No.109162

三題噺でSS番外編2

友達に無茶振りさせられて書いた作品。

時に人はスキャンダルを撮られると本気になるらしい。

お題

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2009-11-27 12:59:28 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:673   閲覧ユーザー数:669

 朝、コーヒー牛乳を片手に通学路を歩く俺は、門怒竜(もんどりゅう)学園の校門に人だかりが出来ているのを目撃。

 その人だかりは出入口を塞ぐ勢いで、このままでは学校へ入ることは困難だ。

「おっはよー、今日も夏真っ盛りやねー」

 学校に入れずに途方に暮れている俺に、ポンと背後から肩を叩かれたと思うと、にゅいっとクラスメイトの轟木(とどろき)が顔を出す。

「轟木か……校門のあの騒ぎは一体なんなのか知ってるか?」

 俺は校門の人だかりに指を指し轟木に尋ねる。

「そーいえば、赤生(あこう)って門怒竜通信を読んでないんだっけ、今日は科学部と新聞部の決闘をやってるんだよ」

 そう言って轟木は、ガサガサと学校指定の肩掛け鞄からクシャクシャになった学校通信を俺に見せる。

 そこには、【新聞部と科学部、因縁の二つが遂に決闘】と書いてある。

「因縁? 新聞部と科学部がそんな関係だったなんて話全く聞いたことないぞ?」

「あー、因縁になったのは五日前かららしいよ?」

 俺の素朴な疑問にサラリと答える轟木。

 因縁の関係が五日前からって、まだ浅いじゃねぇかっ!

「とりあえず面白そうだから観戦しようぜ」

 そうやって俺の手を引く轟木。仕方なく観戦することにする。

 じゃないと、学校入れそうにないからな。

 

 

 校庭には、黒縁眼鏡の黒髪坊ちゃん刈りでいかにもインテリぶってそうな三年新聞部部長、宝澤光彦(たからざわみつひこ)と、白衣に所々血痕が付着し何やら怪しい雰囲気を醸し出している三年科学部部長、柳琢也(やなぎたくや)が十分な距離を取って互いが互いを睨み付けていた。

「流石科学部、あれだけの爆発物を投げ付けても立ち上がるなんてすげぇじゃねぇか」

 どうやら新聞部の攻撃に科学部が耐えたらしく、宝澤は驚いているらしい。

 というか、爆発物なんて危ない物振り回すなよ。先公も止めろよ。

 俺のツッコミなんて聞かれる訳がなく、宝澤は懐から何やら写真を取り出す。

「所詮、科学は情報の前には敵わないのだよっ!」

 そう言って宝澤は写真をばらまく。観客席にもばらまかれ拾ってみると、そこには柳と別の学校の制服を身に纏った女の子がキスをしている光景が記録されていた。

 新聞部の言わば盗撮による暴露テロである。

 その写真で観客がざわめきだす。

 理由は、柳は門怒竜学園のマドンナである橘田鞠(きったまり)と付き合っているのだが、別の学校の女の子と付き合っているとなれば、二股をかけているとなるからだ。

「ど、どこからその写真を……許さない……その写真を全て燃やしてくれる」

 柳が右手に持っていたボタンを押すと、空から電波塔を頭につけた校長が降ってきた。

 って、こうちょぉぉぉおお!!!!!!

「自爆専用校長ロボ一号だ、既にボタンは押されているから、あと五秒で爆発する」

 柳はニヤリと笑う。

 自爆専用校長ロボ一号は目に奇抜な色を放ちつつ爆発までのカウントを始める。

 俺達観客もその言葉に逃げ惑うが間に合わず、学校は爆発した。

 

 その後、新聞部と科学部が大目玉を食らったのは言うまでもない。


 
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