No.106399

真・恋姫無双「三国放浪記」第八話『束の間の日常』

シンジさん

やっと、更新できました。
ぎりぎり一ヶ月は経つ前に更新できてよかったです。
遅れてすいませんでした。

2009-11-10 23:40:04 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4960   閲覧ユーザー数:3909

あの後、街に戻ってから風と稟に戦闘の際に起こった事を報告した。

黄巾党の異変については保留となり、ついでに賭けの件についても話し合い、何故か賭けの内容が『俺が愛紗に勝てるようになるかどうか』に変わるという予想外な事を加えながらも、賭けの期限はこの乱世が落ち着くまでということになった。・・・いや、無理じゃね?

さて、話は変わるが、黄巾党の大軍を退けてから二、三日も経っていないのにも関わらず、今、俺は地獄を彷徨っている。ああ、束の間の平和とはこういうことなのか・・・束の間過ぎるぞ、平和・・・。

 

「そんな馬鹿な事を考える暇があったら、手を動かせ。その政務が終わったら私との稽古だぞ。」

 

「・・・ガクッ」

 

かずと は ちからつきた 

 

「ザオリク」

 

イン は ザオリク の じゅもん を となえた (テレテレテレッ)

 

かずと は いき を ふきかえした

 

「な、なぜ銀がその呪文を!?」

 

「お兄さんが前に言ってたんですよー。復活の呪文だって。」

 

・・・・・・覚えがない。

 

「あうー、終わらないよー・・・。愛紗ちゃーん、手伝ってー・・・。」

 

「残念ですが、愛紗殿は今調練の最中なので手伝いにはこれないかと。」

 

「じゃあ、稟ちゃんが手伝ってよー・・・。」

 

「いえ、私はこれから私用があるので・・・。」

 

ちなみに街に戻った後、桃香たちは風と稟の二人と真名を交換し合った。

 

「そうだぞ、桃香。稟はこれから新作の艶本を買いにいくという大事な用事があるんだからなー。」(にやにや)

 

「な、なぜ、じゃなく、なにを・・・!?」

 

「ん~?通りすがりのメンマ好きに聞いた。」

 

・・・星か・・・。

 

「つ、艶本・・・ですか・・・」(////)

 

「ちちち、違いますよ、桃香殿!?誤解しないように!」

 

いや、もう誤魔化せないって・・・。

 

「稟ちゃん、どちらにしても街に行くのなら、風も付き合いますよー。」

 

「・・・そうですか。では早速行きましょう。」

 

あ、逃げた。

 

「じゃあ、お兄さん、晩御飯に期待してますよー。」

 

そう言って、二人は執務室から出て行った。・・・あれ?俺が飯作ること決定?

 

「じゃあ、銀ちゃん手伝ってよー・・・」

 

「残念、今とても忙しい。逆にこっちが手伝って欲しいくらいだ。」

 

「・・・何やってんだ?銀・・・?」

 

「実はな・・・前に作った『からくり夏侯惇将軍』、覚えてるか?それが思った以上にすぐに売れて、買えなかった客の不満が爆発したらしくてな、一昨日増産が決定した。しかも勝手に。明後日までに七十体程作らなければいけないんだ。」

 

なんと・・・あの人形がねぇ・・・。横で桃香が実物見て、「すごーい!」とか言ってる通り、作りはありえないくらいすごいけど、それを増産って・・・。

 

「・・・ちなみに、あと何体?」

 

「これ入れて、あと三十八体。」

 

「いつからやってるんですか?」

 

「一昨日頼まれてからずっと。もはや作業だ。」

 

?前と比べてペースが遅いような・・・。もう飽きたのか?

 

「ああ、もう、うんざりだ!・・・はあ・・・金欠だからって引き受けなきゃよかった・・・。」

 

政務とかもあるだろうに、銀も大変なんだな・・・。ん?さっき『ずっと』とか言ってなかったか?

 

「・・・政務とかの仕事は?」

 

「放置。」

 

「駄目だろ!?そんな事してたら!・・・まさか・・・やけに仕事量が多いと思ったら、お前の分まで俺たちの方に来てるのか!?」

 

「おそらくは、てか、うん。」

 

「やっぱり!!道理でやってもやっても終わらないと思った!!」

 

「銀ちゃん、ひどーい!私もおかしいと思ってたんですよ。なかなか仕事が減らないし・・・。」

 

「いや、私の分やってるのは一刀だけだから、桃香には迷惑かけてないよ。桃香のが終わってないのは、お前の作業が遅いだけ。」

 

ちょっ、おまっ!?

 

「・・・そうなの?ううう・・・こんなところでも足手まとい・・・」

 

「いや、でも俺から見ても、桃香の仕事は普通より多いと思うんだけど・・・。」

 

「まあ、黄巾党が暴れまわってるし、その影響とかで仕事が増えているんだろうな。ということで落ち込む事はないぞ、桃香。」

 

「・・・はい・・・。」

 

銀が慰めの言葉をかけるが、落ち込む桃香。まあ、自分が足手まといだと思うと落ち込むよな・・・。その気持ち、よくわかる・・・。それよりお前は仕事しろよ・・・。

「あっ、そういえばさ・・・。」

 

「ん?」

 

「今更なんだが、こうして普通に政務をこなしているけど、俺たちがやってもいいのか?」

 

「え?どういうこと?別に不思議に思う事じゃないよね?」

 

「まあ、普通ならここまで深い案件はまわすべきじゃないけどな・・・。」

 

「?どういうことですか?」

 

「例えば、兵なら誰でも知っているこの警備の巡回表にしても、敵さんにとっては重要な情報であるわけだ。もしこれが敵に知られたらそれだけでこちらは不利になる。なら、もっと重要な案件が外に漏れたら大変な事になる。」

 

「・・・それと私たちが政務をする事に何か関係があるんですか?」

 

「私たちもお前たちもハムの正式な臣下じゃなくて客将だろ?いつかハムと別れる可能性が高い。いくら使えるからってそんな人材に、簡単なのだけならともかく、重要なのも任せるなんて事をするのは、よっぽどの自信家か、よっぽどの間抜けか、よっぽどの馬鹿か、よっぽど人手が足りないか、よっぽどのお人好しか、よっぽどのハムかのどれかだ。」

 

「「よっぽどのハムってなんだ!?」」

 

思わず突っ込んでしまった。いや、突っ込むだろ、ふつーは。・・・って、今白蓮の声が聞こえた様な・・・。声の方を見ると白蓮が涙眼になって俺たちの方を見ていた。おそらくさっきからの銀の発言によるものだろう。

 

「え!?白蓮、いたの!?」

 

どこから聞いてたんだろう?

 

「な、なに言ってるんですか、一刀さん。最初からいたじゃないですか~。」

 

うそ!?いた!?そんな気配は全然・・・

 

「・・・・・・私が来たの、さっきなんだけど・・・『今更なんだが・・・』っていう辺りから・・・ぐすん・・・。」

 

「え!?えーっ!?」

 

・・・桃香も気付いてなかったのか・・・。それでそれを本人に知られたら気まずいから気付いてたフリをしようとしたら、それ以上に気まずくなってしまったと・・・。

 

「どーせ、私は影の薄い、どうしようもない馬鹿でお人好しだよー!」

 

そう言って、白蓮は執務室から出て行った。って仕事しに来たんじゃないのか?

 

「・・・やっぱりハムをからかうのは楽しいな。」

 

「・・・あんまりいじめてやるなよ・・・」

 

「そうだよ~。白蓮ちゃん、かわいそうじゃないですか~。」

 

・・・桃香が地味に一番酷かったと思うのだが・・・。

 

「だが、私は事実をいったまでだ。私たちの内、何人かは確実にこの陣営から離れる事になる。」

 

「どういうことですか?」

 

「例えば、私たちの中でも、稟は今も曹操の下に仕えたいって思ってるだろうし、もしそうなったら、風はたぶん稟についていくだろうし、私も星も一刀もまだわからんが、ここからいつかは出て行くかもしれない。桃香たちだっていつかは自立していくつもりだろう?それであのお人よしならそんな事になっても引き止めたりせずに、むしろ食糧とか色々お節介焼いて見送るだろうな。」

 

確かに・・・。すこし失敗したかな、という顔を浮かべて、それでも快く見送る白蓮の姿が目に浮かぶ・・・。

 

「まあ、それでも、ハムもそこまでの馬鹿じゃないからな。たぶん私たちのうちの誰かがここを離れる事になっても、自分の不利になるような事にはならないって信じてるんだろうな。もちろん楽観的とかじゃなく、私たちを信用しているからこそな。上に立つものとしては人が良過ぎる。」

 

・・・なんだかんだ言いつつ、銀も白蓮の事を信用してるんだな。

 

「・・・銀ちゃんは白蓮ちゃんの所からどこかへ行く気はあるの?」

 

「どうだろうな。でもまあ、とりあえず、私たちがいなくなっても何とかなるようにはするつもりだ。」

 

そう言って、銀はまた絡繰を作り始めた。・・・って仕事しろよ!!

さて、所かわって訓練場(鍛錬場?)。なんとか政務との折り合いがつき、今度は地獄の鍛錬の始まりDEATH。今ここにいるのは俺を入れて三人、って三人?

 

「じゃあ、始めるぞ。」

 

「よろしくお願いします!」

 

「・・・・・・」

 

・・・何故桃香がここにいるのだろう?

 

「・・・桃香?なんでここにいるの?」

 

「え?私も銀ちゃんに鍛えてもらおうかな~、と思って・・・」

 

「なんて無謀な・・・」

 

「そんな事ないよ!私だってやればできるんだから!」

 

「とりあえず鍛錬する事は、不利にはならないからやっても良いだろうと私が判断した。まあ、死ぬ事はないだろう。」

 

いや、確かに死なないだろうけど、普通に死ねますよ、多分。あ、桃香も少し不安になってきたみたいだ。

 

「それで鍛錬するにあたって、桃香にはこの鎧を着てもらう。これは普通の重さだから桃香でも着れるだろう。あ、服の上からでいいから。」

 

「わかりました。」

 

そう言って桃香は鎧を着ようとする。

 

「よいしょ・・・あれ?うーん・・・うーん!」

 

・・・・・・うん?おかしいな?何を手こずっているんだ?

 

「うーん!・・・胸が、つっかえて、・・・えいっ!・・・やっ!・・・ふっ!」

 

奮戦する桃香。しかしそれでも鎧を着ることが出来ない。あの大きな胸のせいで。どうやら桃香に普通の鎧は着れないようだ。そう、あの大きな胸のせいで。大事な事なので二回言いました、はい。

 

「な、なんだと・・・そのことを考慮しての鎧の大きさだったのに・・・・・・まさか、そこまででかいとは・・・!・・・最早私に手はない・・・。・・・すまない、私の情報不足だった・・・!!」

 

銀が、あの銀が、本気でうなだれている。・・・まあ、情報通の銀にとって、この誤算はよほど悔しかったようだ。

 

「うぅ・・・やっぱり胸が・・・。」

 

桃香も桃香で何故か、へこんでる。いや、その胸は誇るべきものだと・・・・・・ナンデモナイデスヨ。

 

「二人とも、そこまでへこまなくていいと思うんだけど・・・。」

 

特に桃香は。落ち込む理由がわからない。その胸は誇るべk・・・・・・ナンデモナイデスヨ。

 

「・・・そうだな。じゃあ、鍛錬を始めるか。桃香は鎧つけなくていいぞ。」

 

「うぅ・・・はーい・・・。」

 

気を取り直して鍛錬が始まった。まあ、初めての桃香もいることだし、今日の鍛錬は軽めになるんだろうな。

 

・・・そんな甘い事を考えていた時期もありました。

 

※ここからは音声情報のみでお楽しみください※

 

 

ドガッ!!ガキンッ!!バキッ!!「ちょ、まっ」グシャッ!!ボキッ!!

 

ガシッ!!「ひえっ!!」・・・ぺちっ・・・・・・「・・・あれ?」「さっ、差別だっ!!」ズバッ!!

 

「てーい!!」スカッ!!「・・・あれ?」「と、桃香、後ろだ!」「へ?」「でこぴん!」バシッ☆「・・・ぅぅ~!!」「い、痛そうだ・・・。」

 

「フハハハハ!!死ね死ね死ねぃっ!!」ズガガガガガガガッ!!「死ぬ、死ぬ、ほんとに死ぬ!!てか今死ねって言った!?」

 

「そらそらそらそらそらぁっ!!」ドガガガガガッ!!「た、助けて、愛紗ちゃーん!!」「痛ッ!!いい加減に・・・!!」パララララララッ!!「うわっ!!危なっ!!」「ひぃぃ!!」

 

ひゅ~・・・「あっ危ない、桃香!!」「え?一刀さ・・・」ドカーンッ!!「ぐはっ!!」「か、一刀さ・・・!?」とんッ!・・・どさっ・・・「後は一刀、お前だけだ・・・。」「銀、お前、俺でストレス発散しようとしてないか!?」「すとれす?なんだそれは。私はただ、単調な作業と化した絡繰作りで溜まったやり場のない鬱憤を、代わりにお前で晴らしているだけだッ!!」ドンッ!!「ぐはっ!!や、やっぱりそうじゃないか!!くそっ!!俺だって・・・俺だって・・・ストレスが溜まってるんだー!!」「うるさいッ!!」バキッ!!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・「はっ!?」「うう~ん・・・あれ?」「起きたか、さあ、鍛錬を再開しようか・・・!!」「えっ!?まだやるんですか!?」「死ねるぞ!?」「問答無用!!」「ま、まさか!?これエンドレs・・・」

 

 

※まで戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・その後、一刀達を見た者はいなかった・・・。

 

 

・・・・・・・・・・・・う~ん、なんだか眠い・・・体が動かない・・・

・・・動けたとしても動きたくない・・・でも早く起きないと愛紗ちゃんに怒られるし・・・あれ?私いつ寝たんだっけ?

えーっと、確か・・・朝起きて、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんと風ちゃんと稟ちゃんの五人でご飯を食べて・・・

その後、街に警邏にいく鈴々ちゃんと兵さん達の調練にいく愛紗ちゃんと別れて、三人で執務室に向かってる途中で話をしていた一刀さんと星ちゃんの二人と会って、私たちも話に加わって・・・星ちゃんも調練に向かうらしくてそこで別れて・・・

一刀さんも含めた四人で執務室にいったらもう銀ちゃんが来ていて・・・しばらく政務の仕事をして・・・

稟ちゃんと風ちゃんの二人が用事があるとかで執務室から出て行って・・・

・・・その後何かあった気もするけど・・・まあいいや・・・

それである程度政務が終わったところで銀ちゃんと一刀さんが鍛錬をするってきいて私にも稽古をつけてもらおうって思って・・・鎧が着れなくて・・・

・・・そのあと・・・そのあとは・・・はっきりと思い出せないけど、すごく怖い思いをしたっていうのは覚えてる。

それでそのあとは・・・そのあと?・・・そのあとの記憶がない・・・もしかしてあのまま気を失っちゃったのかな?

・・・そういえばさっきから身体が揺れてる気がする・・・

・・・もしかして誰かが私を運んでる?・・・銀ちゃん?それとも・・・

よし!とりあえずこの重いまぶたをあけてみよう。

開いたまぶたから光が差し込んでくる・・・!

そしてそこには―――

 

まあ、そんなゲームオーバー的な事にはならない訳でして。

でも身体中が痛い。・・・でもあれだけの事をされておいて、それだけで済んでる俺の身体も少し怖い。慣れてる俺はこの程度で済んでるんだけど、初めて銀の鍛錬に付き合った桃香は俺の比ではないだろう。事実、桃香はつぶれてしまって、今俺に背負われる。

いつもなら鍛錬後に銀が色々と労わってくれるのだが、今日は鍛錬が終わった後、すぐにどこかに行ってしまって、一人で動けない桃香を放置するわけにもいかず、しかたなく桃香の部屋まで運ぶ事にした。

・・・本当は桃香の胸が背中に当たったりして役得なんだろうけど、普段から俺はとっっっっっても重い鎧を着ているわけで、残念ながら桃香の胸が当たっても鎧のせいでその感触がないわけで、というかさっきからすれ違うここの文官や兵達に変な目で見られているような気がするし・・・。はあ・・・今日は厄日か?

あ、そういえば今日の晩飯作れって風が言ってたな。とりあえず風と稟、それに銀も食べるだろうし、星もどこからか話をきいてきて絶対食べに来るな。桃香に愛紗に鈴々も食べそうだな、特に鈴々が。それに俺の分も入れて・・・とりあえず八人分か・・・あ、白蓮の分もいれて九人分、少し多めに十人分作るか。とりあえず桃香を部屋に運んで・・・

 

「あっ!お兄ちゃんなのだ!」

 

「どうしたのだ?そんなぼろぼろになって・・・。」

 

「なに、いつものように銀にしごかれたのだろう?」

 

色々と考えていたら、鈴々と愛紗と星にエンカウントした。

 

「うん、まあね。・・・途中から鍛錬というより銀のストレス発散になっていたような気もするけど・・・。」

 

「すとれす?なんだそれは?聞いた事もない言葉だな。」

 

「その“すとれす”というのもお主の国の言葉か?どういう意味だ?」

 

「ああ、えーっと・・・簡単にいえば、不満とか鬱憤とか、そんな感じの意味かな。」

 

厳密には少し違う気もするけど、まあ、大体そんな感じだろうしいいか。

 

「なるほど・・・ところで、何故一刀殿の背で桃香様が寝ているのだ?」

 

・・・何故愛紗さんはそんな顔をしているのかな?別にやましい事はないし、そんな不機嫌そうな顔しなくてもいいじゃないか。

 

「今日の鍛錬、桃香もいっしょにやってさ、最終的に潰れてしまった桃香をこうして運んでいるわけだ。」

 

「・・・そうか、それはすまなかったな。それにしても何故桃香様が鍛錬を?」

 

俺への疑いは晴れたようだが、疑問が残ったらしい。

 

「さあ?もしかしたら自分が足手まといになってると思って何かしないと、とか思ったのかもしれないな。別にそんな事もないのに。」

 

まあ、自分が足手まといになりたくないという気持ちはよくわかるけど。

 

「鈴々はお姉ちゃんのこと足手まといだなんて思った事はないのだ。確かに桃香お姉ちゃんは戦えないけど、いっしょにいるだけで気持ちがこう、ほわわわーんってなって、落ち着くのだ。」

 

確かに鈴々の言っている事はわかる。でも何か違う気もするんだけど・・・何でだろう?

 

「そのような抽象的な言い方はどうかと思うが、確かに私も桃香様を足手まといだとは一度たりとも思った事はない。」

 

鈴々の抽象的過ぎるコメントにツッコミながらも愛紗もほとんど同じ意見らしい。まあ、俺もそうなんだけど。

「・・・ところで、何故桃香殿は寝たふりをしているのですかな?」

 

「え?」「(ぎくっ!)」

 

星の発言に背中で眠っていたはずの桃香が反応した。

 

「・・・・・・桃香?」

 

「・・・・・・ぐ、ぐぅ~・・・」

 

わ、わざとらしすぎる・・・。

 

「・・・桃香様?」

 

「・・・・・・う、うぅ~ん・・・」

 

・・・いや、もう誤魔化せないって。

 

「・・・往生際が悪いのだ。」

 

「うぐっ!・・・・・・そんな事ないもん。」

 

・・・その発言自体が鈴々の発言を肯定してることになってるって桃香は気付いてるのか?

 

「・・・どうして寝たフリなんかしていたんだ?」

 

「べ、別に最初から寝たフリをしてたわけじゃないよ!気が付いたときにはもう一刀さんに背負われてて、声をかけようとも思ったんだけど、なんだか居心地がよくて、もう少しだけこのままでもいいかな、って思ってたところに愛紗ちゃんたちが来たんだよ!ほんとだよ!」

 

それなら声をかけて欲しかったんだけど・・・みんな何か変な目で見てくるんだぞ・・・。

 

「とりあえず、一刀殿も疲れている事だろうし、桃香様は私が運ぼう。怪我の有無も確かめねばならないからな。」

 

「ああ、頼むよ。」

 

うん、実にありがたい提案だ。とりあえず好奇の目に晒されるのからは開放されそうだ。

 

「ええ~!?もう少しだけこうしてたいのに~。」

 

「と、桃香様!?」

 

「お姉ちゃんはわがままなのだー。」

 

「ふふ、このようなことを言われて、少し嬉しいのだろう?一刀よ。」

 

・・・うん、まあ、嬉しいんだけど、このあと晩飯を作らないといけないからなー。

 

「あ、そうだ、今日、風に晩飯作ってくれって言われたんだけど、星たちの分もいるか?」

 

「・・・一刀殿は料理できるのか?」

 

「そういえば、執務室で風ちゃんが言ってたな~。そんなにおいしいの?」

 

「うむ、一刀の料理は絶品だぞ。・・・まあ、さすがに私一押しの特選メンマほどではないがな。」

 

言っておくが、星一押しの特選メンマは半端なくうまい。『まあ、付け合せ程度だろう』という俺のメンマに対する見解が180°変わったぐらいだ。・・・まあそれでも毎食のように食いたいとは思わないが・・・。

 

「無論、私は食べにいくぞ。」

 

「鈴々もー!鈴々もー!食べに行くのだー!」

 

「私も私も~。絶っっっ対に、食べにいくからね。愛紗ちゃんもいくでしょ?」

 

「はい。私も一刀殿の料理は少し気になりますから。」

 

「それじゃ、準備しとくから、またあとで食堂で。」

 

「うむ、楽しみにしているぞ。」

「いっっぱい用意しといて欲しいのだー。」

「さあ、桃香様。立てますか?」

「う、うぅ~・・・ちょっと、厳しいかも・・・。」

 

そのあと、食堂で銀、風、稟の三人とも合流して、俺の作った料理をみんなに振舞った。好評だったのは良かったんだけど、鈴々の食べる量が半端じゃなかった。あの体のどこに入っているのやら・・・。・・・・そういえば、どうして白蓮は来ていないんだろうか?確かに誘ったはず・・・ん?あれ?そういえばあの後白蓮と会ったっけ?

 

・・・・・・・・・あっ!!しまったっ!!

あとがき・・・・・・という名の言い訳

 

どうも、シンジです。えーと、とりあえず・・・・・・すみませんでしたーーーッ!!!m(_ _)m

前回の更新からすでに一ヶ月近くも経ってしまいました。程々に忙しかった上に、日常編の話が思い浮かばなかったという、なんとも情けない理由で遅れてました。えっ?新型インフル?そんなものとは無縁でしたよ。って、すいません、威張って言う事じゃないですね、はい・・・。

 

今回の話ですが、日常編ですね。うん、平和です。いつも通りです。ハムは頑張れ。何気に桃香が一番ひどい。桃香に悪気はないのです。なんとかフォローしようとしているんだけど、それが逆にハムを傷つけてしまうだけなのです。・・・余計、性質悪いな・・・。

 

次回は、ついに白蓮から離れられればなー、と思っています。まあ、題名が放浪記ですから、とりあえずは離れます。親離れならぬハム離れですかね。とりあえず、劉備一行とは離れます。

 

それでは、次回はもっとはやく更新できるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

その頃、白蓮はというと・・・・・・

 

「うぅ・・・腹減ったなぁ・・・そろそろ飯時か・・・北郷たちはどこで何してるんだ?」

 

執務室にて昼間に出来なかった(しなかった)政務を一人寂しく片付けていた。


 
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