやての名前を呟く。

 

【ああああああ!!】

 

再びはやての叫び声が響き渡ると今までとは違う雰囲気、気配を感じる。

 

「な、なんだ!?」

 

「この気配は・・・一体なんだ?」

 

気配が変わったことに劉備と曹操、そして三国志系のSDガンダム達は感じ取ったみたいで警戒を強めている。

 

「警告!衝撃波接近中!退避を!!」

 

「何!?」

 

「オートバジン、ジークフリート、マスターを!」

 

アポロンから衝撃波の接近の警告が出されたが、既に退避が間に合わないと判断したアポロンが指示を出すとオートバジンとジークフリートが俺を守る為に前に立つ。

衝撃波に備えて俺はキングラウザーをアスファルトに突き刺し、トリロバイトアンデッドのクレストが光、メタルの能力を発動させる。

その数秒後に衝撃波が到達した。

 

『うわああああ!!』

 

オートバジンとジークフリート、メタルによる硬化、キングラウザーで俺は踏ん張れているが衝撃波によってキャプテン達が飛ばされる。

 

「・・・ありがとう、オートバジン、ジークフリート」

 

衝撃波が収まり、守ってくれたオートバジンとジークフリートにお礼を言って、突き刺したキングラウザーを引き抜く。

 

「あー、一応確認するけど。そっちは大丈夫か、キャプテン?」

 

「私は大丈夫だ。皆、無事か?」

 

「あ、ああ。なんとかな」

 

一応心配になったのでキャプテンに大丈夫か尋ねる。

立ち上がりながら大丈夫とキャプテンは答え、他のメンバーに声を掛ける。

劉備が返事を返して立ち上がり、他のメンバーも立ち上がる。

 

「おいおい!何がどうなってんだよ!?」

 

「恐らく、お前達が望んでいたもの。闇の書が完成したんだ」

 

「闇の書が完成したのか!」

 

「ならこれで、はやてが助かるのか?」

 

「だが、この気配・・・。良いものとは言えぬ」

 

突然のことに状況が飲み込めず戸惑うザッパーザクに闇の書が完成したことを伝える。

それを聞いて劉備とゼロが反応するがフェイト達がいる方向から感じる気配に曹操が警戒している。

 

「アポロン。準備はいいな?」

 

「いつでも、何処でもです」

 

「なら、ロックンロールっと言っておくか」

 

これ以上キャプテン達と戦っている時間がなくなり、アポロンに準備は出来ているか確認する。

フルメタのクルツと宗介のノリで返事を返してきたので俺も同じくフルメタのマオ姐さんのノリで返してターンバックルのレバーを引き、バックル中央が裏返りラウズカードを抜く。

ラウズカードを抜き取くとオリハルコンエレメントが展開、自動的に俺の身体を通り抜けて変身が解除される。

 

「キャプテン、もう戦っている時間はなくなった。このまま放っておけば、世界が崩壊する」

 

「世界が・・・崩壊?!」

 

「俺は今からこの原因を止めに行く。そちらはどうする?俺と一緒に止めるか?このまま何もせず傍観してるか?それとも、まだ俺を止めようとするか?」

 

ブレイドを解いた俺は、このままだと世界が崩壊することを伝えるとキャプテンは驚いた表情をする。

世界の崩壊を止める行くことを告げて、キャプテン達にも一緒に行くか、まだ俺と戦うのか、それとも何もせずにいるのか尋ねる。

その問いかけにキャプテンと劉備は考えるように俯き、俺と他はその答えを待つ。

 

「私達は、はやてを救う為に闇の書の完成を目指していた」

 

「だがこれは見過ごすことは出来ない!」

 

「これより、我々は彼に協力する!」

 

「こいつを信じるのかよ?!」

 

「現状を見る限り、彼が嘘をついてるようには見えない」

 

「もし嘘だったらすぐに協力関係を切って敵対してくれて構わない」

 

「ちぇっ。わーたよ」

 

現状から考えた結果、キャプテンと劉備は俺に協力してくれることになった。

だが、さっきまで敵対していたこととシグナム達を信じていることもあってザッパーザクからは俺を信じられるのかという意見が出る。

当然の反応だ。

なんとかザッパーザク納得させることが出来た。

 

「だいぶ遅くなったが自己紹介をさせてほしい。野田健悟だ。よろしく」

 

「うむ。よろしく頼む、健悟」

 

「ああ!」

 

出会ってから随分遅くなってしまったがキャプテン達に自己紹介をしてフェニックスドライバーをホルスターから引き抜き、3回ほど回転させてドライバーにカードを入れる。

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『PHOENIX!』

 

フェニックスドライバーを真上に向けてトリガーを引き、フェニックスに変身完了。

その後、カードケースに手を伸ばす。

さぁ、これからの戦いに備えて準備を始めよう。

 

 

 

フェイトSide

 

シグナムと戦っている最中に突然闇の書が独自に動き、シグナム達守護騎士から魔力を蒐集した。

私となのはは捕まり、なんとか脱出することが出来たけど覚醒した闇の書は、はやてと融合して話に聞いていた融合騎が現れた。

融合騎は空間攻撃の魔法を発動させ、守りの薄い私を護る為になのはが私の前に出て防御してくれた。

 

「ごめん、なのは。ありがとう」

 

「大丈夫。私の防御、頑丈だから」

 

「バルディッシュ」

 

〈Lightning Form〉

 

守ってくれたなのはにお礼を言ってからバルディッシュに指示を出し、ソニックフォームからライトニングフォームに戻す。

 

「あの人、一体?」

 

「ベルカの融合騎。主と一体化して戦う人格型管制ユニット。彼女が表に出てるってことは、はやては多分意識をなくしてる」

 

「助けるには?」

 

「分からない。だけど・・・」

 

「話してみるしかないよね?」

 

「うん!」

 

なのはにあの融合騎について軽く説明をする。

恐らく現状では主である、はやては意識を失っているはず。

助ける手段は変わらないけど、まずは、なのはと一緒に融合騎との接触をしようと思う。

健悟と連絡が取れない。

けど、きっと健悟なら大丈夫。

 

「あの、闇の書さん!」

 

「私達、はやてちゃんやヴィータちゃん達とは・・・」

 

「我が騎士達は・・・」

 

融合騎に近づいてなのはが声をかけると融合騎はこちらを向いた。

なのはが話しかけるけど、融合騎に途中で遮られる。

 

「お前達を打ち破り、ナハトの呪いを解き、主を救うと誓った。そして我が主は目の前の絶望が悪い夢であってほしいと願った。我はただ、それを叶えるのみ。主には穏やかな夢の内で永久の眠りを・・・」

 

「「っ!!」」

 

「そして、我らに仇なす者達には、永遠の闇を!」

 

「待ていっ!!」

 

融合騎から聞かされたのはシグナム達守護騎士達と、はやての願い。

それを叶える為に、はやてには自分の中で眠ってもらい、彼女にとって邪魔者な私達を倒そうと融合騎が新たに魔法を発動させようとした時、突然誰かに呼び止められた。

私となのは、融合騎も声をした方向に視線を向ける。

声がした方向には高いビルがあり、その屋上に人が腕を組んで立っている。

 

「どんな夜にも必ず終わりは来る。闇が解け、朝が世界に満ちるもの・・・。人、それを『黎明れいめい』という・・・!」

 

「貴様、何者だ?」

 

「貴様に名乗る名はない!」

 

ビルの屋上のいる男の人に闇の書の融合騎が何者なのか尋ねるけど相手は名乗ることを断って口元が閉ざされる。

 

「そこまでだ」

 

「健悟!」

 

「野田君!」

 

その直後に聞き馴染みのある声、仮面ライダーフェニックスに変身した健悟が男の人の隣から現れる。

健悟が無事だったことに私は安心した。

 

 

 

 

健悟Side

 

彼女と戦う準備を終えた俺は、今フェイト達がいる所を見下ろせることが出来る高さのビルを見つけて屋上まで上がる。

そしてマシンロボと呼ばれる超ロボット生命体の星「クロノス」に住むヒューマノイド型マシンロボ「クロノス族」の族長の息子にして、宇宙拳法「天空宙心拳」の継承者である「マシンロボ クロノスの大逆襲」に登場した主人公「ロム・ストール」が彼女にお約束の口上を行う。

ロムの登場の口上が終わって俺も姿を現す。

なんでわざわざそんな面倒な登場の仕方をするかって?

それは・・・格好いいからだ!

 

「すまん、遅くなった!」

 

「お前は・・・」

 

なのはとフェイトに合流するのが遅れたことを謝って俺が登場すると彼女は俺をじっと見る。

 

「我が主の友人にして、我が主とシャマルを助けた者か」

 

ほー、そのへんは把握してくれているのか。

よくよく考えれば夜天の書の状態で、はやてを見守っていたんだから当然なのだが、ちょっとびっくりだ。

 

「古代ベルカでも現代の魔導とも異なる異界の力を持っているようだがお前が加わったても私を止めることは出来ない」

 

「ああ。お前からはもの凄いヤバい何かを感じる。正直俺達2人だけが加勢に入ったところで大差はないだろう。だから、もっと助っ人を呼ばせてもらった」

 

彼女の言う通り、俺とロムだけが加わっただけでは止めるのは厳しい。

俺の言葉を合図に俺の左右隣、または周りのビルの屋上、地上から多数の人やロボットが姿を表す。

 

「アカレンジャー!」

 

「スペードエース!」

 

「バトルジャパン!」

 

「デンジレッド!」

 

「バルイーグル!」

 

「ゴーグルレッド!」

 

「ダイナレッド!」

 

「レッドワン!」

 

「チェンジドラゴン!」

 

「レッドフラッシュ!」

 

「レッドマスク!」

 

「レッドファルコン!」

 

「レッドターボ!」

 

「ファイブレッド!」

 

「レッドホーク!」

 

「ティラノレンジャー!ゲキ!」

 

「リュウレンジャー!天火星、亮!」

 

「ニンジャレッド!サスケ!」

 

「オーレッド!」

 

「レッドレーサー!」

 

「メガレッド!」

 

「ギンガレッド!リョウマ!」

 

「ゴーレッド!」

 

「タイムレッド!」

 

「灼熱の獅子!ガオレッド!」

 

「風が哭き、空が怒る!空忍!ハリケンレッド!」

 

「元気莫大!アバレッド!」

 

「デカレッド!」

 

「燃える炎のエレメント!赤の魔法使い!マジレッド!」

 

「熱き冒険者!ボウケンレッド!」

 

「身体に漲る無限の力!アンブレイカブル・ボディ!ゲキレッド!」

 

「マッハ全開!ゴーオンレッド!」

 

「シンケンレッド!志葉丈瑠!」

 

「嵐のスカイックパワー!ゴセイレッド!」

 

「ゴーカイレッド!」

 

「レッドバスター!」

 

「聞いて驚け!牙の勇者!キョウリュウレッドォ!」

 

「スーパー戦隊!アカレッド!」

 

「仮面ライダー!スーパー1!」

 

「ゼクロス!」

 

「仮面ライダーブラック!」

 

「俺は太陽の子!仮面ライダーブラック!RX!」

 

「仮面ライダーJ!」

 

「しゃっ!」

 

「俺、参上!」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

 

「仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうぜ!」

 

「さぁ!ショータイムだ!」

 

「荒れるぜ〜!止めてみな!」

 

歴代スーパー戦隊のレッド、昭和仮面ライダー、クウガからウィザードまでの平成仮面ライダー等のヒーロー達とガンダムシリーズ、マクロスシリーズ、勇者シリーズ等のリアル、スーパーロボットの歴代主役機がビルの屋上、空中、地上から彼女を包囲する。

これで必ず、彼女を止める!

 

 

 

 

後書き

 

 

 

ARXー7アーバレスト「読者の皆様、大変お久しぶりです。前回の投稿から約一年半程、更新が出来ずお待たせして申し訳ありません。内容が中々上手く纏められず、気づけば今にいたります。今後もマイペースでの投稿になりますが、今後も何卒宜しくお願い致します。さて次回予告なんですがタイトルは未定です。重ね重ねすいません。次回もお楽しみに!!」

 

 
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