瑠璃とダークリンクとの戦いが始まった。

「はっ！」

　ルカリオは、片思いされている瑠璃をはっけいで攻撃するが、瑠璃は彼の攻撃を見切ってかわす。

「うおりゃ！」

　ピカチュウはダークリンクに電撃を落として痺れたところに突っ込んで吹っ飛ばす。

　そこにベルが大鎌で斬りかかった後、シャドウが拳銃で瑠璃の腹部を撃つ。

「ウグッ……」

「瑠璃、正気に戻れ！　アイスボール！」

　マリオは瑠璃にアイスボールを放ち、凍らせる。

　瑠璃は氷を振り払ってマリオに平手打ちした。

「……キリサク」

「おっと！」

　ダークリンクは暗黒剣に力を溜め、振り下ろしてベルを切り裂こうとしたが、ベルはギリギリのところで彼の攻撃をかわして大鎌で反撃する。

「危ないじゃないの、どうしてくれるのよ」

「……コロス」

「きゃあ！」

　ダークリンクは感情のない声で、もう一度ベルに斬りかかった。

　まともに食らったベルは腕を押さえて苦しむ。

「っつ～、なんという力なの。か弱い私になんて事をするの？」

「カヨワイ……？」

「いや、お前は違うｄぐぼはぁぁぁぁぁぁ！！」

　ピカチュウが突っ込みを入れようとすると、ベルが大鎌の柄でピカチュウを殴った。

「あら、ごめんなさい。手が滑っちゃったわ」

（わざとだろ……）

　ピカチュウは言うとまたベルに殴られるため、口には一切出さなかった。

「チャバンハドウデモヨイ。ハラッテヤル」

　ベルとピカチュウのやり取りに苛々した瑠璃は、光の玉をシャドウに向けて飛ばす。

　シャドウは飛び上がって攻撃をかわし、サブマシンガンを撃って反撃する。

　弾丸は瑠璃だけでなくダークリンクにも命中し、彼に浅くはない傷を負わせた。

「「ライトニング・ハンマー！」」

　カービィはハンマーを取り出し、ピカチュウは彼のハンマーに電撃を落とし、そのまま雷を纏ったハンマーを瑠璃に振り下ろす。

　攻撃が瑠璃に命中し、大ダメージを与えるとハンマーから電撃が飛び散り、瑠璃とダークリンクの身体を痺れさせる。

「ウググ……ナマイキナ……。カミナリヲ……」

「使うなというのか？」

「させん！」

　シャドウは指を鳴らし、時空の歪みを発生させてダークリンクを巻き込む。

　その隙にルカリオはダークリンクに突っ込んで波導を纏った蹴りを浴びせた。

「ルリルリ！　ダクリン君！　僕の目、見える？　僕の声、聞こえる？　ねぇ、お願い、目を覚ましてよっ！」

　カービィは瑠璃とダークリンクの戦意を削ぐため、二人に大きな声で呼びかけた。

　しかし、ダークリンクは反応するどころか、武器を強く握ってカービィに斬りかかってきた。

　瑠璃も、カービィを光の柱で打ち据えようとする。

「うわあぁぁぁ！」

　カービィは倒されるのを覚悟し、両手を構えて防御し目を閉じた。

　だが、いくら待っても、カービィは傷を負わなかった。

　一体どうなったんだろうとカービィが前を見ると、ベルがカービィを庇って瑠璃の光の柱とダークリンクの剣に貫かれていた。

「ベルベル……！」

「大丈夫よ、私が守ったから……」

　ベルは苦悶の表情を上げながら項垂れていた。

　カービィは自身を庇ったベルを見て放心している。

　そして、ベルは「ぐふっ」と言った後、ばたりと倒れ、戦闘不能になった。

「ヒトリ、タオレタカ」

「キーラサマニササゲルイノチ、イタダク」

「させないぜ！　アイアンテール！」

　ダークリンクがベルの胸を魔剣で刺そうとするとピカチュウが鋼のように固くした尻尾でダークリンクを打ち据える。

「おりゃっ！」

「えーい！」

　マリオのファイア掌底とカービィのキックが瑠璃を打ち据える。

　瑠璃はシャドウに向けてお札を投げつけるが、シャドウはかわし、容赦ない一撃を叩き込んだ。

「僕の邪魔をする気か？　容赦はしない」

「ナマイキナ……」

「それは、どっちの事だ？」

　シャドウは丸くなって目に見えないスピードでダークリンクに体当たりした。

　ダークリンクは反応できず、吹っ飛ばされる。

「はどうだん」

　ルカリオは吹っ飛んだダークリンクに対し、はどうだんで追撃をする。

　ダークリンクは体勢を整え直し魔剣に力を溜める。

「まずい、止めるぞ！」

「ジャマハサセヌ」

「ぐあ！」

　マリオがダークリンクの攻撃を止めようとするが、瑠璃がお札を投げてを放ちマリオを怯ませる。

　ダークリンクの魔剣は、キーラの如く禍々しく光り輝いていた。

　そして、ダークリンクが大きく剣を振り下ろした瞬間。

「マリオはやらせん！」

「……！？」

　ルカリオが瑠璃、ダークリンク、マリオの間に割って入り、ダークリンクの攻撃をもろに受ける。

　ダークリンクは、この予想外の事態に驚き、目をぱっくりと見開いていた。

「ル、ルカリオ！？」

「心配するな……私は死なない……。そなた達ならば……あの二人を解放できると信じている……」

　そして、そのままルカリオは倒れ、ベルと同じように動かなくなった。

「チッ……ナラバ、コンドハコイツダ」

　ダークリンクは倒すべき対象を倒せず、舌打ちしてシャドウに斬りかかるもその攻撃は当たらなかった。

　ピカチュウは遠くから瑠璃にエレキボールを放って攻撃する。

「コウリン」

　瑠璃は光の輪を飛ばしてマリオ達をまとめて切り裂く。

「危ねっ！」

　マリオ達はシールドを張って攻撃を防ぐが、体力は徐々に削られていく。

　こちら側の戦力も、二人減っている。

　このまま不利な状況が続けば、全員瑠璃とダークリンクに倒されてしまい、希望の光が完全に失われる。

　どうにかならないかとカービィがあたふたしていると、彼の身体が淡く光り輝く。

　何事かとカービィが振り向くと、そこではアイシャが祈りを捧げていた。

「マスターハンド様……聞こえますか？　わたしですわ……アイシャです」

「グゥ……」

　瑠璃とダークリンクは不愉快そうに顔をしかめた。

　その光は、二人が纏う禍々しい光とは違った、温かく優しいものだった。

「アイシャ！」

「お願いです……どうか、あの二人をキーラの呪縛から解放してください……！」

　アイシャが強く祈ると、カービィを取り囲んでいた光が強く輝いた。

　彼女の祈りがマスターハンドに届き、カービィに力を与えたのだ。

「ググググウウウウ……！」

　その眩い光に不快感を感じた瑠璃とダークリンクは目を塞ぐ。

　今がチャンスと、マリオはカービィに叫ぶ。

「やれっ、カービィ！」

「うん……！」

　カービィは頷くと地面を蹴り、空を飛んで瑠璃とダークリンクの懐に飛び込む。

　そして、瑠璃とダークリンクの腹に拳が届くと、手から光が迸り、二人に光が流れ込む。

「グアアアアアアアアアアア！」

「アアアアアアアアアアアア！」

　瑠璃とダークリンクの絶叫が響き渡る。

　マリオ、カービィ、ピカチュウ、シャドウは必死で目を閉じて耐えた。

　声は小さくなり、やがて尾を引いて消えた。

「……やった……！」

「……勝った……！」

　そう……操られた瑠璃とダークリンクに、マリオ達は勝利したのだ。