No.1075914

新大陸の140字集 その3

ぽっぽさん

140字集を書き溜めたものです。
ストーリーのネタバレはありませんが、オライオンさんの親密度イベントの内容は含みます。

2021-10-30 22:12:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:267   閲覧ユーザー数:267

・とある船の逸話…2p

 移植民を乗せる船は、皇子が作らせた特注かもしれない·····というテーマで140字ss。

 

・誕生のきっかけ…3p

 服屋のアクセサリーが出来たきっかけはどんなものかというテーマで140字ss。

 ルベンスと服屋の店員ちゃんの話。

 

・隔たり…4p

 オライオンさんに『家族』の話を投げ掛けるエルフリック皇子で140字ss。

 

 

 

『とある船の逸話』

 

「死に行く輩に出せる予算があるとでも?」

 

彼らはそう嘲笑った。それはじわりと広がり不穏な空気へと変わる。下卑た笑みに囲まれながらも彼は答えた。

 

「この船出は、新たな地を切り開き身を捧げる者達の栄誉の死。その死には敬意を払うべきではありませんか」

 

─この船は、そうして勝ち取られたものだ。

 

 

『誕生のきっかけ』

 

スランプだ、と机で項垂れているのはもう何度目か、コーヒーを淹れながら声をかける。

「どう困ってるんです?」

「俺らしさが無い気がする」

「らしさっすか」

ふと浮かんだ顔を思いながら答えた。

「誰に使ってほしいかで考えたらどうすか? 例えば、ジルダさんとか」

 

─こうして、サークレットは誕生した。

 

 

『隔たり』

 

「オライオン、『家族』とは良いものか」

 

突然切り出されて、直ぐ言葉が出なかった。

日々兄弟で行われる命のやり取り、父である皇帝に庇われることもない。そんな方だから。

 

「……私は、かけがえのないものだと思っております」

こちらの答えに「そうか」と返すその表情を、背中越しでは見られなかった。


 
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